注目トピックス 日本株
TKP Research Memo(1):「TKP職域ワクチンセンター」の運営などにより一定の回復を実現
配信日時:2021/11/05 15:01
配信元:FISCO
■要約
ティーケーピー<3479>は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。国内外の主要都市に241拠点・1,961室(約13.3万坪)と幅広く展開し、顧客基盤は3万社以上に上る(2021年8月末時点)。
2019年5月にはレンタルオフィス「Regus」等を展開する日本リージャスホールディングス(株)(以下、日本リージャス)を買収すると、2021年3月にはTKPによる新ブランド「Work X Office(ワ—クエックスオフィス)」の立ち上げにより、貸会議室ビジネスとの親和性の高い短中期オフィス事業へ本格参入した。時間貸しから短中期のオフィス利用へサービス領域を拡充することで、今後、拡大が見込まれているフレキシブルオフィス市場をけん引し、成長を加速する戦略である。また、2019年9月には台湾リージャスを買収し、アジアを中心とした海外展開へ向けても足掛かりを築いている。リージャス施設としては、日本国内で167施設(約4.2万坪)、台湾で14施設(約0.7万坪)を展開している。
1. 2022年2月期上期の連結業績
2022年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比6.9%増の219.55億円、営業損失が4.98億円(前年同期は20.13億円の損失)と増収となり、損失幅も改善した。また、重視するEBITDAについても同212.9%増の22.83億円と大きく回復した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の長期化により、第1四半期こそ低調に推移したものの、第2四半期は「TKP職域ワクチンセンター」の運営や同社運営アパホテルによる新型コロナウイルス感染症の軽症者用宿泊療養施設としての一棟貸し(以下、新型コロナ軽症者用一棟貸し)が貢献し、コロナ禍が継続するなかでも業績の回復につなげることができた。損益面では、TKPは売上高の一定の回復に加え、不採算施設からの撤退などにより上期黒字化を達成した一方、日本リージャスにおける先行費用(将来を見据えた積極出店)の継続等により、グループ全体では営業損失が続く結果となった。財務面では、新株予約権(第7回)の行使促進を通じて約83億円の資金調達を実現した。
2. 2022年2月期の連結業績予想
2022年2月期の連結業績について同社は、コロナ禍の長期化による影響等を見据え、通期業績予想を減額修正した。修正後の業績予想として、売上高を前期比1.5%増の438.00億円、営業損失を19.00億円(前期は24.97億円の損失)、EBITDAを同17.1%増の36.00億円と見込んでおり、営業損失が継続する見通しとなっている。第2四半期に一定の回復を見せたにもかかわらず通期予想を減額修正した要因としては、コロナ禍の長期化に伴う影響を慎重に判断したことがある。もっとも、10月に入ってからは、緊急事態宣言が解除されたことに加え、新型コロナワクチン接種の進展等により、受注回復の兆しも見えてきたようだ。
3. 今後の方向性
コロナ禍の影響により、同社の成長戦略は一旦足踏み状態となっているものの、中長期的な方向性に見直しはない。すなわち、TKP・リージャスに加え、アパホテルを3本目の柱として成長させることにより、収益基盤を拡大していく方向性である。コロナ禍で拡大しつつあるフレキシブルオフィス需要を取り込んでいくほか、コロナ禍収束(以下、ポストコロナ)とともに需要回復が予想されるビジネスホテル分野にも注力していく考えである。一方、ポストコロナを見据えた当面の戦略については、コスト最適化や安定的な利益確保、アライアンス戦略に取り組み、需要回復に備えていく。特に「TKP職域ワクチンセンター」の成功に見られるように、スペースにコンテンツサービス(運営オペレーションやシステム等)を付与したソリューション提供により、その時々の需要(社会課題)に機動的に対応していくことで、スペースあたりの収益性を向上させる方針である。
■Key Points
・2022年2月期上期はコロナ禍が継続するなかでも、「TKP職域ワクチンセンター」の運営等により、一定の回復を実現。一方、コロナ禍の長期化による影響を慎重に判断し、2022年2月期通期予想を減額修正
・需要回復に備えるとともに、スペースにコンテンツサービスを付与したソリューション提供により、その時々の需要に機動的に対応していくことで、スペースあたりの収益性を向上させる方針
・TKP・リージャスに加え、アパホテルを3本目の柱として成長させるとともに、フレキシブルオフィス市場での圧倒的なポジションを確立していく中長期的な方向性に見直しはない
