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C&R社 Research Memo(3):ゲーム、Web、テレビ等のクリエイティブ分野と医療分野で利益の大半を稼ぎ出す
配信日時:2022/05/11 15:23
配信元:FISCO
■クリーク・アンド・リバー社<4763>の会社概要
3. 事業別・分野別構成比
2022年2月期の事業別売上構成比は、エージェンシー事業(派遣)が42%と最も高く、次いでプロデュース事業が36%、エージェンシー事業(紹介)が13%、ライツマネジメント事業他が9%となっている。一方、売上総利益の構成比は、エージェンシー事業(紹介)が34%と最も高く、次いでプロデュース事業が31%、エージェンシー事業(派遣)が26%、ライツマネジメント事業他が9%となる。ライツマネジメント事業は利益率の高い事業がある一方で、まだ収益化前の新規事業も含まれているため、売上総利益率は全社平均並みとなっている。
また、分野別の売上構成比は、ゲームが24.8%、Webが18.2%、テレビ・映像が17.6%と主力3分野で全体の約6割を占めており、次いで医療が10.5%、韓国事業が8.3%、電子書籍・版権が6.9%、会計が4.3%となっている。一方、分野別の営業利益構成比では、ゲームが38.1%、医療が25.4%、Webが18.0%、電子書籍・版権が15.3%、テレビ・映像が11.0%と続き、先行投資段階である新規エージェンシー事業等の損失をカバーする格好となっている。
34万人超のプロフェッショナル人材ネットワークを構築し、4.5万社の顧客にサービス提供
4. 特徴と強み
同社の事業の特徴はプロフェッショナル分野に特化した請負・アウトソーシング、派遣・紹介サービスやライツマネジメント事業を展開していることにあり、一般的な人材サービス会社とは異なると弊社では考えている。
(1) プロフェッショナル分野を対象に事業を展開
同社が定義するプロフェッショナルとは、1)世界中で活躍できる職種、2)機械では代替できない職種、3)知的財産が蓄積される職種、の3条件を満たすものとなる。これら3条件を当てはめて展開しているのが、テレビ・映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、舞台芸術、医療、建築(BIM※1)、ファッション、シェフ、アスリート、ライフサイエンス、農業、IT、AI(DX)、CXO、会計、法曹で、合計18分野となる。また、周辺サービスとしてXR (VR/AR/MR※2)やドローンなどを提供している。業績の安定性という観点から見ると、幅広いプロフェッショナル分野を事業領域として展開しているため、景気下降局面でも比較的悪影響を受けにくい収益構造になっていることが特徴であると同時に同社の強みと言える。
※1 BIM(Building Information Modeling)とは、コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションを指す。
※2 VR(Vertial Reality:仮想現実)とは、コンピュータ上に人工的な環境を作り出し、時間や空間を超えてそこにいるかのような感覚を体験できる技術。AR(Augmented Reality:拡張現実)とは、現実空間に付加情報を表示させ、現実世界を拡張する技術。MR(Mixed Reality:複合現実)とは、現実世界にCGなどで作られた人工的な仮想世界の情報を取り込み、現実世界と仮想世界を融合させた世界をつくる技術。
(2) 開発スタジオの設置によりグループ内にノウハウを蓄積
サービス提供によって人にノウハウが蓄積されていくだけでなく、そのノウハウを組織全体で共有化しながら深掘りし、他分野へ展開していくことで、顧客企業に対してより良い提案やサービス品質の向上につなげている。具体的には、顧客企業で仕事を完了したプロフェッショナルが、就業先でのニーズ等を共有し、他の顧客企業から戻ってきたプロフェッショナルと次の企画提案を共同で練り、新規受注案件の獲得に生かしている。プロフェッショナルの思考の幅が広がり、1社だけの経験では得られないノウハウが社内に蓄積されることで付加価値の高い提案を可能としており、競合他社との差別化要因となっている。この好循環の仕組みの構築によって、テレビやゲーム業界で多数のクライアント企業を獲得しているほか、ここ最近ではWeb制作においても官公庁等から大型案件を受注するケースが増えている。
