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ティア Research Memo(7):重点施策の順調な進捗により次回の中期経営計画では業績目標が一段高くなる可能性
配信日時:2025/06/16 14:37
配信元:FISCO
*14:37JST ティア Research Memo(7):重点施策の順調な進捗により次回の中期経営計画では業績目標が一段高くなる可能性
■ティア<2485>の今後の見通し
2. 中期経営計画の進捗状況
(1) 中期経営計画の概要と数値目標
2024年11月に公表した中期経営計画(2025年9月期~2027年9月期)では、「新生ティアグループ」のスローガンの下、1) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充、2) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化、3) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上、4) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こしの4点に取り組んでいる。
最終年度となる2027年9月期の業績目標は、売上高22,720百万円、営業利益1,760百万円、経常利益1,650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益920百万円としている。グループ店舗数は268店舗(FC店101店舗)と3期で66店舗の増加(うち、FC店舗は31店舗増)を見込む。業績計画は、2025年9月期の業績予想をベースに、2期目以降の売上高は既存店売上を横ばいとしつつも、新店稼働による増収を見込んでいる。経費についても2期目以降の既存店は横ばいを前提とし、新店稼働に伴う人件費・経費・広告宣伝費の増加を織り込んだ内容となっている。
ただし、既述のとおり2025年9月期は業績見通しの上方修正を発表しており、利益面では目標を2期前倒しで達成するペースで進捗している。今後もM&Aを活用した「市場エリアの拡大」とTLD事業の育成による「事業領域の拡大」という2つの成長エンジンによる収益成長が順調に進めば、業績拡大ペースも一段と加速していくものと予想される。今回は中期経営計画の見直しを行わなかったが、これは下期の動向がまだ不透明だったためである。同社は2025年9月期の業績を見極めたうえで中期経営計画をローリングする方針であり、2027年9月期の目標値は今回の発表値よりも一段と高くなる可能性が高いと弊社では見ている。さらに、2024年9月期に実施した2件のM&Aにおいて、同社はシナジー創出に一定の手応えを得ており、今後はM&Aを成長戦略の1つとして積極的に推進するものと予想される。
なお八光殿、東海典礼とはグループ化によるシナジーの最大化を実現するため、隔週で担当メンバーがミーティングを実施し、各テーマの施策の検証及びブラッシュアップを行っている。具体的な成果としては、「ティア」店舗のリブランディングによる葬儀件数の増加が成功例として挙げられ、今後も各種テーマでシナジーを創出していく。また、東海典礼が手掛ける生花を愛知県下の「ティア」店舗に納品する取り組みは開始済であるが、霊柩車など車両の相互活用についてはリソースの問題もあり、開始時期が少し遅れる見通しだ。物流に関しては、東海地区における物流効率の向上を目的に、ティア・ロジスティック・センターの2拠点目を2025年9月までに東海典礼が展開するエリアに開設する予定である。将来的には関西地区にも物流拠点を構築し、グループ全体で物流体制の強化を進める方針である。
(2) 重点施策
a) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充
出店計画については、東海・関西・首都圏エリアにおいてドミナント戦略により継続的な出店を行い、地域内でのシェア拡大を図る。出店ペースは、同社が年間5~6店、八光殿が3~4店、東海典礼が2~4店を予定しており、子会社2社についてもエリアによって「ティア」ブランドでの出店も行う。同社は当面首都圏の出店ペースを抑え、東海エリアのシェア拡大に注力する。関西圏では、八光殿が主体となって出店を進める。
FC展開については、年間10店舗ペースで出店する計画である。既存オーナーによる出店に加え、競合他社を含む新規加盟の問い合わせが増加していることから、本部体制を強化しつつ出店エリアの拡大を進める。
また、多様化するニーズに対応したマルチブランドによる営業戦略を継続する。社葬や大規模葬に対応する「ティアPREMIUM」、家族葬・直葬・民生葬・福祉葬を対象とする「ティア」、一日葬・火葬式では「ティアシンプル」と、大きく3ブランドで展開する。「ティアシンプル」については、2024年4月より東海典礼の「ティア」会館で、同年6月には関西エリア(直営及び八光殿)での取り扱いを開始した。これにより、会員以外の葬儀ニーズも取り込んでいく方針である。
b) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化