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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ティーケーピー<3479>は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。国内外の主要都市に241拠点・1,961室(約13.3万坪)と幅広く展開し、顧客基盤は3万社以上に上る(2021年8月末時点)。
2019年5月にはレンタルオフィス「Regus」等を展開する日本リージャスホールディングス(株)(以下、日本リージャス)を買収すると、2021年3月にはTKPによる新ブランド「Work X Office(ワ—クエックスオフィス)」の立ち上げにより、貸会議室ビジネスとの親和性の高い短中期オフィス事業へ本格参入した。時間貸しから短中期のオフィス利用へサービス領域を拡充することで、今後、拡大が見込まれているフレキシブルオフィス市場をけん引し、成長を加速する戦略である。また、2019年9月には台湾リージャスを買収し、アジアを中心とした海外展開へ向けても足掛かりを築いている。リージャス施設としては、日本国内で167施設(約4.2万坪)、台湾で14施設(約0.7万坪)を展開している。
1. 2022年2月期上期の連結業績
2022年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比6.9%増の219.55億円、営業損失が4.98億円(前年同期は20.13億円の損失)と増収となり、損失幅も改善した。また、重視するEBITDAについても同212.9%増の22.83億円と大きく回復した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の長期化により、第1四半期こそ低調に推移したものの、第2四半期は「TKP職域ワクチンセンター」の運営や同社運営アパホテルによる新型コロナウイルス感染症の軽症者用宿泊療養施設としての一棟貸し(以下、新型コロナ軽症者用一棟貸し)が貢献し、コロナ禍が継続するなかでも業績の回復につなげることができた。損益面では、TKPは売上高の一定の回復に加え、不採算施設からの撤退などにより上期黒字化を達成した一方、日本リージャスにおける先行費用(将来を見据えた積極出店)の継続等により、グループ全体では営業損失が続く結果となった。財務面では、新株予約権(第7回)の行使促進を通じて約83億円の資金調達を実現した。
2. 2022年2月期の連結業績予想
2022年2月期の連結業績について同社は、コロナ禍の長期化による影響等を見据え、通期業績予想を減額修正した。修正後の業績予想として、売上高を前期比1.5%増の438.00億円、営業損失を19.00億円(前期は24.97億円の損失)、EBITDAを同17.1%増の36.00億円と見込んでおり、営業損失が継続する見通しとなっている。第2四半期に一定の回復を見せたにもかかわらず通期予想を減額修正した要因としては、コロナ禍の長期化に伴う影響を慎重に判断したことがある。もっとも、10月に入ってからは、緊急事態宣言が解除されたことに加え、新型コロナワクチン接種の進展等により、受注回復の兆しも見えてきたようだ。
3. 今後の方向性
コロナ禍の影響により、同社の成長戦略は一旦足踏み状態となっているものの、中長期的な方向性に見直しはない。すなわち、TKP・リージャスに加え、アパホテルを3本目の柱として成長させることにより、収益基盤を拡大していく方向性である。コロナ禍で拡大しつつあるフレキシブルオフィス需要を取り込んでいくほか、コロナ禍収束(以下、ポストコロナ)とともに需要回復が予想されるビジネスホテル分野にも注力していく考えである。一方、ポストコロナを見据えた当面の戦略については、コスト最適化や安定的な利益確保、アライアンス戦略に取り組み、需要回復に備えていく。特に「TKP職域ワクチンセンター」の成功に見られるように、スペースにコンテンツサービス(運営オペレーションやシステム等)を付与したソリューション提供により、その時々の需要(社会課題)に機動的に対応していくことで、スペースあたりの収益性を向上させる方針である。
■Key Points
・2022年2月期上期はコロナ禍が継続するなかでも、「TKP職域ワクチンセンター」の運営等により、一定の回復を実現。一方、コロナ禍の長期化による影響を慎重に判断し、2022年2月期通期予想を減額修正
・需要回復に備えるとともに、スペースにコンテンツサービスを付与したソリューション提供により、その時々の需要に機動的に対応していくことで、スペースあたりの収益性を向上させる方針
・TKP・リージャスに加え、アパホテルを3本目の柱として成長させるとともに、フレキシブルオフィス市場での圧倒的なポジションを確立していく中長期的な方向性に見直しはない
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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