注目トピックス 日本株
ポート Research Memo(5):売上収益及びEBITDAのレンジ達成は現実的
配信日時:2022/06/09 16:25
配信元:FISCO
■今後の見通し
1. 2023年3月期業績の見通し
ポート<7047>の2023年3月期については、深刻な外部環境の状況を勘案し各領域の計画を保守的に再精査した。その結果、売上収益は9,300百万円(前期比33.0%増)、EBITDAは1,500百万円(同85.1%増)、営業利益は1,200百万円(同100.1%増)、税引前当期利益が1,100百万円(同94.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が700百万円(同110.5%増)としている。ウクライナ情勢等に起因する資源価格高騰等の電力会社各社への影響、コロナ禍の長期化による就職領域・カードローン領域への影響、リフォーム領域のM&A後に策定した計画との乖離などが主な修正要因である。業績計画の修正を行ったものの、マーケティングの効率化・成約率の向上により当初中期経営計画の達成を目指すとしている。創業時からの連続増収の実績を鑑みれば、計画の実現可能性は高いものと弊社ではみている。
2. 領域別の戦術
(1) 就職領域
2023年3月期の売上収益は3,000百万円(前期比30%増)、事業利益は1,610百万円(同51%増)を目標としている。就活生利用率75%以上の会員基盤により送客先の拡大は順調に進んでいる。そのため、予算確保は十分に可能であり予算消化率※アップが重点ポイントとなる。人材紹介では、紹介先の拡充や自社の組織規模拡大によるマッチング率向上が重要となる。そのため、新卒社員を中心にエージェント担当を増強する。また、市場における同社のシェアは上昇していることから、介在価値を高めマッチング時の報酬単価の向上を推進していく。その他、既卒に対するクロスセルも確実に伸びてきており、今後さらなる拡大が見込まれる。
※同社では消化率を「獲得した企業の予算枠に対して、送客(予算消化)できた割合」としている。
(2) リフォーム領域
2023年3月期の売上収益は1,230百万円(前期比13%増)、事業利益は370百万円(同53%増)を目標としている。中期経営計画策定時の目標に対して2022年3月期より乖離が生じているが、M&A後のPMIを通じて2023年3月期は事業利益の大幅な向上を見込んでいる。リフォーム領域では事業利益を最も重視する方針であり、1ユーザーあたりの集客コストの低減・成約率向上の施策を進めていく。M&A後のPMIの推進により、同社の強みであるマーケティング効率化が好影響を与え、1ユーザーあたりの集客コストは逓減している。具体策として、2023年3月期に新規マーケティング施策、ユーザー問い合わせ受付チームの生産性向上、品質向上プロジェクトなどを実施する予定だ。また、2022年3月期第4四半期においては、施工業者の成約プロセスに一部介在し、ユーザーに対する見積書の見方の支援や、ニーズを聞き出し施工業者へフィードバックするなど、きめ細かい対応によって成約率や業務効率を改善した。2023年3月期には、これらの対象範囲を一気に拡大させることで全体の成約率向上を目指すとしている。
(3) カードローン領域
2023年3月期の売上収益は2,190百万円(前期比10%増)、事業利益は440百万円(同32%増)を目標としている。コロナ禍の長期化による顧客予算縮小から一定程度の回復を見込むが、大きな予算増加となる可能性は低いとみている。そのため、マーケティング効率化、金融機関DXによる送客数増加によって事業利益を優先した運営を行う。消費者金融機関や金融事業者と共同で運営するアライアンスメディアについては一定数を確保済みである。従って、2023年3月期は対象事業の成長を通じてオーガニックな送客数の増加による事業利益の拡大を目指す。
(4) エネルギー領域
2023年3月期の売上収益は2,500百万円(前期比183%増)、事業利益は370百万円(同109%増)を目標としている。INEは2022年1月より連結化しており、2022年3月期の売上収益881百万円は第4四半期のみの数値である。参考値として、連結前の売上収益を加味した年間の売上収益は3,815百万円である。ユーザーの新電力に対する契約ニーズは高く、マッチング効率の改善を通じた成約率の向上により、取次件数ベースでは2022年3月期と同水準以上を目指す。しかし、厳しい市場環境の影響により取次単価の低下が見込まれるため、連結前売上を考慮した2022年3月期の売上収益3,815百万円に対して減収を想定している。具体的な戦術としては、電力事業者のニーズに応えることで、個人向け電力取次においてもストック収益を拡充する。また、電力の他にもガスや再生可能エネルギー関連のクロスセルを強化していく。これらにより、市場環境回復時の正常時収益力の向上を図るとともに、業績予想の上振れを目指す。
(5) 新規・その他領域
2023年3月期の売上収益は380百万円(前期比48%減)、事業利益は29百万円(同66%減)を目標としている。INE の M&A によるエネルギー領域への移管や、一部事業の撤退、非注力化、事業ポートフォリオの一部見直しを行うため減収減益を想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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1. 2023年3月期業績の見通し
