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NYの視点:【今週の注目イベント】ウクライナ戦争、FOMC、BOE、BOJ、米PPIや小売売上高など

配信日時:2022/03/14 07:33 配信元:FISCO
今週もウクライナ戦争の行方を睨む展開となる。ロシア軍はウクライナ首都キエフに向けて一段と進行している。並行して停戦協議を続けているものの、プーチン大統領に外交的解決に前向きな姿勢は全く見られない。米国や英国はロシアが科学兵器を使用する可能性を警告しており、市場は最悪のシナリオを織り込んでおらず、警戒感が残る。欧州経済への影響が比較的大きいと見られ、引き続きユーロ売り圧力になる。

一方で、英米日の中銀はロシアがウクライナ侵攻後、初めてとなる金融政策決定会合を開催する予定で。注目が集まる。米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。英中銀、日銀も金融政策決定会合を予定している。FOMCを控え発表された最新2月の米国消費者物価指数(CPI)は40年ぶりの大幅な伸びを記録。3月はロシアのウクライナ侵攻を受けて、石油を始め燃料価格が急騰しており、インフレ率が今後、さらに上昇する可能性がある。ウクライナ戦争による影響には多大な不透明感があるとしながらも、インフレ高進への対応でFRBのパウエル議長はすでに、3月会合で25ベーシスポイントの利上げを提案、または、支持する方針を議会証言ですでに明らかにしている。利上げが実施されれば、2018年来で初めて。議長は利上げサイクルの開始を示唆しており、ドル買いが継続か。

パウエル議長は50ベーシスポイントの利上げも除外しなかったものの、市場は今回の会合では25ベーシスポイントの利上げを織り込み済み。声明、議長会見やメンバーの予測で、利上げペースやバランスシート縮小のタイミングやペースを見極めていく。米国ではスタグフレーション懸念も強まる中、2月生産者物価指数(PPI)や小売売上高も発表予定で結果に注目が集まる。

英国中銀は今回の会合で政策金利を0.5%から25ベーシス引き上げ0.75%に設定する見通し。短期金融市場では英国中銀が6月までに100ベーシスポイント超の利上げを実施すると見ている。つまり、2回の25ベーシスポイントの利上げと、1回の50ベーシスポイントの利上げを織り込みつつあり、ポンド買いに繋がる。一方、日銀は大規模緩和を維持する見通し。他国中銀との政策の乖離で、円売りが継続する可能性が強い。

また、市場は中国政府が5.5%の成長見通しを掲げたのち、人民銀行の政策に注目。緩和策の発表の可能性に注目している。

■今週の主な注目イベント

●米国
15日:2月生産者物価指数(PPI)、3月ニューヨーク連銀製造業景気指数、1月対米証券投資
16日:連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表、パウエル議長会見、メンバー予測公表、2月小売売上高、2月輸入物価指数、1月企業在庫
17日:2月住宅着工件数・建設許可件数、3月フィラデルフィア連銀景況、週次新規失業保険申請件数、2月鉱工業生産・設備稼働率
18日2月中古住宅販売件数、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演

●欧州
15日:仏CPI、独ZEW期待
17日:ユーロ圏CPI、ラガルドECB総裁、ECB理事のショナベル氏、ビスコ氏、レーン氏が会合参加

●中国
15日:鉱工業生産

●英国
15日:失業率
17日:英中銀金融政策決定会合

●日本
18日:日銀金融政策決定会合



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