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バイク王 Research Memo(7):オークション相場およびリテール市場は引き続き好調に推移
配信日時:2022/08/03 15:27
配信元:FISCO
■バイク王&カンパニー<3377>の業績動向
4. 四半期ごとの売上高/経常利益(損失)の推移
バイク業界において、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によって、人同士の接触を回避できる移動手段として二輪車の引き合いが強まったほか、近年のアウトドアブームなど、人々の行動の変化が需要増の一つのきっかけとはなっただろう。なお、リターンライダーや新規ライダーの増加に表れるバイク志向の高まりによって、二輪免許新規取得者数は今なお増加傾向を見せている。運転免許統計による「運転免許の種類別指定教習所卒業者数の年別推移」を見ると、大型二輪・普通二輪の合算では2017年を底に増加傾向にあり、2021年については2013年の水準を上回る伸びだった。もちろんこうした外部環境が追い風となった面は否定できないものの、同社がこれまで行ってきた複合店拡大による販売力強化や仕入力強化による高市場価値車輌の確保を中心とした戦略の効果が表面化してきた点は大きく評価されるべきと弊社では考えている。
四半期ごとの売上高と経常利益の推移を見ると、もともと同社の業績は季節変動の影響を受ける構造を有していたことが窺える。高市場価値車輌の確保に注力したことで、リテールだけではなくホールセールにも好影響を与えた結果、第1四半期の収益構造が大きく改善され、2021年11月期第1四半期の営業損益は黒字に転換。さらに第4四半期に高市場価値車輌の確保に注力したことによって、2021年11月期及び2022年11月期の2期連続で第1四半期、第2四半期における大幅な伸びに繋がった。
5. 販売費及び一般管理費の増減要因
販売費及び一般管理費は5,633百万円(前年同期比10.9%増)となった。内訳は、高価格帯車輌の利益水準維持に向けた一時的な売却先の工夫、販売費が高市場価値車輌の確保を目的とした試験的なWeb広告の強化施策による増加により、2,151百万円(同16.8%増)となり、人件費は従業員数が前年同期比69人増加したことから、2,092百万円(同4.0%増)となった。管理費は1,389百万円(同13.5%増)となり、店舗の新規出店及び移転・増床による地代家賃のほか、在庫保管のための保守料の増加によるものである。
6. 主な経営指標と店舗・人財
売上高総利益率は40.8%と高い傾向にあるが、前年同期比5.3pt低下した。これは、高価格帯車輌の構成比率がより上昇したためである。価格競争力の観点から高価格帯の車輌は相対的に利益率が低く、利益額が大きい、低価格帯の車輌は利益率が高く、利益額が小さい設定としていることが背景だ。営業利益率・経常利益率については、販売費及び一般管理費が増加したものの、リテール、ホールセールいずれも好調だったため、営業利益率は5.7%と前年同期並みを維持。経常利益率は関連会社からの臨時的な受取配当金により8.5%と、前年同期を1.2pt上回った。また、ROEは四半期純利益の増加に伴い15.9%と、前年同期比3.1pt上昇しており、引き続き資本効率性の向上に努める計画である。店舗数については新規出店4店舗、移転・増床2店舗により、リテール車輌の展示台数が前期末比約610台増加した。
7. 財政状態
2022年11月期第2四半期末における流動資産は、2021年11月期末に比べて2,191百万円増加し、8,943百万円となった。主に在庫強化を目的とした短期借入のほか、税引前四半期純利益が増加したことによる現金及び預金の増加が要因である。具体的には現金及び預金1,852百万円、商品124百万円、売掛金184百万円が増加した。
固定資産については79百万円増加し、2,576百万円だった。建物及び建物附属設備の増加等により有形固定資産が46百万円、子会社「ライフ&カンパニー」の設立による関係会社株式の増加等により投資その他の資産が93百万円増加した一方、次世代基幹システムの原価償却費の計上等により無形固定資産が60百万円減少したためである。
流動負債は、1,443百万円増加し、4,498百万円となった。これは主に、在庫強化を目的とした短期借入金が1,000百万円増加し1,600百万円となったほか、前受金が188百万円増加したためだ。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,304百万円(前年同期実績は852百万円)となった。営業利益が十分に確保されたことで、基礎営業キャッシュ・フローは2,036百万円(同1,558百万円)となり、前年同期と比べて477百万円増加している。運転資本の増加は、高市場車輌の中でもより需要が高い車輌を確保したことで棚卸資産が増加したことに加え、売上債権が増加したため。投資活動によるキャッシュ・フローは274百万円のマイナス(同271百万円のマイナス)となった。店舗開発にともない有形固定資産の取得による支出が発生したほか、関係会社株式の取得により、関係会社株式が増加したためである。財務キャッシュ・フローは821百万円(同101百万のマイナス)となった。在庫確保にともない一時的に現金及び預金が減少し、短期的な借入(1,000百万円)を行ったためである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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4. 四半期ごとの売上高/経常利益(損失)の推移
