注目トピックス 日本株
サイオス Research Memo(3):2024年12月期業績は過去最高売上を更新、各利益も3期振りの黒字に転換
配信日時:2025/04/03 14:03
配信元:FISCO
*14:03JST サイオス Research Memo(3):2024年12月期業績は過去最高売上を更新、各利益も3期振りの黒字に転換
■業績動向
1. 2024年12月期の業績概要
2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比29.4%増の20,561百万円、営業利益で35百万円(前期は208百万円の損失)、経常利益で189百万円(同15百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で351百万円(同18百万円の損失)となり、売上高は過去最高を更新、各利益は3期ぶりに黒字転換した。また、サイオス<3744>がKPIとするEBITDAは87百万円(同147百万円の損失)、ROICは1.5%(同-10.1%)といずれも良化した。
売上高はRed Hat,Inc.関連商品が大きく伸張したほか、「LifeKeeper」や「Gluegentシリーズ」などの自社開発品、APIソリューション事業などが順調に増加し、金融機関向け経営支援システム販売事業の減収をカバーした。売上総利益率はRed Hat,Inc.関連商品の構成比上昇により2023年12月期の32.8%から25.9%に低下したが、増収効果により売上総利益は同2.2%増の5,330百万円となった。また、研究開発費を同204百万円減の635百万円と絞り込んだことも営業利益の増加要因となった。特別利益として関係会社株式売却益442百万円を計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は同370百万円増と急回復した。
2024年12月期初計画比では、Red Hat,Inc.関連商品で大型案件を受注したことを主因に売上高は3,961百万円上振れたが、営業利益は金融機関向け経営支援システム販売事業の低迷や米国向け売上の未達により214百万円下振れた。また2024年11月に発表した修正計画比では、「LifeKeeper」やRed Hat,Inc.関連商品の販売が想定を上回ったことにより、売上高が561百万円上振れ、営業利益も販管費が計画を下回ったことなどから105百万円上振れた。同社は2022年12月期に損失を計上して以降、事業構造改革を進めてきたが、金融機関向け経営支援システム販売事業の譲渡により不採算事業の整理は一巡したとしており、今後は自社開発製品・サービスを中心に成長を目指すことになる。
「LifeKeeper」「Gluegentシリーズ」など自社製品が順調に拡大
2. 事業セグメント別の動向
(1) オープンシステム基盤事業
オープンシステム基盤事業の売上高は前期比47.1%増の14,573百万円と大幅増収となり、セグメント利益も同164.8%増の238百万円と2期連続で増益となった。企業の活発なIT投資が続くなか、Red Hat Enterprise LinuxをはじめとするRed Hat,Inc.関連商品において中間期に大型案件を受注したこと、主力自社製品の「LifeKeeper」も国内におけるライセンス販売の増加により伸長したことが増収増益要因となった。Red Hat,Inc.関連商品の大型案件は通常よりも利益率の低い案件だったため、利益への貢献は軽微であった。「LifeKeeper」については、企業の情報システムがクラウドシフトする流れを受けクラウド環境での売上が順調に拡大したほか、オンプレミス向け販売も復調した。
海外売上高については前期比1.5%増の833百万円となった。米国向けが同12.9%減の467百万円と落ち込んだ一方で、欧州向けが同39.0%増の244百万円、アジア他向けが同12.0%増の121百万円となり、欧州向けについては大型案件を複数受注したこともあり4期連続で過去最高売上を更新した。米国向けについては、クラウドシフトの流れが続くなかでオンプレミス販売からの切り替えがうまく進んでいない様子だが、改善策として米子会社の販売・マーケティング機能を強化する。従来は開発人員の増強を進めてきたが、全体の人件費を抑えるなかで販売・マーケティング部門にリソースを投下する方針だ。
(2) アプリケーション事業
アプリケーション事業の売上高は前期比0.3%増の5,986百万円、セグメント損失は205百万円(前期は311百万円の損失)となった。APIソリューション事業は、API領域に特化した高い技術力により活況な市場の需要を取り込み、同1.5倍増と好調な増収となった。また、「Gluegentシリーズ」も新規顧客の獲得が進み順調な増収、MFP向けソフトウェア製品も堅調な増収となった。一方で、金融機関向けのシステム開発・構築支援や経営支援システム販売事業が減収となり、売上高が伸び悩む要因となった。利益面では、自社開発製品の増収効果に加えて研究開発費の選択と集中を図ったことが損失額の縮小要因となった。
