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ヤギ:1893年創業の繊維商社、PBR0.56倍台かつ配当利回りは3.82%超え
配信日時:2025/07/11 14:53
配信元:FISCO
*14:53JST ヤギ:1893年創業の繊維商社、PBR0.56倍台かつ配当利回りは3.82%超え
ヤギ<7460>は、1893年創業の繊維商社で、繊維分野を中核とし、「マテリアル事業」「ライフスタイル事業」「アパレル事業」「ブランド・リテール事業」の4つのセグメントを柱に事業を展開している。原料段階の糸からテキスタイル(生地)、最終製品やブランドビジネスに至るサプライチェーンを一貫して手掛けており、紡績・合成繊維メーカーや生産工場との協働により高機能・高品質な糸・生地の開発も行うほか、仕入・企画型のODM(相手先ブランドによる企画・製造)、自社ブランドやライセンス商品の開発にも注力してきた。マテリアル事業では糸やテキスタイルの輸出入・販売、ライフスタイル事業ではダストコントロール商材や化粧雑貨、タオルなど日用品・生活資材、アパレル事業では衣料品のOEM・ODM、及びライセンスブランド商品の卸売、ブランド・リテール事業では自社ブランドの小売・卸売を手掛けている。イタリア・ミラノを発祥とするブランド「TATRAS(タトラス)」や、NIKEのリテールパートナーとしてNIKEの運営も担当している。売上高構成比では、2025年3月期実績でアパレル事業が51.0%、マテリアル事業が26.9%と大半を占め、次いでブランド・リテール(12.5%)、ライフスタイル(8.6%)、不動産(1.0%)の順となる。
大きな強みは、繊維分野に特化した商社として、原材料から二次製品まで幅広いビジネスラインを持つ点がある。幅広い商材とグローバルな調達・販売ネットワークにより、多様な顧客ニーズに対応できる体制を築いている。国内産業向けの天然繊維から自動車関連の機能材、ファッション素材、生活雑貨、さらにはアパレルブランド・小売までをカバーしており、グループとして複数分野の事業シナジーを生み出すことができる。また、近年は機能性や環境配慮型素材ブランド「UNITO(ユナ・イト)」等への取り組みを強化しており、競合他社に比べてサステナビリティや新技術開発に積極的な姿勢も差別化要因となっている。さらに衣料分野では、国内外の主要取引先に対する提案力やブランド・ライセンス事業にも強みがある。こうした総合力を背景に、業界内では「糸・テキスタイルから製品・ブランドまで一貫して扱える繊維商社」として高い評価を得ている。
2025年3月期の売上高は83,376百万円(前期比0.6%増)、営業利益は3,572百万円(同12.3%増)と微増収・増益で着地。アパレル事業とブランド・リテール事業の好調が売上増加を牽引し、一方で利益面ではマテリアル・ライフスタイル・アパレル各事業が増益となり貢献した。セグメント別では、アパレル事業は主要顧客への提案を強化し、中・高価格帯の商品構成に注力したことで売上が増加し、長引く円安下でも生産拠点の見直しや物流コスト削減で収益性を確保した。ブランド・リテール事業では、新規出店など先行投資をしながらも、販売価格の適正化や在庫管理の改善などにより機会損失を低減し、前期並みの利益を維持。売上高は同14.0%増と二桁成長を維持した。マテリアル事業は天然繊維分野の国内需要減退などで売上高は落ち込んだものの、在庫圧縮や価格転嫁、合成繊維の海外販売の増加に加え、販管費の抑制に成功しセグメント利益増となった。
ファッション・繊維業界では、世界的な景気減速懸念や為替変動、原料高騰が続く一方、アフターコロナの消費回復や機能性素材への需要拡大も見られる。同社はこうした変化に対し、サプライチェーンの柔軟化と高付加価値化で対応を図る構えだ。直近では国内の消費意欲は底堅く、外国人観光客の回復もアパレル・小売市場を支えている。一方、繊維素材の分野では環境配慮型素材や高機能素材へのシフトが競争軸となっており、同社は「UNITO」等のブランド開発を通じて先行して対応。経済情勢次第では不確実性もあるが、同社の中期計画では親会社株主に帰属する当期純利益ベースでROE6.0%以上を目指しており、最終年度となる今期は業績向上だけでなく企業価値向上への積極投資も続けると見られる。以上を踏まえると、幅広い事業ポートフォリオと専門性を生かして安定的な収益を確保しつつ、生活者ニーズや国際環境の変化に対応していく姿勢だ。
中期経営目標では、2026年3月期は「Heritage to the future」の最終年度にあたる。今期(2026年3月期)は売上高90,000百万円(前期比7.9%増)、営業利益3,600百万円(同0.8%増)と増収・微増益予想を公表している。中高価格帯製品・ブランド商品への注力や海外販路の拡大を図りつつ、中長期的な企業価値向上に向けた更なる成長のための戦略投資を強める計画。また、グループ会社WEAVA(2024年11月)による旗艦店のオープンなどの収益貢献も始まっていく。中長期的には、アパレル事業・ライフスタイル事業を収益基盤事業とし、マテリアル事業の海外販売とブランド・リテール事業を重点事業として成長を図っていくようだ。
