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バイク王 Research Memo(8):高市場価値車輌の確保を中心とした戦略によって収益構造を確立
配信日時:2022/08/03 15:28
配信元:FISCO
■今後の見通し
● 2022年11月期業績予想
2022年11月期については売上高30,057百万円(前期比13.1%増)、営業利益1,772百万円(同13.7%増)、経常利益2,336百万円(同32.0%増)、当期純利益1,618百万円(同32.0%増)を見込んでいる。バイク王&カンパニー<3377>は、業績動向や今後の見通しを踏まえて、6月29日に第2四半期および通期業績予想の上方修正を行った。
2022年11月期の修正については、上期の上振れ部分のみをスライドさせた格好である。ただし、第1四半期決算を発表する前の3月30日に、売上高は前回予想を上回り、経常利益以降の各段階利益は、関連会社からの受取配当金により前回予想を大幅に上回る見込みとなったとして上方修正していた。前回の上方修正を踏まえて、利益面については微修正にとどめた格好である。高市場価値車輌の中でもより需要が高い車輌を積極的に確保できているほか、販売も堅調に推移していることから下期の好調も見込まれるものの、第4四半期には前期同様、今後の成長に向けた仕入ならびに販売強化によるコストが増加するだろう。
また、中期経営計画の1年目であるため、2022年11月期は当初から、目先的な利益に固執するよりも50年、100年と長期的な成長を実現するための準備期間として位置付けている。上期は上振れたとしても例年の傾向からすると、下期は次期に向けての準備という観点から在庫確保に重点を置くと見られ、仕入れと販売のバランスを最大限考慮しながら計画を進めて行くと弊社では考えている。売るだけ売ってもその後のアフターケアがおろそかになっては意味がない。複合店化加速によってキャパシティを増やすことと合わせて、メンテナンス等のアフターケアに対応する技術者を育成することで、はじめて長期的なプラスサイクルにつなげることができるため、今回の上方修正における各利益の修正が微増だった点について、ネガティブに捉える必要はないだろう。もっとも、リテールにおいては、マーチャンダイジング施策として商品ラインアップの適正化、店舗開発の検討、接客力向上、売り場改善による既存店の販売力強化および通信販売の強化に努めている。その効果も踏まえれば会社計画は保守的であることは言うまでもないだろう。
なお、1点気掛かりな面としては、高市場価値車輌の販売構成比上昇に伴う、利益率の低下である。四輪車においても旧車ブームによって価格が高騰している状況であるが、これは二輪車も同様である。行き過ぎた価格はいずれ修正される可能性はあるが、あまりにも高額になった場合には消費者の買い控えを招く。そういった意味で、同社基準よりも売価をある程度抑えることにより利益減に繋がる可能性はあるだろう。特に旧車価格高騰の一因には海外ユーザーが一翼を担っている面もあると考えられる。足元で新型コロナ感染者数が急増するなか、渡航制限はようやく緩和されたとはいえ、中国では再びロックダウン(都市封鎖)への懸念が高まっている。海外のバイヤーが参加できなければオークションでの高価格にも陰りが見られることも若干ながら気にかけておきたいところであると、弊社では考えている。
(1) 従来のバイク王店舗とは異なる店内の空間づくりに加え、コンセプトショップ独自のサービスを展開
店舗戦略において従来のバイク王店舗とは異なる店内の空間づくりに加え、コンセプトショップ独自のサービスを展開している。2022年5月28日には同社初となる中古のHarley Davidson(ハーレーダビッドソン)を専門に扱うコンセプトショップ「Beat & C 世田谷店」を東京・世田谷区等々力にグランドオープンした。一見するとカフェのような外観であり、これまで入りづらいと感じていた女性ライダーなども気軽に入りやすいショップとなっている。新店では“憧れの”Harley Davidsonを「もっと気軽」に楽しんでもらえるような店内の空間づくりをはじめ、SNSを通じた企画も予定している。また購入した顧客は、全国67店舗に展開しているバイク王ショップと「繋がる」ことで、トラブルの発生時またはツーリングからの復路に限り、自宅の最寄りのバイク王ショップまで車両を無料で配送するサービスを利用できる。今後も幅広い顧客層をターゲットとした様々な店舗づくりを進めると見られ、事業拡大に繋げていくことが期待される。
