注目トピックス 日本株
coly Research Memo(3):IP企画力やメディア展開力に強み。今後は他社IPの活用やメディア展開にも注力
配信日時:2022/06/09 16:03
配信元:FISCO
■企業特徴
1. 収益モデル
coly<4175>の収益モデルは、ヒットIPを企画し、ゲームを含むメディア展開(TVアニメ、イベントなど)によりIP価値をさらに高め、ゲーム課金やグッズ販売、ライセンス収入で収益化を図るものである。ゲーム売上は、ゲームタイトル及び自社IP数、アクティブユーザー数、ユーザー当たりの平均課金収益(ARPPU)で構成される一方、MD売上(グッズ販売)は、自社IP数のほか、自社企画によるグッズの種類、販売チャネルやメディア展開の種類(EC、実店舗、イベント、コラボ等)などに連動することから、それぞれの構成要素を収益ドライバーとして認識する必要がある。また、今後は、自社IPに限らず、同社のIP企画力やメディア展開力を生かし、他社IPの活用も図っていくほか、IP(コンテンツ)を多方面のメディアへ展開していくことにより、幅広いファンの獲得と収益源の多様化にも取り組む。
2. コスト構造
売上原価は、1)配信プラットフォーム手数料(ゲーム売上の30%)と、2)その他原価(労務費、外注費等)で構成されている。ゲーム売上に対する変動費は1)のみで、その他原価は固定費である。ゲーム売上及びMD売上の原価率は大きくは変わらないが、原価率全体の推移を見ると50%弱で安定しており、同業他社と比べて明らかに低い水準※1に抑えられている。一方、販管費は、人件費のほか、採用研修費、研究開発費、広告宣伝費などから構成している。研究開発費はリリース前のゲームタイトル開発費に当たるが、ソフトウェア仮勘定等の資産計上を行わず、全額を期間費用として計上しているところが特徴的である※2。高いヒット率やメディア展開力に支えられ、研究開発費や広告宣伝費は効率的に投入されており、同社の高い収益性を実現する要因となっている。
※1 モバイルオンラインゲーム運営会社(上場会社)の原価率は平均70%前後の水準となっている(各社有価証券報告書より、直近2事業年度の平均値を算出)。
※2 資産計上しないことにより、それらに関わる減価償却費及び減損処理による損失は発生しない。
3. 競争優位性の源泉
同社の競争優位性は、前述のとおり、高いヒット率を誇るIP企画力とMDを含むメディア展開力にあるが、それらを支えているものは、拡大傾向にある女性向けコンテンツ市場をコア領域として、独自の組織体制・事業構造を構築してきたことにある。すなわち、1)高い内製化比率、2)ユーザー目線を持つ社員比率の高さ、3)ゲーム及びIP活用事業両輪での成長が、競争優位性の源泉となっている。
(1) 高い内製化率
ゲーム開発及び運営の積極的な内製化により、開発ノウハウや汎用的な技術資産を蓄積してきたことに加え、コミュニケーションなどにおける効率化(コスト削減を含む)を可能としている。
(2) ユーザー目線を持つ社員比率の高さ
全社員の7割以上が女性社員であること、ユーザー層から同社に入社した社員も多数在籍していることから、ユーザーと近い視点で独自の企画・開発・運営力が発揮されている。また採用基準についても、クリエイターやシステムエンジニアなどとしてのスキルに加え、ビジョン重視(価値観の共感)を貫いており、エンゲージメントの高いメンバーが集まっている。
(3) ゲームとIP活用事業両輪での成長
ゲームに限らず、自社IPを様々なメディアで展開することにより、開発依存=コスト負担増という悪循環を防ぎながら、収益源の多様化と成長スピードを高めている。また、多様なファン層にコンテンツを届けることになるため、IPとして永く愛されること(ロングセラー化)にもつながっている※。
※例えば、「スタンドマイヒーローズ」のアニメ放映期間(2019年10月7日~12月23日)において、それと連動したゲーム内イベントを開催した結果、アクティブユーザー数(月次平均DAU)は前年同期間比25.5%増に拡大している。
4. SDGsへの取り組み
スイスに本部を置く非営利財団世界経済フォーラムは2006年から毎年ジェンダーギャップ指数を発表しているが、2021年の発表で日本は156ヶ国中120位であった。こうしたなか、同社は代表取締役社長・副社長を女性が務めているほか、女性社員比率73.7%(2022年1月末現在)(全国平均約26.5%)、女性管理職比率55.6%(同8.9%)、女性役員比率28.6%(同5.2%)と、女性が大きく活躍する会社となっている。このほか、ジェンダー・国籍による差別のない就業環境も整備しており、外国籍社員比率は8.3%となっている。同性間の結婚・事実婚についても異性間の婚姻と同様に結婚祝金・結婚休暇等を付与するなど、パートナーシップ制度も導入済みである。こうした優れたSDGsへの取り組みは、優秀な人材採用はもちろん、社会・株式市場における高い認知度・評価につながり、同社の海外展開などへも大いに寄与すると弊社は予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
