注目トピックス 日本株
nms Research Memo(4):2025年3月期は戦略投資の負担などをこなして2ケタ増益を予想
配信日時:2024/07/09 12:04
配信元:FISCO
*12:04JST nms Research Memo(4):2025年3月期は戦略投資の負担などをこなして2ケタ増益を予想
■今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
nmsホールディングス<2162>の2025年3月期の連結業績予想は、売上高が75,000百万円(前期比2.9%増)、営業利益が2,100百万円(同11.2%増)、経常利益が1,900百万円(同21.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,300百万円(同76.4%増)。上期を中心に引き続きEMS事業における主要顧客の在庫調整影響が残ること、PS事業においても複写機メーカーの需要停滞や在庫調整影響があり厳しい事業環境が続くことを見込んでおり、売上高は大きな拡大を計画には織り込んでいない。一方、これらの調整はおおむね上期いっぱいで完了し、下期においては外部環境が好転、売上高も前期比で増収へと転換する見通しであり、回復ペース次第では売上高の上振れ余地も十分にあると見られる。EMS事業では製造業の脱中国化の進展による同社ベトナム拠点の売上大幅増加が見込まれることに加え、依然として収益性に課題のあったメキシコ拠点における黒字化の達成を必達目標としている。EMS事業においては業界としての目指すべきベンチマークの営業利益率が5%程度と弊社では考えており、同社の2024年3月期の営業利益率は1.7%であることから、依然として改善余地は大きい。
2. 事業別業績見通し
(1) HS事業
需要は2025年3月期にかけても引き続き高水準で推移することを見込んでいる。引き続き顧客ニーズに合わせた多様なサービス・人材の提案・提供、製造業の海外進出・製造支援サービス事業の拡大、デジタルプラットフォームの構築・展開を主眼に据え、事業規模拡大を図っていく。事業環境の変化に対応する形でグループ内製造受託インフラ・ノウハウを顧客ニーズに合わせて提案・提供するほか、製造業のファブレス化に即応するため、即戦力となるシニアエキスパート人材の雇用推進にも注力し、幅広い人材の雇用機会を創出することで、採用枠の拡大と生産性の向上をさらに推し進めていく。また、多様な外国人材の活用も推進する。同社ではエンジニア人材に特化した「技術センター」を設置し、2024年春に稼働をスタートさせた。さらに、「グローバル・プラットフォーム・サービス」事業規模拡大に向けてベトナムにおいて基盤強化策を実行していく。利益面に関しても、基盤強化策を継続していく。具体的には、既存取引における原価率の改善、販管費の管理強化などを推進する計画である。
(2) EMS事業
EMS事業は、2024年3月期と同様に、マレーシア拠点における客先在庫調整の影響により、売上高は前期比で減収計画としている。一方、同社ではベトナム拠点とメキシコ拠点において各種活動に注力していく。ベトナム拠点では、車載用ワイヤレス充電器関連やAV・音響機器関連など、プレス技術を核に完成品まで生産できる特長を生かし、ベトナムへの生産移管を進める日系企業のニーズに合わせた対応に注力する。製造業の脱中国化及び東南アジアへの生産地移転が進むなか、EMS業界におけるベトナムの重要性が高まっており、需要が好調に推移することが見込まれる。メキシコ拠点では、主軸の車載関連部品に加え、北米において大きなマーケットを有し、需要が安定している家電や電動工具、産業機器などの顧客にフォーカスし事業を推進していく。こうしたなか、利益確保に向けて基盤強化策による収益性の向上に引き続き取り組んでいくことで、メキシコ拠点を2025年3月期は黒字化させる計画としており、メキシコ拠点の赤字解消に向けた進捗が2025年3月期のEMS事業の営業利益達成のために必要不可欠な最重要項目である。
(3) PS事業
PS事業においても上期は需要横ばいが続く想定の計画となっている。こうしたなか、高圧電源、マグネットロールを中心に引き続き安定した収益体質への転換を図る。また、産業機器市場への製品展開、新規顧客の獲得・拡販にも引き続き注力する方針だ。さらに、省人化・自動化ニーズによるロボティクス市場の拡大や、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景とした殺菌・滅菌機器市場への製品展開など、新市場の開拓にも注力していく。ロボティクス市場や産業機器市場への展開は確実に進捗しており、さらなる新市場の開拓が期待される。利益面に関しても生産性向上のための各種施策を実行し、収益確保に注力する。加えて、部材の調達ソースを拡大することによって、生産活動の安定化も進める計画だ。戦略投資や基盤強化策の着実な実行によって、2025年3月期においても収益性が着実に高まっている状況にある。複写機メーカー向けでは構造的に売上高の大幅な成長は見込みにくいが、収益性改善への取り組みにより着実に利益を積み上げていく事業である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SO>
