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AndDo Research Memo(4):不動産売買事業では中古住宅を強化
配信日時:2025/04/11 14:04
配信元:FISCO
*14:04JST AndDo Research Memo(4):不動産売買事業では中古住宅を強化
■And Doホールディングス<3457>の事業概要
(4) 不動産売買事業(同34,444百万円、営業利益2,386百万円)
1) ビジネスモデル
中古住宅の買取り再生販売、新築戸建住宅建売、住宅用地の開発、一棟収益不動産の再生販売など、同社が自ら不動産を取得し、付加価値を付け、一般顧客・投資家へ販売する事業。
2024年6月期の不動産売買事業の売上高の内訳は、住宅系が24,982百万円(構成比72.5%)、収益・大型その他が9,461百万円(同27.5%)であった。さらに、住宅系売上高に占める中古住宅(中古戸建とマンション)の比率は26.0%で、今後もこの分野に注力する方針である。
(5) 不動産流通事業(同1,655百万円、営業利益578百万円)
不動産流通事業は、「建売住宅」「中古住宅」「土地」などの不動産の売買仲介を行う事業。
(6) リフォーム事業(同2,440百万円、営業利益234百万円)
現状回復のリフレッシュリフォーム、機能性やデザイン性など付加価値を付けたリフォームや引き渡し後のメンテンナンス、お困りごとに対応する小工事リフォームなどを行う事業。
3. 特色、強み
(1) 社会問題解決のサービス化
同社の最大の特色は、不動産・金融業界に関連する様々な事業を展開し、不動産業界や日本社会が抱える問題(例えば高齢者の住宅問題等)に対するソリューションを提供できることだ。不動産売買仲介で業界最大級のネットワークを有し、業界初のサービス・事業を次々と開発・商品化している。その一例を挙げると、2013年10月に開始した買い取りに特化したフランチャイズ事業「ハウスドゥ家・不動産買取専門店」、住みながら家の売却を可能にした「ハウス・リースバック事業」、2017年10月に開始した金融機関との提携による「リバースモーゲージ保証事業」など、多岐にわたる。近年は、外部企業との連携によるサービス拡充にも注力している。また、2024年6月にはドローンによる屋根外装点検サービス「DroneRoofer(ドローンルーファー)」を開発・提供する(株)CLUEとの業務提携により、同サービスの提供を開始した。
最大の強みは「事業価値連鎖」のすべてに精通
(2) 「事業価値連鎖」に精通
同社の強みは、不動産市場における「引き合い」「検討・査定」「仲介・売買」という一連の「事業価値連鎖」のすべてに精通しており、これらを一連で実行できることだ。
1) 引き合い
700超の全国店舗網を有し、ハウス・リースバックの先駆者として早くから全国展開を行ってきたため、全国の様々な消費者ニーズを敏感に察知して拾い上げることができる。すなわち「地域カバーの広さ」と「情報収集力」が同社の特色であり、強みである。
2) 検討・査定
豊富な不動産売買実績に基づき全国の取引価格を把握することができることに加え、長年の不動産取引で培われた「評価能力」が強みだ。また、競合各社は「販売データ」を有しているのに対して、同社は多くの「成約データ」を有しており、リスク対応力が高いと言える。これにより、不動産の与信枠を最大化できる。
3) 仲介・売買
もう一つの同社の強みは、全国のネットワークを駆使して様々な不動産物件をすぐに資金化できること、すなわち全国700店舗を含めた不動産仲介チェーンとしての強い販売力だ。具体的には、半年以上買い手がつかなかった物件を、同社は売主の希望額で10日で売却した例がある。また店舗間連携により、遠方の物件を売却できた例もある。
(3) 加盟店のDXを推進
加盟店のDXを積極的に推進しているのも同社の特色であり強みと言える。同社は、時代のニーズに即したソリューションサービスを提供する「不動産サービスメーカー」として、リアルの店舗ネットワークとIT・Webを融合したサービスを提供している。
一例を挙げると、同社オリジナルの不動産業向け基幹システム「DO NETWORK」がある。同システムは、不動産業務に必要な物件・顧客・業者・契約といった情報を一括管理でき、集客・営業支援、物件顧客マッチングシステム、追客支援、最新不動産情報配信メールサービスなど、同社が現場で培ってきた“使える”ノウハウをシステム化している点に特長がある。業務効率化、時間短縮、コスト削減のほか、中小企業の生産性向上を支援しており、2024年4月には経済産業省のIT導入補助金2024※対象サービスに認定された。IT導入支援事業者としては7度目の採択となる。
