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POPER Research Memo(5):「Comiru」の機能拡充により基幹システムのリプレースを目指す(3)
配信日時:2024/07/19 15:05
配信元:FISCO
*15:05JST POPER Research Memo(5):「Comiru」の機能拡充により基幹システムのリプレースを目指す(3)
■POPER<5134>の事業概要
c) 「ComiruHR」の機能
一般的な勤怠ツールの場合、授業種類別、作業種類別の賃金体系や授業時間と連動したシフト調整が難しく、アナログな集計・調整作業が必要となる。「ComiruHR」は以下の機能を利用することで、他社の勤怠ツールではフォローしきれない講師等の勤怠管理や給与管理などの一元管理が可能となる。
(労務管理機能)
・シフト管理&教室入退室管理
講師等のシフト集計から、授業単位での出勤記録、一日複数回の出退勤、事務作業時間記録等の教育事業者等に特有な勤務体系に対応。
・講師等の給与計算のアシスト
コマ給、時間給等の学習塾特有の給与形態に合わせて、給与計算の基礎となる支給額を自動で算出する。社会保険料や各種税金等の控除額を別途算出すれば、給与明細への反映や電子での送付が可能。
・講師等連絡
講師等への連絡もスマートフォンから簡単送信。既読/未読の確認可能。
(3) 「Comiru」サービスの特徴と強み
「Comiru」は、教育業界の業務管理の特性や煩雑さを踏まえた、教育業界に特化したサービスである。保護者とのコミュニケーションだけではなく、請求業務等の会計システムとも連携し多機能であること、しかもそれらをワンストップで提供できることが強みだ。「Comiru」サービスを導入する学習塾等にとっても、運営コストの低減、事務作業時間の削減につながるとともに、指導の内容や結果、テスト結果と対策等を保護者に伝えることで保護者とのコミュニケーションが強化され、退会リスクの減少及び売上の向上が期待できる。
「Comiru」は、バックオフィス等の業務が特に煩雑な学習塾業界にフォーカスして、サービスのUI/UXを進化させている。同社には元学校教師や元塾講師などが在籍しているため、経験を生かすことで顧客の潜在ニーズの把握やアフターフォローなどを充実させることができ、より顧客満足度を高めている。顧客からの要望や改善要請等にスピード感を持った対応ができることも大きな強みであり、現在でも要望に応え週に40~50項目を改善している。それを可能にしているのは同社の開発手法である。同社は、少人数かつ短時間で効率的に開発を進めることができる「アジャイル手法」を採用している。「アジャイル手法」とは、現在主流となっているシステムやソフトウェアの開発手法の1つであり、要件定義、設計、開発、テストといった開発工程を機能単位の小さなサイクルで繰り返す手法だ。従来の大規模システムでは、システムの要求をすべて定義してから、それに基づいて設計、開発、テストを行う「ウォーターフォール型」開発が採用されていたが、要件定義後に要求の変更に迅速に対応できないため「アジャイル手法」が開発された。同社では、上流工程とテスト工程の作業を標準化した安定的な「アジャイル手法」によるシステム開発を実現している。
教育事業者等が社内業務のために自社の独自システムやソフトウェアの開発に関わる負担を軽減し、同社のサービス導入のハードルを下げるために、「Comiru」サービスの各機能をオープンAPI※化している。そのため、教育事業者等が自社の業務プロセスに合わせて必要な部分のみ同社サービスを取り入れることができ、カスタマイズ開発を従来よりも簡単に行うことができる。
※API:「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェアの機能を共有する仕組み。異なるサービスをAPIで連携することで、ユーザーの承諾のもとサービス間でのユーザーデータの共有等が可能になる。
(4) 「Comiru」サービスの販売戦略