主力のクリエイティブ分野では、東京(テレビ、ゲーム、Web、XR、YouTube)、名古屋(アミューズメント)、大阪(ゲーム)に制作スタジオを保有しており、こうしたノウハウの蓄積・共有の場としているほか、最近ではリモートワーク体制の整備により、生産性も向上している。
(3) 大きなネットワーク
同社に登録しているプロフェッショナル人材のネットワークは、2022年2月時点で34万人超と5年前と比較して約1.5倍に拡大している。このうち、主力のクリエイティブ分野ではクリエイター数で89,650人のネットワークを構築しており、テレビ分野では同社ネットワークに参加するクリエイターの関与する番組が、日本の地上波番組の45%を占めるなど圧倒的な存在感を示している。またゲーム分野では、自社開発タイトルの制作・運用のほか、大手プラットフォーム企業やパブリッシャー、中国企業等との共同開発案件も含めれば、年間で200タイトル前後の開発に携わっており、国内最大規模のネットワークを構築している。
医療分野では、国内の勤務医(研修医含む)約26万人※のうち過半数を占める約14.3万人が同社サービス(医師向け転職情報サイト「民間医局」、医学生・研修医向けの臨床研修支援サービス「レジナビ」等)に登録しており、顧客となる医療施設数は1.5万施設となっている。同社では医学生・研修医のための「レジナビFair」(臨床研修指定病院合同説明会)を全国規模で開催しており(2020年よりオンラインフェアも開始)、その際に医学生・研修医が会員登録するため、会員獲得のための広告宣伝費を抑制することができ、同事業の高い収益性の一因となっている。また、勤務医は平均3年で転職するため、紹介事業については会員数の増加とともに安定成長が続いている。
※出所:厚生労働省「令和2年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
その他の分野についても、年々、人材ネットワークが拡大している。IT分野ではSEを中心に4千人超、法曹分野では弁護士や法務・知財部員等で20,870人、会計分野では公認会計士・税理士他で61,000人が同社ネットワークに登録している。なお、新規ビジネスとなる農業分野については、2022年から企業向けにテクノロジーを活用した障がい者雇用支援サービスを子会社で展開していく予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 事業別・分野別構成比
2022年2月期の事業別売上構成比は、エージェンシー事業(派遣)が42%と最も高く、次いでプロデュース事業が36%、エージェンシー事業(紹介)が13%、ライツマネジメント事業他が9%となっている。一方、売上総利益の構成比は、エージェンシー事業(紹介)が34%と最も高く、次いでプロデュース事業が31%、エージェンシー事業(派遣)が26%、ライツマネジメント事業他が9%となる。ライツマネジメント事業は利益率の高い事業がある一方で、まだ収益化前の新規事業も含まれているため、売上総利益率は全社平均並みとなっている。
また、分野別の売上構成比は、ゲームが24.8%、Webが18.2%、テレビ・映像が17.6%と主力3分野で全体の約6割を占めており、次いで医療が10.5%、韓国事業が8.3%、電子書籍・版権が6.9%、会計が4.3%となっている。一方、分野別の営業利益構成比では、ゲームが38.1%、医療が25.4%、Webが18.0%、電子書籍・版権が15.3%、テレビ・映像が11.0%と続き、先行投資段階である新規エージェンシー事業等の損失をカバーする格好となっている。
34万人超のプロフェッショナル人材ネットワークを構築し、4.5万社の顧客にサービス提供
4. 特徴と強み
同社の事業の特徴はプロフェッショナル分野に特化した請負・アウトソーシング、派遣・紹介サービスやライツマネジメント事業を展開していることにあり、一般的な人材サービス会社とは異なると弊社では考えている。
(1) プロフェッショナル分野を対象に事業を展開
同社が定義するプロフェッショナルとは、1)世界中で活躍できる職種、2)機械では代替できない職種、3)知的財産が蓄積される職種、の3条件を満たすものとなる。これら3条件を当てはめて展開しているのが、テレビ・映像、ゲーム、Web、広告・出版、作家、舞台芸術、医療、建築(BIM※1)、ファッション、シェフ、アスリート、ライフサイエンス、農業、IT、AI(DX)、CXO、会計、法曹で、合計18分野となる。また、周辺サービスとしてXR (VR/AR/MR※2)やドローンなどを提供している。業績の安定性という観点から見ると、幅広いプロフェッショナル分野を事業領域として展開しているため、景気下降局面でも比較的悪影響を受けにくい収益構造になっていることが特徴であると同時に同社の強みと言える。
