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年末年始の取引に警戒【フィスコ・コラム】

配信日時:2021/12/26 09:00 配信元:FISCO
年末年始休暇は薄商いとなり、値が振れやすい展開が予想されます。過去にはドル・円が一気に3円程度下げる「フラッシュ・クラッシュ」もありました。足元でトルコリラの異常な値動きが目立ち、他の市場への波及が警戒されています。


12月14-15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や16日の欧州中央銀行(ECB)理事会を終え、国際金融市場は事実上、年末年始の休暇モードに入りました。FOMCでは資産買い入れ縮小(テーパリング)を加速させる方針を打ち出したほか、来年の金利見通しで6月から3回の利上げを想定。想定よりもタカ派色が強かったためその後はドル買い基調となり、ドル・円はおおむね114円台を維持しています。


年明け以降はISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数、新規失業保険申請件数、ADP雇用統計、雇用統計が注目材料に。特に1月7日発表の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+45.0万人(11月+21.0万人)、失業率が4.1%(同4.2%)と予想されています。米連邦準備理事会(FRB)当局者の一部は2022年半ばの利上げサイクル入りについて前倒しの可能性を示唆しており、雇用情勢の改善が顕著なら早期実施への思惑からドル買いが強まりそうです。


ただ、足元では米バイデン政権が打ち出した1.8兆ドル規模の社会保障などの政策運営に民主党内から反対意見もあり、来年に向け合意形成に関心が集まっています。党内調整が不調に終われば成長鈍化の恐れもあり、足元のドル買いを抑制する要因になりそうです。また、新型コロナウイルス・オミクロン株が米国内でも感染拡大しつつあり、今後の状況を見極める展開となっています。


年末年始ほとんどの市場参加者が取引を手控え、値動きは限定的とみられます。とはいえ2019年の年明け直後のアジア取引時間帯に、107円台から一時104円台まで急落したケースもありました。この時は米中貿易戦争の最中、米アップルの幹部が中国での売上高が落ち込むとして業績予想を下方修正したことに市場が反応し、円買いが強まりました。後に「アップル・ショック」と呼ばれることになりました。


足元で市場関係者が注目するのはトルコリラの値動きです。先月以来、ほぼ連日で過去最安値を更新していましたが、12月20日にエルドアン大統領が新たな通貨政策を発表すると急激に上昇。これまでの通貨安にいったん歯止めがかかったもようですが、一部のFX会社は投資家保護の観点からリラの取引を停止。リラの想定不能な相場により、新興国通貨の動向への警戒は弱まりそうにありません。

(吉池 威)

※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。


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