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ソレイジア・ファーマ:未踏領域に挑むアジアの太陽、パイプライン進展に期待
配信日時:2025/10/07 10:44
配信元:FISCO
*10:44JST ソレイジア・ファーマ:未踏領域に挑むアジアの太陽、パイプライン進展に期待
【がん領域に特化したバイオベンチャー】
ソレイジア・ファーマ<4597>は、がん領域に特化した医薬品・医療機器の開発と販売を行うバイオベンチャーである。2006年に米国で準備会社として設立され、2008年に日本法人として創業、本社を東京都港区芝公園に構える。中国現地法人を有し、上海および北京に拠点を置き、アジア市場における開発・販売体制を構築している。同社の名称「ソレイジア(SOLASIA)」は、「SOL(太陽)」と「ASIA(アジア)」を組み合わせた造語である。がん患者の未来を、太陽のようにアジアから照らしたい、という理念を込めて命名されており、その企業姿勢を端的に示している。
事業モデルは、欧米をはじめとする海外で先行して開発された新薬や医療機器について、日本・中国・その他アジア諸国を含む広範な自社権利地域に加えグローバル市場を全体を視野にいれた開発・製造・販売権を導入し、各国規制当局への対応や臨床試験を経て、世界市場に向けた事業化を推進するものである。バイオベンチャーとしては珍しく、製品製造を外注し、販売は戦略的パートナー企業を通じて行う形態をとっており、このことから固定負債を抑制しつつ、少数精鋭での事業運営と機動的な成長戦略の実行が可能となっている。既に導入した主な製品には、化学療法による悪心・嘔吐管理薬「Sancuso(R)」(SP-01、中国名「善可舒(R)」)、さらには日本で末梢性T細胞リンパ腫に適応を得た「ダルビアス(R)点滴静注用135 mg」(SP-02)、化学療法・放射線治療による口内炎の疼痛緩和を目的とした「エピシル(R)口腔用液」(SP-03)などが挙げられる。これらは既にアジア諸国を含む複数の国・地域で上市されており、当社のグローバル事業展開の実績を裏付けるものとなっている。
【2025年12月期第2四半期決算概要と通期見込み】
同社の2025年12月期第2四半期(累計、1~6月)の連結業績は、売上収益49百万円(前期比31.3%減)、営業損失537百万円(前期は611百万円の損失)、税引前損失555百万円(前期は627百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失555百万円(前期は611百万円の損失)であった。主力製品Sancuso(R)の中国国内における製造所移管に伴う制約が影響して減収となった。一方、エピシル(R)の中国新パートナーへの出荷開始やガイドライン掲載などの進展も見られた。財政面では新株予約権行使により688百万円を調達し、期末現金及び現金同等物残高は1,486百万円と前期末比で約600百万円増加した。資本合計は1,276百万円(自己資本比率68.5%)となり、資金基盤の強化が進展した。通期業績予想は据え置かれ、売上収益1,300百万円(前期比310.2%増)、営業損失650百万円、当期損失650百万円を見込む。第2四半期時点での進捗率は売上で3.7%にとどまっており、下期における製品販売回復とライセンス収益確保が焦点となる。
【人類を救うチャレンジへ視界は良好】
一方で、同社のパイプラインの状況は堅調である。
PledOx(R)(SP-04)は、がん患者が抗がん剤を投与された際に受ける末梢神経障害(「しびれ」のこと)を予防し緩和することを目的とした薬である。末梢神経障害は抗がん剤の副作用の中でも極めて深刻であり、しかも長期間(2~3年)にわたり続くという特徴がある。このため、医薬的な治療ニーズが極めて高いにもかかわらず有効な治療薬が存在しない領域である。現在は臨床試験再開に向けた最終段階のデータ取得が進んでいる。今年から来年にかけて動物実験が完了する見通しであり、良好な結果が得られれば、来年中にも臨床試験再開の判断が下される見通しである。
Arfolitixorin(SP-05)は、大腸がん治療における新規葉酸製剤である。大腸がんの標準療法では、抗がん剤「5-FU」と葉酸製剤を併用し、5-FUの抗腫瘍効果を高めることが一般的である。言わば葉酸製剤は、5-FUの効果を高める“ターボチャージャー”の役割を果たしているのである。しかし、従来型の葉酸製剤は一定数の患者において十分な効果を発揮せず、治療成績の向上を阻害する要因となっていた。Arfolitixorin(SP-05)は従来製剤と作用機序が異なり、これまで効果が得られなかった患者層にも有効性を示す可能性を有している点が特徴である。現在はドイツにおいて、投与量を増加させた第I/II相の統合臨床試験が進行中であり、第I相パートにおける用量漸増試験の結果が年内にも公表される見込みである。本試験において有望なデータが得られれば、従来の課題を克服した上での再開発の可能性が高まり、中長期的には大腸がん治療における新たな標準療法候補となり得る。
