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日プロ Research Memo(1):社会インフラを支えるシステム開発・ITサービス企業
配信日時:2024/08/28 15:01
配信元:FISCO
*15:01JST 日プロ Research Memo(1):社会インフラを支えるシステム開発・ITサービス企業
■要約
日本プロセス<9651>は独立系のシステム開発・ITサービス企業である。1967年の創業以来、安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御システム、及び社会インフラを支える機器の組込システムの開発で培った高い品質と信頼性を強みとしている。
1. システム開発・ITサービス業界で、独自のポジションを確立
事業セグメントは制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューションの5分野(2024年5月期より航空宇宙関連を産業・ICTソリューションから特定情報システムへ移管)としている。エネルギー関連、交通関連、車載制御・車載情報関連、危機管理関連、航空宇宙関連、建設機械関連、、クラウド関連、IoT関連などの分野に幅広く展開し、それぞれの分野で大手優良顧客と強固な信頼関係を構築しているため受注競合が少なく、顧客からの直接受注(元請け)比率がほぼ100%であることが安定収益につながっている。システム開発・ITサービス業界において、他社との差別化を図り、独自のポジションを確立していることが特長だ。
2. 2024年5月期は増収増益着地
2024年5月期の連結業績は売上高が前期比6.1%増の9,468百万円、営業利益が同5.3%増の956百万円、経常利益が同4.2%増の1,008百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.0%増の730百万円だった。おおむね前回予想(2024年4月23日付で上方修正)水準の増収増益で着地した。売上高、営業利益とも3期連続で上場来最高を更新した。売上面は全セグメントが増収と順調だった。期首に計画した案件を着実に受注したことに加え、大規模案件の増加やサービス価値向上による受注単価上昇なども寄与した。コスト面では人的資本投資によって人件費や採用費が増加し、川崎事業所新設に伴って一過性となる事業所移転費用が発生したが、全体として増収効果や生産性向上効果などで吸収した。
3. 2025年5月期も増収増益予想、さらに上振れ余地
2025年5月期の連結業績予想は売上高が前期比5.6%増の10,000百万円、営業利益が同4.6%増の1,000百万円、経常利益が同5.1%増の1,060百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.4%増の755百万円としている。受注が高水準に推移して増収増益予想としている。社員の待遇維持と競争力維持に向けた賃上げ、積極的な人材採用、大規模案件をこなすマネジャーやリーダーの育成に向けたPM教育の拡充、ITアーキテクト育成に向けた高度具技術教育の拡充、ハイブリッド勤務の継続や事業所の新設・統廃合といった働きやすい環境整備への投資など、持続的成長に向けた先行投資を考慮して小幅な伸び率にとどまる見込みとしている。ただし、同社は期初時点では保守的な予想を公表する傾向が強いことに加え、全体として受注環境が良好であること、生産性向上やサービス価値向上に向けた継続的な取り組みの効果が期待できること、自動車システムで前期発生した一過性となる事業所移転費用が一巡することなどを勘案すれば、弊社では会社予想に上振れ余地があるだろうと考えている。
4. 第7次中期経営計画を策定、配当性向目標は66%に引き上げ
2024年5月に策定した新中期経営計画「第7次中期経営計画」(2025年5月期~2027年5月期)では、経営目標値に最終年度2027年5月期の売上高120億円以上、営業利益12億円以上、ROE8%以上を掲げた。また株主還元については2025年5月期より配当方針を変更し、安定的な配当の継続と連結配当性向を66%目標(従来はおおむね50%以上目標)とするとともに、新中期経営計画期間中については累進配当政策を導入する。基本方針は前中期経営計画から継続して、人材育成やT-SES(トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス)のトータル度向上による生産性向上、新規設計案件や大規模案件の受注拡大、採用強化やビジネスパートナーの拡大による技術者増加などにより、前中期経営計画以上の成長を目指すとしている。
5. 着実な成長の実現を評価、今後は成長スピード加速の可能性にも注目
同社は、多くの企業がひしめくシステム開発・ITサービス業界において「規模は小粒ながら独自のポジション」を確立している。社会インフラを支える機器の組込システムの開発で培った高い品質と信頼性を強みとして、営業利益率は2023年5月期に10%超を達成、ROEは2024年5月期に7.1%まで上昇するなど、人材育成やT-SESのトータル度向上という戦略によって着実な成長を実現している。この点を弊社では高く評価している。さらに、従来の中期経営計画では経営目標数値を未公表としていたのに対して、新たな第7次中期経営計画では具体的な経営目標数値を公表していること、目標配当性向の引き上げや累進配当政策の導入を公表していることからも、持続的な成長への同社の自信度がうかがえるだけでなく、今後は成長スピードが加速する可能性もあるだろうと弊社では注目している。
■Key Points
・社会インフラを支えるシステム開発・ITサービス企業
・2024年5月期は増収増益着地
・2025年5月期も増収増益予想
・第7次中期経営計画を策定、配当性向目標は66%に引き上げ
