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サーラコーポレーション:地域密着型総合エネルギー企業、非エネルギー分野を伸ばし「暮らしのSALA」の確立を目指す
配信日時:2025/06/30 19:19
配信元:FISCO
*19:19JST サーラコーポレーション:地域密着型総合エネルギー企業、非エネルギー分野を伸ばし「暮らしのSALA」の確立を目指す
サーラコーポレーション<2734>の株価は、トランプ政権の関税政策表明を受けて東京市場全体が軟調推移となった4月7日に急落後、早い段階で急落前水準を取り戻し、その後は右肩上がりに推移して年初来高値を更新。直近も極めて好調な株価推移となっている。また、同社は偶然にも4月7日に2025年11月期第1四半期決算を発表していたが、2桁増収増益で着地、上期及び通期業績予想を上方修正するなど好調なスタートを切っていた。7月8日に第2四半期決算を控え、業績推移にも期待が残る中、今一度同社の現状と中長期戦略をまとめている。
同社は東海地方を中心に展開する総合生活サービス企業であり、エネルギーの供給を中核としつつも、住宅・不動産、輸入車販売、動物用医薬品販売といった多岐にわたる事業領域を有している。同社は長年にわたり地域密着型の経営を貫き、地域住民の生活インフラを支える役割を果たしてきた。
同社の事業は6つのセグメントに分かれる。主力セグメントであるエネルギー&ソリューションズ事業のほか、エンジニアリング&メンテナンス事業、ハウジング事業、カーライフサポート事業、アニマルヘルスケア事業、プロパティ事業を展開する。事業モデルで分類すると、地域密着事業モデルと専門特化・深掘事業モデルに分かれる。地域密着事業モデルは、愛知県東部及び静岡県西部を地盤に展開するエネルギー&ソリューションズ事業、エンジニアリング&メンテナンス事業、ハウジング事業、プロパティ事業が該当し、エネルギーをはじめ地域を限定すると高いシェアを獲得している。専門特化・深掘事業モデルは、専門性の高いニッチ市場をより広域で展開し、高い全国シェアの獲得を目指す事業である。カーライフサポート事業(フォルクスワーゲン、アウディ正規ディーラー)、アニマルヘルスケア事業がこれに該当する。
同社は「地域密着×専門特化」という二軸で事業を展開しており、類似企業としては東海ホールディングスやニチガスが挙げられる。同社の競争優位性は、第一に事業の多角性と地域密着型の経営スタイルにある。多くのエネルギー企業が都市ガスやLPガスといった特定事業に専念する中、同社は暮らし全般を支える事業へと領域を拡張している。特に住宅建設・不動産仲介、リフォーム事業、動物用医薬品販売、輸入車の販売・整備など、異なる生活ニーズに対応した多彩なサービスをワンブランドで展開している点が特徴的である。これにより、各セグメントが異なる顧客層と接点を持つことができ、結果として景気変動や需要変動に対するリスクを効果的に分散することが可能となっている。
また、SALAブランドは長年の信頼と実績を背景に、地域社会に根差した存在として高い認知度と信用を有しており、顧客や自治体、取引先との強固な関係性を築いている点も同社の大きな強みである。事業別の競争力に加えて、生活に根ざした横断的な提案力(住まい・エネルギー)を強みとしており、直近では安江工務店をグループ化することで、「住まいのライフサイクル全体」に関わる提案営業を推進。住宅を起点に、暮らし全般をパッケージ化して提供できる体制を目指している。
2025年11月期第1四半期の売上高は65,986百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は3,040百万円(同19.6%増)で着地した。エネルギー&ソリューションズ事業は家庭用、業務用を中心に都市ガスの販売量が増加したほか、順調に稼働したバイオマス発電所の売電量増加に加えてガス機器の販売が堅調に推移。エンジニアリング&メンテナンス事業は設備工事、土木、建築、メンテナンスの全ての部門において受注が好調に推移し、完成工事が増加した。ハウジング事業は当期より安江工務店の実績を反映したものの、注文住宅の販売棟数減少に加え、長期在庫の処分を進めたことにより分譲住宅の利益率が低下したため、営業損失を計上した。カーライフサポート事業はフォルクスワーゲンの新車販売台数が増加したため売上高は前年同期比8.1%増収、アニマルヘルスケア事業は療法食の取扱いがなくなった影響などにより同6.5%減収、プロパティ事業は同60.4%増収で着地した。合わせて、2025年11月期通期業績予想の上方修正を発表しており、売上高が前期比9.4%増(前回予想比3.5%増)の263,000百万円、営業利益が同14.1%増(同2.9%増)の7,200百万円を見込む。