※1 BIM(Building Information Modeling)とは、コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションを指す。
※2 VR(Vertial Reality:仮想現実)とは、コンピュータ上に人工的な環境を作り出し、時間や空間を超えてそこにいるかのような感覚を体験できる技術。AR(Augmented Reality:拡張現実)とは、現実空間に付加情報を表示させ、現実世界を拡張する技術。MR(Mixed Reality:複合現実)とは、現実世界にCGなどで作られた人工的な仮想世界の情報を取り込み、現実世界と仮想世界を融合させた世界をつくる技術。
(2) 開発スタジオの設置によりグループ内にノウハウを蓄積
サービス提供によって人にノウハウが蓄積されていくだけでなく、そのノウハウを組織全体で共有化しながら深掘りし、他分野へ展開していくことで、顧客企業に対してより良い提案やサービス品質の向上につなげている。具体的には、顧客企業で仕事を完了したプロフェッショナルが、就業先でのニーズ等を共有し、他の顧客企業から戻ってきたプロフェッショナルと次の企画提案を共同で練り、新規受注案件の獲得に生かしている。プロフェッショナルの思考の幅が広がり、1社だけの経験では得られないノウハウが社内に蓄積されることで付加価値の高い提案を可能としており、競合他社との差別化要因となっている。この好循環の仕組みの構築によって、テレビやゲーム業界で多数のクライアント企業を獲得しているほか、ここ最近ではWeb制作においても官公庁等から大型案件を受注するケースが増えている。
主力のクリエイティブ分野では、東京(テレビ、ゲーム、Web、XR、YouTube)、名古屋(アミューズメント)、大阪(ゲーム)に制作スタジオを保有しており、こうしたノウハウの蓄積・共有の場としているほか、最近ではリモートワーク体制の整備により、生産性も向上している。
(3) 大きなネットワーク
同社に登録しているプロフェッショナル人材のネットワークは、2022年2月時点で34万人超と5年前と比較して約1.5倍に拡大している。このうち、主力のクリエイティブ分野ではクリエイター数で89,650人のネットワークを構築しており、テレビ分野では同社ネットワークに参加するクリエイターの関与する番組が、日本の地上波番組の45%を占めるなど圧倒的な存在感を示している。またゲーム分野では、自社開発タイトルの制作・運用のほか、大手プラットフォーム企業やパブリッシャー、中国企業等との共同開発案件も含めれば、年間で200タイトル前後の開発に携わっており、国内最大規模のネットワークを構築している。
医療分野では、国内の勤務医(研修医含む)約26万人※のうち過半数を占める約14.3万人が同社サービス(医師向け転職情報サイト「民間医局」、医学生・研修医向けの臨床研修支援サービス「レジナビ」等)に登録しており、顧客となる医療施設数は1.5万施設となっている。同社では医学生・研修医のための「レジナビFair」(臨床研修指定病院合同説明会)を全国規模で開催しており(2020年よりオンラインフェアも開始)、その際に医学生・研修医が会員登録するため、会員獲得のための広告宣伝費を抑制することができ、同事業の高い収益性の一因となっている。また、勤務医は平均3年で転職するため、紹介事業については会員数の増加とともに安定成長が続いている。
※出所:厚生労働省「令和2年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
その他の分野についても、年々、人材ネットワークが拡大している。IT分野ではSEを中心に4千人超、法曹分野では弁護士や法務・知財部員等で20,870人、会計分野では公認会計士・税理士他で61,000人が同社ネットワークに登録している。なお、新規ビジネスとなる農業分野については、2022年から企業向けにテクノロジーを活用した障がい者雇用支援サービスを子会社で展開していく予定となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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