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ブロードエンター Research Memo(2):「BRO-ROOM」の注力で業績はさらに向上
配信日時:2025/04/14 12:02
配信元:FISCO
*12:02JST ブロードエンター Research Memo(2):「BRO-ROOM」の注力で業績はさらに向上
■会社概要
1. 会社概要
ブロードエンタープライズ<4415>は、「不動産オーナーのキャッシュ・フローを最大化する」をミッションとして掲げ、マンション向け高速インターネット「B-CUBIC」「B-CUBIC Next」、IoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」、宅内IoTリノベーション「BRO-ROOM」、外壁・修繕工事「BRO-WALL」を軸に、スマートロックやスマートカメラなどの各種IoTデバイスを提供し、オーナーが所有する物件の価値向上を実現している。同社が提供する初期導入費用ゼロ円のファイナンススキーム「BRO-ZERO」によって、オーナーは初期投資も抑えられ、これが顧客獲得の強みになっている。
同社は2000年に、代表取締役社長である中西 良祐(なかにし りょうすけ)氏により創業した。2003年に西日本電信電話(株)(NTT西日本)の光ファイバー回線「Bフレッツ」の販売代理事業を受託した後にマンション向けインターネットサービス事業に参入した。その後、2005年にマンション向け高速インターネット「B-CUBIC」、2019年にIoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」、2023年に契約期間の縛りをなくした「B-CUBIC Next」、宅内IoTリノベーションサービス「BRO-ROOM」、2024年には特定建設業許可を取得し、外壁塗装・修繕工事「BRO-WALL」の提供を開始し、事業領域を順調に拡大させてきた。事業内容の拡大に伴ってサービス提供地域も順調に広がり、2005年の東京を皮切りに2006年に福岡、2018年に名古屋、2022年には横浜・神戸・広島※に支店を開設するなど全国展開、北海道から沖縄までサービスを提供している。
※ 横浜・神戸は2024年、東京・大阪に統合
2. 収益構造
同社の収益構造は、インターネットサービスの提供によるストック収益モデルと機器・IoTデバイスの販売・施工、内装・外装施工によるフロー収益モデルで構成されている。「B-CUBIC」と「B-CUBIC Next」の販売から継続的に計上される売上(ストック売上)と、「BRO-LOCK」、各種IoTデバイス、「BRO-ROOM」「BRO-WALL」「B-CUBIC Next」の販売から一括で計上される売上(フロー売上)によって、安定した収益基盤と高い売上成長の両立を可能にしている。とりわけ、2023年にスタートした「B-CUBIC Next」「BRO-ROOM」の提供がフロー売上高に厚みを持たせている。
債権流動化を活用した初期導入費用ゼロ円のファイナンススキーム「BRO-ZERO」は、物件の設備やサービスについての初期費用を不要としたことにより、新規顧客の拡大につながると見られる。
3. 事業内容
(1) 「B-CUBIC」「B-CUBIC Next」
「B-CUBIC」は、マンションの全居室に対してインターネット環境を一斉に導入する「全戸一括型」のインターネットサービスである。マンションオーナーは「B-CUBIC」でインターネット環境を整えることによって空室対策ができる。一方、初期投資を抑える「初期導入費用ゼロ円プラン」は債権流動化を活用したファイナンススキームであり、顧客の70%以上が利用している。契約期間の縛りをなくした「B-CUBIC Next」の提供開始によって導入のハードルを下げる効果が期待でき、これが差別化となり優位に立つことを可能にした。また、インターネットサービスである「B-CUBIC」を起点として、様々なIoTサービスやデバイスを提供している。
(2) 「BRO-LOCK」
「BRO-LOCK」は、インターネット回線を介してマンションのエントランスをオートロック化するための顔認証付きIoTインターフォンシステムで、「顔認証」「ICカード認証」「QRコード認証」「時限式暗証番号認証」などの方法による解錠が可能だ。スマートフォンを利用することで外出先から来訪者への応対もできる。これも「初期導入費用ゼロ円プラン」で導入可能だ。さらに、設置からアフターフォローまでの一貫対応や、管理業務を軽減できるクラウドサービスが導入でき、マンションオーナーまたは管理会社の管理業務の効率化に貢献している。
(3) 「BRO-ROOM」
不動産オーナーの初期導入費用を抑えながら空室のIoTリノベーションを可能にするサービスとして、2023年7月に提供を開始した。これは、三菱地所<8802>の総合スマートホームサービス「HOMETACT」をはじめとしたスマートホームデバイスの設置と、提携先のリフォーム会社による宅内の内装リノベーションを同時に施工することで、IoTリノベーションを実現するサービスである。不動産オーナーは「BRO-ROOM」の導入によって、初期投資の負担を軽減しながら空室対策を強化することが可能だ。既築賃貸市場で債権流動化の仕組みを活用する例は他に見当たらず、他社との差別化ポイントになる。2023年7月に提供を開始してから2024年12月までの1年半で400室の実績を挙げた。
