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オープンG Research Memo(3):RPAの活用によりあらゆる定型業務を自動化、BPO領域の改革も推進

配信日時:2025/05/21 11:03 配信元:FISCO
*11:03JST オープンG Research Memo(3):RPAの活用によりあらゆる定型業務を自動化、BPO領域の改革も推進 ■事業概要

オープングループ<6572>は、超高齢化・少子化、労働人口の減少といった社会課題に対し、デジタル労働力を活用した業務効率化・省人化ソリューションを展開しており、企業及び行政の業務改革を支援する独自のポジションを築いている。同社は純粋持株会社としてグループ戦略の立案及び経営管理機能を担っており、連結子会社11社を通じて事業を展開している。事業セグメントは以下の3つで構成されており、詳細は以下のとおりである。

1. インテリジェントオートメーション事業
インテリジェントオートメーション事業は、RPA(PC上の定型作業をソフトウェアにより自動化し、業務の効率化やコスト削減を実現する技術)を中心に業務プロセスの自動化を支援するサービスを提供している。具体的には、ルールエンジン(「こういう時には、こうする」といったビジネスルールを実行するための分岐処理専用のソフトウェア)、AI、機械学習などを活用した認知技術を取り入れ、人事・経理・調達・営業事務などの定型業務をデジタル労働力により代替する仕組みを提供している。

主力サービスである「BizRobo!」は、企業のあらゆる定型業務や繰り返し作業を自動化するオンプレミス型(システムやソフトウェアを自社のサーバーや設備に設置・運用する形態)のRPAツールである。ユーザーの業務フローに合わせた柔軟なロボット開発が可能であり、デスクトップ型とサーバー型の両方に対応し、クラウド環境でも利用できることが特徴である。人手不足への対応や業務効率化、DX推進の手段として高く評価されており、導入企業は3,000社を超える。主にソフトバンクなどの販売パートナー企業を通じて導入を行っており、社内リソースに依存しない拡張性の高いビジネスモデルを構築している。

「RoboRobo」は、企業のバックオフィス業務を対象として、RPAを始めとした各種テクノロジーを用いて定型作業を自動化するクラウド型の業務自動化支援サービスである。人事・経理・総務など管理部門における帳票作成やデータ入力、チェック業務などの煩雑な作業を効率化することにより、業務負担の軽減と生産性の向上を実現する。特に、月額課金型のサブスクリプションモデルによりスモールスタートが可能であり、業務の変化に応じて柔軟にスケールできる。法務業務の一つである取引先の属性確認業務を自動化する「コンプライアンス」、人事の採用業務を自動化する「リクルーティング」、給与計算業務を自動化する「ペイロール」等を提供している。将来的には給与計算などのBPOサービスとの連携を深め、「デジタルBPO(RPAやAIなどのテクノロジーを活用して、業務プロセスを効率化・自動化するアウトソーシングサービス)」の中核機能としての役割を担うことが見込まれ、大手企業のみならず中堅中小企業まで導入拡大が期待される。

2. アドオートメーション事業
アドオートメーション事業では、成果報酬型広告(アフィリエイト)を中心としたデジタルマーケティング支援を行っている。主力サービスである「PRESCO」は、広告主が支払う報酬を消費者の具体的なアクション(購入や資料請求など)に基づいて支払うパフォーマンスベースの広告モデルを採用しており、広告主にとって効率な広告運用を実現する。同サービスは、2012年にNTTコミュニケーションズ(株)のアフィリエイト事業の終了に伴い、その顧客基盤を引き継いで開始しており、安定した収益源としてグループ全体の収益構造を下支えしている。また、RPA、AI等を活用してマーケティングデータ(検索キーワード・順位など)の自動収集及び分析を行っており、広告運用の効率化、高度化を実現している。

3. その他事業
その他事業では、主に法人営業向けのアウトソーシングサービスなどを提供している。特にIT業界を中心とした顧客企業に対し、営業代行、商談創出支援、案件化支援など、BtoB営業活動の一部または全部を受託するビジネスモデルを採用している。営業リソース不足に直面する企業に対して、即応性及び柔軟性の高い外部営業部隊として機能し、一定の需要を維持している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)

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