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アートネイチャ Research Memo(8):厳しい環境下、中計を下方修正
配信日時:2025/06/18 13:08
配信元:FISCO
*13:08JST アートネイチャ Research Memo(8):厳しい環境下、中計を下方修正
■アートネイチャー<7823>の中期経営計画
1. 中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」
国内毛髪市場は長期的に逓減傾向にあり、中期的には、女性活躍やシニアのアクティブ化、団塊ジュニア世代の取り込みなどの機会と、人手不足の慢性化や円安や資源の高騰による原価・販管費の増加、人口減による顧客数の減少といったリスクが併存している。こうした環境下、同社は2017年、グループのモットー「ふやしたいのは、笑顔です。」をベースに、“新しい未来を切り開く10年、Open the Future”という長期ビジョンを策定、顧客満足の向上と利益増強を重視した経営に転換するとともに新しい事業領域に踏み出すこととなった。長期ビジョンを3段階の中期ビジョンに分け、2024年3月期に始まった中期経営計画2023-2025「アートネイチャーAdvanceプラン」では、同社を取り巻く環境変化が非常に激しくなるなか、間近となった長期ビジョンの実現に向け、「次代を切り拓くアートネイチャーの飛躍」というビジョンの達成と、売上高523億円や経常利益率10.0%といった目標を目指した。しかし、新規売上の低迷や物価上昇などにより、最終年度である2026年3月期の目標を見直すことになったことは前述した通りである。
主要テーマは一定程度順調に進捗
2. 中期経営計画の主要テーマ
「アートネイチャーAdvanceプラン」は、定量面では厳しい状況だが、価値創造、サステナビリティ推進、市場との対話という3つの主要テーマに対する取り組みとしては、相応に順調な進捗となっている。価値創造では、国内毛髪業界におけるマーケットリーダーとしてのポジションの確立をテーマに取り組んでいるが、いずれの事業もリピート販売はおおむね想定通りに進捗した。男性向け事業は、カウンセラー向けの研修を強化したことで新規販売が前期比増収に転じたが、引き続き薄毛の悩みをもつ潜在層に向けた訴求の強化が課題となった。女性向け事業は、「ジャスミー」の投入もあって足元で回復傾向が顕著になってきたとはいえ、新規売上につながるヒット商品の開発に課題が残った。女性向け既製品事業は、スクラップ&ビルドや店舗イベントなど個店の販促力強化を推進した。また、既製品ウィッグ「レフィアグレース」の販売が好調だが、さらなる販売数の増加に向けた営業体制の構築や女性向け事業へのアップセル施策を課題として設定し、積極的に展開する考えである。サステナビリティ推進では、持続可能な社会の実現に向けて、サステナビリティ情報の開示拡充やSDGsの実践などの取り組みを強化した。また、持続的な企業価値の向上のため、AIをはじめ最新技術を活用するなどDXを推進し、生産性や効率性の向上を図った。市場との対話では、情報開示を充実し、個人投資家との関係を深めることができたが、さらなる情報開示の改善や追加の株主還元策は課題といえよう。
■株主還元策
ROE10%超の達成まで、連結配当性向50%以上を基本とする
同社は、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと認識しており、経営基盤の強化、財務体質の強化及び将来の事業拡大のための内部留保の充実を勘案しつつ、安定配当の維持に努めることを基本方針としている。このため、配当方針として、連結配当性向40%以上を基本に、現状水準(年間配当28円)を下限として、連結業績に応じた配当水準の向上(1円単位で増配)を図っている。但し、ROE10%超を達成するまでは、連結配当性向50%以上を基本とする。なお、連結当期純利益が大きく変動する場合には、その影響を考慮して配当水準を決定することもある。こうした基本方針及び配当方針に基づき、2025年3月期の1株当たり配当金を28.0円(第2四半期末(中間)配当14.0円、期末配当14.0円)とした。2026年3月期の1株当たり配当金は28.0円(第2四半期末(中間)配当14.0円、期末配当14.0円)を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
1. 中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」
国内毛髪市場は長期的に逓減傾向にあり、中期的には、女性活躍やシニアのアクティブ化、団塊ジュニア世代の取り込みなどの機会と、人手不足の慢性化や円安や資源の高騰による原価・販管費の増加、人口減による顧客数の減少といったリスクが併存している。こうした環境下、同社は2017年、グループのモットー「ふやしたいのは、笑顔です。」をベースに、“新しい未来を切り開く10年、Open the Future”という長期ビジョンを策定、顧客満足の向上と利益増強を重視した経営に転換するとともに新しい事業領域に踏み出すこととなった。長期ビジョンを3段階の中期ビジョンに分け、2024年3月期に始まった中期経営計画2023-2025「アートネイチャーAdvanceプラン」では、同社を取り巻く環境変化が非常に激しくなるなか、間近となった長期ビジョンの実現に向け、「次代を切り拓くアートネイチャーの飛躍」というビジョンの達成と、売上高523億円や経常利益率10.0%といった目標を目指した。しかし、新規売上の低迷や物価上昇などにより、最終年度である2026年3月期の目標を見直すことになったことは前述した通りである。
主要テーマは一定程度順調に進捗
2. 中期経営計画の主要テーマ
「アートネイチャーAdvanceプラン」は、定量面では厳しい状況だが、価値創造、サステナビリティ推進、市場との対話という3つの主要テーマに対する取り組みとしては、相応に順調な進捗となっている。価値創造では、国内毛髪業界におけるマーケットリーダーとしてのポジションの確立をテーマに取り組んでいるが、いずれの事業もリピート販売はおおむね想定通りに進捗した。男性向け事業は、カウンセラー向けの研修を強化したことで新規販売が前期比増収に転じたが、引き続き薄毛の悩みをもつ潜在層に向けた訴求の強化が課題となった。女性向け事業は、「ジャスミー」の投入もあって足元で回復傾向が顕著になってきたとはいえ、新規売上につながるヒット商品の開発に課題が残った。女性向け既製品事業は、スクラップ&ビルドや店舗イベントなど個店の販促力強化を推進した。また、既製品ウィッグ「レフィアグレース」の販売が好調だが、さらなる販売数の増加に向けた営業体制の構築や女性向け事業へのアップセル施策を課題として設定し、積極的に展開する考えである。サステナビリティ推進では、持続可能な社会の実現に向けて、サステナビリティ情報の開示拡充やSDGsの実践などの取り組みを強化した。また、持続的な企業価値の向上のため、AIをはじめ最新技術を活用するなどDXを推進し、生産性や効率性の向上を図った。市場との対話では、情報開示を充実し、個人投資家との関係を深めることができたが、さらなる情報開示の改善や追加の株主還元策は課題といえよう。
■株主還元策
ROE10%超の達成まで、連結配当性向50%以上を基本とする
同社は、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと認識しており、経営基盤の強化、財務体質の強化及び将来の事業拡大のための内部留保の充実を勘案しつつ、安定配当の維持に努めることを基本方針としている。このため、配当方針として、連結配当性向40%以上を基本に、現状水準(年間配当28円)を下限として、連結業績に応じた配当水準の向上(1円単位で増配)を図っている。但し、ROE10%超を達成するまでは、連結配当性向50%以上を基本とする。なお、連結当期純利益が大きく変動する場合には、その影響を考慮して配当水準を決定することもある。こうした基本方針及び配当方針に基づき、2025年3月期の1株当たり配当金を28.0円(第2四半期末(中間)配当14.0円、期末配当14.0円)とした。2026年3月期の1株当たり配当金は28.0円(第2四半期末(中間)配当14.0円、期末配当14.0円)を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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