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スパークス G Research Memo(6):徹底した企業調査に基づく投資哲学の実践。安定的高収益を実現(2)
配信日時:2025/07/25 12:06
配信元:FISCO
*12:06JST スパークス G Research Memo(6):徹底した企業調査に基づく投資哲学の実践。安定的高収益を実現(2)
■スパークス・グループ<8739>の会社概要
4. 同社グループの市場での立ち位置
上記の強みに加えて、上場している独立系アクティブ運用会社のなかでの同社の特徴として、日本国内株式から太陽光発電などの実物資産や未公開株式まで投資対象が多岐にわたっていることが挙げられる。1つのグループのなかで、株式への厳選投資と長期保有といった伝統的投資戦略から再生可能エネルギーやエンゲージメント戦略といったオルタナティブ投資に至るまで幅広く戦略を推進している企業は珍しい。伝統的戦略に加えて、オルタナティブ投資も手掛けることにより、安定して運用資産残高を増加させることができるのと同時に、高い収益性を実現できると弊社は見ている。再生可能エネルギー発電事業など大規模インフラを投資対象とする実物資産の投資戦略は投資額が大きく、その分運用資産残高の増加に寄与するためだ。実際、2016年3月期末に1,316億円だった運用資産残高は、2025年3月期末には3,021億円と2.3倍に拡大し、運用資産残高全体に占める割合も16.1%まで高まっている。資産運用は分散投資によるリスク分散が基本原則である。その点、同社は自社グループのなかで相対的にボラティリティが高い上場株式から安定性の高い実物資産、未上場株式まで手掛けることによって、運用資産残高が過度に変動するリスクを平準化している。同社の運用資産残高と運用資産残高増加率の推移を見てみると、安定して推移していることがわかる。
ベンチャー企業投資を対象とした「プライベート・エクイティ」は、同社投資戦略のなかでも相対的に残高報酬料率が高く設定されているため、その分収益性も高い。ビジネスモデル上の違いや主要顧客層の違いなどから一概には比較できないものの、同社の収益性の高さは伝統的投資戦略に加えて、オルタナティブ資産を投資対象ポートフォリオに組み込んでいることも一因であると弊社は考えている。利益は株価算出の根拠かつ配当原資になる。その意味で、投資家にとって非常に重要なものであり、効率的かつ安定的に利益を創出できる同社の投資戦略ポートフォリオ・ビジネスモデルは魅力的だと言える。
5. 競合環境
同社を取り巻く競合環境を見ると、国内には数多くの資産運用会社が存在するものの、事業規模が比較的近いSBIレオス・キャピタルワークス<165A>、(以下、SBIレオス)、SBIグローバルアセットマネジメント<4765>、(以下、SBIGAM)が実質的な競合と見られる。
定性面については、両社の戦略と立ち位置には明確な違いが見られる。同社は注力分野の4本柱を軸として、リスク分散と収益源の多様化を図っている。これにより、景気変動や資本市場のボラティリティの影響を受けにくい、持続的で安定した収益構造を築いている。その一方で、SBIレオスは「ひふみ」シリーズを中心とした個人投資家向けの日本株ファンドを主軸に展開し、「顔の見える運用」や「企業との対話」を通じたストーリー性のあるブランド戦略を打ち出している。多くの個人投資家の共感と信頼を呼び、認知度の高い商品シリーズとして定着している。SBIGAMは、SBIグループの総合金融力を背景に、国内外の幅広い運用資産に対応することができる体制を構築しており、グループシナジーを生かした商品開発や販売チャネルの多様性が強みである。投資対象もパッシブ型からアクティブ型、さらにはオルタナティブ投資まで多岐にわたり、特定分野に偏らない総合的な運用力を有する。
定量面については、2025年3月期末の運用資産残高を見ると、同社が1兆8,720億円、SBIレオスが1兆2,753億円、SBIGAMが6兆7,008億円である。直近3年間(2023年3月期~2025年3月期)の年平均成長率を比較すると、同社が6.4%、SBIレオスが4.8%、SBIGAMが21.9%であり、3社とも順調に積み上がっている。なお、SBIGAMの成長率が高い主な要因は公募インデックスの残高増加である。同社との方がより高い成長ペースで運用資産残高を拡大している。他方で、同社は日本株のアクティブ運用を中心としながらも多様な運用戦略を展開しており、複線的な成長ドライバーを有している点が残高拡大に寄与していると考えられる。収益性の面では、同社の2025年3月期の営業利益率は43.0%と、同業他社と比して際立って高い水準にある。一方、SBIレオス及びSBIGAMの営業利益率はそれぞれ18.1%、19.6%にとどまっており、大きく乖離している。この差は各社の収益モデルの構造的な違いに起因すると見られる。SBIレオス及びSBIGAMは、残高報酬を主な収益源としており、収益は安定的である一方、利益率の上昇余地は限定的である。これに対して同社は、残高報酬に加えて上場株式、実物資産、プライベート・エクイティファンドそれぞれに応じた成功報酬があり、パフォーマンス次第で収益が大きく増加する仕組みとなっている。成功報酬が付帯されているファンドは2025年3月末時点で全体の35.1%となっており、営業利益率を向上させるビジネスモデルが実現されている。