同社は、「ティアの会」会員や提携団体の顧客に対するLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を図るため、未来開発事業本部においてTLD領域の新規事業の開発を積極的に進めている。同本部に配属された25名のアウトバウンドコールチームが顧客に対して各種サービスの提案活動を行い、その成果を踏まえた形だ。2025年9月期より新たに新規サービスとして、介護付き有料老人ホーム紹介サービス※1、高齢者等終身サポートサービス※2、空き家活用サポートサービス※3を開始した。今後も顧客(故人やその遺族)のライフステージに合わせて、生前準備・葬儀・葬儀後に至る各段階で関連するサービスを提供することでLTVの最大化を図る。
※1 老人ホーム紹介サービスを手掛ける会社にFC加盟し、「ティアの会」会員向けに入居案内を行うとともに、医療機関や居宅介護支援事業所に法人営業を実施する。契約期間に応じて売上を計上するため、収益への貢献は限定的であるが、「ティアの会」と同様に顧客との事前関係を構築する役割を担う。
※2 病院への入院や介護施設等への入所の際の手続き支援、日用品の買い物など日常生活の支援、葬儀や死後の財産処分などの死後事務を、家族や親族に代わり支援するサービス。収益への貢献は介護付き有料老人ホーム紹介サービスと同様に限定的であるが、顧客との事前関係を構築する役割を担う。
※3 オーナーに変わって空き家を借上げ、同社が運用代行するサービス。
c) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上
人財戦略については、人財の確保と育成、働く環境の整備を重点項目と位置付けて、取り組みを推進していく。人財確保については、多様化する採用環境に対応した施策を積極的に推進し、「ティアアカデミー」の教育カリキュラムを八光殿や東海典礼に展開することで、グループとしての営業力の底上げを図る。また、新卒採用については、同社が年間20名、八光殿が同10名、東海典礼が同5名の合計35名のペースで採用を続ける計画だ。
d) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こし
ブランド戦略として、同社は八光殿及び東海典礼に対し、PMI(M&A後の統合プロセス)を推進するほか、グループとして資本市場から適正に評価されるよう、積極的なPR・IR活動を継続する方針である。また、顧客との接点となるアプリの開発も進めている。
M&A戦略については、業界での競争激化が続き大手企業の寡占化が進むなかで、同社においても成長戦略の1つとしてM&AやFC展開を積極推進する考えである。今回の八光殿及び東海典礼のPMIが順調に進めば、その経験を糧にさらなるM&Aを推進するものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 中期経営計画の進捗状況
(1) 中期経営計画の概要と数値目標
2024年11月に公表した中期経営計画(2025年9月期~2027年9月期)では、「新生ティアグループ」のスローガンの下、1) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充、2) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化、3) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上、4) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こしの4点に取り組んでいる。
最終年度となる2027年9月期の業績目標は、売上高22,720百万円、営業利益1,760百万円、経常利益1,650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益920百万円としている。グループ店舗数は268店舗(FC店101店舗)と3期で66店舗の増加(うち、FC店舗は31店舗増)を見込む。業績計画は、2025年9月期の業績予想をベースに、2期目以降の売上高は既存店売上を横ばいとしつつも、新店稼働による増収を見込んでいる。経費についても2期目以降の既存店は横ばいを前提とし、新店稼働に伴う人件費・経費・広告宣伝費の増加を織り込んだ内容となっている。
ただし、既述のとおり2025年9月期は業績見通しの上方修正を発表しており、利益面では目標を2期前倒しで達成するペースで進捗している。今後もM&Aを活用した「市場エリアの拡大」とTLD事業の育成による「事業領域の拡大」という2つの成長エンジンによる収益成長が順調に進めば、業績拡大ペースも一段と加速していくものと予想される。今回は中期経営計画の見直しを行わなかったが、これは下期の動向がまだ不透明だったためである。同社は2025年9月期の業績を見極めたうえで中期経営計画をローリングする方針であり、2027年9月期の目標値は今回の発表値よりも一段と高くなる可能性が高いと弊社では見ている。さらに、2024年9月期に実施した2件のM&Aにおいて、同社はシナジー創出に一定の手応えを得ており、今後はM&Aを成長戦略の1つとして積極的に推進するものと予想される。
