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来週の株式相場に向けて=為替の円安基調は復活したか、FOMCに関心集まる

配信日時:2025/05/02 17:32 配信元:MINKABU
 2日の日経平均株価は前日比378円高の3万6830円と7日続伸。朝方には一時、3万6976円まで上昇し心理的節目である3万7000円ラインに迫った。トランプ米大統領が相互関税を発表した4月2日の終値は既に奪回し、先月7日安値からの上昇率は2割近くに達している。  この株価反発の要因として、トランプ米政権が関税政策に対する姿勢を軟化させていることがあるが、「為替が円安方向に振れたことは無視できない」(市場関係者)と指摘されている。トランプ氏の関税政策に対する懸念は、基軸通貨としてのドルの信認にまで波及。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に対する解任姿勢を示したこともドル安要因となった。4月22日には一時1ドル=139円80銭台まで円は上昇したが、この日は145円90銭台まで円安が進行した。前日の日銀金融政策決定会合で追加利上げ観測が後退したことも、円安要因となった。  今後の株式市場をみるうえで、更なるドル高・円安が進むかは大きなポイントだ。その意味で、今晩の米4月雇用統計は注目されるほか、来週6~7日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。気になるのは、足もとで発表される米国の経済指標には弱含みの数字が目立つことだ。米1~3月期GDPが3年ぶりのマイナス成長となったことは象徴的だが、今後も米景気減速懸念が強まれば、米長期金利低下から再びドル安・円高傾向が強まることも考えられる。  市場では、来週のFOMCでは米政策金利の据え置きが予想されているが、米景気に対する警戒感から6月以降は年末にかけ複数回の利下げを予想する見方も増えている。東京市場はゴールデンウイーク後半を迎えるが、過去にもGWの前後に為替相場が荒れたことは少なくない。こうしたなか、為替相場が今後の株式市場の動向を左右しそうだ。  来週は海外では、5日に米4月ISM非製造業景況指数、6日に米3月貿易収支、9日に中国4月貿易収支が発表される。5日にオン・セミコンダクター<ON>、フォード<F>、6日にアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>、7日にアームホールディングス<ARM>、ウォルトディズニー<DIS>、ウーバー<UBER>が決算発表を行う。  国内では、5日は「こどもの日」、6日は振替休日で休場となる。8日に3月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨、9日に3月家計調査、3月毎月勤労統計調査が発表される。7日にJT<2914.T>、LINEヤフー<4689.T>、8日にトヨタ自動車<7203.T>、任天堂<7974.T>、バンダイナムコホールディングス<7832.T>、9日に日本電信電話<9432.T>、三菱重工業<7011.T>、三井不動産<8801.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万6000~3万7400円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS

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