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株価指数先物 【週間展望】―トランプ政権の相互関税でボラティリティ高まる

配信日時:2025/03/30 17:00 配信元:MINKABU
 今週の日経225先物は、トランプ米政権の関税政策によって不確実性が高まり、ボラティリティの高い相場展開となりそうだ。トランプ米大統領は4月2日に相互関税を導入するほか、3日にはすべての輸入車に25%の関税を課す。3月28日の米国市場では貿易戦争への警戒に加え、この日発表された経済指標を受けて米国のインフレ懸念が改めて強まった。  2月の米個人消費支出(PCE)統計では、米連邦準備理事会(FRB)が注目する食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は前月比0.4%上昇し、市場予想(0.3%上昇)を上回り約1年ぶりの伸びとなった。また、3月の米ミシガン大学消費者態度指数(確報値)は57.0と速報値(57.9)から下方修正された。1年先のインフレ期待は5.0%に上昇し、2022年以来の高水準となっている。  NYダウ、S&P500、ナスダックの主要な株価指数は大幅に下落。半導体SOX指数は3%近く下げ、終値では昨年1月18日以来となる4300割れとなった。シカゴ日経平均先物は大阪比630円安の3万6380円。日経225先物のナイトセッションは日中比710円安の3万6300円でナイトセッションの安値で終えた。  週明けの東京市場は、米株安の影響を受けてインデックスに絡んだ売りが入りやすく、先物市場ではヘッジ対応のショートが強まる可能性がある。ナイトセッションではボリンジャーバンドの-1σ(3万6710円)を下抜け、-2σ(3万6150円)に接近。調整幅としては下げ止まりが意識されてくるが、-2σを明確に割り込んでくると-3σ(3万5590円)へのバイアスが強まることも想定しておく必要がありそうだ。  一方で、トランプ大統領は関税を巡る交渉についてはオープンと述べている。トランプ政権による関税政策が明らかになり、関税の水準や各国との協議の進展へ関心が移ることになり、いったんはアク抜け感からのリバウンドが意識される局面もあるだろう。まずは4月3日の輸入車への関税発動を受けた各国の対応が注目されることになりそうだ。  ただ、トランプ大統領は米大手自動車メーカーに対して関税を理由とした値上げをしないよう警告していたと報じられている。関税によるコスト増を価格に転嫁できない状況になるため、企業業績に対する警戒感が投資家のセンチメントを冷ますことになるだろう。  日経225先物は3万6000円割れから-3σ水準が射程に入る半面、アク抜け感が強まるようだと先週の下げに対するリバウンドが意識されるため、25日移動平均線(3万7270円)および+1σ(3万7830円)水準が射程に入る。今週は3日に米国3月ISM非製造業景気指数、4日には3月の米雇用統計の発表が予定されているが、市場の関心は関税一択であり、それほど材料視されないだろう。そのため、楽観視はできないものの、関税発動後は押し目狙いのロング対応とし、各国の動向に注目したい。  28日の米VIX指数は21.65(27日は18.69)に上昇した。10日の29.57をピークに調整していたが、26日の16.97をボトムにリバウンドをみせており、週間(3月21日:19.28)でも上昇した。週前半の下げで75日線、200日線を割り込んだ後に、週末の急伸で一気に25日線(21.38)を突破してきた。心理的な分かれ目となる20.00を上回ったことでリスク回避姿勢が強まろう。ただし、同水準までのリバウンドは想定されていたと考えられ、関税発動後に10日につけた直近高値水準までの上昇とならなければ、落ち着きをみせてくる可能性はありそうだ。  先週末のNT倍率は先物中心限月で13.47倍(27日は13.44倍)に上昇したが、ボトム圏での推移が続いており、一時13.42倍まで低下する場面もみられた。配当落ちの影響もあって東証プライムの値下がり数が1400を超える状況のなか、相対的にTOPIX型の弱さにつながったようだ。ただし、アドバンテスト<6857>[東証P]が一時、昨年10月以来となる7000円割れまで売られるなど、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となっている。アク抜けによるリバランスの可能性はあるものの、リスク回避姿勢から内需系にシフトしやすく、NTショートに振れやすい需給状況が続きそうだ。  3月第3週(3月17日-21日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では5週ぶりの買い越しであり、買い越し額は6982億円(3月第2週は5459億円の売り越し)だった。なお、現物は2611億円の買い越し(同8085億円の売り越し)と5週ぶりの買い越しであり、先物は4371億円の買い越し(同2626億円の買い越し)と2週連続の買い越し。個人は現物と先物の合算で4982億円の売り越しと3週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2391億円の売り越しとなり、5週ぶりの売り越し。  