同社は非エネルギー分野を伸ばし「暮らしのSALA」の確立を目指す2030年ビジョンを掲げ、数値目標として2030年に売上高2,800億円、営業利益120億円、営業利益率4.3%を目指している。ライフクリエイティブ事業(エネルギー以外の領域)の成長に向け、暮らし分野の新たなサービスや事業の開発に取り組むとともに、既存のセグメントや会社の枠を取り外した「ひとつのSALA」として顧客の抱える課題や地域の社会課題を解決する事業形態へ変革していく。安江工務店の連結子会社化はハウジング事業セグメントの強化の一環で、リフォーム事業、中古住宅ビジネスをグループの基幹事業として成長させていく方針である。具体的には、リフォーム事業 売上高100億円の実現、中古住宅ビジネス 100億円規模への成長、新規事業・サービスの創出により2022年比で売上高300億円増加させる。
人的資本については2024年に11億円を投資している。そのうち約4億円が賃上げに、その他は教育研修・外部スクール派遣・自己啓発支援などの人材育成分野に費やされている。また、2023年より定年を65歳に延長するとともに、グループ内人材公募や新規事業提案など年齢問わず社員がチャレンジできる場を提供している。サーラまなび共創センターによる学習機会の拡充にも積極的に取り組むなど、人材育成分野への投資は継続する方針である。
株主への配当については、安定的かつ継続的に配当を実施していくことを基本方針としている。2018年11月期以降の実績を見ると、年間配当金は維持または増配を行ってきており、配当性向は25%以上を維持して上昇傾向にある。2025年11月期は配当性向の水準を30%から40%に引き上げたため、年配当金32.00円(中間16.00円予想、期末16.00円予想)、配当性向41.1%を予定している。
冒頭に記載している通り、7月8日に第2四半期決算を控えるなか、まずは計画に対する数値の進捗について期待感を持って見守りたい。
<HM>
同社は東海地方を中心に展開する総合生活サービス企業であり、エネルギーの供給を中核としつつも、住宅・不動産、輸入車販売、動物用医薬品販売といった多岐にわたる事業領域を有している。同社は長年にわたり地域密着型の経営を貫き、地域住民の生活インフラを支える役割を果たしてきた。
同社の事業は6つのセグメントに分かれる。主力セグメントであるエネルギー&ソリューションズ事業のほか、エンジニアリング&メンテナンス事業、ハウジング事業、カーライフサポート事業、アニマルヘルスケア事業、プロパティ事業を展開する。事業モデルで分類すると、地域密着事業モデルと専門特化・深掘事業モデルに分かれる。地域密着事業モデルは、愛知県東部及び静岡県西部を地盤に展開するエネルギー&ソリューションズ事業、エンジニアリング&メンテナンス事業、ハウジング事業、プロパティ事業が該当し、エネルギーをはじめ地域を限定すると高いシェアを獲得している。専門特化・深掘事業モデルは、専門性の高いニッチ市場をより広域で展開し、高い全国シェアの獲得を目指す事業である。カーライフサポート事業(フォルクスワーゲン、アウディ正規ディーラー)、アニマルヘルスケア事業がこれに該当する。
同社は「地域密着×専門特化」という二軸で事業を展開しており、類似企業としては東海ホールディングスやニチガスが挙げられる。同社の競争優位性は、第一に事業の多角性と地域密着型の経営スタイルにある。多くのエネルギー企業が都市ガスやLPガスといった特定事業に専念する中、同社は暮らし全般を支える事業へと領域を拡張している。特に住宅建設・不動産仲介、リフォーム事業、動物用医薬品販売、輸入車の販売・整備など、異なる生活ニーズに対応した多彩なサービスをワンブランドで展開している点が特徴的である。これにより、各セグメントが異なる顧客層と接点を持つことができ、結果として景気変動や需要変動に対するリスクを効果的に分散することが可能となっている。
