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coly Research Memo(8):メタバースやEX時代の到来を見据え、成長加速を目指す
配信日時:2022/06/09 16:08
配信元:FISCO
■coly<4175>の中長期の成長戦略
1. 市場環境の認識
国内スマートフォンゲーム市場は年々拡大傾向にあり、1兆3,000億円規模※1に上る。また、男女比はほぼ半々と推定されるが、市場の拡大とともに女性ユーザー数の伸び率は顕著となっている。さらに、キャラクターを中心としたコンテンツ市場に目を向けると、グッズ1兆4,850億円※2、コミック(紙+電子)6,759億円※3、アニメ2,744億円※4、2.5次元舞台77.1億円※4、カフェ(コラボカフェとアニメカフェの合計)68.4億円※4と巨大な市場が形成されている。
※1 同社資料より、(株)角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2021」。
※2 同社資料より、(株)キャラクター・データバンク「CharaBiz Data 2021」。
※3 同社資料より、(公社)全国出版協会・出版科学研究所「出版月報」2022年2月号。
※4 同社資料より、(一社)日本動画協会「アニメ産業レポート2021」。
一方、世界のモバイルオンラインゲーム市場を眺めても、コロナ禍が長期化した影響もあり、アジア、北米、欧州でそれぞれ2ケタ成長となっている※1。地域別の内訳では、アジアが52.7%を占め、北米が28.1%、欧州が14.3%と続く。各国の女性ユーザー数も拡大※2しており、市場として大きな可能性を持つものと認識することができる。
※1 同社資料より、角川アスキー総合研究所「ファミ通モバイルゲーム白書2022」。
※2 同社資料より、data.ai「2021年モバイルゲーム市場最新レポート」。
2. 中長期的な方向性と現在の位置付け
同社では、あらゆる産業がデジタル化するDXの先に、メタバースの時代や、感情をゆさぶる体験が最も重視されるEX時代の到来を見据えており、2025年以降は「EX・メタバースフェーズ」という異次元のフェーズへと一気に進化していくビジョンを描いている。
一方、この数年間については、「パイプライン拡充フェーズ」と位置付けており、創業以来培ってきた自社IP制作のノウハウを軸に、新規タイトルの開発、展開の多様化に注力しつつ、「EX・メタバースフェーズ」に向けた地盤固めを行っていく方針である。
3. 今後の成長戦略
同社では、今後の成長戦略の柱として、1)新規タイトルの拡充(自社IP及び他社との協業)、2)展開先の多様化(続編展開、MD展開、メディアミックス等)、3)海外展開(アジア、欧米)の3つを掲げている。
(1) 新規タイトルの拡充
人材の採用とノウハウの蓄積により、既に複数のタイトルを並行して開発する体制が整いつつあり、これまで同様、妥協のない丁寧な制作を続けながら、タイトル数を積み上げていく。また、出版社やアニメ制作会社、版権管理会社などとの協業により他社IPの活用にも参入し、事業規模の拡大を図る。なお、新規タイトルの開発については、1)安定運営を目指す作品(開発期間1~2年、年間売上目標5億円以下)、2)業績をけん引する作品(開発期間2~4年、年間売上目標5億円~50億円)、3)新たな挑戦を伴う作品(開発期間3~5年、年間売上目標50億円以上)の3つに分類したうえ、安定収益の確保と爆発的な成長のバランスをとりながら、複合的な収益構造を目指していく方針である。
(2) 展開先の多様化
引き続き、続編展開による既存タイトルのロングセラー化(10年以上続く作品づくり)や、自社MD展開を推進するとともに、アニメ制作、出版社、飲食、グッズなど、シナジーが見込める企業との業務提携(M&Aを含む)も視野に入れ、「総合エンターテインメント企業」として成長スピードを高めていく。
(3) 海外展開
アジア圏における女性ゲーム市場は大きな成長余地があり、中華圏における女性向けゲーム市場は2015年の2,000億円超から、2023年には約1.4兆円にまで拡大する見込みと、日本の10倍ほどの市場規模があると想定されている。中華圏の市場は日本市場と文化的に共通する部分があり、同社は現地のリスクを考慮したうえで、現地企業との協業などにより適切なローカライズを図る考えだ。現在は繁体字圏(台湾・香港)と韓国のみで展開しているが、今後はアジア全域へと領域拡大を検討している。また、欧米やほかの地域への展開も積極的に検討する考えだ。
4. 弊社アナリストによる注目点
弊社でも、自社IPに限らず、他社IPの活用を図るとともに、多面的なメディア展開や市場の大きな海外への展開を目指す方向性は、今後の成長加速に向けて理に敵った戦略と評価している。特に、同社がこれまで培ってきたIP企画力やメディア展開力は、他社との協業や業務提携を進めるうえでも大きなアドバンテージになるものと考えられ、大型案件に結び付く可能性も想定される。また、海外展開についても、日本のポップカルチャーに対する人気は高く、同社のIP(コンテンツ)が受け入れられる素地は十分にあると考えられる。これまで同様、丁寧な作品づくりやユーザーとの関係を大切にしながら、いかにダイナミックな展開を図っていくのか、その両立に向けて、これからのマネジメントの手腕に期待したい。また、EX・メタバースを見据えた中長期の方向性についても、エンターテインメントにおける新たな価値提供の形として大きなポテンシャルを見込んでおり、多くのファンを抱える同社ならではの展開に注目している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
