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ストレージ王 Research Memo(5):リーシング強化と出店形態の戦略的配分に注力。2期連続で最高売上更新(1)
配信日時:2025/04/18 11:15
配信元:FISCO
*11:15JST ストレージ王 Research Memo(5):リーシング強化と出店形態の戦略的配分に注力。2期連続で最高売上更新(1)
■ストレージ王<2997>の業績動向
1. 2025年1月期の業績概要
2025年1月期の業績は、売上高4,262百万円(前期比28.2%増)、営業利益171百万円(同13.9%増)、経常利益170百万円(同8.6%増)、当期純利益75百万円(同31.4%減)となった。2024年11月に取引金融機関オペレーターを騙る悪意ある第三者による虚偽の電子証明手続き指示を受けた結果、76百万円の資金流出が発生した。これにより、本業において当初の事業計画は達成したものの、当該特別損失をカバーするに至らず、当期純利益は同34百万円の減益となった。なお、本件については既に再発防止策が実施されている。
トランクルーム運営管理事業では、売上高889百万円(前期比18.7%増)、セグメント損失53百万円(前期は75百万円の損失)となった。これは、自社保有物件の増加に伴う販管費の増加及び、運営面での電話受付オペレーターの人員増、さらにマスターリース時の初期費用が主な要因である。コンテナ型トランクルームは、全国で24店舗が新規にオープンした。静岡県、三重県、宮崎県、群馬県においては初出店であり、茨城県では5店舗、栃木県では4店舗、群馬県では4店舗、静岡県では3店舗、千葉県では3店舗、岡山県では2店舗、滋賀県、三重県、宮崎県ではそれぞれ1店舗ずつ開設された。これにより、地方エリアへのサービスが拡大し、今後の地域別需要に柔軟に対応できる体制が整備されたと評価できる。在来建築型に比べ、コンテナ型トランクルームはその規模の小ささから早期に埋まる傾向にある。円安の影響で多少の値上がりは見られるが、在来建築ほどの影響はなく、エレベーターの供給不足という課題にも対応できている。
トランクルーム開発分譲事業では、売上高3,313百万円(前期比36.4%増)、セグメント利益447百万円(同11.5%増)となった。ビル型の大型案件が6件成約しており、世田谷池尻TRの木造3階建て75室、天王町TRの鉄骨造7階建て118室、幡ヶ谷TRの鉄骨造4階建て137室、亀戸TRの鉄骨造7階建て89室、南砂TRの鉄筋造7階建て101室、杉並宮前TRの鉄筋造4階建て134室といった物件がすべて売却済みとなった。これらの実績は、開発分譲事業が計画どおりに進捗し、各エリアにおける需要に応じた物件供給が順調に進んでいることを示している。また、杉並宮前TRではバイク専用ガレージを有しており、直接道路から出し入れ可能な設計となっている。大型バイクの盗難が多発するなかで、バイクの収納ニーズを捉えている。開発物件の仕入状況に関しては、建築費の上昇を受け、出店場所をなるべく都心に集中させる戦略だ。これは、郊外と都心で建築費が同程度であるにもかかわらず、都心では賃料が高く設定できるためである。また、一部物件については、木造建築へ切り替えることで建築費の高騰に対応した。
四半期ごとの業績推移を見ると、売上高・営業利益ともに第4四半期に集中する傾向が見られる。これは、土地購入からトランクルームの完成までに約1年の期間を要することが原因である。また、仕入を行う土地の規模は、延床面積200坪、底地40~50坪程度が対象となるが、このサイズ感の土地の所有者は個人や中小企業が中心となるため、売買のタイミングが12月から2月に集中するためである。
部屋数と稼働率に着目すると、部屋数は着実に増加しているが、2年以上の稼働率は79.7%と低下傾向にある。稼働率低下の要因としては、大型物件のトランクルームにおいては立ち上がりが遅くなる傾向があり、月々2~3%ずつのペースで埋まっていくため、稼働率が50%強に達するには2年程度の期間を要する点が挙げられる。これは、住居と比べてトランクルームの必然性は低く、実際に完成した物件を見かけてから顧客が行動を起こす傾向にあるためと考えられる。また、2024年末に借地で運営していた一部物件に対して、土地返還を求められたことも一因である。
