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キャスター Research Memo(1):2024年8月期は増収も、成長加速に向けた先行費用により営業損失の見通し
配信日時:2024/08/29 14:41
配信元:FISCO
*14:41JST キャスター Research Memo(1):2024年8月期は増収も、成長加速に向けた先行費用により営業損失の見通し
■要約
キャスター<9331>は、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの下、人手不足に悩む中小企業とリモートワーカーをつなぐプラットフォームを軸とする人材サービスを提供している。2023年10月4日に東証グロース市場に上場した。フルリモートワークの駆使と独自システムの開発により、小ロット・月額で人的リソースを提供する使い勝手の良いサービスを実現し、中小企業向けに高成長を継続してきた。いわゆるマッチング型クラウドソーシングやBPOとは一線を画した特異なポジションにより新たな市場を開拓し先取りしている。累計利用社数はスタートアップ及び中小企業を中心に4,800社を超える。従業員数は高い採用力を背景に約830名を確保し、2014年創業以来、フルリモートワークによる組織運営を実践してきた。日本の労働人口減という問題に対してリモートワークのメリットを最大限活用した有効な解決策を提示することで、労働バイアスを解消し事業の拡張と社会への貢献を果たす考えだ。また、足元ではBPaaS※への進出やAI技術の活用など、今後の事業拡大に向けた具体的な動きが活発化してきた。
※SaaSやITツールを活用し、業務の効率化を図った上で業務プロセスそのものを提供するサービス。
1. 2024年8月期第3四半期の業績
2024年8月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比6.6%増の3,316百万円、営業損失が56百万円(前年同期は19百万円の損失)と増収ながら損失幅が拡大した。売上高は、単価の高い専門領域サービスが好調であったことや大型顧客獲得による契約時間の延長によりARPUが上昇し増収に寄与した。一方、稼働社数については、アドフラウドの影響(詳細は後述)を受け、広告投資を一時的に抑制したことでやや伸び悩んだ。ただ、稼働社数を除くと、ARPU、解約率、MRR(継続案件の月間売上高)といったKPIはそれぞれが改善し業績の底上げに寄与している。損益面では、増収効果及びARPU上昇に伴う原価率の改善により、売上総利益では増益を確保したものの、広告投資を徐々に増額したことで営業損失が拡大した。特に第3四半期における広告投資の増額はアドフラウドの影響を踏まえ、広告アロケーションの検証を実施したうえで行っており、その結果、顧客獲得にも回復の兆しが見えてきたようだ。活動面では、SaaSベンダーとの業務提携やAI技術の活用を目的とした他社との連携を相次いで実施し、今後に向けて注目すべき成果をあげることができた。
2. 2024年8月期の業績予想
同社は、第3四半期までの業績や第4四半期での広告投資の増額方針を踏まえ、個別業績予想を下方修正するとともに、2024年6月1日付けのグラムス(株)連結化に伴い、新たに連結業績予想を公表した。修正後の個別業績予想については、売上高を4,450百万円~4,550百万円(前期は4,179百万円)、営業損失を230百万円~150百万円(前期は2百万円の利益)、連結業績予想については、売上高を4,500百万円~4,600百万円、営業損失を240百万円~160百万円と見込んでいる。なお、年間の広告費及び販促費については、期初計画の261百万円から、340百万円~380百万円の範囲へと増額する方針である。これにより売上高及び利益額も変動することから、レンジ形式での業績予想となっている。
3. 成長戦略の方向性
同社は、既存事業の強化とセグメントの拡大の両輪で売上成長を加速させる方向性を打ち出している。既存事業については、バックオフィス領域の中でも、専門性が高く人材不足が顕著である経理・労務領域を強化する。一方、セグメントの拡大に向けては、現在のバックオフィス領域から、コンサルティングやマーケティング、エンジニアリング領域など、既に顧客からのニーズが寄せられている領域への進出を検討している。また、事業領域の拡大及びチャネル拡充にあたっては、これまでのWaaSからBPaaSへと進出し、人材供給のサードパーティとしての立ち位置により、各種プラットフォーマーとの業務提携を推進する戦略である。
■Key Points
・フルリモートワークを駆使した独自の人材プラットフォームを展開し、主に中小企業向けに高収益を実現
・2024年8月期第3四半期は増収ながら広告投資の増額により営業損失が拡大
・2024年8月期の通期業績についても、成長加速に向けた広告投資の増額により下方修正
