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IGS Research Memo(3):「非認知能力」の評価システムが特徴、学生から社会人まで幅広く対応(1)
配信日時:2025/06/17 13:03
配信元:FISCO
*13:03JST IGS Research Memo(3):「非認知能力」の評価システムが特徴、学生から社会人まで幅広く対応(1)
■Institution for a Global Society<4265>の事業概要
1. HR事業
HR事業は、企業における人材採用・育成・配置・組織開発を包括的に支援し、人材評価システム、研修、コンサルティングなど多様なソリューションを組み合わせて提供している。なかでも特筆すべきは、AIによって評価データのバイアスを補正する独自技術を活用し、公平かつ精緻な人材分析を実現している点である。評価データをもとに、定量的かつ科学的な人事意思決定を可能にするという強みを持ち、近年高まりを見せる「人的資本経営」の文脈において、存在感を一層強めている。
HR領域を取り巻く外部環境も追い風となっている。2023年6月に政府が公表した「経済財政運営と改革の基本方針2023」では、「三位一体の労働市場改革」が掲げられ、「リ・スキリングによる能力向上支援」、「職務給の導入」、「成長分野への労働移動の円滑化」などの施策が明記された。これらはいずれも同社の提供するサービスと高い親和性を有しており、事業機会の拡大が期待される。また、2022年6月に金融庁のディスクロージャーワーキング・グループがまとめた報告書により、有価証券報告書における「人的資本、多様性に関する情報開示」が義務化され、2023年3月期決算より適用が開始されたことも、企業における人材評価・育成に関するニーズを一層高めている。
同社は2017年に「GROW360」をリリースして以降、本サービスを中心にHR事業を拡大してきた。「GROW360」は、スマートフォンを用いたオンラインの360度評価システムであり、被評価者の自己評価に加え、同僚や上司など複数名によるコンピテンシー評価を組み合わせて人材の性格特性や行動傾向を可視化する。AIアルゴリズムにより評価の偏りやバイアスを補正する仕組みを備えており、特許を取得したIAT(Implicit Association Testの略であり、人が自分で意識することのできない潜在的態度を測定するためのテストの方法)の活用により、被評価者の潜在的な性格も判定できる。評価に係る受検費用は1回1人当たり4,000円以下と、全社員規模での実施も現実的であるため、従来は管理職層に限定されていた360度評価が、今では大企業の全社員を対象に展開される事例も増加している。2024年3月末時点での「GROW360」のユーザー数は83.8万人、累計他者評価件数は7,400万件となっており、国内外で標準化された人材評価データのプラットフォームとして確固たる地位を築いている。
2019年以降は、従来の人事部門への支援に加え、経営企画部門や財務・IR部門との連携を通じて、人的資本経営や組織開発など、より戦略的な領域にも進出している。その象徴的な取り組みとして人的資本研究会が挙げられる。同研究会は、ノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカー教授の人的資本理論を理論的基盤として、「GROW360」を用いて企業の人材能力を測定及び分析し、人的資本と企業価値の相関性を明らかにすることを目的としている。同研究会には一橋大学の小野教授をはじめとするアカデミアや民間企業が参画しており、研究成果は経営者による人材投資の意思決定や投資家への情報開示にも活用されている。また、三井住友信託銀行との業務提携により、同行の取引先企業に向けて「GROW360」を活用した能力可視化・分析サービスの提供を開始しており、新たな顧客基盤の開拓も進んでいる。標準化されたスキル評価体系により、業界・業種・国を問わず比較可能なデータの提供を実現しており、国内外の企業や機関投資家からの注目も高まっている。
総じて、同社のHR事業は、科学的かつ標準化された人材評価を基軸として人的資本経営を推進する企業のパートナーとして確固たる地位を築いている。バイアス補正技術、スキルの定量化などの強みを背景に、今後も政策・市場双方の後押しを受けて持続的な成長が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
<HN>
1. HR事業
HR事業は、企業における人材採用・育成・配置・組織開発を包括的に支援し、人材評価システム、研修、コンサルティングなど多様なソリューションを組み合わせて提供している。なかでも特筆すべきは、AIによって評価データのバイアスを補正する独自技術を活用し、公平かつ精緻な人材分析を実現している点である。評価データをもとに、定量的かつ科学的な人事意思決定を可能にするという強みを持ち、近年高まりを見せる「人的資本経営」の文脈において、存在感を一層強めている。
HR領域を取り巻く外部環境も追い風となっている。2023年6月に政府が公表した「経済財政運営と改革の基本方針2023」では、「三位一体の労働市場改革」が掲げられ、「リ・スキリングによる能力向上支援」、「職務給の導入」、「成長分野への労働移動の円滑化」などの施策が明記された。これらはいずれも同社の提供するサービスと高い親和性を有しており、事業機会の拡大が期待される。また、2022年6月に金融庁のディスクロージャーワーキング・グループがまとめた報告書により、有価証券報告書における「人的資本、多様性に関する情報開示」が義務化され、2023年3月期決算より適用が開始されたことも、企業における人材評価・育成に関するニーズを一層高めている。
同社は2017年に「GROW360」をリリースして以降、本サービスを中心にHR事業を拡大してきた。「GROW360」は、スマートフォンを用いたオンラインの360度評価システムであり、被評価者の自己評価に加え、同僚や上司など複数名によるコンピテンシー評価を組み合わせて人材の性格特性や行動傾向を可視化する。AIアルゴリズムにより評価の偏りやバイアスを補正する仕組みを備えており、特許を取得したIAT(Implicit Association Testの略であり、人が自分で意識することのできない潜在的態度を測定するためのテストの方法)の活用により、被評価者の潜在的な性格も判定できる。評価に係る受検費用は1回1人当たり4,000円以下と、全社員規模での実施も現実的であるため、従来は管理職層に限定されていた360度評価が、今では大企業の全社員を対象に展開される事例も増加している。2024年3月末時点での「GROW360」のユーザー数は83.8万人、累計他者評価件数は7,400万件となっており、国内外で標準化された人材評価データのプラットフォームとして確固たる地位を築いている。
2019年以降は、従来の人事部門への支援に加え、経営企画部門や財務・IR部門との連携を通じて、人的資本経営や組織開発など、より戦略的な領域にも進出している。その象徴的な取り組みとして人的資本研究会が挙げられる。同研究会は、ノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカー教授の人的資本理論を理論的基盤として、「GROW360」を用いて企業の人材能力を測定及び分析し、人的資本と企業価値の相関性を明らかにすることを目的としている。同研究会には一橋大学の小野教授をはじめとするアカデミアや民間企業が参画しており、研究成果は経営者による人材投資の意思決定や投資家への情報開示にも活用されている。また、三井住友信託銀行との業務提携により、同行の取引先企業に向けて「GROW360」を活用した能力可視化・分析サービスの提供を開始しており、新たな顧客基盤の開拓も進んでいる。標準化されたスキル評価体系により、業界・業種・国を問わず比較可能なデータの提供を実現しており、国内外の企業や機関投資家からの注目も高まっている。
総じて、同社のHR事業は、科学的かつ標準化された人材評価を基軸として人的資本経営を推進する企業のパートナーとして確固たる地位を築いている。バイアス補正技術、スキルの定量化などの強みを背景に、今後も政策・市場双方の後押しを受けて持続的な成長が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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