現実の状況としては、当然大手塾等には既に導入されている基幹システムがある。そこで、同社では「ComiruPRO」の導入とAPI連携に必要な基幹システムの有償開発をセットで戦略的に提案している。昨今、DXの加速が叫ばれているなか、大手塾の基幹システムは陳腐化しているケースが多いため、クラウド化やセキュリティ強化のニーズも強い。学習塾の基幹システムは10年程で定期的に更新が行われるが、そのタイミングで「ComiruPRO」を基幹システムとして導入するケースや、「ComiruPRO」をベースに最低限の基幹システムを構築しAPI連携するケース等が出てきている。求められる機能のほとんどは、「Comiru」開発の過程で社内においてモジュール化しており、基幹システムをより低コストで効率的に構築できる。これは、「Comiru」事業で培ったシステム開発力、開発人材を備えている強みによる。また、「ComiruPRO」は、順次基幹システム機能を拡充し、既に基幹システムをリプレースできる機能を有している。
大手塾の基幹システム開発受注により、様々なサービスをフェーズごとに提供できるため、複数年にわたって安定的な収益を確保できる。具体的なフェーズは、業務改善のコンサルティング、システム要件定義から始まり、「ComiruPRO」の導入や基幹系システムの開発と続き、「ComiruAir」、「ComiruHR」の導入及びBI/マーケティングツール等のサービス提供という流れだ。価格は案件規模や顧客のニーズに応じて設定しており、フロー収益が数千万円~数億円、加えてストック収益も上げられるため、大きなインパクトがある。カスタム開発により売上総利益率の低下の懸念も生じるが、現在の開発エンジニアやPMのリソースで十分対応可能であり、新たな人件費の増加などにより利益率が低下する状況ではない。今後は、全体の収益率や案件規模などの状況を勘案し、必要に応じて人材採用等の先行投資を行い、さらに競争力を高める方針だ。
中堅塾においては、生徒数は多いものの資力不足から自社でシステムを構築することができず、Excel等で運営していることが多いため、「ComiruPRO」の導入を提案している。基幹システムも含めて包括的に運営できる「ComiruPRO」のメリットを提案しシェア拡大を目指す。個人塾においては、システムを利用している学習塾が少ないため、他塾の事例の共有や自社セミナーをはじめ、ICT活用の普及啓蒙活動を継続することでシェア拡大を目指す。今後は、代理店による営業活動や教材卸など教材販売会社との連携による販路拡大も想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<HN>
c) 「ComiruHR」の機能
一般的な勤怠ツールの場合、授業種類別、作業種類別の賃金体系や授業時間と連動したシフト調整が難しく、アナログな集計・調整作業が必要となる。「ComiruHR」は以下の機能を利用することで、他社の勤怠ツールではフォローしきれない講師等の勤怠管理や給与管理などの一元管理が可能となる。
(労務管理機能)
・シフト管理&教室入退室管理
講師等のシフト集計から、授業単位での出勤記録、一日複数回の出退勤、事務作業時間記録等の教育事業者等に特有な勤務体系に対応。
・講師等の給与計算のアシスト
コマ給、時間給等の学習塾特有の給与形態に合わせて、給与計算の基礎となる支給額を自動で算出する。社会保険料や各種税金等の控除額を別途算出すれば、給与明細への反映や電子での送付が可能。
・講師等連絡
講師等への連絡もスマートフォンから簡単送信。既読/未読の確認可能。
(3) 「Comiru」サービスの特徴と強み
「Comiru」は、教育業界の業務管理の特性や煩雑さを踏まえた、教育業界に特化したサービスである。保護者とのコミュニケーションだけではなく、請求業務等の会計システムとも連携し多機能であること、しかもそれらをワンストップで提供できることが強みだ。「Comiru」サービスを導入する学習塾等にとっても、運営コストの低減、事務作業時間の削減につながるとともに、指導の内容や結果、テスト結果と対策等を保護者に伝えることで保護者とのコミュニケーションが強化され、退会リスクの減少及び売上の向上が期待できる。
