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オープンG Research Memo(1):RPAを活用したソリューションを展開、2026年2月期は高成長を期待
配信日時:2025/05/21 11:01
配信元:FISCO
*11:01JST オープンG Research Memo(1):RPAを活用したソリューションを展開、2026年2月期は高成長を期待
■要約
オープングループ<6572>は、ロボット技術や人工知能(AI)を活用した業務効率化ソリューションを提供しており、労働人口の減少や地域格差といった日本社会が抱える構造的な課題に対処することを目的とした事業を展開している。中核子会社であるオープン(株)は、定型的なパソコン業務をソフトウェアによって自動化する「BizRobo!(ビズロボ)」や、クラウド環境で業務自動化を実現する「RoboRobo(ロボロボ)」などのサービスを提供しており、これらは企業の業務負担軽減や生産性向上に大きく貢献している。また、オンライン広告やデジタルマーケティング分野にも進出しており、顧客企業の事業成長をテクノロジーの側面から支援している。
1. 2025年2月期の業績概要
2025年2月期の業績は、売上高が前期比17.2%増の7,224百万円、営業利益が同25.7%増の653百万円、経常利益が同10.8%減の234百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同162.3%増の435百万円となった。同社が2024年12月17日に公表した直近の業績見通し(売上高7,200百万円、営業利益650百万円、経常利益260百万円、親会社株主に帰属する当期純利益460百万円)に対して、売上高及び営業利益は計画を上回った。他方で経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が計画を下回ったが、その主な要因は持分法適用子会社の投資損失308百万円、投資事業組合運用損を92百万円計上したことである。なお、本業自体はおおむね想定どおりの着地であったと見られる。
売上高の増減要因を見ると、一部事業の整理により前期比454百万円の減収影響が発生したものの、その影響を控除するとインテリジェントオートメーション事業は同682百万円の増収、アドオートメーション事業は同208百万円の増収となった。また、その他事業はご近所ワークの新規連結効果などにより同621百万円増収となった。インテリジェントオートメーション事業の2025年2月期末の導入企業数は、「BizRobo!」が前期末比8.3%増の3,072社、「RoboRobo」もコンプライアンスチェックサービスの導入が好調に推移した結果、同44.3%増の932社と拡大した。第4四半期のストック収入は、「BizRobo!」が前年同期比10.0%増の816百万円、「RoboRobo」が同49.5%増の157百万円とそれぞれ積み上がった。アドオートメーション事業の「PRESCO」については、2025年2月期の通期取扱高が前期比13.8%増の13,691百万円と順調に拡大した。
営業利益の増減要因については、事業整理の影響により前期比265百万円の減益があったものの、その影響を控除するとインテリジェントオートメーション事業は同286百万円、アドオートメーション事業は同249百万円それぞれ増益寄与した。その他事業は同137百万円の減益であった。
2. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期通期の連結業績は、売上高が前期比17.7%増の8,500百万円、営業利益が同46.9%増の960百万円、経常利益が同266.4%増の860百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同18.5%増の516百万円と、いずれの項目も大幅な増収増益の見通しである。
売上高の成長は、インテリジェントオートメーション事業、アドオートメーション事業ともに好調な事業環境が継続していることに起因する。特に、デジタル変革ニーズの加速や広告市場におけるデータ活用の高度化などが追い風となり、顧客基盤の拡大が見込まれる。利益面は、積極的な成長投資を継続するなか、営業利益は増収効果により前期比1.5倍に拡大する見通しである。営業利益率は、売上高増加に伴う固定費比率の低下により2.3ポイント改善する見込みであり、収益性の着実な向上が期待される。固定費の吸収が進むことで、スケールメリットを享受するフェーズに入りつつあると評価される。経常利益は、2025年2月期に発生した持分法投資による投資損失の剥落により、同3.7倍と急拡大する計画である。
3. 中長期の成長戦略
同社は、主力とするRPA(Robotic Process Automation)関連サービスを軸に、成長性の高いDX・オートメーション領域での事業展開を加速させている。中長期的には、RPAにAIや機械学習などのテクノロジーを融合させ、業務プロセス全体の自動化という次なるステージを見据えた取り組みを進めている。
