注目トピックス 日本株
テクマト Research Memo(1):ネットワークセキュリティ製品の好調続く、医療分野もM&A効果による成長期待
配信日時:2022/06/15 16:01
配信元:FISCO
■要約
テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、製品販売にとどまらず、システム構築、保守、運用・監視サービスまでを含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供しているのが強みである。また、アプリケーション・サービス事業では、医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューションと新たに開始した教育事業の5つのソリューションサービスを展開している。医療分野では2022年2月に同業のPSP(株)を連結子会社化し、同年4月に子会社の(株)NOBORIを吸収合併消滅会社として両社を合併し、新生PSP(株)として事業をスタートした。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の連結業績は、売上収益で前期比18.1%増の36,513百万円、営業利益で同4.2%増の3,734百万円といずれも過去最高を更新した。クラウド型セキュリティ対策製品の需要が引き続き拡大し、業績のけん引役となった。受注高も前期比13.1%増の42,767百万円と2ケタ成長が続いた。なお、旧PSPの業績を2ヶ月分(売上収益1,270百万円、営業利益170百万円)取り込んだほか本社移転関連費用445百万円を計上しており、これら特殊要因を除いたベースでは売上収益で13.9%増、営業利益で11.9%増となる。旧PSPはオンプレミス型PACS※1の大手で、クラウド型PACSを展開するNOBORIの競合相手であったが、両社の顧客基盤・技術基盤は補完関係にあり統合することでシナジーを創出し、新規事業であるPHR※2サービスやAI診断サービスといった、データ利活用による事業展開を加速していく戦略となっている。
※1 PACS(Picture Archiving and Communication Systems):MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡、PET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。旧PSP、旧NOBORIともに導入施設数は約1,100施設で、統合後の稼働施設数ベースでは国内シェア22%超の第2位となる。
※2 PHR(Personal Health Record):個人の健康に関する様々な情報を指す。「NOBORI」は、患者の自己管理の下にクラウド上に医療情報を集約化するスマホアプリを提供している。
2. 2023年3月期見通し
2023年3月期の連結業績は売上収益で前期比17.8%増の43,000百万円、営業利益で同7.1%増の4,000百万円となる見通し。情報基盤事業はクラウド型セキュリティ対策製品の需要拡大を背景に売上収益で同11.3%増、営業利益で同6.4%増となり、アプリケーション・サービス事業は売上収益で31.3%増、営業利益で10.3%増を見込む。売上収益は旧PSPの連結化による増収効果が大きいが、営業利益は旧PSPの貢献をほとんど見込んでいない。これまで、旧PSPはオンプレミス型のPACS製品の提供を行っていたが、今後はNOBORIとの合併を契機に旧PSPの既存取引先に対してクラウド型のPACS製品の提供に切り替えていく方針であることから、一時的に収益が落ち込むことを想定しているためだ。ただ全体的には保守的な印象が強く、会社計画を達成する可能性は高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」の進捗について
同社は新生PSPが発足したことに伴い、中期経営計画の業績目標値を上方修正した。最終年度の2024年3月期は当初計画(売上収益40,000百万円、営業利益5,000百万円)に対して売上収益で46,000百万円、営業利益で5,100百万円とした。売上収益に対して営業利益の上積みが少ないのは、クラウドサービスへの移行期となる旧PSPの利益貢献がまだ小さいためだ。旧PSPの営業利益は2021年6月期で888百万円となっており、既存顧客のクラウドシフトが一巡すれば少なくとも同程度の利益貢献が期待できることになり、次期中期経営計画では旧NOBORIとの統合効果も含めて業績面への貢献が顕在化してくると、弊社では見ている。情報基盤事業については、サイバーセキュリティ対策のトータルソリューションプロバイダーとして今後も安定的な成長が見込まれ、これに医療分野を中心としたアプリケーション・サービス事業の成長が加わることにより、業績は中長期的に拡大基調が続くものと弊社では見ている。
■Key Points
・2022年3月期業績は情報基盤事業がけん引し、過去最高を連続更新
・2023年3月期業績は豊富な受注残を背景に増収増益が続く見通しで、利益計画は保守的な印象
