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ザイマックス Research Memo(3):2021年8月期の業績は、小幅の増収減益ながら、期初予想を上回る
配信日時:2021/11/25 15:03
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2021年8月期の業績概要
ザイマックス・リート投資法人<3488>の2021年8月期(第7期)の業績は、コロナ禍の影響が継続し、断続的に緊急事態宣言が発出されるなか、期初予想を上回る決算であった。すなわち、営業収益1,305百万円(前期比0.9%増)、営業利益701百万円(同2.1%減)、経常利益648百万円(同0.4%減)、当期純利益647百万円(同0.4%減)と小幅の増収減益であった。ただ、2021年2月期決算発表時の期初予想比では、営業収益は1.1%、営業利益は3.7%、経常利益は4.1%、当期純利益は4.2%上回って着地した。営業収益では、ホテル変動賃料の下振れがあったが、オフィスビルと住宅の収入が予想比で上振れたことや期初には見込んでいなかったザイマックス三田ビル(オフィス)とザ・パークハウス戸塚フロント(1階・2階の商業部分)の2物件を取得したことにより増収となった。ザ・パークハウス戸塚フロントには、ザイマックスが運営するサテライトオフィスサービス「ZXY(ジザイ)」が入居している。また、営業費用でも、順調な埋め戻し及び空室発生量の予想比減によって、リーシングコスト(不動産の賃貸支援業務のコスト)が下振れしたことが期初予想を上回る利益計上の要因となった。
同投資法人では、ホテルの減収を除いて、コロナ禍の業績への影響は限定的であった。なお、REITでは、税引前利益の90%超を分配金として支払う場合には法人税が免除されることから、当期純利益は経常利益とほぼ同水準となっている。
以上の業績を反映して、分配金も2,900円/口と前期比11円減としたものの、期初予想の2,788円/口を112円上回った。ポートフォリオ全体の稼働率は97.9%と、前期比1.0ポイント低下ながら、厳しい経済環境下でも高水準を維持したと言えよう。アセットタイプ別には、商業、ホテルの稼働率が100% を維持し、その他(住宅)も96.5%であった。一方、オフィスは元々稼働率が高かったが、退去があったことで94.4%に低下した。借主がオフィスを退去するには6ヶ月前予告が必要なため、2021年8月期の業績への影響は織り込み済みであった。また、2022年2月期には、新たな入居によって100%に回復する見通しである。NOI利回り(実質利回りとも言う。年換算した実績賃貸業利益/取得額で計算)は5.5%と、前期比0.2ポイント低下したものの、引き続き高い水準を維持した。
2. 財政状態
2021年8月期末の財政状態は、総資産38,971百万円(前期末比3.5%増)、純資産23,233百万円(同0.0%減)、有利子負債14,050百万円(同9.9%増)であった。
有利子負債の平均利率は0.581%と前期比0.017ポイント低下した。一方、固定金利比率は81.0%と同8.0ポイント低下し、平均残存期間も1年9ヶ月と同8ヶ月減となった。ただ、これは三田・戸塚の両物件取得に伴い2022年1月末までの短期ブリッジローンを組んだためで、2022年1月末には既存借入の借り換えとともに本借入の長期借入への切り替えを想定しており、従来の固定金利比率・平均残存期間の水準に戻る予定であることから、財務の安全性に懸念はない。借入先は、スポンサーと財務取引関係を有するメガバンク・地方銀行等を中心に幅広く、安定的なレンダーフォーメーションを構築している。また、総資産LTV(Loan to Value:不動産価格に対する借入金の割合)は36.1%と低く、同投資法人が目途とする50%までの借入れ余力は大きいため、追加借り入れによる将来の機動的な物件取得が可能になっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<SI>
1. 2021年8月期の業績概要
ザイマックス・リート投資法人<3488>の2021年8月期(第7期)の業績は、コロナ禍の影響が継続し、断続的に緊急事態宣言が発出されるなか、期初予想を上回る決算であった。すなわち、営業収益1,305百万円(前期比0.9%増)、営業利益701百万円(同2.1%減)、経常利益648百万円(同0.4%減)、当期純利益647百万円(同0.4%減)と小幅の増収減益であった。ただ、2021年2月期決算発表時の期初予想比では、営業収益は1.1%、営業利益は3.7%、経常利益は4.1%、当期純利益は4.2%上回って着地した。営業収益では、ホテル変動賃料の下振れがあったが、オフィスビルと住宅の収入が予想比で上振れたことや期初には見込んでいなかったザイマックス三田ビル(オフィス)とザ・パークハウス戸塚フロント(1階・2階の商業部分)の2物件を取得したことにより増収となった。ザ・パークハウス戸塚フロントには、ザイマックスが運営するサテライトオフィスサービス「ZXY(ジザイ)」が入居している。また、営業費用でも、順調な埋め戻し及び空室発生量の予想比減によって、リーシングコスト(不動産の賃貸支援業務のコスト)が下振れしたことが期初予想を上回る利益計上の要因となった。
同投資法人では、ホテルの減収を除いて、コロナ禍の業績への影響は限定的であった。なお、REITでは、税引前利益の90%超を分配金として支払う場合には法人税が免除されることから、当期純利益は経常利益とほぼ同水準となっている。
以上の業績を反映して、分配金も2,900円/口と前期比11円減としたものの、期初予想の2,788円/口を112円上回った。ポートフォリオ全体の稼働率は97.9%と、前期比1.0ポイント低下ながら、厳しい経済環境下でも高水準を維持したと言えよう。アセットタイプ別には、商業、ホテルの稼働率が100% を維持し、その他(住宅)も96.5%であった。一方、オフィスは元々稼働率が高かったが、退去があったことで94.4%に低下した。借主がオフィスを退去するには6ヶ月前予告が必要なため、2021年8月期の業績への影響は織り込み済みであった。また、2022年2月期には、新たな入居によって100%に回復する見通しである。NOI利回り(実質利回りとも言う。年換算した実績賃貸業利益/取得額で計算)は5.5%と、前期比0.2ポイント低下したものの、引き続き高い水準を維持した。
2. 財政状態
2021年8月期末の財政状態は、総資産38,971百万円(前期末比3.5%増)、純資産23,233百万円(同0.0%減)、有利子負債14,050百万円(同9.9%増)であった。
有利子負債の平均利率は0.581%と前期比0.017ポイント低下した。一方、固定金利比率は81.0%と同8.0ポイント低下し、平均残存期間も1年9ヶ月と同8ヶ月減となった。ただ、これは三田・戸塚の両物件取得に伴い2022年1月末までの短期ブリッジローンを組んだためで、2022年1月末には既存借入の借り換えとともに本借入の長期借入への切り替えを想定しており、従来の固定金利比率・平均残存期間の水準に戻る予定であることから、財務の安全性に懸念はない。借入先は、スポンサーと財務取引関係を有するメガバンク・地方銀行等を中心に幅広く、安定的なレンダーフォーメーションを構築している。また、総資産LTV(Loan to Value:不動産価格に対する借入金の割合)は36.1%と低く、同投資法人が目途とする50%までの借入れ余力は大きいため、追加借り入れによる将来の機動的な物件取得が可能になっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<SI>
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