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アートネイチャ Research Memo(5):「反響営業」以外にも集客手法を拡張
配信日時:2025/06/18 13:05
配信元:FISCO
*13:05JST アートネイチャ Research Memo(5):「反響営業」以外にも集客手法を拡張
■アートネイチャー<7823>の事業概要
2. ビジネスモデル
同社売上高の大半を占めるアートネイチャー事業は、海外自社工場、全国の店舗ネットワーク、専門的な技術を持つ理・美容師資格保有者というインフラを基盤に、「反響営業」と「リピート営業」によって新規顧客を集めリピートを増やすというビジネスモデルになっている。近年は、インターネットの普及などによる顧客接点の多様化を受け、従来のテレビや新聞などに加えて、Web広告やSNSなどへと集客手法を広げているところである。
(1) 製造体制と店舗ネットワーク
毛髪業界におけるトップポジションを支えているのが、約60年にわたる高品質な物づくり体制、全国をカバーする店舗ネットワーク、専門的な技術を持つ理・美容師資格保有者といった同社のインフラである。同社商品の特長は、生え際やつむじ、前髪、自然なボリュームなど細部へのこだわりと、自然さと機能性を兼ね備えた人工毛や地肌の色が透けて見えるほどの高機能素材などの高品質性にある。特に主力のオーダーメイドウィッグに関しては、企画・開発から製造、販売までグループ内で完結するSPA(製造小売業)型の形態をとっている。
オーダーメイドウィッグでは、フィリピンに子会社工場を2拠点有し、高品質で低コストの安定供給体制をとっている。また、毎年春と秋の年2回、顧客ニーズに沿った新商品をコンスタントに投入し続けている。ちなみに、製造能力の増強と製造拠点の分散化を目的に2026年3月期中にバングラデシュで新工場の稼働を計画している。また、既製品ウィッグの製造では、中国やベトナムなどの協力工場と密に連携している。高品質のオーダーメイドウィッグを提供する場が、最高の環境と最良のサービスを兼ね備え、全国47都道府県を網羅した「アートネイチャー」「レディースアートネイチャー」の店舗ネットワークである。くつろぎと安らぎにこだわった店内は、顧客のプライバシーに配慮した個室タイプになっており、正社員の8割にあたる約1,800名の理・美容師資格保有者が、契約した商品の納品からアフターサービスまでを徹底的にサポートしている。販売拠点はオーダーメイドウィッグの「アートネイチャー」「レディースアートネイチャー」の合算で282店のほか、既成品ウィッグの「ジュリア・オージェ」90店舗、「アンクス」病院内サロン11店、「アートドラッグ」1店、「NAO-ART」37店となっている(2025年3月末現在)。
(2) 「反響営業」
同社のインフラをスムーズに回し、収益向上や成長につなげる仕組みが「反響営業」と「リピート営業」であり、同社ビジネスモデルの基軸となっている。まず、髪にまつわる様々な課題を抱える人やウィッグでおしゃれを楽しみたい人などをターゲットに、テレビや新聞、インターネットなどターゲットそれぞれに適した広告媒体を使い分けて訴求する。その結果、同社商品・サービスに関心を持ち、電話やメール、来店などでコンタクトしてきた人を新規顧客として取り組む。これを「反響営業」という。さらに、充実したアフターサービスの提供や顧客ニーズに合わせた様々な提案を行うことで、新規顧客との間に信頼関係を築いてリピート契約につなげる。これを「リピート営業」という。