・今後も、既存事業の強化とセグメントの拡大の両輪で売上成長を加速させる方向性。BPaaSへの進出やAI技術の活用にも積極的に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SO>
キャスター<9331>は、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの下、人手不足に悩む中小企業とリモートワーカーをつなぐプラットフォームを軸とする人材サービスを提供している。2023年10月4日に東証グロース市場に上場した。フルリモートワークの駆使と独自システムの開発により、小ロット・月額で人的リソースを提供する使い勝手の良いサービスを実現し、中小企業向けに高成長を継続してきた。いわゆるマッチング型クラウドソーシングやBPOとは一線を画した特異なポジションにより新たな市場を開拓し先取りしている。累計利用社数はスタートアップ及び中小企業を中心に4,800社を超える。従業員数は高い採用力を背景に約830名を確保し、2014年創業以来、フルリモートワークによる組織運営を実践してきた。日本の労働人口減という問題に対してリモートワークのメリットを最大限活用した有効な解決策を提示することで、労働バイアスを解消し事業の拡張と社会への貢献を果たす考えだ。また、足元ではBPaaS※への進出やAI技術の活用など、今後の事業拡大に向けた具体的な動きが活発化してきた。
※SaaSやITツールを活用し、業務の効率化を図った上で業務プロセスそのものを提供するサービス。
1. 2024年8月期第3四半期の業績
2024年8月期第3四半期の業績は、売上高が前年同期比6.6%増の3,316百万円、営業損失が56百万円(前年同期は19百万円の損失)と増収ながら損失幅が拡大した。売上高は、単価の高い専門領域サービスが好調であったことや大型顧客獲得による契約時間の延長によりARPUが上昇し増収に寄与した。一方、稼働社数については、アドフラウドの影響(詳細は後述)を受け、広告投資を一時的に抑制したことでやや伸び悩んだ。ただ、稼働社数を除くと、ARPU、解約率、MRR(継続案件の月間売上高)といったKPIはそれぞれが改善し業績の底上げに寄与している。損益面では、増収効果及びARPU上昇に伴う原価率の改善により、売上総利益では増益を確保したものの、広告投資を徐々に増額したことで営業損失が拡大した。特に第3四半期における広告投資の増額はアドフラウドの影響を踏まえ、広告アロケーションの検証を実施したうえで行っており、その結果、顧客獲得にも回復の兆しが見えてきたようだ。活動面では、SaaSベンダーとの業務提携やAI技術の活用を目的とした他社との連携を相次いで実施し、今後に向けて注目すべき成果をあげることができた。
2. 2024年8月期の業績予想
同社は、第3四半期までの業績や第4四半期での広告投資の増額方針を踏まえ、個別業績予想を下方修正するとともに、2024年6月1日付けのグラムス(株)連結化に伴い、新たに連結業績予想を公表した。修正後の個別業績予想については、売上高を4,450百万円~4,550百万円(前期は4,179百万円)、営業損失を230百万円~150百万円(前期は2百万円の利益)、連結業績予想については、売上高を4,500百万円~4,600百万円、営業損失を240百万円~160百万円と見込んでいる。なお、年間の広告費及び販促費については、期初計画の261百万円から、340百万円~380百万円の範囲へと増額する方針である。これにより売上高及び利益額も変動することから、レンジ形式での業績予想となっている。
3. 成長戦略の方向性
同社は、既存事業の強化とセグメントの拡大の両輪で売上成長を加速させる方向性を打ち出している。既存事業については、バックオフィス領域の中でも、専門性が高く人材不足が顕著である経理・労務領域を強化する。一方、セグメントの拡大に向けては、現在のバックオフィス領域から、コンサルティングやマーケティング、エンジニアリング領域など、既に顧客からのニーズが寄せられている領域への進出を検討している。また、事業領域の拡大及びチャネル拡充にあたっては、これまでのWaaSからBPaaSへと進出し、人材供給のサードパーティとしての立ち位置により、各種プラットフォーマーとの業務提携を推進する戦略である。
■Key Points
・フルリモートワークを駆使した独自の人材プラットフォームを展開し、主に中小企業向けに高収益を実現
・2024年8月期第3四半期は増収ながら広告投資の増額により営業損失が拡大
・2024年8月期の通期業績についても、成長加速に向けた広告投資の増額により下方修正
・今後も、既存事業の強化とセグメントの拡大の両輪で売上成長を加速させる方向性。BPaaSへの進出やAI技術の活用にも積極的に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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