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テクマト Research Memo(6):クラウド型セキュリティ対策製品の成長続き、情報基盤事業は2ケタ増収増益(1)
配信日時:2022/06/15 16:06
配信元:FISCO
■テクマトリックス<3762>の業績動向
2. 事業セグメント別の動向
(1) 情報基盤事業
情報基盤事業の売上収益は前期比18.0%増の24,711百万円、営業利益は同11.4%増の3,054百万円となった。本社移転関連費用201百万円を除いたベースでは同18.8%増の3,255百万円となり、売上収益・営業利益ともに会社計画(売上収益23,000百万円、営業利益3,000百万円)を上回って着地した。また、受注高は同9.8%増の29,916百万円、受注残高は同25.2%増の25,901百万円となった。下期の受注高が前年同期比7.9%減と失速したが、これは2021年3月期下期に超大型案件があったことやコロナ禍でリモートワークに対応したセキュリティ製品の特需が発生した反動による影響である。実際には中規模から大規模の受注案件が増加するなどネットワークセキュリティに対する需要の裾野は広がっており、活発な引き合い状況が続いたとの認識だ。
企業の情報システムに対するサイバー攻撃は年々巧妙化しており、サイバー攻撃によって工場の稼働がストップするといったケースも発生するなど被害も甚大となってきている。リモートワークの普及によってサイバー攻撃を受けるリスクが高まっていることもあり、ネットワークセキュリティ対策を一段と強化する動きが継続している。特に、国内外で事業拠点を多く持つ大企業においてセキュリティ対策をクラウド上で一括管理できる、Palo Alto Networks社製のSASE※と呼ばれる「Prisma Access」の受注が大幅に増加した。受注案件の規模も3~5年契約で大型化する傾向にあり、受注残高が積み上がる要因ともなった。
※SASE(Secure Access Service Edge):ネットワークとセキュリティの機能を包括的にクラウドから提供すること。クラウドサービスの普及が進むなかで、これまでクラウドのポリシーは利用サービス別に適用されることが多かったが、SASEは単一のクラウドに集約し包括的に管理するという新しい概念。
受注規模が大型化することで売上総利益率は数ポイント程度の低下要因となったが、増収効果による人件費率の低下により吸収できたため、利益率(本社移転費用控除前)も前期並みの水準を維持した。なお、需要が急増しているPalo Alto Networks製品の一次代理店は同社以外にも複数あるが販売実績は同社がトップとなり、パロアルトネットワークス(株)が開催したイベント「Japan Partner Day 2022 Virtual」において、4年連続で「JAPAN Distribution Partner of the Year」※を受賞した。そのほかにもエンドポイントセキュリティ製品を提供するTanium(合)や次世代型メールセキュリティ製品を提供する日本プルーフポイント(株)をはじめ多くの企業から同社の販売実績やサポート体制が高く評価され、同様の賞を受賞した。
※「JAPAN Distribution Partner of the Year」は、販売実績や前年度からの成長、販売後のサポートサービスの提供において大きな成果を達成した日本のディストリビュータを表彰するもので、同社は2018年から4年連続の受賞となった。
分野別の売上動向を見ると、2021年3月期にリモートワークの普及に伴って特需的に増加したリモートアクセス製品や個人認証システムは減少したものの、次世代ファイアウォールを中心にクラウド型セキュリティサービスが大きく伸長したほか、増加するマルウェア対策として「Proofpoint」等のメールセキュリティ製品も好調に推移した。さらに、セキュリティシステムの高度化に伴い、統合セキュリティ運用・監視サービス「TPS(TechMatrix Premium Support)」の受注も前期比で2倍増となった。今後も収益性の高いストック型ビジネスとして、契約件数の積み上げを図っていく。
子会社のクロス・ヘッドについては、半導体不足に起因した各種ネットワーク製品の供給遅れで大手SI企業との共同プロジェクトが一部延伸したものの、その他は順調で会社計画を上回る増収増益となった。また、OCHについても自社企画製品やリモートデスクトップ・サービス等のサブスクリプション課金モデルの事業が好調で、会社計画を上回る増益となった。
なお、情報基盤事業(単体)におけるストック売上比率は、サブスクリプション課金モデルであるクラウド型セキュリティサービスの急成長を背景に2021年3月期以降急上昇しており、2022年3月期は74.7%と2期前の38.6%から2倍近くに上昇した(IFRSへの会計基準の変更の影響も一部あり)。今後もサブスクリプション課金モデルのサービス拡大が見込まれるため、ストック売上比率は高水準で推移し、同事業は安定した収益性が続くものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
