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セルム Research Memo(6):既存市場と新市場における顧客基盤拡充と新事業開発で過去最高益の実現へ
配信日時:2022/06/28 15:16
配信元:FISCO
■中期経営計画
1. 中期経営計画の概要
セルム<7367>を取り巻く事業環境としては、コロナ禍による新たな組織・人材開発ニーズが急速に顕在化している。DXの急進による、DXを軸とした人材開発や組織開発、価値観・働き方の多様化、副業の社会的な浸透など、コロナ禍により社会的な価値観が大きく変化しつつあるなかで、新たな事業や顧客価値の創出に向けた組織・人材開発が求められるようになってきている。また、足元ではアフターコロナを見据えた投資が活発化している。
このような背景を踏まえて、同社では2022年5月13日に中期経営計画の上方修正を発表した。2023年3月期から2025年3月期にかけて、現在の事業環境や戦略の手応えを勘案し、さらなる増収増益を前提とした計画目標の見直しを行った。大きく分けて既存事業の開発と新事業の開発の2本柱で新たな成長基盤の開発を目指す。計画最終期の2025年3月期の業績目標は売上高を8,615百万円、EBITDAを1,362百万円、営業利益を1,156百万円としている。
2. 成長戦略
2022年3月期は、コロナ禍からの回復基調以上の成長を達成しており、2023年3月期以降もさらなる事業成長を計画している。上方修正後の中期経営計画では、売上高以上のペースで各段階利益の増益率にフォーカスし、利益率の向上を加速させる。そのための成長戦略として、1)大手人事部門とのさらなる取引拡大、2)他機能及び事業部門における取引基盤の開発、3)特定市場にフォーカスした大手顧客ポートフォリオの開発、4)準大手顧客の開発、5)M&Aを軸とした事業開発の推進の5つのテーマを軸とした、既存事業の開発と新事業の開発の2本柱で新たな成長基盤の開発を行っていく。また、現在約100名在籍する連結営業人員を、トップラインと同様に毎年約10%ペースで純増させる想定である。優秀人材の確保に向けて、既存の人事部と並走し、外部の業務委託による採用プロフェッショナルを活用し、ダイレクトリクルーティング等を行う。また、採用エージェント向けの説明会等を通じて関係性を強化していく。
(1) 既存事業の開発
a) 大手人事部門とのさらなる取引拡大
経営塾を基盤とした顧客の経営リーダーに対し、「オンライン環境、デジタルツール、人材開発データ」の活用による同社サービスのDX推進・1on1メンタリングと、DX人材育成サービスの拡充による新たな成長力の獲得に注力する。経営塾からミドル革新、ミドル革新から組織開発、若手育成へと取引拡大をよりスムーズにすることで、大手人事部門とのさらなる取引拡大を図る。
b) 特定市場にフォーカスした大手顧客ポートフォリオの開発
アフターコロナを見据え、金融・IT・通信・物流・総合商社にフォーカスした継続的なアプローチによる新たな顧客基盤の開発を行っていく。
(2) 新事業の開発
a) 他機能及び事業部門における取引基盤の開発
経営塾を基盤とした経営リーダーに対し、経営塾参加者への個別アプローチや1on1メンタリングを軸とした経営リーダーへのアプローチ強化、経営リーダー限定のデータベース構築を通じた経営リーダー向けマーケティング施策拡充にフォーカスする。経営リーダーとの長期リレーション構築を図ることで、他機能及び事業部門における取引基盤の開発を行っていく。大企業においては人事部の役割が限定的になっているケースもあり、人事部以外の事業部門や企業内における戦略人事機能である「HRビジネスパートナー」にアクセスすることで事業に求められる人材像をより的確に抽出する。2022年3月期の「人事部以外の事業部門との取引数」は99部門(前期比209.4%増)と急増しており、今後も取引基盤の拡大を見込む。
b) 準大手顧客の開発
大手顧客での実績と、コーポレートガバナンスを起点とした成功モデルの展開により、中長期取引基盤の構築を図っていく。
c) M&Aを軸とした事業開発の推進
既存事業における顧客基盤の拡充に加え、M&Aによる積極的な資本展開により事業機会を創出する。具体的には非人事部向けのチャネル開拓、スタートアップや中小企業へのアクセス、既存事業のプラットフォーム化を実現するテクノロジーの獲得など、単独では実現できない成長機会をM&Aにより実現する。M&Aを検討する規模感として、2ケタ億円規模の投資も検討しており、必要資金については、利益創出により詰み上がった自己資金と借入等での調達を基本としている。
(3) KPI
中期経営計画期間の成長ドライバーとして、「上位150社の1社当たり平均年間売上高」「経営塾の実施社数」「人事部以外の事業部門への展開」「準大手顧客数」という4つのKPIを掲げている。これらの項目については、2022年3月期の事業拡大を大きく牽引しており、今後も継続して高い成長を目指していく。2023年3月期における新市場開発の進捗に関するKPIについては、上位150社の1社当たり平均年間売上高を33百万円(前期比5.1%増)、経営塾の実施社数を97社(同7社増)、人事部以外の事業部門への展開を107部門(同8部門増)、準大手顧客数を77社(同10社増)とした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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1. 中期経営計画の概要
