注目トピックス 日本株
昭和産業 Research Memo(2):2026年3月期は増収、営業利益は前期水準を計画
配信日時:2025/09/10 13:02
配信元:FISCO
*13:02JST 昭和産業 Research Memo(2):2026年3月期は増収、営業利益は前期水準を計画
■今後の見通し
昭和産業<2004>の2026年3月期の業績予想は期初予想を据え置き、売上高340,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益11,000百万円(同1.1%減)、経常利益13,000百万円(同4.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,500百万円(同18.1%減)を見込む。事業別売上高については、食品事業は276,400百万円(同1.0%増)、飼料事業は58,600百万円(同4.3%増)、その他は4,900百万円(同3.6%増)を見込んでいる。食品事業については、製粉カテゴリで低迷が続くプレミックスに関し、市場需要に応える機能性の高い業務用プレミックス製品を2銘柄上市した。特徴は経時変化に強い点で、食感等の品質保持能力が高いことから、顧客総菜売り場での大量生産作り置きを実現する。これにより顧客の店舗オペレーションの効率化に貢献することで好評価を得ており、収益改善に期待がかかる。パスタに関しては、米代替需要で伸びる家庭用の販売価格を、物流費等のコストや為替影響の反映のために2025年8月から約10〜11%値上げしており、コスト吸収による利益率向上が望める。製油カテゴリでは、古米対応から2025年春先より栄養機能食品「お釜にポン」の出荷が増加している。2025年4月から7月の4ヶ月間の出荷実績は前年同月比で30%以上の増加となっている。
同社では、これから迎える新米時期でも、小売りでは令和のコメ騒動で抱えた古米在庫の販売を継続すると見ており、インフレによる節約志向も後押しし、同製品の出荷増は続くと予測している。営業施策として小売りや卸売り向けに同製品の特徴や好調な市場購買データを提示し、取扱数拡大に向けた提案を強化している。特に、同製品が栄養機能食品である点も健康意識の高い層に強く訴求するだろう。加えて、好調な機能性を高めた半流動性油脂「Sベーカリーオイル」もあり製油カテゴリの業績押し上げが期待される。糖質カテゴリについては、2026年10月の酒税法改正に向け、ビール関連での需要の高まり機運を同社は確実に捉え、収益につなげる構えである。一方、最近顕著な無糖飲料の需要増については、関連して同社の糖化製品を使用する加糖飲料の供給減少につながるため、糖化製品を飲料用途のみならず調味料や菓子類、氷菓等へシフトを図る方針である。ほかにも、製粉カテゴリとのシナジーからベーカリー向け糖化製品も伸長しており、これらが加糖飲料向けでの減少分を補う格好となるだろう。
■中期経営計画の進捗状況
中期経営計画最終年度の2026年3月期は、グループ連携と事業領域拡大を強化
2024年3月期よりスタートした「中期経営計画23-25」では5つの基本戦略として、「基盤事業の強化」「事業領域の拡大」「環境負荷の低減」「プラットフォームの再構築」「ステークホルダーエンゲージメントの強化」を掲げ、各戦略において定めた重点施策を推進している。
「基盤事業の強化」では、穀物ソリューション進化の幅を広げ、グループの昭和冷凍食品(株)が担う冷凍食品事業も含めた「ワンストップ型営業組織への変革」に挑戦している。製粉、製油、糖質カテゴリとのシナジーを狙い、例えば製粉・製油カテゴリとの親和性の高い冷凍総菜等の強化を検討している。なお、冷凍食品事業の強化は「事業領域の拡大」での注力分野となる。「グループ連携による事業拡大と収益力強化」では、糖質カテゴリで2026年3月期にグループのサンエイ糖化(株)がイノベーションセンターを開設予定で、今後も糖質カテゴリに関する研究開発に注力する考えだ。2024年9月にリリースした同社初の飲料系機能性表示食品「骨ケアドリンク ヨーグルト風味」に続く付加価値商品の開発により、「差別化戦略による付加価値商品の拡販」にもつながる。ほかにも、顧客課題解決や安定供給・生産効率化に向け、製油カテゴリではボーソー油脂(株)、辻製油(株)と、糖質カテゴリでは敷島スターチ(株)、サンエイ糖化と連携している。
「事業領域の拡大」では、「輸出事業の強化」で引き続きアジア圏を中心に輸出事業に注力し、2026年3月期売上高は2023年3月期比で40%以上の増加を見込む。2025年3月期実績は2023年3月期比で既に20%以上を記録したことから、2026年3月期は前期よりも倍以上の進捗率とペースが進む見通しである。「ASEAN地域における既存事業の強化と新たな事業展開による海外事業の拡大」については、ベトナムのプレミックス新工場が2026年3月期稼働予定と、若干の遅れは見られるものの、建設等準備は着実に進んでいる。ベトナムの2025年4〜6月のGDP成長率(推計値)は前年同期間比およそ8%、特にホテル・飲食では10%台(JETRO:日本貿易振興機構)と伸長が著しく、高品質なメイドインジャパンテイストの供給が始まれば、アジア圏での需要拡大の確度は高いと言えよう。