2. 事業セグメント別の動向
(1) 情報基盤事業
情報基盤事業の売上収益は前期比18.0%増の24,711百万円、営業利益は同11.4%増の3,054百万円となった。本社移転関連費用201百万円を除いたベースでは同18.8%増の3,255百万円となり、売上収益・営業利益ともに会社計画(売上収益23,000百万円、営業利益3,000百万円)を上回って着地した。また、受注高は同9.8%増の29,916百万円、受注残高は同25.2%増の25,901百万円となった。下期の受注高が前年同期比7.9%減と失速したが、これは2021年3月期下期に超大型案件があったことやコロナ禍でリモートワークに対応したセキュリティ製品の特需が発生した反動による影響である。実際には中規模から大規模の受注案件が増加するなどネットワークセキュリティに対する需要の裾野は広がっており、活発な引き合い状況が続いたとの認識だ。
企業の情報システムに対するサイバー攻撃は年々巧妙化しており、サイバー攻撃によって工場の稼働がストップするといったケースも発生するなど被害も甚大となってきている。リモートワークの普及によってサイバー攻撃を受けるリスクが高まっていることもあり、ネットワークセキュリティ対策を一段と強化する動きが継続している。特に、国内外で事業拠点を多く持つ大企業においてセキュリティ対策をクラウド上で一括管理できる、Palo Alto Networks社製のSASE※と呼ばれる「Prisma Access」の受注が大幅に増加した。受注案件の規模も3~5年契約で大型化する傾向にあり、受注残高が積み上がる要因ともなった。
※SASE(Secure Access Service Edge):ネットワークとセキュリティの機能を包括的にクラウドから提供すること。クラウドサービスの普及が進むなかで、これまでクラウドのポリシーは利用サービス別に適用されることが多かったが、SASEは単一のクラウドに集約し包括的に管理するという新しい概念。
受注規模が大型化することで売上総利益率は数ポイント程度の低下要因となったが、増収効果による人件費率の低下により吸収できたため、利益率(本社移転費用控除前)も前期並みの水準を維持した。なお、需要が急増しているPalo Alto Networks製品の一次代理店は同社以外にも複数あるが販売実績は同社がトップとなり、パロアルトネットワークス(株)が開催したイベント「Japan Partner Day 2022 Virtual」において、4年連続で「JAPAN Distribution Partner of the Year」※を受賞した。そのほかにもエンドポイントセキュリティ製品を提供するTanium(合)や次世代型メールセキュリティ製品を提供する日本プルーフポイント(株)をはじめ多くの企業から同社の販売実績やサポート体制が高く評価され、同様の賞を受賞した。
※「JAPAN Distribution Partner of the Year」は、販売実績や前年度からの成長、販売後のサポートサービスの提供において大きな成果を達成した日本のディストリビュータを表彰するもので、同社は2018年から4年連続の受賞となった。
分野別の売上動向を見ると、2021年3月期にリモートワークの普及に伴って特需的に増加したリモートアクセス製品や個人認証システムは減少したものの、次世代ファイアウォールを中心にクラウド型セキュリティサービスが大きく伸長したほか、増加するマルウェア対策として「Proofpoint」等のメールセキュリティ製品も好調に推移した。さらに、セキュリティシステムの高度化に伴い、統合セキュリティ運用・監視サービス「TPS(TechMatrix Premium Support)」の受注も前期比で2倍増となった。今後も収益性の高いストック型ビジネスとして、契約件数の積み上げを図っていく。
子会社のクロス・ヘッドについては、半導体不足に起因した各種ネットワーク製品の供給遅れで大手SI企業との共同プロジェクトが一部延伸したものの、その他は順調で会社計画を上回る増収増益となった。また、OCHについても自社企画製品やリモートデスクトップ・サービス等のサブスクリプション課金モデルの事業が好調で、会社計画を上回る増益となった。
なお、情報基盤事業(単体)におけるストック売上比率は、サブスクリプション課金モデルであるクラウド型セキュリティサービスの急成長を背景に2021年3月期以降急上昇しており、2022年3月期は74.7%と2期前の38.6%から2倍近くに上昇した(IFRSへの会計基準の変更の影響も一部あり)。今後もサブスクリプション課金モデルのサービス拡大が見込まれるため、ストック売上比率は高水準で推移し、同事業は安定した収益性が続くものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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