注目トピックス 日本株
ソフト99 Research Memo(1):主力事業が順調に拡大し、営業利益は2期連続で過去最高を更新する見通し
配信日時:2021/12/20 15:21
配信元:FISCO
1. 2022年3月期第2四半期累計業績はすべての事業セグメントで増収増益に
ソフト99コーポレーション<4464>の2022年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高で前年同期比10.5%増の14,153百万円、営業利益で同33.1%増の1,885百万円、経常利益で同30.4%増の1,986百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同33.9%増の1,332百万円と、いずれも2021年8月に上方修正した予想値を上回る好決算となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による市場環境の変化を追い風にして主力のファインケミカル事業やポーラスマテリアル事業が伸長したほか、前年同期はマイナス影響を受けたサービス事業や不動産関連事業も回復し、すべての事業セグメントで増収増益となったのが特徴だ。
事業セグメント別業績を見ると、ファインケミカル事業は売上高で前年同期比7.4%増の7,215百万円、営業利益で同16.1%増の1,154百万円となった。一般消費者用向け販売(自動車分野)は巣ごもり消費減衰に備えて実施した販促効果により、ボディケア製品の新製品「フクピカGen5」の販売が好調に推移したほか、ガラスケア製品の販売も堅調に推移した。業務用製品販売については、新車の供給が不安定になる中で、得意先との取り組みを強化し積極的な販売を仕掛けたことや新規開拓が進んだほか、中古車向けも施工台数が増加したことで、同19.7%増と伸長した。また、家庭用製品については、マスク着用が常態化するなかでメガネケア関連製品の販売が堅調に推移した。前年同期はコロナ禍で落ち込んでいた海外販売についても、ロシアやアジア向けを中心に急回復し、半期ベースで過去最高の売上高を更新している。営業利益率は販促費の増加を増収効果で吸収し、前年同期の14.8%から16.0%に上昇した。
ポーラスマテリアル事業の売上高は前年同期比26.6%増の3,640百万円、営業利益は同33.3%増の530百万円となった。部門別売上を見ると、産業資材部門では半導体製造用消耗部材が半導体市場の拡大並びに顧客側の在庫積み増し需要の継続を背景に好調を持続したほか、2020年8月に子会社化したアズテック(株)による病院施設向け衛生用品の売上寄与もあり、同32.5%増と大幅増収となった。一方、生活資材部門では、国内のスポーツ用製品が減少したものの、海外向けの需要回復もあり同8.2%増となった。営業利益率はアズテックののれん償却71百万円があったものの、増収効果と工場の稼働が好調だったことによる原価率の改善で吸収し、前年同期の13.8%から14.6%に上昇した。
サービス事業の売上高は前年同期比2.9%増の2,712百万円、営業利益は97百万円(前年同期は0.1百万円の営業損失)となった。生協向けを中心とした生活用品企画販売は外出自粛による通販需要が一段落したことにより同12.3%減と落ち込んだものの、自動車整備・鈑金事業がプロテクションフィルム、ボディコーティングなど美装サービスの好調により同11.7%増と回復した。また、前年同期は緊急事態宣言下で1ヶ月間の休業を強いられた自動車教習所も、2022年3月期は通常の営業体制となったことに加え、学生や運送関係の免許取得ニーズの高まり等によって入所者数が増加し、同21.9%増と好調に推移した。
不動産関連事業の売上高は前年同期比1.8%増の584百万円、営業利益は同393.0%増の101百万円となった。温浴事業はコロナ禍での営業時間短縮の影響等で減収が続いたが、保有する賃貸不動産物件の稼働率上昇が増収増益要因となった。
2. 2022年3月期業績見通し
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.3%増の28,500百万円、営業利益で同7.5%増の3,450百万円、経常利益で同7.1%増の3,650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同59.1%増の2,450百万円と、2021年8月に上方修正した業績計画を据え置いた。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上高で49.7%、営業利益で54.7%となっており、やや保守的な印象を受ける。下期の利益水準がやや下がる要因として、新車販売台数の減少による業務用製品の落ち込みリスクが挙げられるが、その他の主力分野については下期も堅調に推移しており、半導体関連については引き続き好調が続く見通しとなっている。このため、コロナ禍により国内外の経済状況が一段と悪化するようなことがなければ、上振れする可能性があると弊社では見ている。