配当については、安定した配当の継続と、経営基盤の強化に必要な内部留保をバランスよく実施。この方針を維持しつつ、更なる資本効率の向上と最適な資本配分の実施を進めることで配当性向35%以上の配当を基本方針としている。直近のバリュエーションはPBR0.56倍台で推移するなか、配当利回りは約3.82%で推移している。引き続き将来の収益期待を高めるとともに株主還元などを通して株価の上昇につなげる方針で、同社の増益基調の維持と積極的な株主還元方針、環境変化への取り組みにも注目しておきたい 。
<HM>
大きな強みは、繊維分野に特化した商社として、原材料から二次製品まで幅広いビジネスラインを持つ点がある。幅広い商材とグローバルな調達・販売ネットワークにより、多様な顧客ニーズに対応できる体制を築いている。国内産業向けの天然繊維から自動車関連の機能材、ファッション素材、生活雑貨、さらにはアパレルブランド・小売までをカバーしており、グループとして複数分野の事業シナジーを生み出すことができる。また、近年は機能性や環境配慮型素材ブランド「UNITO(ユナ・イト)」等への取り組みを強化しており、競合他社に比べてサステナビリティや新技術開発に積極的な姿勢も差別化要因となっている。さらに衣料分野では、国内外の主要取引先に対する提案力やブランド・ライセンス事業にも強みがある。こうした総合力を背景に、業界内では「糸・テキスタイルから製品・ブランドまで一貫して扱える繊維商社」として高い評価を得ている。
2025年3月期の売上高は83,376百万円(前期比0.6%増)、営業利益は3,572百万円(同12.3%増)と微増収・増益で着地。アパレル事業とブランド・リテール事業の好調が売上増加を牽引し、一方で利益面ではマテリアル・ライフスタイル・アパレル各事業が増益となり貢献した。セグメント別では、アパレル事業は主要顧客への提案を強化し、中・高価格帯の商品構成に注力したことで売上が増加し、長引く円安下でも生産拠点の見直しや物流コスト削減で収益性を確保した。ブランド・リテール事業では、新規出店など先行投資をしながらも、販売価格の適正化や在庫管理の改善などにより機会損失を低減し、前期並みの利益を維持。売上高は同14.0%増と二桁成長を維持した。マテリアル事業は天然繊維分野の国内需要減退などで売上高は落ち込んだものの、在庫圧縮や価格転嫁、合成繊維の海外販売の増加に加え、販管費の抑制に成功しセグメント利益増となった。
ファッション・繊維業界では、世界的な景気減速懸念や為替変動、原料高騰が続く一方、アフターコロナの消費回復や機能性素材への需要拡大も見られる。同社はこうした変化に対し、サプライチェーンの柔軟化と高付加価値化で対応を図る構えだ。直近では国内の消費意欲は底堅く、外国人観光客の回復もアパレル・小売市場を支えている。一方、繊維素材の分野では環境配慮型素材や高機能素材へのシフトが競争軸となっており、同社は「UNITO」等のブランド開発を通じて先行して対応。経済情勢次第では不確実性もあるが、同社の中期計画では親会社株主に帰属する当期純利益ベースでROE6.0%以上を目指しており、最終年度となる今期は業績向上だけでなく企業価値向上への積極投資も続けると見られる。以上を踏まえると、幅広い事業ポートフォリオと専門性を生かして安定的な収益を確保しつつ、生活者ニーズや国際環境の変化に対応していく姿勢だ。
中期経営目標では、2026年3月期は「Heritage to the future」の最終年度にあたる。今期(2026年3月期)は売上高90,000百万円(前期比7.9%増)、営業利益3,600百万円(同0.8%増)と増収・微増益予想を公表している。中高価格帯製品・ブランド商品への注力や海外販路の拡大を図りつつ、中長期的な企業価値向上に向けた更なる成長のための戦略投資を強める計画。また、グループ会社WEAVA(2024年11月)による旗艦店のオープンなどの収益貢献も始まっていく。中長期的には、アパレル事業・ライフスタイル事業を収益基盤事業とし、マテリアル事業の海外販売とブランド・リテール事業を重点事業として成長を図っていくようだ。
配当については、安定した配当の継続と、経営基盤の強化に必要な内部留保をバランスよく実施。この方針を維持しつつ、更なる資本効率の向上と最適な資本配分の実施を進めることで配当性向35%以上の配当を基本方針としている。直近のバリュエーションはPBR0.56倍台で推移するなか、配当利回りは約3.82%で推移している。引き続き将来の収益期待を高めるとともに株主還元などを通して株価の上昇につなげる方針で、同社の増益基調の維持と積極的な株主還元方針、環境変化への取り組みにも注目しておきたい 。
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