(4) 「BRO-WALL」
不動産オーナーの初期導入費用を抑えながら物件の修繕を可能にするサービスとして、2024年10月に提供を開始した。事業開始にあたり、建築士、施工管理技士の資格を持つ人財を採用し、建築一式工事を請負できるよう特定建設業許可を取得。2024年第4四半期だけで12棟87百万円の売上高を計上した。
(5) 各種IoTデバイス
「B-CUBIC」をベースにIoTデバイスをワンストップで提供しており、スマートカメラ(セキュリティカメラ)、スマートロック、宅配ボックスなどを提供している。これらのデバイスも、初期導入費用ゼロ円で導入できる。
(6) 「BRO-ZERO」
物件を所有しているが、手持ち資金に不安な場合でも、同社が進めるファイナンススキームである「BRO-ZERO」を活用すれば事業化が可能になり、新規顧客層の拡大につながりそうだ。これは、リノベーションや設備導入にかかる初期相当費用を同社が立て替え、毎月分割での支払いで回収するスキームである。金融機関の審査が不要、現在ある与信枠を使わない、最大10年間の分割が可能、などによって物件の事業化を進めやすくなる。これについては、空き家所有者の相談窓口「アキカツカウンター」、マッチングプラットフォーム「アキカツナビ」を運営する空き家活用(株)と業務提携し、「ショキゼロ民泊」「ショキゼロ賃貸」のサービスを開始した。一方、三菱UFJ銀行と借入極度額20億円でのタームアウトオプション付コミットメントライン契約を締結するなど、ビジネスを遂行するための資金面での不安は軽減されている。
4. 市場環境と強み
日本の総人口が減少傾向にありながらも貸家の新設着工戸数は増加しているため、空室率の上昇により不動産オーナーのキャッシュ・フローが悪化する傾向が強い。そうしたなかで同社は、提供する各サービスによって、物件のバリューアップと不動産オーナーのキャッシュ・フローの最大化に寄与している。入居者にとっては「インターネット無料」や「オートロック」といった設備を装備している集合住宅や現代に合わせた内装にリノベーションされている部屋に魅力を感じるため、同社のサービスの導入により空室率の改善及び賃料上昇の実現が可能になる。
一方、同社が取引している管理会社の数は953社(2024年12月時点)であり、賃貸住宅管理事業者登録数8,898社(2023年9月末時点、国土交通省調べ)のうち10.7%と取引しているに過ぎない。これら管理会社とは強固な取引関係にあるうえ、市場開拓余地も広いと言えよう。
同社は債権流動化の仕組みを賃貸・既築市場に応用することで不動産オーナーが初期投資を抑えながら同社のサービスを導入できる仕組みを構築している。ファイナンススキーム「BRO-ZERO」が強いツールになり、新規顧客の開拓に拍車がかかりそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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1. 会社概要
ブロードエンタープライズ<4415>は、「不動産オーナーのキャッシュ・フローを最大化する」をミッションとして掲げ、マンション向け高速インターネット「B-CUBIC」「B-CUBIC Next」、IoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」、宅内IoTリノベーション「BRO-ROOM」、外壁・修繕工事「BRO-WALL」を軸に、スマートロックやスマートカメラなどの各種IoTデバイスを提供し、オーナーが所有する物件の価値向上を実現している。同社が提供する初期導入費用ゼロ円のファイナンススキーム「BRO-ZERO」によって、オーナーは初期投資も抑えられ、これが顧客獲得の強みになっている。
同社は2000年に、代表取締役社長である中西 良祐(なかにし りょうすけ)氏により創業した。2003年に西日本電信電話(株)(NTT西日本)の光ファイバー回線「Bフレッツ」の販売代理事業を受託した後にマンション向けインターネットサービス事業に参入した。その後、2005年にマンション向け高速インターネット「B-CUBIC」、2019年にIoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」、2023年に契約期間の縛りをなくした「B-CUBIC Next」、宅内IoTリノベーションサービス「BRO-ROOM」、2024年には特定建設業許可を取得し、外壁塗装・修繕工事「BRO-WALL」の提供を開始し、事業領域を順調に拡大させてきた。事業内容の拡大に伴ってサービス提供地域も順調に広がり、2005年の東京を皮切りに2006年に福岡、2018年に名古屋、2022年には横浜・神戸・広島※に支店を開設するなど全国展開、北海道から沖縄までサービスを提供している。
※ 横浜・神戸は2024年、東京・大阪に統合
2. 収益構造
同社の収益構造は、インターネットサービスの提供によるストック収益モデルと機器・IoTデバイスの販売・施工、内装・外装施工によるフロー収益モデルで構成されている。「B-CUBIC」と「B-CUBIC Next」の販売から継続的に計上される売上(ストック売上)と、「BRO-LOCK」、各種IoTデバイス、「BRO-ROOM」「BRO-WALL」「B-CUBIC Next」の販売から一括で計上される売上(フロー売上)によって、安定した収益基盤と高い売上成長の両立を可能にしている。とりわけ、2023年にスタートした「B-CUBIC Next」「BRO-ROOM」の提供がフロー売上高に厚みを持たせている。
