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ムサシ Research Memo(1):選挙関連機器のトップメーカー。商社とメーカーの両機能を併せ持つ
配信日時:2024/07/10 13:11
配信元:FISCO
*13:11JST ムサシ Research Memo(1):選挙関連機器のトップメーカー。商社とメーカーの両機能を併せ持つ
■要約
ムサシ<7521>は選挙関連機器や金融関連機器の総合メーカーである。また、文書のデジタル化事業やスキャナー、非破壊検査機材、業務用ろ過フィルターなどを取り扱う情報・産業システム機材、印刷システム機材、紙・紙加工品などの商社事業も行っている。特に選挙関連機器においては、投開票業務に必要な各種機器から投票箱等の用品・用具、開く投票用紙など幅広い商品をラインナップし、業界のトップシェアを誇る圧倒的な存在である。また、各種文書やマイクロフィルムのデジタル化を行う文書のデジタル化事業においても国内最大級のドキュメントイメージングセンターを展開し、次の収益柱への育成を図っている。商社機能とメーカー機能を併せ持っているのが特長だ。
1. 2024年3月期業績(実績)
2024年3月期の業績は、売上高33,140百万円(前期比10.6%減)、営業利益1,077百万円(同58.9%減)、経常利益1,123百万円(同58.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益767百万円(同56.4%減)となった。期間中に大型選挙がなかったことから、主力の選挙システム機材の売上高(単体ベース)が2,572百万円(同56.2%減)となったことが大幅減益の主要因だが、これは期初から予想されていたことであり、想定の範囲内と言える。一方で、注力している文書のデジタル化事業の売上高は5,157百万円(同13.4%減)と前期比では減収となったが、依然として高水準を維持した。
2. 2025年3月期業績(予想)
2025年3月期の業績は、売上高33,739百万円(前期比1.8%増)、営業利益790百万円(同26.7%減)、経常利益1,946百万円(同73.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,439百万円(同87.4%増)と予想されている。期間中に大型国政選挙はないとの前提だが、東京都知事選があるので主力の選挙システム機材は増収見込みである。文書のデジタル化事業やミクロフィルターなども回復予想であるが、一方で印刷や新紙幣向けの需要が一巡した金融汎用システム機材は減収の予想。この結果、全体では微増収を予想しているが、研究開発費の増加などで営業利益は減益予想となっている。配当については、現時点では通期で普通配当36円(中間18円、期末18円)が予定されているが、今後の業績動向によっては上乗せされる可能性もある。今後の注目点は、期中に衆議院の解散・総選挙があるかだが、選挙が行われた場合には、選挙関連の売上高は25億円以上が上乗せされる見込みで、その場合には全体の業績や配当予想も上方修正されると思われる。
3. 中長期の成長戦略
現在、同社の収益の中心は選挙システム機材となっている。しかしこの分野は、安定成長しているものの国政選挙などの実施の有無によって需要にばらつきが出るため、ある意味でシクリカルな事業とも言える。そのため、同社では文書のデジタル化事業や業務用ろ過フィルター事業等、選挙サイクルと無関係な分野を一段と強化し、収益基盤の安定化を図る計画だ。特に文書のデジタル化事業については、世の中の「DX」の流れのなか、官公庁における文書のデジタル化需要だけでなく、民間においてもテレワークの浸透などで書類などのデジタル化は必須となっており、中長期ではさらなる成長が見込まれる。また現在、同社が最も注力しているのが、選挙システムにおける自治体情報システムの統一・標準化に準拠した「業務管理ソフト」(クラウド型)の開発だ。これを進めることで、選挙関連の売上高の平準化が可能となり業績の安定化を図る計画だ。会社によれば、「2026年3月期から本格的な寄与が期待できそうだ」とのことであり、その動向を注視する必要があるだろう。
■Key Points
・選挙機材システムのトップメーカー。印刷関連、紙関連等の販売も行う複合企業
・2025年3月期も投資先行で減益予想だが、国政選挙の有無によって上方修正の可能性も