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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昭和産業<2004>の2026年3月期の業績予想は期初予想を据え置き、売上高340,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益11,000百万円(同1.1%減)、経常利益13,000百万円(同4.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,500百万円(同18.1%減)を見込む。事業別売上高については、食品事業は276,400百万円(同1.0%増)、飼料事業は58,600百万円(同4.3%増)、その他は4,900百万円(同3.6%増)を見込んでいる。食品事業については、製粉カテゴリで低迷が続くプレミックスに関し、市場需要に応える機能性の高い業務用プレミックス製品を2銘柄上市した。特徴は経時変化に強い点で、食感等の品質保持能力が高いことから、顧客総菜売り場での大量生産作り置きを実現する。これにより顧客の店舗オペレーションの効率化に貢献することで好評価を得ており、収益改善に期待がかかる。パスタに関しては、米代替需要で伸びる家庭用の販売価格を、物流費等のコストや為替影響の反映のために2025年8月から約10〜11%値上げしており、コスト吸収による利益率向上が望める。製油カテゴリでは、古米対応から2025年春先より栄養機能食品「お釜にポン」の出荷が増加している。2025年4月から7月の4ヶ月間の出荷実績は前年同月比で30%以上の増加となっている。
同社では、これから迎える新米時期でも、小売りでは令和のコメ騒動で抱えた古米在庫の販売を継続すると見ており、インフレによる節約志向も後押しし、同製品の出荷増は続くと予測している。営業施策として小売りや卸売り向けに同製品の特徴や好調な市場購買データを提示し、取扱数拡大に向けた提案を強化している。特に、同製品が栄養機能食品である点も健康意識の高い層に強く訴求するだろう。加えて、好調な機能性を高めた半流動性油脂「Sベーカリーオイル」もあり製油カテゴリの業績押し上げが期待される。糖質カテゴリについては、2026年10月の酒税法改正に向け、ビール関連での需要の高まり機運を同社は確実に捉え、収益につなげる構えである。一方、最近顕著な無糖飲料の需要増については、関連して同社の糖化製品を使用する加糖飲料の供給減少につながるため、糖化製品を飲料用途のみならず調味料や菓子類、氷菓等へシフトを図る方針である。ほかにも、製粉カテゴリとのシナジーからベーカリー向け糖化製品も伸長しており、これらが加糖飲料向けでの減少分を補う格好となるだろう。
■中期経営計画の進捗状況
中期経営計画最終年度の2026年3月期は、グループ連携と事業領域拡大を強化
2024年3月期よりスタートした「中期経営計画23-25」では5つの基本戦略として、「基盤事業の強化」「事業領域の拡大」「環境負荷の低減」「プラットフォームの再構築」「ステークホルダーエンゲージメントの強化」を掲げ、各戦略において定めた重点施策を推進している。
「基盤事業の強化」では、穀物ソリューション進化の幅を広げ、グループの昭和冷凍食品(株)が担う冷凍食品事業も含めた「ワンストップ型営業組織への変革」に挑戦している。製粉、製油、糖質カテゴリとのシナジーを狙い、例えば製粉・製油カテゴリとの親和性の高い冷凍総菜等の強化を検討している。なお、冷凍食品事業の強化は「事業領域の拡大」での注力分野となる。「グループ連携による事業拡大と収益力強化」では、糖質カテゴリで2026年3月期にグループのサンエイ糖化(株)がイノベーションセンターを開設予定で、今後も糖質カテゴリに関する研究開発に注力する考えだ。2024年9月にリリースした同社初の飲料系機能性表示食品「骨ケアドリンク ヨーグルト風味」に続く付加価値商品の開発により、「差別化戦略による付加価値商品の拡販」にもつながる。ほかにも、顧客課題解決や安定供給・生産効率化に向け、製油カテゴリではボーソー油脂(株)、辻製油(株)と、糖質カテゴリでは敷島スターチ(株)、サンエイ糖化と連携している。
「事業領域の拡大」では、「輸出事業の強化」で引き続きアジア圏を中心に輸出事業に注力し、2026年3月期売上高は2023年3月期比で40%以上の増加を見込む。2025年3月期実績は2023年3月期比で既に20%以上を記録したことから、2026年3月期は前期よりも倍以上の進捗率とペースが進む見通しである。「ASEAN地域における既存事業の強化と新たな事業展開による海外事業の拡大」については、ベトナムのプレミックス新工場が2026年3月期稼働予定と、若干の遅れは見られるものの、建設等準備は着実に進んでいる。ベトナムの2025年4〜6月のGDP成長率(推計値)は前年同期間比およそ8%、特にホテル・飲食では10%台(JETRO:日本貿易振興機構)と伸長が著しく、高品質なメイドインジャパンテイストの供給が始まれば、アジア圏での需要拡大の確度は高いと言えよう。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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