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国内株式市場見通し:FOMCにGAFAM決算、今月最大の山場を迎える
配信日時:2022/07/23 15:00
配信元:FISCO
■負けなしの7日続伸、グロース株がけん引
今週の日経平均は週間で1126.19円高(+4.20%)と3週続伸。26週移動平均線に続き52週線も一気に上抜いてきた。日経平均は13日から負けなしの7日続伸で、大躍進した。
週明け、連休中にあったスマートフォン大手アップルの一部新規採用縮小・支出減速の報道が投資家心理を冷やした。ただ、米金融大手の好決算に加えて、7月ミシガン大消費者信頼感指数の長期期待インフレ率が1年ぶりの低水準となり、大幅利上げ観測が後退したことによるセンチメント改善が勝り、上昇して始まった。その後、ロシア国営ガス会社がパイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州への天然ガス輸出を再開するとの報道で上昇に弾みがついた。
警戒された企業決算についても、米国の動画配信サービスのネットフリックスや電気自動車(EV)大手テスラの決算は予想を上回り、前の週からのハイテク・グロース(成長)株の買い戻しに拍車をかけた。イタリアの政治情勢の不安定化や、欧州中央銀行(ECB)による予想(0.25pt)を上回る大幅利上げ(0.5pt)などもあったが、日米そろって株式市場はグロース株をけん引役に力強い動きを続けた。一方、米国の住宅関連指標や景気指標は軒並み予想を下回り、景気後退懸念が強まるなか、資源関連株や景気敏感株は相対的に冴えない展開だった。
■FOMCでは9月以降の利上げ幅への言及に注目
来週の東京株式市場は神経質な展開か。本格化する日米主要企業の4-6月期決算に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、イベントが集中するなか方向感が定まるのに時間がかかりそうだ。
26~27日にFOMCが開催される。米6月消費者物価指数(CPI)が予想を大幅に上振れたことで一時1.00ptという超大幅な利上げが警戒されたが、その後の米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの発言でこうした動きは沈静化した。市場では0.75ptの利上げが完全に織り込まれており、恐らく予想通りになるだろう。いったん、1.00ptの利上げを織り込みにいった経緯から、大きなサプライズは起こりにくい。一方、次回9月会合でも0.75pt以上の利上げに含みを残すような見解が示されると、市場は足元で利上げに対してやや楽観的に傾いてきている分、売りが膨らみそうだ。
もう一つ注目なのが日米主要企業の4-6月期決算だ。週半ばから日米ともに注目度の高い企業が続々と決算を発表する。特に注目なのは米国のアルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾン・ドット・コムの通称「GAFAM」と呼ばれる大型テック企業の決算。市場への影響力が大きく、決算内容と株価反応が注目される。
先んじて発表済みのネットフリックスやテスラは予想を上回る決算で株価は大きく上昇した。米国ではその他の発表済みの企業についても予想を上回る決算が多かった。今回の4-6月期決算にあたっては事前に警戒感がかなり高まっていたため、結果的にネガティブサプライズが起こりにくいようだ。FOMCを無難に通過し、GAFAMの決算もこれまでの多くの企業と同様に堅調なものとなれば、相場の底入れ感が強まりそうだ。
一方、足元の相場の上昇は、決算前に、過度に悲観に傾き過ぎていたポジションを中立に戻そうとする機関投資家の動きに過ぎないとも考えられ、決算発表一巡後の上昇幅は限られる可能性もある。実際、日本電産<6594>は悪くない決算だったが、決算前まで株価が上昇していたのに対し、決算発表後は一転して週末まで売りが続いた。決算前に買い戻しで売りポジションの利益を確保する一方、決算後には改めて売り直すといった動きもあると推察される。
こうした中、仮にGAFAMの決算で予想を下回るものが多ければ、足元のリバウンドに水を差す格好となり、相場は再び決算シーズン前の水準に向けて押し返される可能性が十分にあるだろう。つまりは結果次第で方向性が大きく変化しうるため、イベント通過前のポジション構築は避け、各種イベントの結果を全てじっくりと見極めることが肝要となる。
■グロ−ス株のリバウンドは一服か
上述したように決算前のポジション整理が足元の株価上昇の要因であるならば、決算発表が本格化してくる頃合いでそろそろグロース株のリバウンドも一巡してくる可能性がある。米国ではスナップチャットやツイッターなどソーシャルネットワーキングサービス企業の決算が失望的なものに終わっている。同様に広告事業を手掛けるアルファベットやメタの決算への警戒感が高まっており、グロース株の売り直しの動きが出てくるかに注意したい。
■米FOMC、米4-6月期GDP速報値、6月鉱工業生産など
来週は25日に6月全国百貨店売上高、独7月Ifo景況感指数、26日に日銀金融政策決定会合議事要旨(6/16~17開催分)、米FOMC(~7/27)、米5月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米7月CB消費者信頼感指数、米6月新築住宅販売件数、27日にパウエルFRB議長会見、米6月耐久財受注、28日に米4-6月期GDP速報値、29日に6月失業率・有効求人倍率、6月鉱工業生産、6月消費動向調査、6月住宅着工統計、日銀金融政策決定会合の「主な意見」(7/20~21日開催)、ユーロ圏4-6月期GDP、米6月個人所得・個人支出(PCE)、米6月PCEコアデフレーターなどが発表予定。