財務体質の改善が進み、ネットキャッシュは過去最高水準に積み上がる
3. 財務状況と経営指標
2024年12月期末の資産合計は前期末比1,378百万円増加の8,085百万円となった。主な変動要因については、流動資産では現金及び預金が1,073百万円、売掛金及び契約資産が116百万円、前渡金が112百万円それぞれ増加した。固定資産ではソフトウェア(仮勘定含む)が32百万円増加した一方で、有形固定資産が65百万円、退職給付に係る資産が54百万円それぞれ減少した。
負債合計は前期末比1,029百万円増加の6,547百万円となった。有利子負債が78百万円減少した一方で、将来の売上高となる契約負債が638百万円増加したほか、買掛金が311百万円、未払法人税等が210百万円増加した。契約負債が発生する製品・サービスは、「LifeKeeper」(オンプレミス版の年間サポート料金やサブスクリプション契約の利用料)や「Gluegentシリーズ」、MFP向けソフトウェア製品(サブスクリプション契約の利用料)等、ストック型収入に該当するものである。契約負債の増加は、新規顧客の獲得や既存顧客のアップセルが進んだ結果と捉えることができ、今後の収益増加を示す先行指標の1つとして、ポジティブに評価される。純資産合計は同349百万円減の1,537百万円となった。利益剰余金が301百万円増加したほか、為替換算調整勘定が32百万円増加したことなどによる。
経営指標については、自己資本比率が前期末の16.4%から17.7%に上昇し、有利子負債比率が同16.5%から7.1%に低下するなど、財務の健全性が向上した。ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)も契約負債の増加や関係会社株式売却益の計上等により3,575百万円と過去最高水準に積み上がるなど、ここ数年取り組んできたストック型ビジネスへの転換による財務基盤の強化が進んでいるものと評価される。ストック型ビジネスの売上高については非開示だが、契約負債残高は毎年右肩上がりに増加しており、次年度売上高に占める比率で見ても2019年12月期末の12.4%から2024年12月期末には20.3%(2025年12月期売上計画で算出)に上昇している。2023年12月期末の数値が15.6%と落ち込んだが、これはRed Hat,Inc.関連商品が大幅増収となった影響によるもので、中期的に見れば同比率の上昇トレンドが続くものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2024年12月期の業績概要
2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比29.4%増の20,561百万円、営業利益で35百万円(前期は208百万円の損失)、経常利益で189百万円(同15百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で351百万円(同18百万円の損失)となり、売上高は過去最高を更新、各利益は3期ぶりに黒字転換した。また、サイオス<3744>がKPIとするEBITDAは87百万円(同147百万円の損失)、ROICは1.5%(同-10.1%)といずれも良化した。
売上高はRed Hat,Inc.関連商品が大きく伸張したほか、「LifeKeeper」や「Gluegentシリーズ」などの自社開発品、APIソリューション事業などが順調に増加し、金融機関向け経営支援システム販売事業の減収をカバーした。売上総利益率はRed Hat,Inc.関連商品の構成比上昇により2023年12月期の32.8%から25.9%に低下したが、増収効果により売上総利益は同2.2%増の5,330百万円となった。また、研究開発費を同204百万円減の635百万円と絞り込んだことも営業利益の増加要因となった。特別利益として関係会社株式売却益442百万円を計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は同370百万円増と急回復した。
2024年12月期初計画比では、Red Hat,Inc.関連商品で大型案件を受注したことを主因に売上高は3,961百万円上振れたが、営業利益は金融機関向け経営支援システム販売事業の低迷や米国向け売上の未達により214百万円下振れた。また2024年11月に発表した修正計画比では、「LifeKeeper」やRed Hat,Inc.関連商品の販売が想定を上回ったことにより、売上高が561百万円上振れ、営業利益も販管費が計画を下回ったことなどから105百万円上振れた。同社は2022年12月期に損失を計上して以降、事業構造改革を進めてきたが、金融機関向け経営支援システム販売事業の譲渡により不採算事業の整理は一巡したとしており、今後は自社開発製品・サービスを中心に成長を目指すことになる。
「LifeKeeper」「Gluegentシリーズ」など自社製品が順調に拡大
