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明日の株式相場に向けて=DC・AI・仮想通貨で出世株の輩出続く

配信日時:2025/07/14 17:30 配信元:MINKABU
 週明け14日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比110円安の3万9459円と3日続落。6月相場は後半一気に強気に傾き、ショート筋の踏み上げで望外の戻りを演じた日経平均だが、7月相場では4万円大台手前で瀬踏みを繰り返し、挙句の果てに何やら踵(きびす)を返し、来た道を引き返すような動きも想起させる。サポートラインの25日線を下回ってくると更に警戒感が高まりやすい。14週連続買い越しで耳目を驚かせた海外投資家の買い攻勢もフェードアウト気味なのか、日々の売買代金も減少し、ここは地味に正念場を迎えている。  今週は国内ではディスコ<6146.T>の決算があり、海外ではオランダのASML<ASML>と台湾のTSMC<TSM>の決算発表を控えていることで、半導体関連は中小型株といえどもしばし様子見となりやすい。仮にこれらの決算が吉と出れば、再び買い直されるターンに入ることになり、参戦するならそこからでも十分に間に合う。また、半導体セクターにこだわらなくても、今はテーマ買いの動きが活発だ。全体相場は7月後半にかけて弱気な見方が優勢で、事実そのシナリオに沿った値動きとなってきている感もある。ただ、そういう玉虫色の地合いだからこそ、その間隙を駆け上がる材料株がより輝きを放つ。今は全体観としては半身に構えながらも「森」より「木」を堪能できる地合いと言ってよいかもしれない。  例えば個別では仮想通貨関連が再人気化している。少し長い目で見ればバブルかもしれないが、今はそれを分析する時間帯ではなく、そこら辺の感覚が身につかないと個別株戦略は行き詰まる。直近ビットコイン価格が一時12万ドル台を突破するなど破竹の勢いで水準を切り上げ最高値を更新したが、この背景には米連邦議会が今週を「クリプトウイーク(仮想通貨週間)」と定め、仮想通貨に関する重要法案を集中審議することが背景にあり、ステーブルコインの信頼性を高める「ジーニアス法」などに耳目が集まっている。「仮想通貨大国」の具現化に向けトランプ大統領の肝いりで法整備が進捗する方向にあり、この流れが東京株式市場にも波及している。仮想通貨の関連銘柄は数多いが、そのなかリミックスポイント<3825.T>にまず注目。直近まで8連騰を記録しているものの、値刻みは小幅で陰線も織り交ぜていることから過熱感に乏しく、押し目は注目で引き続き上値が期待できそうだ。また、金融分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を手掛け、暗号資産の国際送金インフラ構築で実務検証に動くSpeee<4499.T>も面白い存在といえる。  リレーのバトンを渡すように出世株の輩出が相次いでいるAI関連では、中低位株が草刈り場の様相を呈してきた。そのなか、動兆しきりで株価400円台を回復したばかりのセカンドサイトアナリティカ<5028.T>。潜在的な出来高流動性に富んでいることから、売買代金増勢となれば上値も伸びそうだ。このほか、株価が300円未満と更に低位に位置する銘柄で、アエリア<3758.T>も穴株としてチェックしておきたい。4月からゲームキャラクターとのコミュニケーションを可能としたAIチャットアプリを配信しており、“AIの社会実装”へと本格的に舞台が回る場面では、急先鋒として存在感を強めることが予想される。  そして、AI市場の拡大と切り離せないのがデータセンター(DC)関連の銘柄群だ。フジクラ<5803.T>や古河電気工業<5801.T>、SWCC<5805.T>などの電線株だけでなく、アドソル日進<3837.T>やETSグループ<253A.T>といった銘柄が足もとで人気素地を開花させている。このほか、目を配っておきたい銘柄としては、強力な上昇波を構築中の電算<3640.T>やトーエネック<1946.T>などが挙げられる。  日替わりで人気株が輩出されるバイオ関連セクターも個人投資家の主戦場となっている。新薬が日の目を見るまでには時間がかかり、鉄火場の様相を呈することもあるセクターだが、そうしたなか安定した実需買いが観測される住友ファーマ<4506.T>が目を引く存在となってきた。再生医療のテーマは世界的にも次世代医療の中枢を担う技術であり、住友化学<4005.T>傘下で米国での展開に注目が集まる同社は海外ファンド筋の買いなどが波状的に続く可能性がある。  あすのスケジュールでは、国内では特に目立ったイベントは見当たらないが、前場取引時間中に5年物クライメート・トランジション国債の入札が行われる。また、東宝<9602.T>とベイカレント<6532.T>の25年3~5月期決算が発表される。海外では、6月の中国70都市新築住宅価格動向、4~6月期中国実質国内総生産(GDP)、6月の中国小売売上高、6月の中国工業生産高、1~6月の中国不動産開発投資、1~6月の中国固定資産投資、5月のユーロ圏鉱工業生産、7月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予想指数のほか、米国では6月の米消費者物価指数(CPI)に対するマーケットの関心が高い。また、7月のNY連銀製造業景況指数も合わせて注目される。なお、ボウマンFRB副議長がFRBのカンファレンスで講演を行う予定。(銀) 出所:MINKABU PRESS

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