バイク業界において、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によって、人同士の接触を回避できる移動手段として二輪車の引き合いが強まったほか、近年のアウトドアブームなど、人々の行動の変化が需要増の一つのきっかけとはなっただろう。なお、リターンライダーや新規ライダーの増加に表れるバイク志向の高まりによって、二輪免許新規取得者数は今なお増加傾向を見せている。運転免許統計による「運転免許の種類別指定教習所卒業者数の年別推移」を見ると、大型二輪・普通二輪の合算では2017年を底に増加傾向にあり、2021年については2013年の水準を上回る伸びだった。もちろんこうした外部環境が追い風となった面は否定できないものの、同社がこれまで行ってきた複合店拡大による販売力強化や仕入力強化による高市場価値車輌の確保を中心とした戦略の効果が表面化してきた点は大きく評価されるべきと弊社では考えている。
四半期ごとの売上高と経常利益の推移を見ると、もともと同社の業績は季節変動の影響を受ける構造を有していたことが窺える。高市場価値車輌の確保に注力したことで、リテールだけではなくホールセールにも好影響を与えた結果、第1四半期の収益構造が大きく改善され、2021年11月期第1四半期の営業損益は黒字に転換。さらに第4四半期に高市場価値車輌の確保に注力したことによって、2021年11月期及び2022年11月期の2期連続で第1四半期、第2四半期における大幅な伸びに繋がった。
5. 販売費及び一般管理費の増減要因
販売費及び一般管理費は5,633百万円(前年同期比10.9%増)となった。内訳は、高価格帯車輌の利益水準維持に向けた一時的な売却先の工夫、販売費が高市場価値車輌の確保を目的とした試験的なWeb広告の強化施策による増加により、2,151百万円(同16.8%増)となり、人件費は従業員数が前年同期比69人増加したことから、2,092百万円(同4.0%増)となった。管理費は1,389百万円(同13.5%増)となり、店舗の新規出店及び移転・増床による地代家賃のほか、在庫保管のための保守料の増加によるものである。
6. 主な経営指標と店舗・人財
売上高総利益率は40.8%と高い傾向にあるが、前年同期比5.3pt低下した。これは、高価格帯車輌の構成比率がより上昇したためである。価格競争力の観点から高価格帯の車輌は相対的に利益率が低く、利益額が大きい、低価格帯の車輌は利益率が高く、利益額が小さい設定としていることが背景だ。営業利益率・経常利益率については、販売費及び一般管理費が増加したものの、リテール、ホールセールいずれも好調だったため、営業利益率は5.7%と前年同期並みを維持。経常利益率は関連会社からの臨時的な受取配当金により8.5%と、前年同期を1.2pt上回った。また、ROEは四半期純利益の増加に伴い15.9%と、前年同期比3.1pt上昇しており、引き続き資本効率性の向上に努める計画である。店舗数については新規出店4店舗、移転・増床2店舗により、リテール車輌の展示台数が前期末比約610台増加した。
7. 財政状態
2022年11月期第2四半期末における流動資産は、2021年11月期末に比べて2,191百万円増加し、8,943百万円となった。主に在庫強化を目的とした短期借入のほか、税引前四半期純利益が増加したことによる現金及び預金の増加が要因である。具体的には現金及び預金1,852百万円、商品124百万円、売掛金184百万円が増加した。
固定資産については79百万円増加し、2,576百万円だった。建物及び建物附属設備の増加等により有形固定資産が46百万円、子会社「ライフ&カンパニー」の設立による関係会社株式の増加等により投資その他の資産が93百万円増加した一方、次世代基幹システムの原価償却費の計上等により無形固定資産が60百万円減少したためである。
流動負債は、1,443百万円増加し、4,498百万円となった。これは主に、在庫強化を目的とした短期借入金が1,000百万円増加し1,600百万円となったほか、前受金が188百万円増加したためだ。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,304百万円(前年同期実績は852百万円)となった。営業利益が十分に確保されたことで、基礎営業キャッシュ・フローは2,036百万円(同1,558百万円)となり、前年同期と比べて477百万円増加している。運転資本の増加は、高市場車輌の中でもより需要が高い車輌を確保したことで棚卸資産が増加したことに加え、売上債権が増加したため。投資活動によるキャッシュ・フローは274百万円のマイナス(同271百万円のマイナス)となった。店舗開発にともない有形固定資産の取得による支出が発生したほか、関係会社株式の取得により、関係会社株式が増加したためである。財務キャッシュ・フローは821百万円(同101百万のマイナス)となった。在庫確保にともない一時的に現金及び預金が減少し、短期的な借入(1,000百万円)を行ったためである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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