近年、インターネットの普及などを背景に、テレビや新聞以外の媒体を通じた集客が増えている状況を踏まえ、SNSを使った情報提供や既存顧客中心だった店舗での新規顧客対応など集客機能の強化を進めている。また、こうした新たな集客アプローチを新規顧客獲得につなげるため、「AIシミュレーション」やコンタクトセンターの電話受付用「AI自動応答システム」など最新技術を積極的に取り入れている。「AIシミュレーション」では、撮影した顔をスキンヘッドにしてから様々な髪型を試せるので従来以上にフィットした提案が可能になる。足元では、男性向けに「HAIRの部屋」という、同社が開発した高性能AIがプロの視点で毛髪に関する疑問に答えるサイトを開設したが、ホームページの閲覧数が前期比10倍になるなど高い反響を得ている。既にデータ収集を開始しており、今後は新規顧客の獲得につなげる方針である。なお、顧客管理システムによって顧客一人ひとりのニーズに最適な商品提案が可能となったが、そうした情報は機微情報であるため、個人情報保護マネジメントシステムの策定やプライバシーマークの取得など、個人情報管理体制を強化することで顧客の信頼をより高める取り組みを進めている。
強みは商品開発力、技術力、接客力
3. 同社の強み
新規顧客を獲得する「反響営業」とリピートにつなげる「リピート営業」というビジネスモデルを回すうえでの原動力となっているのが、同社の顧客ニーズを先取りする商品開発力、顧客を満足させる技術力、顧客の信頼を得る接客力という3つの強みである。約60年にわたる高品質な物づくりの歴史で培われた商品開発力は、時代や顧客ニーズへの素早い対応や、生え際や分け目の工夫、細い毛と太い毛のランダムな植毛といった細部へのこだわりにも現れ、これまでも「マープ」シリーズや「レクア」シリーズ、「ジャスミー」シリーズなど画期的な商品の開発につなげてきた。また、同社で従事する理・美容資格取得者は、職種や階層に応じて様々な研修を受け、自毛とウィッグをセットするスキルやノウハウ、商品提案につながるコミュニケーション能力やカウンセリング力といった接客力を身につける。こうして育成されたスタイリストが、毛髪のプロとして顧客にくつろぎと安らぎを込めてサービスを提供することで、顧客の定着を推し進めているのである。さらに、約60年ウィッグビジネスを続けてきた信頼、業界唯一の上場企業としての社会的信用、コンスタントに投入してきた広告などに裏付けられたブランド力、コロナ禍を乗り越えて続く良好な財務体質も、大きな差別化要因といえ、ライバル企業との差を広げる原動力になっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2. ビジネスモデル
同社売上高の大半を占めるアートネイチャー事業は、海外自社工場、全国の店舗ネットワーク、専門的な技術を持つ理・美容師資格保有者というインフラを基盤に、「反響営業」と「リピート営業」によって新規顧客を集めリピートを増やすというビジネスモデルになっている。近年は、インターネットの普及などによる顧客接点の多様化を受け、従来のテレビや新聞などに加えて、Web広告やSNSなどへと集客手法を広げているところである。
(1) 製造体制と店舗ネットワーク
毛髪業界におけるトップポジションを支えているのが、約60年にわたる高品質な物づくり体制、全国をカバーする店舗ネットワーク、専門的な技術を持つ理・美容師資格保有者といった同社のインフラである。同社商品の特長は、生え際やつむじ、前髪、自然なボリュームなど細部へのこだわりと、自然さと機能性を兼ね備えた人工毛や地肌の色が透けて見えるほどの高機能素材などの高品質性にある。特に主力のオーダーメイドウィッグに関しては、企画・開発から製造、販売までグループ内で完結するSPA(製造小売業)型の形態をとっている。
オーダーメイドウィッグでは、フィリピンに子会社工場を2拠点有し、高品質で低コストの安定供給体制をとっている。また、毎年春と秋の年2回、顧客ニーズに沿った新商品をコンスタントに投入し続けている。ちなみに、製造能力の増強と製造拠点の分散化を目的に2026年3月期中にバングラデシュで新工場の稼働を計画している。また、既製品ウィッグの製造では、中国やベトナムなどの協力工場と密に連携している。高品質のオーダーメイドウィッグを提供する場が、最高の環境と最良のサービスを兼ね備え、全国47都道府県を網羅した「アートネイチャー」「レディースアートネイチャー」の店舗ネットワークである。くつろぎと安らぎにこだわった店内は、顧客のプライバシーに配慮した個室タイプになっており、正社員の8割にあたる約1,800名の理・美容師資格保有者が、契約した商品の納品からアフターサービスまでを徹底的にサポートしている。販売拠点はオーダーメイドウィッグの「アートネイチャー」「レディースアートネイチャー」の合算で282店のほか、既成品ウィッグの「ジュリア・オージェ」90店舗、「アンクス」病院内サロン11店、「アートドラッグ」1店、「NAO-ART」37店となっている(2025年3月末現在)。