また、SALAブランドは長年の信頼と実績を背景に、地域社会に根差した存在として高い認知度と信用を有しており、顧客や自治体、取引先との強固な関係性を築いている点も同社の大きな強みである。事業別の競争力に加えて、生活に根ざした横断的な提案力(住まい・エネルギー)を強みとしており、直近では安江工務店をグループ化することで、「住まいのライフサイクル全体」に関わる提案営業を推進。住宅を起点に、暮らし全般をパッケージ化して提供できる体制を目指している。
2025年11月期第1四半期の売上高は65,986百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は3,040百万円(同19.6%増)で着地した。エネルギー&ソリューションズ事業は家庭用、業務用を中心に都市ガスの販売量が増加したほか、順調に稼働したバイオマス発電所の売電量増加に加えてガス機器の販売が堅調に推移。エンジニアリング&メンテナンス事業は設備工事、土木、建築、メンテナンスの全ての部門において受注が好調に推移し、完成工事が増加した。ハウジング事業は当期より安江工務店の実績を反映したものの、注文住宅の販売棟数減少に加え、長期在庫の処分を進めたことにより分譲住宅の利益率が低下したため、営業損失を計上した。カーライフサポート事業はフォルクスワーゲンの新車販売台数が増加したため売上高は前年同期比8.1%増収、アニマルヘルスケア事業は療法食の取扱いがなくなった影響などにより同6.5%減収、プロパティ事業は同60.4%増収で着地した。合わせて、2025年11月期通期業績予想の上方修正を発表しており、売上高が前期比9.4%増(前回予想比3.5%増)の263,000百万円、営業利益が同14.1%増(同2.9%増)の7,200百万円を見込む。
同社は非エネルギー分野を伸ばし「暮らしのSALA」の確立を目指す2030年ビジョンを掲げ、数値目標として2030年に売上高2,800億円、営業利益120億円、営業利益率4.3%を目指している。ライフクリエイティブ事業(エネルギー以外の領域)の成長に向け、暮らし分野の新たなサービスや事業の開発に取り組むとともに、既存のセグメントや会社の枠を取り外した「ひとつのSALA」として顧客の抱える課題や地域の社会課題を解決する事業形態へ変革していく。安江工務店の連結子会社化はハウジング事業セグメントの強化の一環で、リフォーム事業、中古住宅ビジネスをグループの基幹事業として成長させていく方針である。具体的には、リフォーム事業 売上高100億円の実現、中古住宅ビジネス 100億円規模への成長、新規事業・サービスの創出により2022年比で売上高300億円増加させる。
人的資本については2024年に11億円を投資している。そのうち約4億円が賃上げに、その他は教育研修・外部スクール派遣・自己啓発支援などの人材育成分野に費やされている。また、2023年より定年を65歳に延長するとともに、グループ内人材公募や新規事業提案など年齢問わず社員がチャレンジできる場を提供している。サーラまなび共創センターによる学習機会の拡充にも積極的に取り組むなど、人材育成分野への投資は継続する方針である。
株主への配当については、安定的かつ継続的に配当を実施していくことを基本方針としている。2018年11月期以降の実績を見ると、年間配当金は維持または増配を行ってきており、配当性向は25%以上を維持して上昇傾向にある。2025年11月期は配当性向の水準を30%から40%に引き上げたため、年配当金32.00円(中間16.00円予想、期末16.00円予想)、配当性向41.1%を予定している。
冒頭に記載している通り、7月8日に第2四半期決算を控えるなか、まずは計画に対する数値の進捗について期待感を持って見守りたい。
<HM>
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