※ 認定を受けたIT導入支援事業者の指定ITツールを導入する際、そのシステムの導入費用の1/2以下(最大150万円未満)が補助される。
2020年8月には、「デジタルトランスフォーメーション(DX)推進本部」を設立した。不動産業で一般的な対面でのやり取りや書面交付を基本とした旧来の取り引きから脱却し、顧客が安心・便利に利用できる「不動産×金融×IT」を融合したサービスの提供を推進している。この背景として、コロナ禍を契機に社会全体がDX推進への機運を一層高めたことが挙げられる。具体的には、業務面でオンライン商談、在宅勤務などのテレワーク、Web会議システムの導入などが進んだほか、不動産サービスのオンライン化としてオンライン内覧、無人オープンハウス、VR内見などを展開している。
2021年4月には、IoT機器を標準装備した「スマートDOホーム」の販売を開始した。家電のほか、玄関カギの開閉やお湯はりなどが専用のスマートフォンアプリや音声で操作ができ、顧客は家電や設備を自動連携することで新しい生活スタイルを手に入れることができる。
4. 主な競合
各事業における主な競合や同社の強みは以下のようになっている。
(1) フランチャイズ事業
フランチャイズ事業を展開する競合会社としてはセンチュリー21・ジャパン<8898>(約1,000の店舗を展開)が挙げられる。センチュリー21・ジャパンに対しての同社の強みは、直営店で培ったノウハウを提供できることにある。
(2) ハウス・リースバック事業
同社は、この事業の先駆者であり当初は独占に近かったが、最近では主に(株)セゾンファンデックス、一建設(株)(飯田グループホールディングス<3291>傘下)、インテリックス<8940>と競合する。同社の強みは、物件に対する「査定力」と全国対応(エリアカバー率)である。
(3) 金融事業
リバースモーゲージ保証事業では、同社の強みは全国規模で多くの金融機関と提携している点だろう。これにより、多くの情報(物件やリスク情報、市場動向など)が同社に集まってくる点は同業他社に比べて強みと言える。
(4) 不動産売買事業
競合は無数に存在するが、同社の強みは全国に広がった情報網と物件に対する知見、査定力である。
(5) 不動産流通事業
この分野も競合は無数に存在するが、同社の強みは、顧客のニーズを確実にくみ取ることにより、「土地仲介+新築建築」、「中古住宅仲介+リフォーム」、「売却計画+住み替え」など複合的な提案が行える点である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
(4) 不動産売買事業(同34,444百万円、営業利益2,386百万円)
1) ビジネスモデル
中古住宅の買取り再生販売、新築戸建住宅建売、住宅用地の開発、一棟収益不動産の再生販売など、同社が自ら不動産を取得し、付加価値を付け、一般顧客・投資家へ販売する事業。
2024年6月期の不動産売買事業の売上高の内訳は、住宅系が24,982百万円(構成比72.5%)、収益・大型その他が9,461百万円(同27.5%)であった。さらに、住宅系売上高に占める中古住宅(中古戸建とマンション)の比率は26.0%で、今後もこの分野に注力する方針である。
(5) 不動産流通事業(同1,655百万円、営業利益578百万円)
不動産流通事業は、「建売住宅」「中古住宅」「土地」などの不動産の売買仲介を行う事業。
(6) リフォーム事業(同2,440百万円、営業利益234百万円)
現状回復のリフレッシュリフォーム、機能性やデザイン性など付加価値を付けたリフォームや引き渡し後のメンテンナンス、お困りごとに対応する小工事リフォームなどを行う事業。
3. 特色、強み
(1) 社会問題解決のサービス化
同社の最大の特色は、不動産・金融業界に関連する様々な事業を展開し、不動産業界や日本社会が抱える問題(例えば高齢者の住宅問題等)に対するソリューションを提供できることだ。不動産売買仲介で業界最大級のネットワークを有し、業界初のサービス・事業を次々と開発・商品化している。その一例を挙げると、2013年10月に開始した買い取りに特化したフランチャイズ事業「ハウスドゥ家・不動産買取専門店」、住みながら家の売却を可能にした「ハウス・リースバック事業」、2017年10月に開始した金融機関との提携による「リバースモーゲージ保証事業」など、多岐にわたる。近年は、外部企業との連携によるサービス拡充にも注力している。また、2024年6月にはドローンによる屋根外装点検サービス「DroneRoofer(ドローンルーファー)」を開発・提供する(株)CLUEとの業務提携により、同サービスの提供を開始した。
最大の強みは「事業価値連鎖」のすべてに精通
(2) 「事業価値連鎖」に精通