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今週の日経平均は週間で1126.19円高(+4.20%)と3週続伸。26週移動平均線に続き52週線も一気に上抜いてきた。日経平均は13日から負けなしの7日続伸で、大躍進した。
週明け、連休中にあったスマートフォン大手アップルの一部新規採用縮小・支出減速の報道が投資家心理を冷やした。ただ、米金融大手の好決算に加えて、7月ミシガン大消費者信頼感指数の長期期待インフレ率が1年ぶりの低水準となり、大幅利上げ観測が後退したことによるセンチメント改善が勝り、上昇して始まった。その後、ロシア国営ガス会社がパイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州への天然ガス輸出を再開するとの報道で上昇に弾みがついた。
警戒された企業決算についても、米国の動画配信サービスのネットフリックスや電気自動車(EV)大手テスラの決算は予想を上回り、前の週からのハイテク・グロース(成長)株の買い戻しに拍車をかけた。イタリアの政治情勢の不安定化や、欧州中央銀行(ECB)による予想(0.25pt)を上回る大幅利上げ(0.5pt)などもあったが、日米そろって株式市場はグロース株をけん引役に力強い動きを続けた。一方、米国の住宅関連指標や景気指標は軒並み予想を下回り、景気後退懸念が強まるなか、資源関連株や景気敏感株は相対的に冴えない展開だった。
■FOMCでは9月以降の利上げ幅への言及に注目
来週の東京株式市場は神経質な展開か。本格化する日米主要企業の4-6月期決算に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、イベントが集中するなか方向感が定まるのに時間がかかりそうだ。
26~27日にFOMCが開催される。米6月消費者物価指数(CPI)が予想を大幅に上振れたことで一時1.00ptという超大幅な利上げが警戒されたが、その後の米連邦準備制度理事会(FRB)高官らの発言でこうした動きは沈静化した。市場では0.75ptの利上げが完全に織り込まれており、恐らく予想通りになるだろう。いったん、1.00ptの利上げを織り込みにいった経緯から、大きなサプライズは起こりにくい。一方、次回9月会合でも0.75pt以上の利上げに含みを残すような見解が示されると、市場は足元で利上げに対してやや楽観的に傾いてきている分、売りが膨らみそうだ。
もう一つ注目なのが日米主要企業の4-6月期決算だ。週半ばから日米ともに注目度の高い企業が続々と決算を発表する。特に注目なのは米国のアルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾン・ドット・コムの通称「GAFAM」と呼ばれる大型テック企業の決算。市場への影響力が大きく、決算内容と株価反応が注目される。
先んじて発表済みのネットフリックスやテスラは予想を上回る決算で株価は大きく上昇した。米国ではその他の発表済みの企業についても予想を上回る決算が多かった。今回の4-6月期決算にあたっては事前に警戒感がかなり高まっていたため、結果的にネガティブサプライズが起こりにくいようだ。FOMCを無難に通過し、GAFAMの決算もこれまでの多くの企業と同様に堅調なものとなれば、相場の底入れ感が強まりそうだ。
一方、足元の相場の上昇は、決算前に、過度に悲観に傾き過ぎていたポジションを中立に戻そうとする機関投資家の動きに過ぎないとも考えられ、決算発表一巡後の上昇幅は限られる可能性もある。実際、日本電産<6594>は悪くない決算だったが、決算前まで株価が上昇していたのに対し、決算発表後は一転して週末まで売りが続いた。決算前に買い戻しで売りポジションの利益を確保する一方、決算後には改めて売り直すといった動きもあると推察される。
こうした中、仮にGAFAMの決算で予想を下回るものが多ければ、足元のリバウンドに水を差す格好となり、相場は再び決算シーズン前の水準に向けて押し返される可能性が十分にあるだろう。つまりは結果次第で方向性が大きく変化しうるため、イベント通過前のポジション構築は避け、各種イベントの結果を全てじっくりと見極めることが肝要となる。
■グロ−ス株のリバウンドは一服か
上述したように決算前のポジション整理が足元の株価上昇の要因であるならば、決算発表が本格化してくる頃合いでそろそろグロース株のリバウンドも一巡してくる可能性がある。米国ではスナップチャットやツイッターなどソーシャルネットワーキングサービス企業の決算が失望的なものに終わっている。同様に広告事業を手掛けるアルファベットやメタの決算への警戒感が高まっており、グロース株の売り直しの動きが出てくるかに注意したい。
■米FOMC、米4-6月期GDP速報値、6月鉱工業生産など
来週は25日に6月全国百貨店売上高、独7月Ifo景況感指数、26日に日銀金融政策決定会合議事要旨(6/16~17開催分)、米FOMC(~7/27)、米5月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米7月CB消費者信頼感指数、米6月新築住宅販売件数、27日にパウエルFRB議長会見、米6月耐久財受注、28日に米4-6月期GDP速報値、29日に6月失業率・有効求人倍率、6月鉱工業生産、6月消費動向調査、6月住宅着工統計、日銀金融政策決定会合の「主な意見」(7/20~21日開催)、ユーロ圏4-6月期GDP、米6月個人所得・個人支出(PCE)、米6月PCEコアデフレーターなどが発表予定。
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