1. 収益モデル
coly<4175>の収益モデルは、ヒットIPを企画し、ゲームを含むメディア展開(TVアニメ、イベントなど)によりIP価値をさらに高め、ゲーム課金やグッズ販売、ライセンス収入で収益化を図るものである。ゲーム売上は、ゲームタイトル及び自社IP数、アクティブユーザー数、ユーザー当たりの平均課金収益(ARPPU)で構成される一方、MD売上(グッズ販売)は、自社IP数のほか、自社企画によるグッズの種類、販売チャネルやメディア展開の種類(EC、実店舗、イベント、コラボ等)などに連動することから、それぞれの構成要素を収益ドライバーとして認識する必要がある。また、今後は、自社IPに限らず、同社のIP企画力やメディア展開力を生かし、他社IPの活用も図っていくほか、IP(コンテンツ)を多方面のメディアへ展開していくことにより、幅広いファンの獲得と収益源の多様化にも取り組む。
2. コスト構造
売上原価は、1)配信プラットフォーム手数料(ゲーム売上の30%)と、2)その他原価(労務費、外注費等)で構成されている。ゲーム売上に対する変動費は1)のみで、その他原価は固定費である。ゲーム売上及びMD売上の原価率は大きくは変わらないが、原価率全体の推移を見ると50%弱で安定しており、同業他社と比べて明らかに低い水準※1に抑えられている。一方、販管費は、人件費のほか、採用研修費、研究開発費、広告宣伝費などから構成している。研究開発費はリリース前のゲームタイトル開発費に当たるが、ソフトウェア仮勘定等の資産計上を行わず、全額を期間費用として計上しているところが特徴的である※2。高いヒット率やメディア展開力に支えられ、研究開発費や広告宣伝費は効率的に投入されており、同社の高い収益性を実現する要因となっている。
※1 モバイルオンラインゲーム運営会社(上場会社)の原価率は平均70%前後の水準となっている(各社有価証券報告書より、直近2事業年度の平均値を算出)。
※2 資産計上しないことにより、それらに関わる減価償却費及び減損処理による損失は発生しない。
3. 競争優位性の源泉
同社の競争優位性は、前述のとおり、高いヒット率を誇るIP企画力とMDを含むメディア展開力にあるが、それらを支えているものは、拡大傾向にある女性向けコンテンツ市場をコア領域として、独自の組織体制・事業構造を構築してきたことにある。すなわち、1)高い内製化比率、2)ユーザー目線を持つ社員比率の高さ、3)ゲーム及びIP活用事業両輪での成長が、競争優位性の源泉となっている。
(1) 高い内製化率
ゲーム開発及び運営の積極的な内製化により、開発ノウハウや汎用的な技術資産を蓄積してきたことに加え、コミュニケーションなどにおける効率化(コスト削減を含む)を可能としている。
(2) ユーザー目線を持つ社員比率の高さ
全社員の7割以上が女性社員であること、ユーザー層から同社に入社した社員も多数在籍していることから、ユーザーと近い視点で独自の企画・開発・運営力が発揮されている。また採用基準についても、クリエイターやシステムエンジニアなどとしてのスキルに加え、ビジョン重視(価値観の共感)を貫いており、エンゲージメントの高いメンバーが集まっている。
(3) ゲームとIP活用事業両輪での成長
ゲームに限らず、自社IPを様々なメディアで展開することにより、開発依存=コスト負担増という悪循環を防ぎながら、収益源の多様化と成長スピードを高めている。また、多様なファン層にコンテンツを届けることになるため、IPとして永く愛されること(ロングセラー化)にもつながっている※。
※例えば、「スタンドマイヒーローズ」のアニメ放映期間(2019年10月7日~12月23日)において、それと連動したゲーム内イベントを開催した結果、アクティブユーザー数(月次平均DAU)は前年同期間比25.5%増に拡大している。
4. SDGsへの取り組み
スイスに本部を置く非営利財団世界経済フォーラムは2006年から毎年ジェンダーギャップ指数を発表しているが、2021年の発表で日本は156ヶ国中120位であった。こうしたなか、同社は代表取締役社長・副社長を女性が務めているほか、女性社員比率73.7%(2022年1月末現在)(全国平均約26.5%)、女性管理職比率55.6%(同8.9%)、女性役員比率28.6%(同5.2%)と、女性が大きく活躍する会社となっている。このほか、ジェンダー・国籍による差別のない就業環境も整備しており、外国籍社員比率は8.3%となっている。同性間の結婚・事実婚についても異性間の婚姻と同様に結婚祝金・結婚休暇等を付与するなど、パートナーシップ制度も導入済みである。こうした優れたSDGsへの取り組みは、優秀な人材採用はもちろん、社会・株式市場における高い認知度・評価につながり、同社の海外展開などへも大いに寄与すると弊社は予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
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