・着実な成長の実現を評価、今後は成長スピード加速の可能性にも注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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日本プロセス<9651>は独立系のシステム開発・ITサービス企業である。1967年の創業以来、安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御システム、及び社会インフラを支える機器の組込システムの開発で培った高い品質と信頼性を強みとしている。
1. システム開発・ITサービス業界で、独自のポジションを確立
事業セグメントは制御システム、自動車システム、特定情報システム、組込システム、産業・ICTソリューションの5分野(2024年5月期より航空宇宙関連を産業・ICTソリューションから特定情報システムへ移管)としている。エネルギー関連、交通関連、車載制御・車載情報関連、危機管理関連、航空宇宙関連、建設機械関連、、クラウド関連、IoT関連などの分野に幅広く展開し、それぞれの分野で大手優良顧客と強固な信頼関係を構築しているため受注競合が少なく、顧客からの直接受注(元請け)比率がほぼ100%であることが安定収益につながっている。システム開発・ITサービス業界において、他社との差別化を図り、独自のポジションを確立していることが特長だ。
2. 2024年5月期は増収増益着地
2024年5月期の連結業績は売上高が前期比6.1%増の9,468百万円、営業利益が同5.3%増の956百万円、経常利益が同4.2%増の1,008百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.0%増の730百万円だった。おおむね前回予想(2024年4月23日付で上方修正)水準の増収増益で着地した。売上高、営業利益とも3期連続で上場来最高を更新した。売上面は全セグメントが増収と順調だった。期首に計画した案件を着実に受注したことに加え、大規模案件の増加やサービス価値向上による受注単価上昇なども寄与した。コスト面では人的資本投資によって人件費や採用費が増加し、川崎事業所新設に伴って一過性となる事業所移転費用が発生したが、全体として増収効果や生産性向上効果などで吸収した。
3. 2025年5月期も増収増益予想、さらに上振れ余地
2025年5月期の連結業績予想は売上高が前期比5.6%増の10,000百万円、営業利益が同4.6%増の1,000百万円、経常利益が同5.1%増の1,060百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.4%増の755百万円としている。受注が高水準に推移して増収増益予想としている。社員の待遇維持と競争力維持に向けた賃上げ、積極的な人材採用、大規模案件をこなすマネジャーやリーダーの育成に向けたPM教育の拡充、ITアーキテクト育成に向けた高度具技術教育の拡充、ハイブリッド勤務の継続や事業所の新設・統廃合といった働きやすい環境整備への投資など、持続的成長に向けた先行投資を考慮して小幅な伸び率にとどまる見込みとしている。ただし、同社は期初時点では保守的な予想を公表する傾向が強いことに加え、全体として受注環境が良好であること、生産性向上やサービス価値向上に向けた継続的な取り組みの効果が期待できること、自動車システムで前期発生した一過性となる事業所移転費用が一巡することなどを勘案すれば、弊社では会社予想に上振れ余地があるだろうと考えている。
4. 第7次中期経営計画を策定、配当性向目標は66%に引き上げ
2024年5月に策定した新中期経営計画「第7次中期経営計画」(2025年5月期~2027年5月期)では、経営目標値に最終年度2027年5月期の売上高120億円以上、営業利益12億円以上、ROE8%以上を掲げた。また株主還元については2025年5月期より配当方針を変更し、安定的な配当の継続と連結配当性向を66%目標(従来はおおむね50%以上目標)とするとともに、新中期経営計画期間中については累進配当政策を導入する。基本方針は前中期経営計画から継続して、人材育成やT-SES(トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス)のトータル度向上による生産性向上、新規設計案件や大規模案件の受注拡大、採用強化やビジネスパートナーの拡大による技術者増加などにより、前中期経営計画以上の成長を目指すとしている。
5. 着実な成長の実現を評価、今後は成長スピード加速の可能性にも注目
同社は、多くの企業がひしめくシステム開発・ITサービス業界において「規模は小粒ながら独自のポジション」を確立している。社会インフラを支える機器の組込システムの開発で培った高い品質と信頼性を強みとして、営業利益率は2023年5月期に10%超を達成、ROEは2024年5月期に7.1%まで上昇するなど、人材育成やT-SESのトータル度向上という戦略によって着実な成長を実現している。この点を弊社では高く評価している。さらに、従来の中期経営計画では経営目標数値を未公表としていたのに対して、新たな第7次中期経営計画では具体的な経営目標数値を公表していること、目標配当性向の引き上げや累進配当政策の導入を公表していることからも、持続的な成長への同社の自信度がうかがえるだけでなく、今後は成長スピードが加速する可能性もあるだろうと弊社では注目している。
■Key Points
・社会インフラを支えるシステム開発・ITサービス企業
・2024年5月期は増収増益着地
・2025年5月期も増収増益予想
・第7次中期経営計画を策定、配当性向目標は66%に引き上げ
・着実な成長の実現を評価、今後は成長スピード加速の可能性にも注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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