ポート<7047>の2023年3月期については、深刻な外部環境の状況を勘案し各領域の計画を保守的に再精査した。その結果、売上収益は9,300百万円(前期比33.0%増)、EBITDAは1,500百万円(同85.1%増)、営業利益は1,200百万円(同100.1%増)、税引前当期利益が1,100百万円(同94.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が700百万円(同110.5%増)としている。ウクライナ情勢等に起因する資源価格高騰等の電力会社各社への影響、コロナ禍の長期化による就職領域・カードローン領域への影響、リフォーム領域のM&A後に策定した計画との乖離などが主な修正要因である。業績計画の修正を行ったものの、マーケティングの効率化・成約率の向上により当初中期経営計画の達成を目指すとしている。創業時からの連続増収の実績を鑑みれば、計画の実現可能性は高いものと弊社ではみている。
2. 領域別の戦術
(1) 就職領域
2023年3月期の売上収益は3,000百万円(前期比30%増)、事業利益は1,610百万円(同51%増)を目標としている。就活生利用率75%以上の会員基盤により送客先の拡大は順調に進んでいる。そのため、予算確保は十分に可能であり予算消化率※アップが重点ポイントとなる。人材紹介では、紹介先の拡充や自社の組織規模拡大によるマッチング率向上が重要となる。そのため、新卒社員を中心にエージェント担当を増強する。また、市場における同社のシェアは上昇していることから、介在価値を高めマッチング時の報酬単価の向上を推進していく。その他、既卒に対するクロスセルも確実に伸びてきており、今後さらなる拡大が見込まれる。
※同社では消化率を「獲得した企業の予算枠に対して、送客(予算消化)できた割合」としている。
(2) リフォーム領域
2023年3月期の売上収益は1,230百万円(前期比13%増)、事業利益は370百万円(同53%増)を目標としている。中期経営計画策定時の目標に対して2022年3月期より乖離が生じているが、M&A後のPMIを通じて2023年3月期は事業利益の大幅な向上を見込んでいる。リフォーム領域では事業利益を最も重視する方針であり、1ユーザーあたりの集客コストの低減・成約率向上の施策を進めていく。M&A後のPMIの推進により、同社の強みであるマーケティング効率化が好影響を与え、1ユーザーあたりの集客コストは逓減している。具体策として、2023年3月期に新規マーケティング施策、ユーザー問い合わせ受付チームの生産性向上、品質向上プロジェクトなどを実施する予定だ。また、2022年3月期第4四半期においては、施工業者の成約プロセスに一部介在し、ユーザーに対する見積書の見方の支援や、ニーズを聞き出し施工業者へフィードバックするなど、きめ細かい対応によって成約率や業務効率を改善した。2023年3月期には、これらの対象範囲を一気に拡大させることで全体の成約率向上を目指すとしている。
(3) カードローン領域
2023年3月期の売上収益は2,190百万円(前期比10%増)、事業利益は440百万円(同32%増)を目標としている。コロナ禍の長期化による顧客予算縮小から一定程度の回復を見込むが、大きな予算増加となる可能性は低いとみている。そのため、マーケティング効率化、金融機関DXによる送客数増加によって事業利益を優先した運営を行う。消費者金融機関や金融事業者と共同で運営するアライアンスメディアについては一定数を確保済みである。従って、2023年3月期は対象事業の成長を通じてオーガニックな送客数の増加による事業利益の拡大を目指す。
(4) エネルギー領域
2023年3月期の売上収益は2,500百万円(前期比183%増)、事業利益は370百万円(同109%増)を目標としている。INEは2022年1月より連結化しており、2022年3月期の売上収益881百万円は第4四半期のみの数値である。参考値として、連結前の売上収益を加味した年間の売上収益は3,815百万円である。ユーザーの新電力に対する契約ニーズは高く、マッチング効率の改善を通じた成約率の向上により、取次件数ベースでは2022年3月期と同水準以上を目指す。しかし、厳しい市場環境の影響により取次単価の低下が見込まれるため、連結前売上を考慮した2022年3月期の売上収益3,815百万円に対して減収を想定している。具体的な戦術としては、電力事業者のニーズに応えることで、個人向け電力取次においてもストック収益を拡充する。また、電力の他にもガスや再生可能エネルギー関連のクロスセルを強化していく。これらにより、市場環境回復時の正常時収益力の向上を図るとともに、業績予想の上振れを目指す。
(5) 新規・その他領域
2023年3月期の売上収益は380百万円(前期比48%減)、事業利益は29百万円(同66%減)を目標としている。INE の M&A によるエネルギー領域への移管や、一部事業の撤退、非注力化、事業ポートフォリオの一部見直しを行うため減収減益を想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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