2. 事業セグメント別の動向
(1) オープンシステム基盤事業
オープンシステム基盤事業の売上高は前期比47.1%増の14,573百万円と大幅増収となり、セグメント利益も同164.8%増の238百万円と2期連続で増益となった。企業の活発なIT投資が続くなか、Red Hat Enterprise LinuxをはじめとするRed Hat,Inc.関連商品において中間期に大型案件を受注したこと、主力自社製品の「LifeKeeper」も国内におけるライセンス販売の増加により伸長したことが増収増益要因となった。Red Hat,Inc.関連商品の大型案件は通常よりも利益率の低い案件だったため、利益への貢献は軽微であった。「LifeKeeper」については、企業の情報システムがクラウドシフトする流れを受けクラウド環境での売上が順調に拡大したほか、オンプレミス向け販売も復調した。
海外売上高については前期比1.5%増の833百万円となった。米国向けが同12.9%減の467百万円と落ち込んだ一方で、欧州向けが同39.0%増の244百万円、アジア他向けが同12.0%増の121百万円となり、欧州向けについては大型案件を複数受注したこともあり4期連続で過去最高売上を更新した。米国向けについては、クラウドシフトの流れが続くなかでオンプレミス販売からの切り替えがうまく進んでいない様子だが、改善策として米子会社の販売・マーケティング機能を強化する。従来は開発人員の増強を進めてきたが、全体の人件費を抑えるなかで販売・マーケティング部門にリソースを投下する方針だ。
(2) アプリケーション事業
アプリケーション事業の売上高は前期比0.3%増の5,986百万円、セグメント損失は205百万円(前期は311百万円の損失)となった。APIソリューション事業は、API領域に特化した高い技術力により活況な市場の需要を取り込み、同1.5倍増と好調な増収となった。また、「Gluegentシリーズ」も新規顧客の獲得が進み順調な増収、MFP向けソフトウェア製品も堅調な増収となった。一方で、金融機関向けのシステム開発・構築支援や経営支援システム販売事業が減収となり、売上高が伸び悩む要因となった。利益面では、自社開発製品の増収効果に加えて研究開発費の選択と集中を図ったことが損失額の縮小要因となった。
財務体質の改善が進み、ネットキャッシュは過去最高水準に積み上がる
3. 財務状況と経営指標
2024年12月期末の資産合計は前期末比1,378百万円増加の8,085百万円となった。主な変動要因については、流動資産では現金及び預金が1,073百万円、売掛金及び契約資産が116百万円、前渡金が112百万円それぞれ増加した。固定資産ではソフトウェア(仮勘定含む)が32百万円増加した一方で、有形固定資産が65百万円、退職給付に係る資産が54百万円それぞれ減少した。
負債合計は前期末比1,029百万円増加の6,547百万円となった。有利子負債が78百万円減少した一方で、将来の売上高となる契約負債が638百万円増加したほか、買掛金が311百万円、未払法人税等が210百万円増加した。契約負債が発生する製品・サービスは、「LifeKeeper」(オンプレミス版の年間サポート料金やサブスクリプション契約の利用料)や「Gluegentシリーズ」、MFP向けソフトウェア製品(サブスクリプション契約の利用料)等、ストック型収入に該当するものである。契約負債の増加は、新規顧客の獲得や既存顧客のアップセルが進んだ結果と捉えることができ、今後の収益増加を示す先行指標の1つとして、ポジティブに評価される。純資産合計は同349百万円減の1,537百万円となった。利益剰余金が301百万円増加したほか、為替換算調整勘定が32百万円増加したことなどによる。
経営指標については、自己資本比率が前期末の16.4%から17.7%に上昇し、有利子負債比率が同16.5%から7.1%に低下するなど、財務の健全性が向上した。ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)も契約負債の増加や関係会社株式売却益の計上等により3,575百万円と過去最高水準に積み上がるなど、ここ数年取り組んできたストック型ビジネスへの転換による財務基盤の強化が進んでいるものと評価される。ストック型ビジネスの売上高については非開示だが、契約負債残高は毎年右肩上がりに増加しており、次年度売上高に占める比率で見ても2019年12月期末の12.4%から2024年12月期末には20.3%(2025年12月期売上計画で算出)に上昇している。2023年12月期末の数値が15.6%と落ち込んだが、これはRed Hat,Inc.関連商品が大幅増収となった影響によるもので、中期的に見れば同比率の上昇トレンドが続くものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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