同社の強みは、不動産市場における「引き合い」「検討・査定」「仲介・売買」という一連の「事業価値連鎖」のすべてに精通しており、これらを一連で実行できることだ。
1) 引き合い
700超の全国店舗網を有し、ハウス・リースバックの先駆者として早くから全国展開を行ってきたため、全国の様々な消費者ニーズを敏感に察知して拾い上げることができる。すなわち「地域カバーの広さ」と「情報収集力」が同社の特色であり、強みである。
2) 検討・査定
豊富な不動産売買実績に基づき全国の取引価格を把握することができることに加え、長年の不動産取引で培われた「評価能力」が強みだ。また、競合各社は「販売データ」を有しているのに対して、同社は多くの「成約データ」を有しており、リスク対応力が高いと言える。これにより、不動産の与信枠を最大化できる。
3) 仲介・売買
もう一つの同社の強みは、全国のネットワークを駆使して様々な不動産物件をすぐに資金化できること、すなわち全国700店舗を含めた不動産仲介チェーンとしての強い販売力だ。具体的には、半年以上買い手がつかなかった物件を、同社は売主の希望額で10日で売却した例がある。また店舗間連携により、遠方の物件を売却できた例もある。
(3) 加盟店のDXを推進
加盟店のDXを積極的に推進しているのも同社の特色であり強みと言える。同社は、時代のニーズに即したソリューションサービスを提供する「不動産サービスメーカー」として、リアルの店舗ネットワークとIT・Webを融合したサービスを提供している。
一例を挙げると、同社オリジナルの不動産業向け基幹システム「DO NETWORK」がある。同システムは、不動産業務に必要な物件・顧客・業者・契約といった情報を一括管理でき、集客・営業支援、物件顧客マッチングシステム、追客支援、最新不動産情報配信メールサービスなど、同社が現場で培ってきた“使える”ノウハウをシステム化している点に特長がある。業務効率化、時間短縮、コスト削減のほか、中小企業の生産性向上を支援しており、2024年4月には経済産業省のIT導入補助金2024※対象サービスに認定された。IT導入支援事業者としては7度目の採択となる。
※ 認定を受けたIT導入支援事業者の指定ITツールを導入する際、そのシステムの導入費用の1/2以下(最大150万円未満)が補助される。
2020年8月には、「デジタルトランスフォーメーション(DX)推進本部」を設立した。不動産業で一般的な対面でのやり取りや書面交付を基本とした旧来の取り引きから脱却し、顧客が安心・便利に利用できる「不動産×金融×IT」を融合したサービスの提供を推進している。この背景として、コロナ禍を契機に社会全体がDX推進への機運を一層高めたことが挙げられる。具体的には、業務面でオンライン商談、在宅勤務などのテレワーク、Web会議システムの導入などが進んだほか、不動産サービスのオンライン化としてオンライン内覧、無人オープンハウス、VR内見などを展開している。
2021年4月には、IoT機器を標準装備した「スマートDOホーム」の販売を開始した。家電のほか、玄関カギの開閉やお湯はりなどが専用のスマートフォンアプリや音声で操作ができ、顧客は家電や設備を自動連携することで新しい生活スタイルを手に入れることができる。
4. 主な競合
各事業における主な競合や同社の強みは以下のようになっている。
(1) フランチャイズ事業
フランチャイズ事業を展開する競合会社としてはセンチュリー21・ジャパン<8898>(約1,000の店舗を展開)が挙げられる。センチュリー21・ジャパンに対しての同社の強みは、直営店で培ったノウハウを提供できることにある。
(2) ハウス・リースバック事業
同社は、この事業の先駆者であり当初は独占に近かったが、最近では主に(株)セゾンファンデックス、一建設(株)(飯田グループホールディングス<3291>傘下)、インテリックス<8940>と競合する。同社の強みは、物件に対する「査定力」と全国対応(エリアカバー率)である。
(3) 金融事業
リバースモーゲージ保証事業では、同社の強みは全国規模で多くの金融機関と提携している点だろう。これにより、多くの情報(物件やリスク情報、市場動向など)が同社に集まってくる点は同業他社に比べて強みと言える。
(4) 不動産売買事業
競合は無数に存在するが、同社の強みは全国に広がった情報網と物件に対する知見、査定力である。
(5) 不動産流通事業
この分野も競合は無数に存在するが、同社の強みは、顧客のニーズを確実にくみ取ることにより、「土地仲介+新築建築」、「中古住宅仲介+リフォーム」、「売却計画+住み替え」など複合的な提案が行える点である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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