なお八光殿、東海典礼とはグループ化によるシナジーの最大化を実現するため、隔週で担当メンバーがミーティングを実施し、各テーマの施策の検証及びブラッシュアップを行っている。具体的な成果としては、「ティア」店舗のリブランディングによる葬儀件数の増加が成功例として挙げられ、今後も各種テーマでシナジーを創出していく。また、東海典礼が手掛ける生花を愛知県下の「ティア」店舗に納品する取り組みは開始済であるが、霊柩車など車両の相互活用についてはリソースの問題もあり、開始時期が少し遅れる見通しだ。物流に関しては、東海地区における物流効率の向上を目的に、ティア・ロジスティック・センターの2拠点目を2025年9月までに東海典礼が展開するエリアに開設する予定である。将来的には関西地区にも物流拠点を構築し、グループ全体で物流体制の強化を進める方針である。
(2) 重点施策
a) ティアグループによる計画的な出店と既存エリアにおける営業促進の拡充
出店計画については、東海・関西・首都圏エリアにおいてドミナント戦略により継続的な出店を行い、地域内でのシェア拡大を図る。出店ペースは、同社が年間5~6店、八光殿が3~4店、東海典礼が2~4店を予定しており、子会社2社についてもエリアによって「ティア」ブランドでの出店も行う。同社は当面首都圏の出店ペースを抑え、東海エリアのシェア拡大に注力する。関西圏では、八光殿が主体となって出店を進める。
FC展開については、年間10店舗ペースで出店する計画である。既存オーナーによる出店に加え、競合他社を含む新規加盟の問い合わせが増加していることから、本部体制を強化しつつ出店エリアの拡大を進める。
また、多様化するニーズに対応したマルチブランドによる営業戦略を継続する。社葬や大規模葬に対応する「ティアPREMIUM」、家族葬・直葬・民生葬・福祉葬を対象とする「ティア」、一日葬・火葬式では「ティアシンプル」と、大きく3ブランドで展開する。「ティアシンプル」については、2024年4月より東海典礼の「ティア」会館で、同年6月には関西エリア(直営及び八光殿)での取り扱いを開始した。これにより、会員以外の葬儀ニーズも取り込んでいく方針である。
b) TLD領域の拡大及びグループ間連携の強化
同社は、「ティアの会」会員や提携団体の顧客に対するLTV(ライフタイムバリュー)の最大化を図るため、未来開発事業本部においてTLD領域の新規事業の開発を積極的に進めている。同本部に配属された25名のアウトバウンドコールチームが顧客に対して各種サービスの提案活動を行い、その成果を踏まえた形だ。2025年9月期より新たに新規サービスとして、介護付き有料老人ホーム紹介サービス※1、高齢者等終身サポートサービス※2、空き家活用サポートサービス※3を開始した。今後も顧客(故人やその遺族)のライフステージに合わせて、生前準備・葬儀・葬儀後に至る各段階で関連するサービスを提供することでLTVの最大化を図る。
※1 老人ホーム紹介サービスを手掛ける会社にFC加盟し、「ティアの会」会員向けに入居案内を行うとともに、医療機関や居宅介護支援事業所に法人営業を実施する。契約期間に応じて売上を計上するため、収益への貢献は限定的であるが、「ティアの会」と同様に顧客との事前関係を構築する役割を担う。
※2 病院への入院や介護施設等への入所の際の手続き支援、日用品の買い物など日常生活の支援、葬儀や死後の財産処分などの死後事務を、家族や親族に代わり支援するサービス。収益への貢献は介護付き有料老人ホーム紹介サービスと同様に限定的であるが、顧客との事前関係を構築する役割を担う。
※3 オーナーに変わって空き家を借上げ、同社が運用代行するサービス。
c) 計画に則した人財確保・育成とエンゲージメントの向上
人財戦略については、人財の確保と育成、働く環境の整備を重点項目と位置付けて、取り組みを推進していく。人財確保については、多様化する採用環境に対応した施策を積極的に推進し、「ティアアカデミー」の教育カリキュラムを八光殿や東海典礼に展開することで、グループとしての営業力の底上げを図る。また、新卒採用については、同社が年間20名、八光殿が同10名、東海典礼が同5名の合計35名のペースで採用を続ける計画だ。
d) 上場会社グループとしての体制構築と潜在的なM&Aニーズの掘り起こし
ブランド戦略として、同社は八光殿及び東海典礼に対し、PMI(M&A後の統合プロセス)を推進するほか、グループとして資本市場から適正に評価されるよう、積極的なPR・IR活動を継続する方針である。また、顧客との接点となるアプリの開発も進めている。
M&A戦略については、業界での競争激化が続き大手企業の寡占化が進むなかで、同社においても成長戦略の1つとしてM&AやFC展開を積極推進する考えである。今回の八光殿及び東海典礼のPMIが順調に進めば、その経験を糧にさらなるM&Aを推進するものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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