セルム<7367>を取り巻く事業環境としては、コロナ禍による新たな組織・人材開発ニーズが急速に顕在化している。DXの急進による、DXを軸とした人材開発や組織開発、価値観・働き方の多様化、副業の社会的な浸透など、コロナ禍により社会的な価値観が大きく変化しつつあるなかで、新たな事業や顧客価値の創出に向けた組織・人材開発が求められるようになってきている。また、足元ではアフターコロナを見据えた投資が活発化している。
このような背景を踏まえて、同社では2022年5月13日に中期経営計画の上方修正を発表した。2023年3月期から2025年3月期にかけて、現在の事業環境や戦略の手応えを勘案し、さらなる増収増益を前提とした計画目標の見直しを行った。大きく分けて既存事業の開発と新事業の開発の2本柱で新たな成長基盤の開発を目指す。計画最終期の2025年3月期の業績目標は売上高を8,615百万円、EBITDAを1,362百万円、営業利益を1,156百万円としている。
2. 成長戦略
2022年3月期は、コロナ禍からの回復基調以上の成長を達成しており、2023年3月期以降もさらなる事業成長を計画している。上方修正後の中期経営計画では、売上高以上のペースで各段階利益の増益率にフォーカスし、利益率の向上を加速させる。そのための成長戦略として、1)大手人事部門とのさらなる取引拡大、2)他機能及び事業部門における取引基盤の開発、3)特定市場にフォーカスした大手顧客ポートフォリオの開発、4)準大手顧客の開発、5)M&Aを軸とした事業開発の推進の5つのテーマを軸とした、既存事業の開発と新事業の開発の2本柱で新たな成長基盤の開発を行っていく。また、現在約100名在籍する連結営業人員を、トップラインと同様に毎年約10%ペースで純増させる想定である。優秀人材の確保に向けて、既存の人事部と並走し、外部の業務委託による採用プロフェッショナルを活用し、ダイレクトリクルーティング等を行う。また、採用エージェント向けの説明会等を通じて関係性を強化していく。
(1) 既存事業の開発
a) 大手人事部門とのさらなる取引拡大
経営塾を基盤とした顧客の経営リーダーに対し、「オンライン環境、デジタルツール、人材開発データ」の活用による同社サービスのDX推進・1on1メンタリングと、DX人材育成サービスの拡充による新たな成長力の獲得に注力する。経営塾からミドル革新、ミドル革新から組織開発、若手育成へと取引拡大をよりスムーズにすることで、大手人事部門とのさらなる取引拡大を図る。
b) 特定市場にフォーカスした大手顧客ポートフォリオの開発
アフターコロナを見据え、金融・IT・通信・物流・総合商社にフォーカスした継続的なアプローチによる新たな顧客基盤の開発を行っていく。
(2) 新事業の開発
a) 他機能及び事業部門における取引基盤の開発
経営塾を基盤とした経営リーダーに対し、経営塾参加者への個別アプローチや1on1メンタリングを軸とした経営リーダーへのアプローチ強化、経営リーダー限定のデータベース構築を通じた経営リーダー向けマーケティング施策拡充にフォーカスする。経営リーダーとの長期リレーション構築を図ることで、他機能及び事業部門における取引基盤の開発を行っていく。大企業においては人事部の役割が限定的になっているケースもあり、人事部以外の事業部門や企業内における戦略人事機能である「HRビジネスパートナー」にアクセスすることで事業に求められる人材像をより的確に抽出する。2022年3月期の「人事部以外の事業部門との取引数」は99部門(前期比209.4%増)と急増しており、今後も取引基盤の拡大を見込む。
b) 準大手顧客の開発
大手顧客での実績と、コーポレートガバナンスを起点とした成功モデルの展開により、中長期取引基盤の構築を図っていく。
c) M&Aを軸とした事業開発の推進
既存事業における顧客基盤の拡充に加え、M&Aによる積極的な資本展開により事業機会を創出する。具体的には非人事部向けのチャネル開拓、スタートアップや中小企業へのアクセス、既存事業のプラットフォーム化を実現するテクノロジーの獲得など、単独では実現できない成長機会をM&Aにより実現する。M&Aを検討する規模感として、2ケタ億円規模の投資も検討しており、必要資金については、利益創出により詰み上がった自己資金と借入等での調達を基本としている。
(3) KPI
中期経営計画期間の成長ドライバーとして、「上位150社の1社当たり平均年間売上高」「経営塾の実施社数」「人事部以外の事業部門への展開」「準大手顧客数」という4つのKPIを掲げている。これらの項目については、2022年3月期の事業拡大を大きく牽引しており、今後も継続して高い成長を目指していく。2023年3月期における新市場開発の進捗に関するKPIについては、上位150社の1社当たり平均年間売上高を33百万円(前期比5.1%増)、経営塾の実施社数を97社(同7社増)、人事部以外の事業部門への展開を107部門(同8部門増)、準大手顧客数を77社(同10社増)とした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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