2. トピックス
(1) (株)サマリーとの営業提携
同社は、サマリーが運営する宅配収納サービス「サマリーポケット」との提携を通じ、新宿フロントタワー店舗オープンに伴い、2024年11月末日までの期間において、宅配便を活用した利便性の高い荷物配送と、必要な時に迅速に荷物を取り出すことが可能なセルフストレージを組み合わせたソリューションを提供した。
(2) (株)トーハンとの営業提携
同社は、トーハンとの提携により、2025年1月1日から2025年4月30日までの期間、店舗限定で共同キャンペーン「大好きな本を我慢しないキャンペーン」を実施する。トーハングループが運営する住吉書房宮崎台駅前店、メディアライン大山店、山下書店大塚店と、同社が運営管理するセルフストレージ式トランクルームが連携し、本を購入した顧客にキャンペーンチラシを配布する。チラシ内の合言葉を用いてトランクルームの6ヶ月以上の申し込みがあった場合、無料の貸し出し本棚の提供及び追加で1ヶ月分の賃料無料の特典が付与される。キャンペーンの背景として、書店に頻繁に足を運ぶが自宅の本棚が既に埋まっている顧客や、自分専用の空間を求める読者、さらには推し活を展開する読者のニーズが存在する点を踏まえており、これにより自宅本棚の空間確保と新たな本購入への誘引効果が期待される。
(3) 都心オフィスビル出店
同社は、都心部における需要の高まりに対応するため、三菱地所<8802>が開発した複合ビル「新宿フロントタワー2階」にオフィスビル内のビルイン型店舗を展開した。わずか4ヶ月で通常の2.5倍に相当する7割超の高稼働率を達成しており、都心ニーズに応じたロッカータイプの増設や、三菱地所による安全設計と安心のセキュリティがその背景にある。今回の出店は、オフィス需要のみならず、仕事後のジム利用など多様なライフスタイルに対応する狙いがあり、都心エリアでの実績は、今後のさらなる出店展開においてもプラス材料となると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<KM>
1. 2025年1月期の業績概要
2025年1月期の業績は、売上高4,262百万円(前期比28.2%増)、営業利益171百万円(同13.9%増)、経常利益170百万円(同8.6%増)、当期純利益75百万円(同31.4%減)となった。2024年11月に取引金融機関オペレーターを騙る悪意ある第三者による虚偽の電子証明手続き指示を受けた結果、76百万円の資金流出が発生した。これにより、本業において当初の事業計画は達成したものの、当該特別損失をカバーするに至らず、当期純利益は同34百万円の減益となった。なお、本件については既に再発防止策が実施されている。
トランクルーム運営管理事業では、売上高889百万円(前期比18.7%増)、セグメント損失53百万円(前期は75百万円の損失)となった。これは、自社保有物件の増加に伴う販管費の増加及び、運営面での電話受付オペレーターの人員増、さらにマスターリース時の初期費用が主な要因である。コンテナ型トランクルームは、全国で24店舗が新規にオープンした。静岡県、三重県、宮崎県、群馬県においては初出店であり、茨城県では5店舗、栃木県では4店舗、群馬県では4店舗、静岡県では3店舗、千葉県では3店舗、岡山県では2店舗、滋賀県、三重県、宮崎県ではそれぞれ1店舗ずつ開設された。これにより、地方エリアへのサービスが拡大し、今後の地域別需要に柔軟に対応できる体制が整備されたと評価できる。在来建築型に比べ、コンテナ型トランクルームはその規模の小ささから早期に埋まる傾向にある。円安の影響で多少の値上がりは見られるが、在来建築ほどの影響はなく、エレベーターの供給不足という課題にも対応できている。