「Comiru」は、バックオフィス等の業務が特に煩雑な学習塾業界にフォーカスして、サービスのUI/UXを進化させている。同社には元学校教師や元塾講師などが在籍しているため、経験を生かすことで顧客の潜在ニーズの把握やアフターフォローなどを充実させることができ、より顧客満足度を高めている。顧客からの要望や改善要請等にスピード感を持った対応ができることも大きな強みであり、現在でも要望に応え週に40~50項目を改善している。それを可能にしているのは同社の開発手法である。同社は、少人数かつ短時間で効率的に開発を進めることができる「アジャイル手法」を採用している。「アジャイル手法」とは、現在主流となっているシステムやソフトウェアの開発手法の1つであり、要件定義、設計、開発、テストといった開発工程を機能単位の小さなサイクルで繰り返す手法だ。従来の大規模システムでは、システムの要求をすべて定義してから、それに基づいて設計、開発、テストを行う「ウォーターフォール型」開発が採用されていたが、要件定義後に要求の変更に迅速に対応できないため「アジャイル手法」が開発された。同社では、上流工程とテスト工程の作業を標準化した安定的な「アジャイル手法」によるシステム開発を実現している。
教育事業者等が社内業務のために自社の独自システムやソフトウェアの開発に関わる負担を軽減し、同社のサービス導入のハードルを下げるために、「Comiru」サービスの各機能をオープンAPI※化している。そのため、教育事業者等が自社の業務プロセスに合わせて必要な部分のみ同社サービスを取り入れることができ、カスタマイズ開発を従来よりも簡単に行うことができる。
※API:「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェアの機能を共有する仕組み。異なるサービスをAPIで連携することで、ユーザーの承諾のもとサービス間でのユーザーデータの共有等が可能になる。
(4) 「Comiru」サービスの販売戦略
現実の状況としては、当然大手塾等には既に導入されている基幹システムがある。そこで、同社では「ComiruPRO」の導入とAPI連携に必要な基幹システムの有償開発をセットで戦略的に提案している。昨今、DXの加速が叫ばれているなか、大手塾の基幹システムは陳腐化しているケースが多いため、クラウド化やセキュリティ強化のニーズも強い。学習塾の基幹システムは10年程で定期的に更新が行われるが、そのタイミングで「ComiruPRO」を基幹システムとして導入するケースや、「ComiruPRO」をベースに最低限の基幹システムを構築しAPI連携するケース等が出てきている。求められる機能のほとんどは、「Comiru」開発の過程で社内においてモジュール化しており、基幹システムをより低コストで効率的に構築できる。これは、「Comiru」事業で培ったシステム開発力、開発人材を備えている強みによる。また、「ComiruPRO」は、順次基幹システム機能を拡充し、既に基幹システムをリプレースできる機能を有している。
大手塾の基幹システム開発受注により、様々なサービスをフェーズごとに提供できるため、複数年にわたって安定的な収益を確保できる。具体的なフェーズは、業務改善のコンサルティング、システム要件定義から始まり、「ComiruPRO」の導入や基幹系システムの開発と続き、「ComiruAir」、「ComiruHR」の導入及びBI/マーケティングツール等のサービス提供という流れだ。価格は案件規模や顧客のニーズに応じて設定しており、フロー収益が数千万円~数億円、加えてストック収益も上げられるため、大きなインパクトがある。カスタム開発により売上総利益率の低下の懸念も生じるが、現在の開発エンジニアやPMのリソースで十分対応可能であり、新たな人件費の増加などにより利益率が低下する状況ではない。今後は、全体の収益率や案件規模などの状況を勘案し、必要に応じて人材採用等の先行投資を行い、さらに競争力を高める方針だ。
中堅塾においては、生徒数は多いものの資力不足から自社でシステムを構築することができず、Excel等で運営していることが多いため、「ComiruPRO」の導入を提案している。基幹システムも含めて包括的に運営できる「ComiruPRO」のメリットを提案しシェア拡大を目指す。個人塾においては、システムを利用している学習塾が少ないため、他塾の事例の共有や自社セミナーをはじめ、ICT活用の普及啓蒙活動を継続することでシェア拡大を目指す。今後は、代理店による営業活動や教材卸など教材販売会社との連携による販路拡大も想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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