3. 中期経営計画について
2021年3月期からスタートした第6次中期経営計画では、将来の社会変化を新たな事業領域の拡張の機会と捉え、既存技術・ノウハウの横展開に加えて新たな技術・ノウハウの獲得及びこれらの融合を図ることで、“他にない”新しい価値と事業の創出を目指していくことを基本方針として掲げた。ファインケミカル事業ではコロナ禍による環境変化により伸びているボディケア製品や車内美装関連商品のほか、メガネケア関連製品、高付加価値コーティング製品の投入等によりさらなる成長を目指す。また、ポーラスマテリアル事業では2022年秋の稼働を目標に新工場を建設している。工場拡張により、半導体分野を中心に伸びているPVAスポンジの能力拡大を図る。医療分野では新たな取り組みとして、医療施設向けに感染性廃棄物を滅菌減容する設備(熱分解装置)の販売を開始している。病院で発生する感染性廃棄物を安全に大幅に減容する装置(30分の1程度まで減容)で、感染性廃棄物の処理コストを大幅に軽減できるメリットがあり、大規模医療施設での需要が見込まれている。そのほか、医療分野では一般医療機器(クラスI)製品の製造販売業許可を取得しており、今後、アズテックと共同開発して事業展開していく予定にしている。医療分野の売上規模は2022年3月期見込で9億円前後だが、中期的に大きく成長する可能性があり、今後の動向が注目される。
4. 株主還元策
株主還元については、「安定的な配当の継続」及び「連結営業利益の25%を目安とする」基本方針を掲げており、2022年3月期の1株当たり配当金は前期比4.0円増配の36.0円(還元率26.8%※)と7期連続の増配を予定している。また、2021年11月より上限8万株、140百万円の自社株取得を行うことを発表している(取得期間は2021年11月~2022年2月)。
※2021年11月からの自社株取得8万株が実施された場合の数値。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ソフト99コーポレーション<4464>の2022年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高で前年同期比10.5%増の14,153百万円、営業利益で同33.1%増の1,885百万円、経常利益で同30.4%増の1,986百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同33.9%増の1,332百万円と、いずれも2021年8月に上方修正した予想値を上回る好決算となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による市場環境の変化を追い風にして主力のファインケミカル事業やポーラスマテリアル事業が伸長したほか、前年同期はマイナス影響を受けたサービス事業や不動産関連事業も回復し、すべての事業セグメントで増収増益となったのが特徴だ。
事業セグメント別業績を見ると、ファインケミカル事業は売上高で前年同期比7.4%増の7,215百万円、営業利益で同16.1%増の1,154百万円となった。一般消費者用向け販売(自動車分野)は巣ごもり消費減衰に備えて実施した販促効果により、ボディケア製品の新製品「フクピカGen5」の販売が好調に推移したほか、ガラスケア製品の販売も堅調に推移した。業務用製品販売については、新車の供給が不安定になる中で、得意先との取り組みを強化し積極的な販売を仕掛けたことや新規開拓が進んだほか、中古車向けも施工台数が増加したことで、同19.7%増と伸長した。また、家庭用製品については、マスク着用が常態化するなかでメガネケア関連製品の販売が堅調に推移した。前年同期はコロナ禍で落ち込んでいた海外販売についても、ロシアやアジア向けを中心に急回復し、半期ベースで過去最高の売上高を更新している。営業利益率は販促費の増加を増収効果で吸収し、前年同期の14.8%から16.0%に上昇した。
