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ムゲンエステート Research Memo:2025年12月期2Q、買取再販事業が好調。中間で売上・各利益が過去最高に

配信日時:2025/08/13 16:52 配信元:FISCO
*16:52JST ムゲンエステート Research Memo:2025年12月期2Q、買取再販事業が好調。中間で売上・各利益が過去最高に ムゲンエステート<3299>は、投資用・居住用マンションを中心に中古不動産の買取・再販事業を行う業界のパイオニアであり、高収益企業である。

1. 2025年12月期中間期の業績概要
2025年12月期中間期は、売上高が前年同期比4.6%増の32,943百万円、営業利益が同9.0%増の5,479百万円、経常利益が同6.2%増の4,932百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同8.4%増の3,320百万円と、売上高、各利益ともに過去最高を記録した。

不動産業界の事業環境は、円安を背景とした海外からの不動産投資や、好調なインバウンド需要もあり、堅調に推移した。2025年6月の首都圏の中古マンション成約件数、成約価格はいずれも8ヶ月連続で前年同月を上回った。主力の買取再販事業では、居住用不動産の大型物件の販売が好調に推移し、売上高で前年同期比56.0%増の19,005百万円となり、大幅な増収をけん引した。投資用不動産の販売は、前年同期比で減収ではあるが、収益性を維持しつつ着実に販売を積み上げている。買取再販事業好調の要因として、外国人向けの売上高が前年同期比49.8%増の14,188百万円と成長が著しいことが挙げられる。不動産特定共同事業では「札幌ホステルプロジェクト」の第2期募集が完売した。なお、不動産の仕入れに関しては、物件の収益性や在庫状況を精査し、前年同期比7.9%減の23,302百万円と着実に進捗させている。

2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期は、売上高は前期比29.8%増の80,694百万円、営業利益が同13.9%増の10,961百万円、経常利益が同12.4%増9,955百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.9%増の6,504百万円と、売上高および各利益が順調に増加する予想である(期初予想通り)。同社が属する全国都市部の不動産市況は、日銀による政策金利の引き上げ動向に加え、米国の関税政策に伴う影響など不透明感はあるものの、円安効果と低金利等を追い風に、引き続き堅調な状態が続くことを予想する。
主力事業の買取再販事業では、営業チャネルの拡充と取り扱いアセットの多様化、地方エリアでの販売強化により事業領域を拡げる。西日本エリアの開拓と深耕を目的に、京都営業所(2025年2月)と那覇営業所(2025年3月)を開設、さらに海外営業部を設立し(2025年1月)、エリア拡大による成長が期待できる。同事業の売上高では前期比30.5%増の71,756百万円、特に買取再販事業の投資用不動産は同44.3%増の39,034百万円と伸ばす予想である。不動産開発事業は、引き続き省エネや環境に配慮された商品の開発を徹底し、竣工済み物件のリーシングと販売活動の強化を継続する。同事業の売上高は、前期比16.2%増の2,915百万円を予想する。不動産特定共同事業は、総額15億円の案件を進め、売上高で前期比42.7%増の3,056百万円を予想する。新規事業のアセットマネジメント事業は、今後AM事業に関連した許認可を取得し、数年間で段階的に私募ファンドを組成し運用残高の拡大に取り組む計画であり、業績への貢献は次年度以降となる。中間期末の販売用不動産は63,917百万円(前期末比3,190百万円増)と十分である。第2四半期を終えて通期業績予想に対する進捗率は、営業利益で50.0%と順調である。前期および進行期に行った拠点増設および人員増強の効果が見込まれるため、計画達成に向けて体制が整っていると言えるだろう。

成長戦略・トピック:不動産開発事業および不動産特定共同事業でのパイプラインが進捗
同社は、中期的に不動産開発事業および不動産特定共同事業の育成に力を注いでいる。下期に動きがありそうな案件としては、不動産特定共同事業では、第7弾商品「新小岩プロジェクト」と第8弾商品「荻窪プロジェクト」の販売である。「新小岩プロジェクト」は募集金額6億円であり、2025年3月販売開始、「荻窪プロジェクト」募集金額8.78億円であり、2025年6月販売開始された。また、不動産開発事業では、「SIDEPLACE ASAGAYA(7階建、飲食・物販店舗7戸)」が2025年7月に竣工し、今後の業績貢献が期待できる。

株主還元策: 初の中間配当を実施(2025年9月支払予定)。2025年12月期は増益予想を背景に、8円増配の通期112円(中間期45円実施予定、期末67円)配当性向40.1%を予想
同社は、株主への利益還元を経営の重要課題の一つと位置付けており、長期的な事業拡大のため財務体質の強化と内部留保の充実を図りつつ、安定した配当を継続することを基本方針とている。利益配分は、業績の水準やバランスシートをベースとする資本コストや資本収益性等を総合的に勘案し、中長期的な連結配当性向の目標水準を40%以上としている。2025年12月期は、年間配当112円(前期比8円増配、中間期45円実施予定、期末67円予想)、配当性向40.1%を予想する。株主への利益還元の機会を充実させるため、進行期(2025年12月期)から中間配当を実施し、期末配当と併せて年2回としている。第3次中期経営計画では、2026年12月期に配当金130円、2027年12月期に配当金161円を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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