・新生PSPが発足により医療分野の中期的な成長期待が一段と高まる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、製品販売にとどまらず、システム構築、保守、運用・監視サービスまでを含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供しているのが強みである。また、アプリケーション・サービス事業では、医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューションと新たに開始した教育事業の5つのソリューションサービスを展開している。医療分野では2022年2月に同業のPSP(株)を連結子会社化し、同年4月に子会社の(株)NOBORIを吸収合併消滅会社として両社を合併し、新生PSP(株)として事業をスタートした。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の連結業績は、売上収益で前期比18.1%増の36,513百万円、営業利益で同4.2%増の3,734百万円といずれも過去最高を更新した。クラウド型セキュリティ対策製品の需要が引き続き拡大し、業績のけん引役となった。受注高も前期比13.1%増の42,767百万円と2ケタ成長が続いた。なお、旧PSPの業績を2ヶ月分(売上収益1,270百万円、営業利益170百万円)取り込んだほか本社移転関連費用445百万円を計上しており、これら特殊要因を除いたベースでは売上収益で13.9%増、営業利益で11.9%増となる。旧PSPはオンプレミス型PACS※1の大手で、クラウド型PACSを展開するNOBORIの競合相手であったが、両社の顧客基盤・技術基盤は補完関係にあり統合することでシナジーを創出し、新規事業であるPHR※2サービスやAI診断サービスといった、データ利活用による事業展開を加速していく戦略となっている。
※1 PACS(Picture Archiving and Communication Systems):MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡、PET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。旧PSP、旧NOBORIともに導入施設数は約1,100施設で、統合後の稼働施設数ベースでは国内シェア22%超の第2位となる。
※2 PHR(Personal Health Record):個人の健康に関する様々な情報を指す。「NOBORI」は、患者の自己管理の下にクラウド上に医療情報を集約化するスマホアプリを提供している。
2. 2023年3月期見通し
2023年3月期の連結業績は売上収益で前期比17.8%増の43,000百万円、営業利益で同7.1%増の4,000百万円となる見通し。情報基盤事業はクラウド型セキュリティ対策製品の需要拡大を背景に売上収益で同11.3%増、営業利益で同6.4%増となり、アプリケーション・サービス事業は売上収益で31.3%増、営業利益で10.3%増を見込む。売上収益は旧PSPの連結化による増収効果が大きいが、営業利益は旧PSPの貢献をほとんど見込んでいない。これまで、旧PSPはオンプレミス型のPACS製品の提供を行っていたが、今後はNOBORIとの合併を契機に旧PSPの既存取引先に対してクラウド型のPACS製品の提供に切り替えていく方針であることから、一時的に収益が落ち込むことを想定しているためだ。ただ全体的には保守的な印象が強く、会社計画を達成する可能性は高いと弊社では見ている。
3. 中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」の進捗について
同社は新生PSPが発足したことに伴い、中期経営計画の業績目標値を上方修正した。最終年度の2024年3月期は当初計画(売上収益40,000百万円、営業利益5,000百万円)に対して売上収益で46,000百万円、営業利益で5,100百万円とした。売上収益に対して営業利益の上積みが少ないのは、クラウドサービスへの移行期となる旧PSPの利益貢献がまだ小さいためだ。旧PSPの営業利益は2021年6月期で888百万円となっており、既存顧客のクラウドシフトが一巡すれば少なくとも同程度の利益貢献が期待できることになり、次期中期経営計画では旧NOBORIとの統合効果も含めて業績面への貢献が顕在化してくると、弊社では見ている。情報基盤事業については、サイバーセキュリティ対策のトータルソリューションプロバイダーとして今後も安定的な成長が見込まれ、これに医療分野を中心としたアプリケーション・サービス事業の成長が加わることにより、業績は中長期的に拡大基調が続くものと弊社では見ている。
■Key Points
・2022年3月期業績は情報基盤事業がけん引し、過去最高を連続更新
・2023年3月期業績は豊富な受注残を背景に増収増益が続く見通しで、利益計画は保守的な印象
・新生PSPが発足により医療分野の中期的な成長期待が一段と高まる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
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