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美濃窯業:セメント向け耐火物で国内トップ級、高機能セラミックス分野への取り組みと株主還元強化に注目
配信日時:2025/07/15 10:24
配信元:FISCO
*10:24JST 美濃窯業:セメント向け耐火物で国内トップ級、高機能セラミックス分野への取り組みと株主還元強化に注目
美濃窯業<5356>は、1918年創業のセラミックス総合メーカーである。耐火物の製造・施工に関する長年の実績を持ち、耐火物や工業炉の製造・施工を中心とした事業を展開、セメント・化学といった重厚長大型産業や環境関連分野に対する製品および設備の供給を主軸としている。
中核となる耐火物に関しては、主にセメント業界向けに高温環境下で使用される各種耐火製品を供給、特にセメント業界向けにおいて国内トップクラスを誇り、安定的な需要基盤を有する。同社は、2026年3月期より「セラミックスαカンパニー」への進化を目指し、「耐火物事業」というセグメント名を「耐火物セラミックス事業」へと変更している。「プラント事業」では、耐火物エンジニアリングとしてセメント・環境分野向けを中心に、各種工業炉に施工する耐火物の材質選定と設計・製造および施工管理を一貫して手がける。設計から据付・アフターサービスまでを一貫して担える体制により、顧客との長期的な関係を構築している点も評価が高い。また、設備として提供するファインセラミックス向けのガス焼成炉においては、設備設計のみならず、炉内に使用する耐火物とさらには焼成補助材であるキルンファニチャーを一括して供給できる体制を有しており、稀に見るワンストップ型のサービスを実現している点も大きな強みだ。さらに、「建材及び舗装用材事業」では、カラー骨材「セラサンド」をはじめとする景観性と耐久性を兼ね備えた舗装材や建材を展開しており、建設業界や都市インフラ分野を中心とする幅広い顧客基盤を有している。
2025年3月期連結業績は、売上高15,058百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,576百万円(同16.6%増)、経常利益1,680百万円(同14.3%増)、当期純利益は1,217百万円(同15.4%増)となり、増収増益を達成した。主力の耐火物事業は国内需要が低迷する中でも新規取引先の開拓や生産性向上により、売上高6,267百万円(同3.2%増)、セグメント利益343百万円(同37.1%増)と大幅な増益を確保。特にセメント業界向けシェアアップへの注力と、10年以上継続してきた生産性改善の顕在化が功を奏した。同事業の営業利益率は、2023年3月期の2.3%から2025年3月期の5.5%へと大きく改善している。プラント事業は、半導体関連の設備投資回復などを背景に、売上高5,696百万円(同12.4%増)、セグメント利益825百万円(同16.7%増)と堅調に推移した。建材及び舗装用材事業は、価格改定などにより売上高2,554百万円(同1.5%増)、利益214百万円(同12.8%増)と堅調。不動産賃貸事業やその他事業も増収増益となり、全セグメントで前年を上回る結果となった。2026年3月期の連結業績については、売上高16,000百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,750百万円(同11.0%増)、経常利益1,850百万円(同10.1%増)、当期純利益1,300百万円(同6.8%増)を見込んでいる。
2025年5月15日に公表された、2028年3月期を最終年度とする新中期経営計画では、2030年に向けた持続的成長と企業価値の最大化に向け、事業構造の高度化と収益力の強化を柱に据えている。耐火物事業は「耐火物セラミックス事業」へと発展させ、高機能セラミックス分野への本格参入を図る方針である。具体的には、成長市場である国内外の電子部品・半導体産業向けのキルンファニチャーの生産体制の見直し、セメントフリー・セメントレス先進キャスタブルの開発、さらにはリサイクル分野強化などを進めていく。プラント事業では、環境・エネルギー分野の新たな需要を取り込み、焼成炉の販売拡大や生産性の向上を図るほか、次世代省エネ炉や水素燃焼技術、リサイクル領域への展開も視野に入れる。建材及び舗装用材事業では、インフラ更新の加速を背景に、景観材・舗装材の高機能化および高付加価値化を進めることで、都市インフラのリニューアル需要に対応する。これらの施策を通じ、持続的成長と利益体質の強化の両立を目指す構えである。2028年3月期の業績は、売上高17,500百万円、営業利益2,100百万円、経常利益2,200百万円、当期純利益1,500百万円を計画している。