インテリジェントオートメーション事業では、「BizRobo!」は労働人口の構造的減少が進行するなか、省人化及び業務効率化へのニーズが一段と高まっており、今後も堅調な成長が期待される。また、中長期的にはAIやマシンラーニングなどの先端技術をRPAに融合させることで、単なる定型業務の自動化に留まらず、業務プロセス全体の構造的な自動化、すなわち「ハイパーオートメーション」へと進化させる方針を掲げており、技術的優位性を強みに高付加価値領域への展開を進めていく構えである。「RoboRobo」については、既存ユーザーへのアップセルや新規分野への展開により、ARR(Annual Reccuring Revenue:年間経常収益)の拡大を追求する方針である。また、バックオフィス業務の効率化ニーズは、企業の規模を問わず顕在化しており、同分野における市場ポテンシャルは極めて大きいと見られる。BPO(Business Process Outsourcing)サービスと同社のRPA、AIを始めとした各種テクノロジーを融合させた「デジタルBPO」の領域での展開を本格化させており、同社にとって大きな成長機会となる可能性がある。
アドオートメーション事業では、「PRESCO」はこれまで労働集約型だった広告運用プロセスに対し、RPAやAIを活用した自動化による差別化を進めている。主に競合サービスからのリプレイスにより顧客を獲得し、運用効率及び精度などの面で優位性を発揮しながらシェアが拡大し、取扱高が着実に増加している。自動化による高いスケーラビリティを生かしながら、一定のシェアを獲得後には手数料率の見直しを行うことで、収益性の改善にも取り組んでおり、事業規模の拡大と利益率の向上を実現する戦略を展開している点が注目される。
M&A戦略について、同社は2025年2月期に複数のM&Aを実行しており、2026年2月期以降は本格的なシナジーの創出フェーズへと移行していく見込みである。今後もAI・RPAなどの高度技術を社会実装することができる独自のケイパビリティを最大限に生かし、既存事業とのシナジーを創出可能な有望な買収案件の検討を継続していく方針である。とりわけ、デジタルBPO領域においては、非連続な成長の実現に向けたM&Aが今後の重要な成長ドライバーとなるだろう。
■Key Points
・RPAを活用した業務効率化ソリューションを展開
・事業整理の影響を増収効果で補完し、売上・営業利益ともに業績計画を上回って着地
・今後はハイパーオートメーション、デジタルBPOの実現に向けた取り組みを強化へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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オープングループ<6572>は、ロボット技術や人工知能(AI)を活用した業務効率化ソリューションを提供しており、労働人口の減少や地域格差といった日本社会が抱える構造的な課題に対処することを目的とした事業を展開している。中核子会社であるオープン(株)は、定型的なパソコン業務をソフトウェアによって自動化する「BizRobo!(ビズロボ)」や、クラウド環境で業務自動化を実現する「RoboRobo(ロボロボ)」などのサービスを提供しており、これらは企業の業務負担軽減や生産性向上に大きく貢献している。また、オンライン広告やデジタルマーケティング分野にも進出しており、顧客企業の事業成長をテクノロジーの側面から支援している。
1. 2025年2月期の業績概要
2025年2月期の業績は、売上高が前期比17.2%増の7,224百万円、営業利益が同25.7%増の653百万円、経常利益が同10.8%減の234百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同162.3%増の435百万円となった。同社が2024年12月17日に公表した直近の業績見通し(売上高7,200百万円、営業利益650百万円、経常利益260百万円、親会社株主に帰属する当期純利益460百万円)に対して、売上高及び営業利益は計画を上回った。他方で経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が計画を下回ったが、その主な要因は持分法適用子会社の投資損失308百万円、投資事業組合運用損を92百万円計上したことである。なお、本業自体はおおむね想定どおりの着地であったと見られる。
売上高の増減要因を見ると、一部事業の整理により前期比454百万円の減収影響が発生したものの、その影響を控除するとインテリジェントオートメーション事業は同682百万円の増収、アドオートメーション事業は同208百万円の増収となった。また、その他事業はご近所ワークの新規連結効果などにより同621百万円増収となった。インテリジェントオートメーション事業の2025年2月期末の導入企業数は、「BizRobo!」が前期末比8.3%増の3,072社、「RoboRobo」もコンプライアンスチェックサービスの導入が好調に推移した結果、同44.3%増の932社と拡大した。第4四半期のストック収入は、「BizRobo!」が前年同期比10.0%増の816百万円、「RoboRobo」が同49.5%増の157百万円とそれぞれ積み上がった。アドオートメーション事業の「PRESCO」については、2025年2月期の通期取扱高が前期比13.8%増の13,691百万円と順調に拡大した。