1. 市場環境の認識
国内スマートフォンゲーム市場は年々拡大傾向にあり、1兆3,000億円規模※1に上る。また、男女比はほぼ半々と推定されるが、市場の拡大とともに女性ユーザー数の伸び率は顕著となっている。さらに、キャラクターを中心としたコンテンツ市場に目を向けると、グッズ1兆4,850億円※2、コミック(紙+電子)6,759億円※3、アニメ2,744億円※4、2.5次元舞台77.1億円※4、カフェ(コラボカフェとアニメカフェの合計)68.4億円※4と巨大な市場が形成されている。
※1 同社資料より、(株)角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2021」。
※2 同社資料より、(株)キャラクター・データバンク「CharaBiz Data 2021」。
※3 同社資料より、(公社)全国出版協会・出版科学研究所「出版月報」2022年2月号。
※4 同社資料より、(一社)日本動画協会「アニメ産業レポート2021」。
一方、世界のモバイルオンラインゲーム市場を眺めても、コロナ禍が長期化した影響もあり、アジア、北米、欧州でそれぞれ2ケタ成長となっている※1。地域別の内訳では、アジアが52.7%を占め、北米が28.1%、欧州が14.3%と続く。各国の女性ユーザー数も拡大※2しており、市場として大きな可能性を持つものと認識することができる。
※1 同社資料より、角川アスキー総合研究所「ファミ通モバイルゲーム白書2022」。
※2 同社資料より、data.ai「2021年モバイルゲーム市場最新レポート」。
2. 中長期的な方向性と現在の位置付け
同社では、あらゆる産業がデジタル化するDXの先に、メタバースの時代や、感情をゆさぶる体験が最も重視されるEX時代の到来を見据えており、2025年以降は「EX・メタバースフェーズ」という異次元のフェーズへと一気に進化していくビジョンを描いている。
一方、この数年間については、「パイプライン拡充フェーズ」と位置付けており、創業以来培ってきた自社IP制作のノウハウを軸に、新規タイトルの開発、展開の多様化に注力しつつ、「EX・メタバースフェーズ」に向けた地盤固めを行っていく方針である。
3. 今後の成長戦略
同社では、今後の成長戦略の柱として、1)新規タイトルの拡充(自社IP及び他社との協業)、2)展開先の多様化(続編展開、MD展開、メディアミックス等)、3)海外展開(アジア、欧米)の3つを掲げている。
(1) 新規タイトルの拡充
人材の採用とノウハウの蓄積により、既に複数のタイトルを並行して開発する体制が整いつつあり、これまで同様、妥協のない丁寧な制作を続けながら、タイトル数を積み上げていく。また、出版社やアニメ制作会社、版権管理会社などとの協業により他社IPの活用にも参入し、事業規模の拡大を図る。なお、新規タイトルの開発については、1)安定運営を目指す作品(開発期間1~2年、年間売上目標5億円以下)、2)業績をけん引する作品(開発期間2~4年、年間売上目標5億円~50億円)、3)新たな挑戦を伴う作品(開発期間3~5年、年間売上目標50億円以上)の3つに分類したうえ、安定収益の確保と爆発的な成長のバランスをとりながら、複合的な収益構造を目指していく方針である。
(2) 展開先の多様化
引き続き、続編展開による既存タイトルのロングセラー化(10年以上続く作品づくり)や、自社MD展開を推進するとともに、アニメ制作、出版社、飲食、グッズなど、シナジーが見込める企業との業務提携(M&Aを含む)も視野に入れ、「総合エンターテインメント企業」として成長スピードを高めていく。
(3) 海外展開
アジア圏における女性ゲーム市場は大きな成長余地があり、中華圏における女性向けゲーム市場は2015年の2,000億円超から、2023年には約1.4兆円にまで拡大する見込みと、日本の10倍ほどの市場規模があると想定されている。中華圏の市場は日本市場と文化的に共通する部分があり、同社は現地のリスクを考慮したうえで、現地企業との協業などにより適切なローカライズを図る考えだ。現在は繁体字圏(台湾・香港)と韓国のみで展開しているが、今後はアジア全域へと領域拡大を検討している。また、欧米やほかの地域への展開も積極的に検討する考えだ。
4. 弊社アナリストによる注目点
弊社でも、自社IPに限らず、他社IPの活用を図るとともに、多面的なメディア展開や市場の大きな海外への展開を目指す方向性は、今後の成長加速に向けて理に敵った戦略と評価している。特に、同社がこれまで培ってきたIP企画力やメディア展開力は、他社との協業や業務提携を進めるうえでも大きなアドバンテージになるものと考えられ、大型案件に結び付く可能性も想定される。また、海外展開についても、日本のポップカルチャーに対する人気は高く、同社のIP(コンテンツ)が受け入れられる素地は十分にあると考えられる。これまで同様、丁寧な作品づくりやユーザーとの関係を大切にしながら、いかにダイナミックな展開を図っていくのか、その両立に向けて、これからのマネジメントの手腕に期待したい。また、EX・メタバースを見据えた中長期の方向性についても、エンターテインメントにおける新たな価値提供の形として大きなポテンシャルを見込んでおり、多くのファンを抱える同社ならではの展開に注目している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
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