SP-04とSP-05は同社のパイプラインの中でも極めて重要な位置を占めており、その臨床開発の進展が同社の企業価値に大きな影響を与えると見込まれる。今後の進捗に注目したい。
<HM>
ソレイジア・ファーマ<4597>は、がん領域に特化した医薬品・医療機器の開発と販売を行うバイオベンチャーである。2006年に米国で準備会社として設立され、2008年に日本法人として創業、本社を東京都港区芝公園に構える。中国現地法人を有し、上海および北京に拠点を置き、アジア市場における開発・販売体制を構築している。同社の名称「ソレイジア(SOLASIA)」は、「SOL(太陽)」と「ASIA(アジア)」を組み合わせた造語である。がん患者の未来を、太陽のようにアジアから照らしたい、という理念を込めて命名されており、その企業姿勢を端的に示している。
事業モデルは、欧米をはじめとする海外で先行して開発された新薬や医療機器について、日本・中国・その他アジア諸国を含む広範な自社権利地域に加えグローバル市場を全体を視野にいれた開発・製造・販売権を導入し、各国規制当局への対応や臨床試験を経て、世界市場に向けた事業化を推進するものである。バイオベンチャーとしては珍しく、製品製造を外注し、販売は戦略的パートナー企業を通じて行う形態をとっており、このことから固定負債を抑制しつつ、少数精鋭での事業運営と機動的な成長戦略の実行が可能となっている。既に導入した主な製品には、化学療法による悪心・嘔吐管理薬「Sancuso(R)」(SP-01、中国名「善可舒(R)」)、さらには日本で末梢性T細胞リンパ腫に適応を得た「ダルビアス(R)点滴静注用135 mg」(SP-02)、化学療法・放射線治療による口内炎の疼痛緩和を目的とした「エピシル(R)口腔用液」(SP-03)などが挙げられる。これらは既にアジア諸国を含む複数の国・地域で上市されており、当社のグローバル事業展開の実績を裏付けるものとなっている。
【2025年12月期第2四半期決算概要と通期見込み】
同社の2025年12月期第2四半期(累計、1~6月)の連結業績は、売上収益49百万円(前期比31.3%減)、営業損失537百万円(前期は611百万円の損失)、税引前損失555百万円(前期は627百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失555百万円(前期は611百万円の損失)であった。主力製品Sancuso(R)の中国国内における製造所移管に伴う制約が影響して減収となった。一方、エピシル(R)の中国新パートナーへの出荷開始やガイドライン掲載などの進展も見られた。財政面では新株予約権行使により688百万円を調達し、期末現金及び現金同等物残高は1,486百万円と前期末比で約600百万円増加した。資本合計は1,276百万円(自己資本比率68.5%)となり、資金基盤の強化が進展した。通期業績予想は据え置かれ、売上収益1,300百万円(前期比310.2%増)、営業損失650百万円、当期損失650百万円を見込む。第2四半期時点での進捗率は売上で3.7%にとどまっており、下期における製品販売回復とライセンス収益確保が焦点となる。
【人類を救うチャレンジへ視界は良好】
一方で、同社のパイプラインの状況は堅調である。
PledOx(R)(SP-04)は、がん患者が抗がん剤を投与された際に受ける末梢神経障害(「しびれ」のこと)を予防し緩和することを目的とした薬である。末梢神経障害は抗がん剤の副作用の中でも極めて深刻であり、しかも長期間(2~3年)にわたり続くという特徴がある。このため、医薬的な治療ニーズが極めて高いにもかかわらず有効な治療薬が存在しない領域である。現在は臨床試験再開に向けた最終段階のデータ取得が進んでいる。今年から来年にかけて動物実験が完了する見通しであり、良好な結果が得られれば、来年中にも臨床試験再開の判断が下される見通しである。
Arfolitixorin(SP-05)は、大腸がん治療における新規葉酸製剤である。大腸がんの標準療法では、抗がん剤「5-FU」と葉酸製剤を併用し、5-FUの抗腫瘍効果を高めることが一般的である。言わば葉酸製剤は、5-FUの効果を高める“ターボチャージャー”の役割を果たしているのである。しかし、従来型の葉酸製剤は一定数の患者において十分な効果を発揮せず、治療成績の向上を阻害する要因となっていた。Arfolitixorin(SP-05)は従来製剤と作用機序が異なり、これまで効果が得られなかった患者層にも有効性を示す可能性を有している点が特徴である。現在はドイツにおいて、投与量を増加させた第I/II相の統合臨床試験が進行中であり、第I相パートにおける用量漸増試験の結果が年内にも公表される見込みである。本試験において有望なデータが得られれば、従来の課題を克服した上での再開発の可能性が高まり、中長期的には大腸がん治療における新たな標準療法候補となり得る。
SP-04とSP-05は同社のパイプラインの中でも極めて重要な位置を占めており、その臨床開発の進展が同社の企業価値に大きな影響を与えると見込まれる。今後の進捗に注目したい。
<HM>
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