(2) ラビット・カーネットワークとフランチャイズ契約を締結、中古四輪自動車の買取、販売事業に参入
子会社ライフ&カンパニーを通じてラビット・カーネットワークとの間でフランチャイズ契約を締結し、新たに中古四輪自動車の買取、販売事業に参入した。同社のビジネスモデルやノウハウ、インフラなどを活かせる事業であり、商材の親和性も高いと考えている。ラビットは、親会社であるオートオークション市場最大手のユー・エス・エス(同社は2011年4月にユー・エス・エスと資本・業務提携を締結)との親和性を活かした四輪中古車の買取、販売事業を全国にチェーン展開しており、ラビットが持つオートオークション流通網や豊富なノウハウによる、迅速な店舗展開ならびに円滑な店舗運営が見込まれる。まずはバイク王の店舗に併設する形で1号店をオープンし、ノウハウを吸収することになろう。
(3) バイク王が「バイク未来総研」を発足、所長として宮城光氏が就任
同社は3月25日にバイク業界にとって有益な情報を発信し、バイクの「未来」を切り拓くことを目的として「バイク未来総研」を発足させた。所長には、モータージャーナリストのほか多方面で活躍する宮城 光氏が就任した。宮城氏は全日本選手権で2年連続チャンピオンを獲得したほか、全米選手権優勝など国内外で輝かしい実績を持つ。後に四輪レースにおいても「4輪スーパー耐久シリーズ」優勝など才能を発揮。2016年には米国ボンネヴィルにて4輪車での世界最高速を達成し記録保持者である。
「バイク未来総研」では、バイクライフの楽しさやバイクに関して同社が持つ独自データ分析などの情報発信に加え、ライダーやバイク業界がこれから描く「未来」に切り込んだコンテンツなどを順次発信していく予定である。「バイク未来総研」の活動第1弾として、3月に東京ビッグサイトで開催された「第49回 東京モーターサイクルショー」にて気になるブースの紹介レポートを、バイク王公式YouTubeなどで動画公開した。また、同社初となるブースを出展した。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<SI>
● 2022年11月期業績予想
2022年11月期については売上高30,057百万円(前期比13.1%増)、営業利益1,772百万円(同13.7%増)、経常利益2,336百万円(同32.0%増)、当期純利益1,618百万円(同32.0%増)を見込んでいる。バイク王&カンパニー<3377>は、業績動向や今後の見通しを踏まえて、6月29日に第2四半期および通期業績予想の上方修正を行った。
2022年11月期の修正については、上期の上振れ部分のみをスライドさせた格好である。ただし、第1四半期決算を発表する前の3月30日に、売上高は前回予想を上回り、経常利益以降の各段階利益は、関連会社からの受取配当金により前回予想を大幅に上回る見込みとなったとして上方修正していた。前回の上方修正を踏まえて、利益面については微修正にとどめた格好である。高市場価値車輌の中でもより需要が高い車輌を積極的に確保できているほか、販売も堅調に推移していることから下期の好調も見込まれるものの、第4四半期には前期同様、今後の成長に向けた仕入ならびに販売強化によるコストが増加するだろう。
また、中期経営計画の1年目であるため、2022年11月期は当初から、目先的な利益に固執するよりも50年、100年と長期的な成長を実現するための準備期間として位置付けている。上期は上振れたとしても例年の傾向からすると、下期は次期に向けての準備という観点から在庫確保に重点を置くと見られ、仕入れと販売のバランスを最大限考慮しながら計画を進めて行くと弊社では考えている。売るだけ売ってもその後のアフターケアがおろそかになっては意味がない。複合店化加速によってキャパシティを増やすことと合わせて、メンテナンス等のアフターケアに対応する技術者を育成することで、はじめて長期的なプラスサイクルにつなげることができるため、今回の上方修正における各利益の修正が微増だった点について、ネガティブに捉える必要はないだろう。もっとも、リテールにおいては、マーチャンダイジング施策として商品ラインアップの適正化、店舗開発の検討、接客力向上、売り場改善による既存店の販売力強化および通信販売の強化に努めている。その効果も踏まえれば会社計画は保守的であることは言うまでもないだろう。