同社は運用資産残高の規模、収益性、多角的な運用戦略の広がりなどの点において、特徴を有している特に、収益性の高さは競合との差別化要因として極めて重要であり、同社のビジネスモデルの優位性を物語っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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4. 同社グループの市場での立ち位置
上記の強みに加えて、上場している独立系アクティブ運用会社のなかでの同社の特徴として、日本国内株式から太陽光発電などの実物資産や未公開株式まで投資対象が多岐にわたっていることが挙げられる。1つのグループのなかで、株式への厳選投資と長期保有といった伝統的投資戦略から再生可能エネルギーやエンゲージメント戦略といったオルタナティブ投資に至るまで幅広く戦略を推進している企業は珍しい。伝統的戦略に加えて、オルタナティブ投資も手掛けることにより、安定して運用資産残高を増加させることができるのと同時に、高い収益性を実現できると弊社は見ている。再生可能エネルギー発電事業など大規模インフラを投資対象とする実物資産の投資戦略は投資額が大きく、その分運用資産残高の増加に寄与するためだ。実際、2016年3月期末に1,316億円だった運用資産残高は、2025年3月期末には3,021億円と2.3倍に拡大し、運用資産残高全体に占める割合も16.1%まで高まっている。資産運用は分散投資によるリスク分散が基本原則である。その点、同社は自社グループのなかで相対的にボラティリティが高い上場株式から安定性の高い実物資産、未上場株式まで手掛けることによって、運用資産残高が過度に変動するリスクを平準化している。同社の運用資産残高と運用資産残高増加率の推移を見てみると、安定して推移していることがわかる。
ベンチャー企業投資を対象とした「プライベート・エクイティ」は、同社投資戦略のなかでも相対的に残高報酬料率が高く設定されているため、その分収益性も高い。ビジネスモデル上の違いや主要顧客層の違いなどから一概には比較できないものの、同社の収益性の高さは伝統的投資戦略に加えて、オルタナティブ資産を投資対象ポートフォリオに組み込んでいることも一因であると弊社は考えている。利益は株価算出の根拠かつ配当原資になる。その意味で、投資家にとって非常に重要なものであり、効率的かつ安定的に利益を創出できる同社の投資戦略ポートフォリオ・ビジネスモデルは魅力的だと言える。
5. 競合環境
同社を取り巻く競合環境を見ると、国内には数多くの資産運用会社が存在するものの、事業規模が比較的近いSBIレオス・キャピタルワークス<165A>、(以下、SBIレオス)、SBIグローバルアセットマネジメント<4765>、(以下、SBIGAM)が実質的な競合と見られる。
定性面については、両社の戦略と立ち位置には明確な違いが見られる。同社は注力分野の4本柱を軸として、リスク分散と収益源の多様化を図っている。これにより、景気変動や資本市場のボラティリティの影響を受けにくい、持続的で安定した収益構造を築いている。その一方で、SBIレオスは「ひふみ」シリーズを中心とした個人投資家向けの日本株ファンドを主軸に展開し、「顔の見える運用」や「企業との対話」を通じたストーリー性のあるブランド戦略を打ち出している。多くの個人投資家の共感と信頼を呼び、認知度の高い商品シリーズとして定着している。SBIGAMは、SBIグループの総合金融力を背景に、国内外の幅広い運用資産に対応することができる体制を構築しており、グループシナジーを生かした商品開発や販売チャネルの多様性が強みである。投資対象もパッシブ型からアクティブ型、さらにはオルタナティブ投資まで多岐にわたり、特定分野に偏らない総合的な運用力を有する。
定量面については、2025年3月期末の運用資産残高を見ると、同社が1兆8,720億円、SBIレオスが1兆2,753億円、SBIGAMが6兆7,008億円である。直近3年間(2023年3月期~2025年3月期)の年平均成長率を比較すると、同社が6.4%、SBIレオスが4.8%、SBIGAMが21.9%であり、3社とも順調に積み上がっている。なお、SBIGAMの成長率が高い主な要因は公募インデックスの残高増加である。同社との方がより高い成長ペースで運用資産残高を拡大している。他方で、同社は日本株のアクティブ運用を中心としながらも多様な運用戦略を展開しており、複線的な成長ドライバーを有している点が残高拡大に寄与していると考えられる。収益性の面では、同社の2025年3月期の営業利益率は43.0%と、同業他社と比して際立って高い水準にある。一方、SBIレオス及びSBIGAMの営業利益率はそれぞれ18.1%、19.6%にとどまっており、大きく乖離している。この差は各社の収益モデルの構造的な違いに起因すると見られる。SBIレオス及びSBIGAMは、残高報酬を主な収益源としており、収益は安定的である一方、利益率の上昇余地は限定的である。これに対して同社は、残高報酬に加えて上場株式、実物資産、プライベート・エクイティファンドそれぞれに応じた成功報酬があり、パフォーマンス次第で収益が大きく増加する仕組みとなっている。成功報酬が付帯されているファンドは2025年3月末時点で全体の35.1%となっており、営業利益率を向上させるビジネスモデルが実現されている。
同社は運用資産残高の規模、収益性、多角的な運用戦略の広がりなどの点において、特徴を有している特に、収益性の高さは競合との差別化要因として極めて重要であり、同社のビジネスモデルの優位性を物語っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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