ポーラスマテリアル事業の売上高は前年同期比26.6%増の3,640百万円、営業利益は同33.3%増の530百万円となった。部門別売上を見ると、産業資材部門では半導体製造用消耗部材が半導体市場の拡大並びに顧客側の在庫積み増し需要の継続を背景に好調を持続したほか、2020年8月に子会社化したアズテック(株)による病院施設向け衛生用品の売上寄与もあり、同32.5%増と大幅増収となった。一方、生活資材部門では、国内のスポーツ用製品が減少したものの、海外向けの需要回復もあり同8.2%増となった。営業利益率はアズテックののれん償却71百万円があったものの、増収効果と工場の稼働が好調だったことによる原価率の改善で吸収し、前年同期の13.8%から14.6%に上昇した。
サービス事業の売上高は前年同期比2.9%増の2,712百万円、営業利益は97百万円(前年同期は0.1百万円の営業損失)となった。生協向けを中心とした生活用品企画販売は外出自粛による通販需要が一段落したことにより同12.3%減と落ち込んだものの、自動車整備・鈑金事業がプロテクションフィルム、ボディコーティングなど美装サービスの好調により同11.7%増と回復した。また、前年同期は緊急事態宣言下で1ヶ月間の休業を強いられた自動車教習所も、2022年3月期は通常の営業体制となったことに加え、学生や運送関係の免許取得ニーズの高まり等によって入所者数が増加し、同21.9%増と好調に推移した。
不動産関連事業の売上高は前年同期比1.8%増の584百万円、営業利益は同393.0%増の101百万円となった。温浴事業はコロナ禍での営業時間短縮の影響等で減収が続いたが、保有する賃貸不動産物件の稼働率上昇が増収増益要因となった。
2. 2022年3月期業績見通し
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比6.3%増の28,500百万円、営業利益で同7.5%増の3,450百万円、経常利益で同7.1%増の3,650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同59.1%増の2,450百万円と、2021年8月に上方修正した業績計画を据え置いた。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上高で49.7%、営業利益で54.7%となっており、やや保守的な印象を受ける。下期の利益水準がやや下がる要因として、新車販売台数の減少による業務用製品の落ち込みリスクが挙げられるが、その他の主力分野については下期も堅調に推移しており、半導体関連については引き続き好調が続く見通しとなっている。このため、コロナ禍により国内外の経済状況が一段と悪化するようなことがなければ、上振れする可能性があると弊社では見ている。
3. 中期経営計画について
2021年3月期からスタートした第6次中期経営計画では、将来の社会変化を新たな事業領域の拡張の機会と捉え、既存技術・ノウハウの横展開に加えて新たな技術・ノウハウの獲得及びこれらの融合を図ることで、“他にない”新しい価値と事業の創出を目指していくことを基本方針として掲げた。ファインケミカル事業ではコロナ禍による環境変化により伸びているボディケア製品や車内美装関連商品のほか、メガネケア関連製品、高付加価値コーティング製品の投入等によりさらなる成長を目指す。また、ポーラスマテリアル事業では2022年秋の稼働を目標に新工場を建設している。工場拡張により、半導体分野を中心に伸びているPVAスポンジの能力拡大を図る。医療分野では新たな取り組みとして、医療施設向けに感染性廃棄物を滅菌減容する設備(熱分解装置)の販売を開始している。病院で発生する感染性廃棄物を安全に大幅に減容する装置(30分の1程度まで減容)で、感染性廃棄物の処理コストを大幅に軽減できるメリットがあり、大規模医療施設での需要が見込まれている。そのほか、医療分野では一般医療機器(クラスI)製品の製造販売業許可を取得しており、今後、アズテックと共同開発して事業展開していく予定にしている。医療分野の売上規模は2022年3月期見込で9億円前後だが、中期的に大きく成長する可能性があり、今後の動向が注目される。
4. 株主還元策
株主還元については、「安定的な配当の継続」及び「連結営業利益の25%を目安とする」基本方針を掲げており、2022年3月期の1株当たり配当金は前期比4.0円増配の36.0円(還元率26.8%※)と7期連続の増配を予定している。また、2021年11月より上限8万株、140百万円の自社株取得を行うことを発表している(取得期間は2021年11月~2022年2月)。
※2021年11月からの自社株取得8万株が実施された場合の数値。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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