(2) 「反響営業」
同社のインフラをスムーズに回し、収益向上や成長につなげる仕組みが「反響営業」と「リピート営業」であり、同社ビジネスモデルの基軸となっている。まず、髪にまつわる様々な課題を抱える人やウィッグでおしゃれを楽しみたい人などをターゲットに、テレビや新聞、インターネットなどターゲットそれぞれに適した広告媒体を使い分けて訴求する。その結果、同社商品・サービスに関心を持ち、電話やメール、来店などでコンタクトしてきた人を新規顧客として取り組む。これを「反響営業」という。さらに、充実したアフターサービスの提供や顧客ニーズに合わせた様々な提案を行うことで、新規顧客との間に信頼関係を築いてリピート契約につなげる。これを「リピート営業」という。
近年、インターネットの普及などを背景に、テレビや新聞以外の媒体を通じた集客が増えている状況を踏まえ、SNSを使った情報提供や既存顧客中心だった店舗での新規顧客対応など集客機能の強化を進めている。また、こうした新たな集客アプローチを新規顧客獲得につなげるため、「AIシミュレーション」やコンタクトセンターの電話受付用「AI自動応答システム」など最新技術を積極的に取り入れている。「AIシミュレーション」では、撮影した顔をスキンヘッドにしてから様々な髪型を試せるので従来以上にフィットした提案が可能になる。足元では、男性向けに「HAIRの部屋」という、同社が開発した高性能AIがプロの視点で毛髪に関する疑問に答えるサイトを開設したが、ホームページの閲覧数が前期比10倍になるなど高い反響を得ている。既にデータ収集を開始しており、今後は新規顧客の獲得につなげる方針である。なお、顧客管理システムによって顧客一人ひとりのニーズに最適な商品提案が可能となったが、そうした情報は機微情報であるため、個人情報保護マネジメントシステムの策定やプライバシーマークの取得など、個人情報管理体制を強化することで顧客の信頼をより高める取り組みを進めている。
強みは商品開発力、技術力、接客力
3. 同社の強み
新規顧客を獲得する「反響営業」とリピートにつなげる「リピート営業」というビジネスモデルを回すうえでの原動力となっているのが、同社の顧客ニーズを先取りする商品開発力、顧客を満足させる技術力、顧客の信頼を得る接客力という3つの強みである。約60年にわたる高品質な物づくりの歴史で培われた商品開発力は、時代や顧客ニーズへの素早い対応や、生え際や分け目の工夫、細い毛と太い毛のランダムな植毛といった細部へのこだわりにも現れ、これまでも「マープ」シリーズや「レクア」シリーズ、「ジャスミー」シリーズなど画期的な商品の開発につなげてきた。また、同社で従事する理・美容資格取得者は、職種や階層に応じて様々な研修を受け、自毛とウィッグをセットするスキルやノウハウ、商品提案につながるコミュニケーション能力やカウンセリング力といった接客力を身につける。こうして育成されたスタイリストが、毛髪のプロとして顧客にくつろぎと安らぎを込めてサービスを提供することで、顧客の定着を推し進めているのである。さらに、約60年ウィッグビジネスを続けてきた信頼、業界唯一の上場企業としての社会的信用、コンスタントに投入してきた広告などに裏付けられたブランド力、コロナ禍を乗り越えて続く良好な財務体質も、大きな差別化要因といえ、ライバル企業との差を広げる原動力になっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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