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NYの視点:スーパーコアインフレ若干改善も、市場は12月のFF5%台織り込む

配信日時:2023/02/15 09:22 配信元:FISCO
*09:22JST NYの視点:スーパーコアインフレ若干改善も、市場は12月のFF5%台織り込む 米1月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.5%と、12月から伸びが拡大し、22年10月来で最大となった。12月分は+0.1%へ、-0.1%から上方修正された。前年比では+6.4%と、12月+6.5%から伸びが7カ月連続で鈍化した。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している変動の激しい燃料や食料を除いたコア指数は前月比+0.4%と、予想や12月の数値に並んだ。前年比では+5.6%と、9月に1982年来で最大の伸びを記録したのち、4カ月連続で鈍化し、インフレが緩やかに鈍化基調にあることが証明された。

エネルギーサービス、賃貸または自宅保有を除いたサービス価格は1月前月比で+0.36%と、前月+0.39%から鈍化。3カ月平均では4%と、前月比+3.99%から若干伸びが拡大した。もし、医療保険のコストを除いたサービスは+0.49%となり、前月の+0.52%から鈍化。パウエル議長を含め、FRB高官は最近「モノ」のインフレは鈍化が見られるが、住宅を除いたコアサービスでのインフレは依然高止まりしているとの指摘が目立ったため、注目されていたスーパーコアインフレは若干改善していることはFRBにとり歓迎すべき結果となる。特に賃金に影響を与える項目となる。一部のアナリストは、最近の方法論の変更で医療保険もCPIデータから除外することを推奨している。

CPIの改善ペースが鈍く、FRBが政策金利を一段と高く引上げ、従来想定されていた以上に長期間高金利を維持することが必要となるとの見方を市場は強め政策金利が12月に5%台に上昇することを織り込んだ。米1月雇用統計前までは、0.5%の利下げを織り込んでいた。

これに対し、ペンシルバニア大、ウォートンスクールのジェラミーシーゲル教授はCPIの4割を占める住宅項目の混乱が全体指数を引き上げていると指摘。インフレは急速に低下するとの見方を維持しており、利下げの確率も完全に除外していない。


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