債権流動化を活用した初期導入費用ゼロ円のファイナンススキーム「BRO-ZERO」は、物件の設備やサービスについての初期費用を不要としたことにより、新規顧客の拡大につながると見られる。
3. 事業内容
(1) 「B-CUBIC」「B-CUBIC Next」
「B-CUBIC」は、マンションの全居室に対してインターネット環境を一斉に導入する「全戸一括型」のインターネットサービスである。マンションオーナーは「B-CUBIC」でインターネット環境を整えることによって空室対策ができる。一方、初期投資を抑える「初期導入費用ゼロ円プラン」は債権流動化を活用したファイナンススキームであり、顧客の70%以上が利用している。契約期間の縛りをなくした「B-CUBIC Next」の提供開始によって導入のハードルを下げる効果が期待でき、これが差別化となり優位に立つことを可能にした。また、インターネットサービスである「B-CUBIC」を起点として、様々なIoTサービスやデバイスを提供している。
(2) 「BRO-LOCK」
「BRO-LOCK」は、インターネット回線を介してマンションのエントランスをオートロック化するための顔認証付きIoTインターフォンシステムで、「顔認証」「ICカード認証」「QRコード認証」「時限式暗証番号認証」などの方法による解錠が可能だ。スマートフォンを利用することで外出先から来訪者への応対もできる。これも「初期導入費用ゼロ円プラン」で導入可能だ。さらに、設置からアフターフォローまでの一貫対応や、管理業務を軽減できるクラウドサービスが導入でき、マンションオーナーまたは管理会社の管理業務の効率化に貢献している。
(3) 「BRO-ROOM」
不動産オーナーの初期導入費用を抑えながら空室のIoTリノベーションを可能にするサービスとして、2023年7月に提供を開始した。これは、三菱地所<8802>の総合スマートホームサービス「HOMETACT」をはじめとしたスマートホームデバイスの設置と、提携先のリフォーム会社による宅内の内装リノベーションを同時に施工することで、IoTリノベーションを実現するサービスである。不動産オーナーは「BRO-ROOM」の導入によって、初期投資の負担を軽減しながら空室対策を強化することが可能だ。既築賃貸市場で債権流動化の仕組みを活用する例は他に見当たらず、他社との差別化ポイントになる。2023年7月に提供を開始してから2024年12月までの1年半で400室の実績を挙げた。
(4) 「BRO-WALL」
不動産オーナーの初期導入費用を抑えながら物件の修繕を可能にするサービスとして、2024年10月に提供を開始した。事業開始にあたり、建築士、施工管理技士の資格を持つ人財を採用し、建築一式工事を請負できるよう特定建設業許可を取得。2024年第4四半期だけで12棟87百万円の売上高を計上した。
(5) 各種IoTデバイス
「B-CUBIC」をベースにIoTデバイスをワンストップで提供しており、スマートカメラ(セキュリティカメラ)、スマートロック、宅配ボックスなどを提供している。これらのデバイスも、初期導入費用ゼロ円で導入できる。
(6) 「BRO-ZERO」
物件を所有しているが、手持ち資金に不安な場合でも、同社が進めるファイナンススキームである「BRO-ZERO」を活用すれば事業化が可能になり、新規顧客層の拡大につながりそうだ。これは、リノベーションや設備導入にかかる初期相当費用を同社が立て替え、毎月分割での支払いで回収するスキームである。金融機関の審査が不要、現在ある与信枠を使わない、最大10年間の分割が可能、などによって物件の事業化を進めやすくなる。これについては、空き家所有者の相談窓口「アキカツカウンター」、マッチングプラットフォーム「アキカツナビ」を運営する空き家活用(株)と業務提携し、「ショキゼロ民泊」「ショキゼロ賃貸」のサービスを開始した。一方、三菱UFJ銀行と借入極度額20億円でのタームアウトオプション付コミットメントライン契約を締結するなど、ビジネスを遂行するための資金面での不安は軽減されている。
4. 市場環境と強み
日本の総人口が減少傾向にありながらも貸家の新設着工戸数は増加しているため、空室率の上昇により不動産オーナーのキャッシュ・フローが悪化する傾向が強い。そうしたなかで同社は、提供する各サービスによって、物件のバリューアップと不動産オーナーのキャッシュ・フローの最大化に寄与している。入居者にとっては「インターネット無料」や「オートロック」といった設備を装備している集合住宅や現代に合わせた内装にリノベーションされている部屋に魅力を感じるため、同社のサービスの導入により空室率の改善及び賃料上昇の実現が可能になる。
一方、同社が取引している管理会社の数は953社(2024年12月時点)であり、賃貸住宅管理事業者登録数8,898社(2023年9月末時点、国土交通省調べ)のうち10.7%と取引しているに過ぎない。これら管理会社とは強固な取引関係にあるうえ、市場開拓余地も広いと言えよう。
同社は債権流動化の仕組みを賃貸・既築市場に応用することで不動産オーナーが初期投資を抑えながら同社のサービスを導入できる仕組みを構築している。ファイナンススキーム「BRO-ZERO」が強いツールになり、新規顧客の開拓に拍車がかかりそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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