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JMS:収益性強化を進める医療機器メーカー、すでに黒字転換しており、PBR0.2倍台は割安
配信日時:2025/07/22 14:49
配信元:FISCO
*14:49JST JMS:収益性強化を進める医療機器メーカー、すでに黒字転換しており、PBR0.2倍台は割安
JMS<7702>は1965年、医師によって設立された医療機器メーカーである。「かけがえのない生命のために」という創業精神を掲げ、「医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にする」ことを企業理念としている。企画開発から製造、販売、アフターサービスまで一貫したバリューチェーンを有し、国内外に事業を展開している点が特徴である。
同社は、生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントで事業を管理しており、日本、シンガポール、中国、フィリピン、ドイツ及びその他の6つを報告セグメントとしている。各拠点で、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域といった幅広い製品群を生産・販売している。
日本セグメントは、売上高の66%を占めており、稼ぎ頭となっている。近年は価格転嫁の推進に加え、不採算品目に対する薬価改定及び摂食嚥下関連用品の診療報酬改定があり追い風となっている。また、成長分野として注力するがん治療においては、閉鎖式薬剤移注システム「ネオシールド」が、シンプルで使いやすいデザインを市場で評価され、堅調に市場シェアを伸ばしている。
同社の強みとしては、医療現場で必須となる医療機器を長年にわたり、安定的に供給してきた実績がある。また、開発、生産、販売のバリューチェーンを構築しており、安全・安心な医療機器の安定供給が必須とされる業界においては新規参入の障壁となっている。加えて、同社は事業提携を通じて多様な医療製品を展開しており、製品・サービスを組み合わせた包括的なソリューションの提供が可能となっている。
海外市場においては、前期はドイツ以外のセグメント利益は赤字となっているが、原材料や労務費高騰などの影響を受けたもの。経営合理化や価格転嫁が今後見込まれる中、収益性改善余地はあるだろう。また、同社製品についてはジャパニーズ・プロダクトとしての品質への評価は高く、各地域が収益改善する場合には業績に対して大きなアップサイドとなりうる。
同社を取り巻く事業環境は、世界的な高齢化の進展や新興国における医療インフラ整備の加速を背景に、安定的に推移すると考える。特に先進国では、キュア(治療)からケア(総合的な健康管理)へのシフトが進み、在宅医療や予防医療、患者のQOL向上に貢献する高付加価値製品へのニーズが高まっている。一方で、原材料の高騰、グローバルなサプライチェーンの混乱、米関税政策を巡る不透明感などには留意が必要だろう。
2026年3月期の業績予想として、売上高は前期比2.5%減の68,000百万円、営業利益は同3.1%増の900百万円、経常利益は同16.5%増の600百万円と減収増益の見通しとなっている。国内のがん治療や摂食嚥下関連用品は堅調な推移を見込むものの、海外において米国での顧客の在庫調整や為替の円高進行(前提レート:1ドル140円)を考慮し、減収予想としている。米国関税を巡る不透明感はあるものの、同社の収益の大宗を占める国内市場では堅調な推移が見込まれるため、同社の業績予想は保守的であり上振れ余地があると考えている。
同社は、中期経営計画2027(FY2024-2026)を発表している。その中で、定量目標として2027年3月期には、営業利益25億円、ROIC(投下資本利益率)3.5%以上を掲げている。計画1年目(2025年3月期)の進捗として、営業黒字化が達成されている。国内事業を中心に価格転嫁を進めるが、新製品投入など収益強化への取り組みを継続し、どこまで目標に近接できるかが今後の注目点である。
同社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つと認識し、安定的な配当継続を基本方針としている。2026年3月期の配当予想は、前期と同額の1株当たり年間17円(予想配当利回り3.96%)である。
価格転嫁や新商品拡販による収益性強化のフェーズが続いており、配当利回り3.96%、PBR0.26倍は株価のバリエーションとしては非常に割安な水準である。また、国内、海外ともにインフレに起因した価格転嫁は足元では市場からも受け入れやすく、業績上のダウンサイドリスクは限定的だろう。再成長の余地がある割安な高配当銘柄として注目したい。
<HM>
同社は、生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントで事業を管理しており、日本、シンガポール、中国、フィリピン、ドイツ及びその他の6つを報告セグメントとしている。各拠点で、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域といった幅広い製品群を生産・販売している。
日本セグメントは、売上高の66%を占めており、稼ぎ頭となっている。近年は価格転嫁の推進に加え、不採算品目に対する薬価改定及び摂食嚥下関連用品の診療報酬改定があり追い風となっている。また、成長分野として注力するがん治療においては、閉鎖式薬剤移注システム「ネオシールド」が、シンプルで使いやすいデザインを市場で評価され、堅調に市場シェアを伸ばしている。
同社の強みとしては、医療現場で必須となる医療機器を長年にわたり、安定的に供給してきた実績がある。また、開発、生産、販売のバリューチェーンを構築しており、安全・安心な医療機器の安定供給が必須とされる業界においては新規参入の障壁となっている。加えて、同社は事業提携を通じて多様な医療製品を展開しており、製品・サービスを組み合わせた包括的なソリューションの提供が可能となっている。
海外市場においては、前期はドイツ以外のセグメント利益は赤字となっているが、原材料や労務費高騰などの影響を受けたもの。経営合理化や価格転嫁が今後見込まれる中、収益性改善余地はあるだろう。また、同社製品についてはジャパニーズ・プロダクトとしての品質への評価は高く、各地域が収益改善する場合には業績に対して大きなアップサイドとなりうる。
同社を取り巻く事業環境は、世界的な高齢化の進展や新興国における医療インフラ整備の加速を背景に、安定的に推移すると考える。特に先進国では、キュア(治療)からケア(総合的な健康管理)へのシフトが進み、在宅医療や予防医療、患者のQOL向上に貢献する高付加価値製品へのニーズが高まっている。一方で、原材料の高騰、グローバルなサプライチェーンの混乱、米関税政策を巡る不透明感などには留意が必要だろう。
2026年3月期の業績予想として、売上高は前期比2.5%減の68,000百万円、営業利益は同3.1%増の900百万円、経常利益は同16.5%増の600百万円と減収増益の見通しとなっている。国内のがん治療や摂食嚥下関連用品は堅調な推移を見込むものの、海外において米国での顧客の在庫調整や為替の円高進行(前提レート:1ドル140円)を考慮し、減収予想としている。米国関税を巡る不透明感はあるものの、同社の収益の大宗を占める国内市場では堅調な推移が見込まれるため、同社の業績予想は保守的であり上振れ余地があると考えている。
同社は、中期経営計画2027(FY2024-2026)を発表している。その中で、定量目標として2027年3月期には、営業利益25億円、ROIC(投下資本利益率)3.5%以上を掲げている。計画1年目(2025年3月期)の進捗として、営業黒字化が達成されている。国内事業を中心に価格転嫁を進めるが、新製品投入など収益強化への取り組みを継続し、どこまで目標に近接できるかが今後の注目点である。
同社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つと認識し、安定的な配当継続を基本方針としている。2026年3月期の配当予想は、前期と同額の1株当たり年間17円(予想配当利回り3.96%)である。
価格転嫁や新商品拡販による収益性強化のフェーズが続いており、配当利回り3.96%、PBR0.26倍は株価のバリエーションとしては非常に割安な水準である。また、国内、海外ともにインフレに起因した価格転嫁は足元では市場からも受け入れやすく、業績上のダウンサイドリスクは限定的だろう。再成長の余地がある割安な高配当銘柄として注目したい。
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