株主還元については、同社は3期連続で増配中であり、2026年3月期も前期の35円から42円への4期連続の増配を計画している。さらに、中期経営計画では、2028年3月期までに配当性向40%程度を目指す方針を公表、安定的かつ持続的な株主還元への姿勢が明確だ。セラミックス事業への資源投入や次世代省エネ炉・水素燃焼技術の開発、リサイクル分野への展開、都市インフラ更新需要の取り込みなど、将来を見据えた明確な成長戦略を掲げ、収益力の強化と株主還元の両立を志向する同社の今後の展開には注目しておきたい。
<HM>
中核となる耐火物に関しては、主にセメント業界向けに高温環境下で使用される各種耐火製品を供給、特にセメント業界向けにおいて国内トップクラスを誇り、安定的な需要基盤を有する。同社は、2026年3月期より「セラミックスαカンパニー」への進化を目指し、「耐火物事業」というセグメント名を「耐火物セラミックス事業」へと変更している。「プラント事業」では、耐火物エンジニアリングとしてセメント・環境分野向けを中心に、各種工業炉に施工する耐火物の材質選定と設計・製造および施工管理を一貫して手がける。設計から据付・アフターサービスまでを一貫して担える体制により、顧客との長期的な関係を構築している点も評価が高い。また、設備として提供するファインセラミックス向けのガス焼成炉においては、設備設計のみならず、炉内に使用する耐火物とさらには焼成補助材であるキルンファニチャーを一括して供給できる体制を有しており、稀に見るワンストップ型のサービスを実現している点も大きな強みだ。さらに、「建材及び舗装用材事業」では、カラー骨材「セラサンド」をはじめとする景観性と耐久性を兼ね備えた舗装材や建材を展開しており、建設業界や都市インフラ分野を中心とする幅広い顧客基盤を有している。
2025年3月期連結業績は、売上高15,058百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,576百万円(同16.6%増)、経常利益1,680百万円(同14.3%増)、当期純利益は1,217百万円(同15.4%増)となり、増収増益を達成した。主力の耐火物事業は国内需要が低迷する中でも新規取引先の開拓や生産性向上により、売上高6,267百万円(同3.2%増)、セグメント利益343百万円(同37.1%増)と大幅な増益を確保。特にセメント業界向けシェアアップへの注力と、10年以上継続してきた生産性改善の顕在化が功を奏した。同事業の営業利益率は、2023年3月期の2.3%から2025年3月期の5.5%へと大きく改善している。プラント事業は、半導体関連の設備投資回復などを背景に、売上高5,696百万円(同12.4%増)、セグメント利益825百万円(同16.7%増)と堅調に推移した。建材及び舗装用材事業は、価格改定などにより売上高2,554百万円(同1.5%増)、利益214百万円(同12.8%増)と堅調。不動産賃貸事業やその他事業も増収増益となり、全セグメントで前年を上回る結果となった。2026年3月期の連結業績については、売上高16,000百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,750百万円(同11.0%増)、経常利益1,850百万円(同10.1%増)、当期純利益1,300百万円(同6.8%増)を見込んでいる。
2025年5月15日に公表された、2028年3月期を最終年度とする新中期経営計画では、2030年に向けた持続的成長と企業価値の最大化に向け、事業構造の高度化と収益力の強化を柱に据えている。耐火物事業は「耐火物セラミックス事業」へと発展させ、高機能セラミックス分野への本格参入を図る方針である。具体的には、成長市場である国内外の電子部品・半導体産業向けのキルンファニチャーの生産体制の見直し、セメントフリー・セメントレス先進キャスタブルの開発、さらにはリサイクル分野強化などを進めていく。プラント事業では、環境・エネルギー分野の新たな需要を取り込み、焼成炉の販売拡大や生産性の向上を図るほか、次世代省エネ炉や水素燃焼技術、リサイクル領域への展開も視野に入れる。建材及び舗装用材事業では、インフラ更新の加速を背景に、景観材・舗装材の高機能化および高付加価値化を進めることで、都市インフラのリニューアル需要に対応する。これらの施策を通じ、持続的成長と利益体質の強化の両立を目指す構えである。2028年3月期の業績は、売上高17,500百万円、営業利益2,100百万円、経常利益2,200百万円、当期純利益1,500百万円を計画している。
株主還元については、同社は3期連続で増配中であり、2026年3月期も前期の35円から42円への4期連続の増配を計画している。さらに、中期経営計画では、2028年3月期までに配当性向40%程度を目指す方針を公表、安定的かつ持続的な株主還元への姿勢が明確だ。セラミックス事業への資源投入や次世代省エネ炉・水素燃焼技術の開発、リサイクル分野への展開、都市インフラ更新需要の取り込みなど、将来を見据えた明確な成長戦略を掲げ、収益力の強化と株主還元の両立を志向する同社の今後の展開には注目しておきたい。
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