トランクルーム開発分譲事業では、売上高3,313百万円(前期比36.4%増)、セグメント利益447百万円(同11.5%増)となった。ビル型の大型案件が6件成約しており、世田谷池尻TRの木造3階建て75室、天王町TRの鉄骨造7階建て118室、幡ヶ谷TRの鉄骨造4階建て137室、亀戸TRの鉄骨造7階建て89室、南砂TRの鉄筋造7階建て101室、杉並宮前TRの鉄筋造4階建て134室といった物件がすべて売却済みとなった。これらの実績は、開発分譲事業が計画どおりに進捗し、各エリアにおける需要に応じた物件供給が順調に進んでいることを示している。また、杉並宮前TRではバイク専用ガレージを有しており、直接道路から出し入れ可能な設計となっている。大型バイクの盗難が多発するなかで、バイクの収納ニーズを捉えている。開発物件の仕入状況に関しては、建築費の上昇を受け、出店場所をなるべく都心に集中させる戦略だ。これは、郊外と都心で建築費が同程度であるにもかかわらず、都心では賃料が高く設定できるためである。また、一部物件については、木造建築へ切り替えることで建築費の高騰に対応した。
四半期ごとの業績推移を見ると、売上高・営業利益ともに第4四半期に集中する傾向が見られる。これは、土地購入からトランクルームの完成までに約1年の期間を要することが原因である。また、仕入を行う土地の規模は、延床面積200坪、底地40~50坪程度が対象となるが、このサイズ感の土地の所有者は個人や中小企業が中心となるため、売買のタイミングが12月から2月に集中するためである。
部屋数と稼働率に着目すると、部屋数は着実に増加しているが、2年以上の稼働率は79.7%と低下傾向にある。稼働率低下の要因としては、大型物件のトランクルームにおいては立ち上がりが遅くなる傾向があり、月々2~3%ずつのペースで埋まっていくため、稼働率が50%強に達するには2年程度の期間を要する点が挙げられる。これは、住居と比べてトランクルームの必然性は低く、実際に完成した物件を見かけてから顧客が行動を起こす傾向にあるためと考えられる。また、2024年末に借地で運営していた一部物件に対して、土地返還を求められたことも一因である。
2. トピックス
(1) (株)サマリーとの営業提携
同社は、サマリーが運営する宅配収納サービス「サマリーポケット」との提携を通じ、新宿フロントタワー店舗オープンに伴い、2024年11月末日までの期間において、宅配便を活用した利便性の高い荷物配送と、必要な時に迅速に荷物を取り出すことが可能なセルフストレージを組み合わせたソリューションを提供した。
(2) (株)トーハンとの営業提携
同社は、トーハンとの提携により、2025年1月1日から2025年4月30日までの期間、店舗限定で共同キャンペーン「大好きな本を我慢しないキャンペーン」を実施する。トーハングループが運営する住吉書房宮崎台駅前店、メディアライン大山店、山下書店大塚店と、同社が運営管理するセルフストレージ式トランクルームが連携し、本を購入した顧客にキャンペーンチラシを配布する。チラシ内の合言葉を用いてトランクルームの6ヶ月以上の申し込みがあった場合、無料の貸し出し本棚の提供及び追加で1ヶ月分の賃料無料の特典が付与される。キャンペーンの背景として、書店に頻繁に足を運ぶが自宅の本棚が既に埋まっている顧客や、自分専用の空間を求める読者、さらには推し活を展開する読者のニーズが存在する点を踏まえており、これにより自宅本棚の空間確保と新たな本購入への誘引効果が期待される。
(3) 都心オフィスビル出店
同社は、都心部における需要の高まりに対応するため、三菱地所<8802>が開発した複合ビル「新宿フロントタワー2階」にオフィスビル内のビルイン型店舗を展開した。わずか4ヶ月で通常の2.5倍に相当する7割超の高稼働率を達成しており、都心ニーズに応じたロッカータイプの増設や、三菱地所による安全設計と安心のセキュリティがその背景にある。今回の出店は、オフィス需要のみならず、仕事後のジム利用など多様なライフスタイルに対応する狙いがあり、都心エリアでの実績は、今後のさらなる出店展開においてもプラス材料となると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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