営業利益の増減要因については、事業整理の影響により前期比265百万円の減益があったものの、その影響を控除するとインテリジェントオートメーション事業は同286百万円、アドオートメーション事業は同249百万円それぞれ増益寄与した。その他事業は同137百万円の減益であった。
2. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期通期の連結業績は、売上高が前期比17.7%増の8,500百万円、営業利益が同46.9%増の960百万円、経常利益が同266.4%増の860百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同18.5%増の516百万円と、いずれの項目も大幅な増収増益の見通しである。
売上高の成長は、インテリジェントオートメーション事業、アドオートメーション事業ともに好調な事業環境が継続していることに起因する。特に、デジタル変革ニーズの加速や広告市場におけるデータ活用の高度化などが追い風となり、顧客基盤の拡大が見込まれる。利益面は、積極的な成長投資を継続するなか、営業利益は増収効果により前期比1.5倍に拡大する見通しである。営業利益率は、売上高増加に伴う固定費比率の低下により2.3ポイント改善する見込みであり、収益性の着実な向上が期待される。固定費の吸収が進むことで、スケールメリットを享受するフェーズに入りつつあると評価される。経常利益は、2025年2月期に発生した持分法投資による投資損失の剥落により、同3.7倍と急拡大する計画である。
3. 中長期の成長戦略
同社は、主力とするRPA(Robotic Process Automation)関連サービスを軸に、成長性の高いDX・オートメーション領域での事業展開を加速させている。中長期的には、RPAにAIや機械学習などのテクノロジーを融合させ、業務プロセス全体の自動化という次なるステージを見据えた取り組みを進めている。
インテリジェントオートメーション事業では、「BizRobo!」は労働人口の構造的減少が進行するなか、省人化及び業務効率化へのニーズが一段と高まっており、今後も堅調な成長が期待される。また、中長期的にはAIやマシンラーニングなどの先端技術をRPAに融合させることで、単なる定型業務の自動化に留まらず、業務プロセス全体の構造的な自動化、すなわち「ハイパーオートメーション」へと進化させる方針を掲げており、技術的優位性を強みに高付加価値領域への展開を進めていく構えである。「RoboRobo」については、既存ユーザーへのアップセルや新規分野への展開により、ARR(Annual Reccuring Revenue:年間経常収益)の拡大を追求する方針である。また、バックオフィス業務の効率化ニーズは、企業の規模を問わず顕在化しており、同分野における市場ポテンシャルは極めて大きいと見られる。BPO(Business Process Outsourcing)サービスと同社のRPA、AIを始めとした各種テクノロジーを融合させた「デジタルBPO」の領域での展開を本格化させており、同社にとって大きな成長機会となる可能性がある。
アドオートメーション事業では、「PRESCO」はこれまで労働集約型だった広告運用プロセスに対し、RPAやAIを活用した自動化による差別化を進めている。主に競合サービスからのリプレイスにより顧客を獲得し、運用効率及び精度などの面で優位性を発揮しながらシェアが拡大し、取扱高が着実に増加している。自動化による高いスケーラビリティを生かしながら、一定のシェアを獲得後には手数料率の見直しを行うことで、収益性の改善にも取り組んでおり、事業規模の拡大と利益率の向上を実現する戦略を展開している点が注目される。
M&A戦略について、同社は2025年2月期に複数のM&Aを実行しており、2026年2月期以降は本格的なシナジーの創出フェーズへと移行していく見込みである。今後もAI・RPAなどの高度技術を社会実装することができる独自のケイパビリティを最大限に生かし、既存事業とのシナジーを創出可能な有望な買収案件の検討を継続していく方針である。とりわけ、デジタルBPO領域においては、非連続な成長の実現に向けたM&Aが今後の重要な成長ドライバーとなるだろう。
■Key Points
・RPAを活用した業務効率化ソリューションを展開
・事業整理の影響を増収効果で補完し、売上・営業利益ともに業績計画を上回って着地
・今後はハイパーオートメーション、デジタルBPOの実現に向けた取り組みを強化へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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