なお、1点気掛かりな面としては、高市場価値車輌の販売構成比上昇に伴う、利益率の低下である。四輪車においても旧車ブームによって価格が高騰している状況であるが、これは二輪車も同様である。行き過ぎた価格はいずれ修正される可能性はあるが、あまりにも高額になった場合には消費者の買い控えを招く。そういった意味で、同社基準よりも売価をある程度抑えることにより利益減に繋がる可能性はあるだろう。特に旧車価格高騰の一因には海外ユーザーが一翼を担っている面もあると考えられる。足元で新型コロナ感染者数が急増するなか、渡航制限はようやく緩和されたとはいえ、中国では再びロックダウン(都市封鎖)への懸念が高まっている。海外のバイヤーが参加できなければオークションでの高価格にも陰りが見られることも若干ながら気にかけておきたいところであると、弊社では考えている。
(1) 従来のバイク王店舗とは異なる店内の空間づくりに加え、コンセプトショップ独自のサービスを展開
店舗戦略において従来のバイク王店舗とは異なる店内の空間づくりに加え、コンセプトショップ独自のサービスを展開している。2022年5月28日には同社初となる中古のHarley Davidson(ハーレーダビッドソン)を専門に扱うコンセプトショップ「Beat & C 世田谷店」を東京・世田谷区等々力にグランドオープンした。一見するとカフェのような外観であり、これまで入りづらいと感じていた女性ライダーなども気軽に入りやすいショップとなっている。新店では“憧れの”Harley Davidsonを「もっと気軽」に楽しんでもらえるような店内の空間づくりをはじめ、SNSを通じた企画も予定している。また購入した顧客は、全国67店舗に展開しているバイク王ショップと「繋がる」ことで、トラブルの発生時またはツーリングからの復路に限り、自宅の最寄りのバイク王ショップまで車両を無料で配送するサービスを利用できる。今後も幅広い顧客層をターゲットとした様々な店舗づくりを進めると見られ、事業拡大に繋げていくことが期待される。
(2) ラビット・カーネットワークとフランチャイズ契約を締結、中古四輪自動車の買取、販売事業に参入
子会社ライフ&カンパニーを通じてラビット・カーネットワークとの間でフランチャイズ契約を締結し、新たに中古四輪自動車の買取、販売事業に参入した。同社のビジネスモデルやノウハウ、インフラなどを活かせる事業であり、商材の親和性も高いと考えている。ラビットは、親会社であるオートオークション市場最大手のユー・エス・エス(同社は2011年4月にユー・エス・エスと資本・業務提携を締結)との親和性を活かした四輪中古車の買取、販売事業を全国にチェーン展開しており、ラビットが持つオートオークション流通網や豊富なノウハウによる、迅速な店舗展開ならびに円滑な店舗運営が見込まれる。まずはバイク王の店舗に併設する形で1号店をオープンし、ノウハウを吸収することになろう。
(3) バイク王が「バイク未来総研」を発足、所長として宮城光氏が就任
同社は3月25日にバイク業界にとって有益な情報を発信し、バイクの「未来」を切り拓くことを目的として「バイク未来総研」を発足させた。所長には、モータージャーナリストのほか多方面で活躍する宮城 光氏が就任した。宮城氏は全日本選手権で2年連続チャンピオンを獲得したほか、全米選手権優勝など国内外で輝かしい実績を持つ。後に四輪レースにおいても「4輪スーパー耐久シリーズ」優勝など才能を発揮。2016年には米国ボンネヴィルにて4輪車での世界最高速を達成し記録保持者である。
「バイク未来総研」では、バイクライフの楽しさやバイクに関して同社が持つ独自データ分析などの情報発信に加え、ライダーやバイク業界がこれから描く「未来」に切り込んだコンテンツなどを順次発信していく予定である。「バイク未来総研」の活動第1弾として、3月に東京ビッグサイトで開催された「第49回 東京モーターサイクルショー」にて気になるブースの紹介レポートを、バイク王公式YouTubeなどで動画公開した。また、同社初となるブースを出展した。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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