主要スケジュールでは、31日に2月鉱工業生産、中国3月製造業PMI、4月1日に2月完全失業率、日銀短観、中国3月財新製造業PMI、米国3月ISM製造業景気指数、2日に米国3月ADP雇用統計、米国2月製造業新規受注、トランプ大統領が相互関税の詳細公表、3日に米国2月貿易収支、米国3月ISM非製造業景気指数、米国が輸入自動車に25%の関税発動、4日に2月全世帯家計調査、米国3月雇用統計、パウエルFRB議長講演などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 04月限 日経225 39820.59  TOPIX  2766.89 05月限 日経225 38509.47  TOPIX  2728.75 06月限 日経225 38535.35  TOPIX  2714.56 07月限 日経225 41531.26  TOPIX  2893.54 08月限 日経225 35661.68  TOPIX  2510.68 09月限 日経225 36906.92  TOPIX  2585.41 10月限 日経225 39701.93  TOPIX  2721.72 11月限 日経225 39901.35  TOPIX  2765.26 12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68 01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70 02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06 02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06 03月限 日経225 36483.79  TOPIX  2684.98 ◆日経225先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 25/06 03月28日  37390  37530  36900  37010  -400 25/06 03月27日  37790  37810  37290  37410  -390 25/06 03月26日  37580  37970  37540  37800  +220 25/06 03月25日  37430  37870  37340  37580  +230 25/06 03月24日  37420  37590  37100  37350  -50 ◇TOPIX先物(日足)          始値   高値   安値   清算値  前日比 25/06 03月28日  2780.5  2788.0  2746.0  2747.0  -35.5 25/06 03月27日  2789.0  2790.0  2759.0  2782.5  -7.5 25/06 03月26日  2776.5  2803.5  2771.0  2790.0  +15.0 25/06 03月25日  2766.0  2792.0  2762.0  2775.0  +13.5 25/06 03月24日  2778.5  2784.5  2754.0  2761.5  -16.0 ●シカゴ日経平均 円建て           清算値  前日大阪比 03月28日(06月限)  03月27日(06月限) 37395  -15 03月26日(06月限) 37460  -340 03月25日(06月限) 37820  +240 03月24日(06月限) 37735  +385 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)         売り   前週末比   買い    前週末比 03月21日    1547億円  +80億円 2兆0618億円  +998億円 03月14日    1466億円 -1555億円 1兆9619億円  +2885億円 03月07日    3021億円  +340億円 1兆6734億円  -2386億円 02月28日    2680億円 +1010億円 1兆9120億円  -64億円 02月21日    1669億円  +53億円 1兆9184億円  -1573億円 02月14日    1616億円  -93億円 2兆0757億円  +841億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数)         売り      前日比  買い       前日比 03月26日    5119万株   -108万株  9億9758万株   +7869万株 03月25日    5227万株    +42万株  9億1889万株   +1233万株 03月24日    5184万株    +98万株  9億0656万株   +561万株 03月21日    5086万株   +387万株  9億0095万株   +443万株 03月19日    4698万株    -58万株  8億9651万株   +75万株 03月18日    4756万株      0株  8億9576万株   +2180万株 03月17日    4756万株    -28万株  8億7395万株   +46万株 03月14日    4785万株   -3637万株  8億7348万株   +8189万株 03月13日    8422万株   -1199万株  7億9159万株   +9349万株 03月12日    9622万株    -5万株  6億9810万株   +2585万株 03月11日    9627万株   +198万株  6億7225万株   -662万株 03月10日    9429万株   +198万株  6億7887万株   -1422万株 03月07日    9230万株   +601万株  6億9310万株   -9815万株 03月06日    8628万株    -69万株  7億9126万株   +851万株 03月05日    8697万株   +163万株  7億8274万株   -1150万株 03月04日    8534万株   +229万株  7億9424万株   -2533万株 03月03日    8305万株    +80万株  8億1957万株   +1980万株 株探ニュース

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