・「業務管理ソフト」(クラウド型)の開発により大型選挙の有無に左右されない体質づくりを推進中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SO>
ムサシ<7521>は選挙関連機器や金融関連機器の総合メーカーである。また、文書のデジタル化事業やスキャナー、非破壊検査機材、業務用ろ過フィルターなどを取り扱う情報・産業システム機材、印刷システム機材、紙・紙加工品などの商社事業も行っている。特に選挙関連機器においては、投開票業務に必要な各種機器から投票箱等の用品・用具、開く投票用紙など幅広い商品をラインナップし、業界のトップシェアを誇る圧倒的な存在である。また、各種文書やマイクロフィルムのデジタル化を行う文書のデジタル化事業においても国内最大級のドキュメントイメージングセンターを展開し、次の収益柱への育成を図っている。商社機能とメーカー機能を併せ持っているのが特長だ。
1. 2024年3月期業績(実績)
2024年3月期の業績は、売上高33,140百万円(前期比10.6%減)、営業利益1,077百万円(同58.9%減)、経常利益1,123百万円(同58.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益767百万円(同56.4%減)となった。期間中に大型選挙がなかったことから、主力の選挙システム機材の売上高(単体ベース)が2,572百万円(同56.2%減)となったことが大幅減益の主要因だが、これは期初から予想されていたことであり、想定の範囲内と言える。一方で、注力している文書のデジタル化事業の売上高は5,157百万円(同13.4%減)と前期比では減収となったが、依然として高水準を維持した。
2. 2025年3月期業績(予想)
2025年3月期の業績は、売上高33,739百万円(前期比1.8%増)、営業利益790百万円(同26.7%減)、経常利益1,946百万円(同73.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,439百万円(同87.4%増)と予想されている。期間中に大型国政選挙はないとの前提だが、東京都知事選があるので主力の選挙システム機材は増収見込みである。文書のデジタル化事業やミクロフィルターなども回復予想であるが、一方で印刷や新紙幣向けの需要が一巡した金融汎用システム機材は減収の予想。この結果、全体では微増収を予想しているが、研究開発費の増加などで営業利益は減益予想となっている。配当については、現時点では通期で普通配当36円(中間18円、期末18円)が予定されているが、今後の業績動向によっては上乗せされる可能性もある。今後の注目点は、期中に衆議院の解散・総選挙があるかだが、選挙が行われた場合には、選挙関連の売上高は25億円以上が上乗せされる見込みで、その場合には全体の業績や配当予想も上方修正されると思われる。
3. 中長期の成長戦略
現在、同社の収益の中心は選挙システム機材となっている。しかしこの分野は、安定成長しているものの国政選挙などの実施の有無によって需要にばらつきが出るため、ある意味でシクリカルな事業とも言える。そのため、同社では文書のデジタル化事業や業務用ろ過フィルター事業等、選挙サイクルと無関係な分野を一段と強化し、収益基盤の安定化を図る計画だ。特に文書のデジタル化事業については、世の中の「DX」の流れのなか、官公庁における文書のデジタル化需要だけでなく、民間においてもテレワークの浸透などで書類などのデジタル化は必須となっており、中長期ではさらなる成長が見込まれる。また現在、同社が最も注力しているのが、選挙システムにおける自治体情報システムの統一・標準化に準拠した「業務管理ソフト」(クラウド型)の開発だ。これを進めることで、選挙関連の売上高の平準化が可能となり業績の安定化を図る計画だ。会社によれば、「2026年3月期から本格的な寄与が期待できそうだ」とのことであり、その動向を注視する必要があるだろう。
■Key Points
・選挙機材システムのトップメーカー。印刷関連、紙関連等の販売も行う複合企業
・2025年3月期も投資先行で減益予想だが、国政選挙の有無によって上方修正の可能性も
・「業務管理ソフト」(クラウド型)の開発により大型選挙の有無に左右されない体質づくりを推進中
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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