みんかぶニュース 市況・概況
明日の株式相場に向けて=全体指数とは無縁の中小型材料株を攻める
配信日時:2025/08/18 17:30
配信元:MINKABU
週明け18日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比336円高の4万3714円と続伸。前週末時点で日経平均ベースのPERは17.84倍、プライム市場ベースでも17.34倍であった。これは過去と照らし合わせて明らかにイレギュラーといえる割高水準だ。しかも、トランプ関税の影響で企業のEPSが減少傾向にあるにもかかわらず、同じ時間軸で株価の方は上昇一途となっている。いわゆる股裂き状態でPERは跳ね上がるわけで、危険な香りが存分に漂う。だが、そうした常識的な理屈が作用する相場であるならば、そもそも日経平均が昨年7月の高値をブレークするような展開とはなり得ない。
今週は21日から23日までの日程で行われるジャクソンホール会議に耳目が集まっている。正確には22日に予定されるパウエルFRB議長の講演内容がどうなるかに関心が集中している、というのが市場関係者の一致した意見だ。しかし、既に9月に行われるFOMCでの0.25%の利下げを市場は織り込んでいる。ここまできて9月の利下げ観測を冷やすようなパウエル発言はないと思われるが、かといって次回会合での0.5%の大幅利下げの可能性はもちろん、年内3回分(0.75%)の利下げを肯定するようなコメントを発することも考えにくい。果たして米国株市場がここまで織り込んでいるかどうかだが、いずれにせよトランプ米大統領の息のかかった人物が次のFRB議長に就任することは既定路線で、早晩それが誰であるか概ね分かるということも考慮して、本当のところは周りが騒ぐほどジャクソンホールのパウエル発言に固唾を飲んで見守るほどの重要性はないと思われる。少なくとも日本株はこうしたイベントには無頓着で、買うから上がる、上がるから買うという根拠なき上昇モードのスイッチが入っている状態だ。
株式需給に振り回され短期的には非合理が加速する。これが相場というよりないのだが、全体が落ち着くまではやはり、キャッシュポジションは高めで維持しておくべきである。押し目待ちに押し目なしというが、2度と今の水準は買えないと感じるのはセオリーを無視したユーフォリアの典型であり、足もとの株価の値動きは現実でも、先高期待については全く担保されておらず砂上楼閣に等しい。明日も明後日も上がるかもしれないが、それでもどこかでセオリーが機能してくる場面は必ず来る。それまでは腹3分目程度で個別株の機動的な売買にとどめておく。世界同時株高局面とはいっても、米国株市場はもちろん欧州やアジア株市場と比べても日経平均やTOPIXの上昇パフォーマンスが突出していることは間違いない。これは何か日本の突出した評価材料があるならばともかく、そういうわけではない以上、これは一過性の現象として捉えておくのが妥当である。
だが語弊はあるがマネーゲームに参戦するというのであれば、いくらでも個別株戦略の選択肢はある。こういう地合いであるからこそ、日経平均やTOPIXと連動しにくい、言い換えればシステマティックな株価下落圧力の働きにくい銘柄を投資対象とする方が賢明だ。森より木を見る投資戦略というのは、極論すれば日経平均が高かろうが安かろうがターゲットとする個別株の値動きとはリンクしないということが前提といえる。
そのなか、冨士ダイス<6167.T>は小型株だが技術力に定評があるニッチトップ企業。業績回復色が鮮明で信用買い残の少ない手垢のついていない材料株として要注目となる。超硬合金を使った耐摩耗工具や金型の製造を手掛けるが、高い商品技術を武器に圧倒的な競争力を誇る。ポイントは光通信デバイス用金型にデータセンター特需が発生しており、会社側もここに気付いて照準を合わせていることだ。自社株買いなど株主還元にも前向きであり、3ケタ台の株価は安値拾いのチャンスとなっている可能性がある。他方、今後中期的かつ段階的に日銀が利上げを行うことが確実視され、地銀セクターには追い風が吹いている。そのなか、じもとホールディングス<7161.T>の値動きに目を向けたい。山形県地盤のきらやか銀行と宮城県の仙台銀行の経営統合で発足した持ち株会社だが、業界再編の流れが意識されるなか、株価は動兆しきりである。400円絡みは値ごろ感もあり、週足でみれば依然として底値圏を這っている状況であるだけに、株価妙味を内包している。
これ以外では、企業の販売支援とPR事業を手掛けるサニーサイドアップグループ<2180.T>をマーク。商業施設やホテルを展開するほか、大人気の朝食レストランで話題を集めており、インバウンド関連の一角として存在感を高めつつある。また、イベント関連では博展<2173.T>も高値形成後の調整一巡で改めて目を向けておきたい。ホテル関連では業績好調なツカダ・グローバルホールディング<2418.T>も注目しておきたい。この3銘柄はいずれも株価が600円台であり、全体相場が調整局面に入っても個人投資家を中心に個別株物色の対象として有力である。
あすのスケジュールでは、前場取引時間中に1年物国庫短期証券の入札と20年物国債の入札が予定されている。海外では6月のユーロ圏経常収支、7月の米建設許可件数、7月の米住宅着工件数などにマーケットの関心が高い。また、ボウマンFRB副議長が講演を行う予定でその発言内容に耳目が集まる。海外主要企業の決算発表ではホーム・デポ<HD>、キーサイト・テクノロジー<KEYS>などが注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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