1. 2025年3月期の業績見通し
nmsホールディングス<2162>の2025年3月期の連結業績予想は、売上高が75,000百万円(前期比2.9%増)、営業利益が2,100百万円(同11.2%増)、経常利益が1,900百万円(同21.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,300百万円(同76.4%増)。上期を中心に引き続きEMS事業における主要顧客の在庫調整影響が残ること、PS事業においても複写機メーカーの需要停滞や在庫調整影響があり厳しい事業環境が続くことを見込んでおり、売上高は大きな拡大を計画には織り込んでいない。一方、これらの調整はおおむね上期いっぱいで完了し、下期においては外部環境が好転、売上高も前期比で増収へと転換する見通しであり、回復ペース次第では売上高の上振れ余地も十分にあると見られる。EMS事業では製造業の脱中国化の進展による同社ベトナム拠点の売上大幅増加が見込まれることに加え、依然として収益性に課題のあったメキシコ拠点における黒字化の達成を必達目標としている。EMS事業においては業界としての目指すべきベンチマークの営業利益率が5%程度と弊社では考えており、同社の2024年3月期の営業利益率は1.7%であることから、依然として改善余地は大きい。
2. 事業別業績見通し
(1) HS事業
需要は2025年3月期にかけても引き続き高水準で推移することを見込んでいる。引き続き顧客ニーズに合わせた多様なサービス・人材の提案・提供、製造業の海外進出・製造支援サービス事業の拡大、デジタルプラットフォームの構築・展開を主眼に据え、事業規模拡大を図っていく。事業環境の変化に対応する形でグループ内製造受託インフラ・ノウハウを顧客ニーズに合わせて提案・提供するほか、製造業のファブレス化に即応するため、即戦力となるシニアエキスパート人材の雇用推進にも注力し、幅広い人材の雇用機会を創出することで、採用枠の拡大と生産性の向上をさらに推し進めていく。また、多様な外国人材の活用も推進する。同社ではエンジニア人材に特化した「技術センター」を設置し、2024年春に稼働をスタートさせた。さらに、「グローバル・プラットフォーム・サービス」事業規模拡大に向けてベトナムにおいて基盤強化策を実行していく。利益面に関しても、基盤強化策を継続していく。具体的には、既存取引における原価率の改善、販管費の管理強化などを推進する計画である。
(2) EMS事業
EMS事業は、2024年3月期と同様に、マレーシア拠点における客先在庫調整の影響により、売上高は前期比で減収計画としている。一方、同社ではベトナム拠点とメキシコ拠点において各種活動に注力していく。ベトナム拠点では、車載用ワイヤレス充電器関連やAV・音響機器関連など、プレス技術を核に完成品まで生産できる特長を生かし、ベトナムへの生産移管を進める日系企業のニーズに合わせた対応に注力する。製造業の脱中国化及び東南アジアへの生産地移転が進むなか、EMS業界におけるベトナムの重要性が高まっており、需要が好調に推移することが見込まれる。メキシコ拠点では、主軸の車載関連部品に加え、北米において大きなマーケットを有し、需要が安定している家電や電動工具、産業機器などの顧客にフォーカスし事業を推進していく。こうしたなか、利益確保に向けて基盤強化策による収益性の向上に引き続き取り組んでいくことで、メキシコ拠点を2025年3月期は黒字化させる計画としており、メキシコ拠点の赤字解消に向けた進捗が2025年3月期のEMS事業の営業利益達成のために必要不可欠な最重要項目である。
(3) PS事業
PS事業においても上期は需要横ばいが続く想定の計画となっている。こうしたなか、高圧電源、マグネットロールを中心に引き続き安定した収益体質への転換を図る。また、産業機器市場への製品展開、新規顧客の獲得・拡販にも引き続き注力する方針だ。さらに、省人化・自動化ニーズによるロボティクス市場の拡大や、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景とした殺菌・滅菌機器市場への製品展開など、新市場の開拓にも注力していく。ロボティクス市場や産業機器市場への展開は確実に進捗しており、さらなる新市場の開拓が期待される。利益面に関しても生産性向上のための各種施策を実行し、収益確保に注力する。加えて、部材の調達ソースを拡大することによって、生産活動の安定化も進める計画だ。戦略投資や基盤強化策の着実な実行によって、2025年3月期においても収益性が着実に高まっている状況にある。複写機メーカー向けでは構造的に売上高の大幅な成長は見込みにくいが、収益性改善への取り組みにより着実に利益を積み上げていく事業である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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