注目トピックス 日本株
三機工業 Research Memo(7):“Century 2025”は1年前倒しで目標達成、新計画を発表予定
配信日時:2024/12/24 16:06
配信元:FISCO
*16:06JST 三機工業 Research Memo(7):“Century 2025”は1年前倒しで目標達成、新計画を発表予定
■中期経営計画
1. 長期ビジョン“Century 2025”とは
三機工業<1961>は創立100周年に向けた10年間の目標として、2016年3月に長期ビジョン“Century 2025”を発表した。この計画の最初の3年間(2017年3月期~2019年3月期)をPhase1、次の3年間(2020年3月期~2022年3月期)をPhase2、最後の4年間(2023年3月期~2026年3月期)をPhase3とし、各Phaseにおいて、様々な「定性的目標」「定量的目標」を掲げてきた。2023年3月期から“Century 2025”の総仕上げとなるPhase3に入ったが、この計画の最終目標は最終年度である2026年3月期を待たずに1年前倒しで2025年3月期に達成される見込みであることから、会社は「“Century 2025”の終了」を宣言した。
2. Phase3の基本方針
Phase3は、長期ビジョン“Century 2025”の総仕上げとなる中期経営計画として、これまで取り組んできた「質」と「信頼」を高める施策をさらに成熟・進化させるとともに、新たな3つの施策「社会のサステナビリティへの貢献」「働き方改革の加速」「次世代に向けた投資」によってステークホルダーからもっと「選ばれる」会社を実現することを基本方針としている。
3. Phase3の業績目標と経営目標
● 最終年度の業績目標と実績値
定量的な目標は、最終年度である2026年3月期に売上高2,200億円、売上総利益率16.5%、経常利益120億円、配当性向50%以上、ROE8.0%以上としていたが、下表に見られるように、これらの目標は既に2025年3月期中に達成される見込みだ。
4. 中期経営計画の進捗状況
(1) コア事業の強化
1) 建築設備事業
・設計本部を新設、産業空調を中心とした大型、特殊物件への対応力強化、半導体・EV電池関連の大型工事の受注高が大幅に増加。各拠点の設計部門と連携し、見積りの初期段階からデザインレビューを強化。手戻りを減らし、品質のさらなる向上を図る
・ファシリティシステムでスタートアップ企業と共同し、オフィスデザイン業務を効率化するアプリケーションを開発中
2) 機械システム事業
・自動車関連物件への対応力強化のため、中部地区の営業人員を増員
・自動仕分けシステム「メリス・ビアンカ(R)」が2024年度グッドデザイン賞を受賞
3) 環境システム事業
・国内最大の水再生センター「森ヶ崎水再生センター消化ガス発電事業」を受注(DBO方式※)。安定した長期ビジネスを展開するための体制強化
※ DBO(Design Build Operate):設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注するPPP(官民連携)手法のひとつ。本事業において当社は2027年3月までに施設を建設、20年間にわたり維持管理・運営を行う。
(2) 成長戦略の推進
「地球MIRAIプロジェクト」の推進
・次の100年をつくる新たな技術や事業分野を追求する社内プロジェクト。グループ全従業員を対象に“未来に向けたユニークで新しいカイテキ”をテーマとしてアイデアを募集し具体化を目指す。第1期と第2期で選ばれたプロジェクトのブラッシュアップと実現可能性を探索。
(3) 三機ブランドの向上
環境省「環境サステナブル企業」※に認定
・南極地域観測事業への継続した貢献により「国立極地研究所南極観測パートナー企業」に認定
※ 環境省「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」において、「環境関連の重要な機会とリスク」を経営戦略に取り込み、企業価値向上と環境への取り組みを両立している企業を認定。
(4) 財務・資本政策の開示
政策保有株式の縮減方針を開示
・2028年3月末までに政策保有株式を連結純資産の20%未満とすることを目標に、2024年3月末時点から上場株式の銘柄数、金額ともに50%以上削減
・政策保有株式売却によって得られるキャッシュは、企業価値向上につながる次世代に向けた投資へ活用する。
(5) 情報発信力の向上
・小学生向けイベント「かんきょう1日学校」に参画
・朝日新聞社主催の小学生向けイベント「かんきょう1日学校」に、特別協賛企業として参画、約120名の小学生に向けて地球環境に関する授業を開催。本イベントの一環として全国の小学校での出張授業も実施
・テレビ、新聞等のメディアを通した三機ブランドの発信強化
・7月21日放送テレビ東京系列「南極観測船“しらせ”に乗せてもらいました!」に広告出稿(同社社員が第64次、65次南極地域観測隊として出演)
・9月15日放送テレビ東京系列「何で会社辞めないんですか?」に同社が出演し、同社YouTubeチャンネルでアーカイブ動画を公開中
(6) 社会のサステナビリティへの貢献
・沖縄科学技術大学院大学(OIST)の「サンゴプロジェクト」スペシャルパートナーへ参画
・これまで実施してきた植樹・育樹活動による森づくりの支援と併せて、新たに「海の森」とも称されるサンゴ礁の保全活動への支援を行うことで、より包括的な環境保全活動を展開
・三機環境園※1が環境省「令和6年度前期自然共生サイト」※2に認定
・温室効果ガス削減目標のSBT(Science Based Targets)認定を取得
・企業に対して科学的根拠に基づいた中長期的な温室効果ガス削減目標策定を推進する国際イニシアチブ「SBTi」から2050年温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ目標」と2030年温室効果ガス排出量削減目標「1.5℃水準」について目標の妥当性が認められSBT認定を取得
※1 人と自然環境の共生をコンセプトとした、三機テクノセンター(神奈川県大和市)内の約0.23haの緑地。
※2 2030年までに世界の陸地と海洋の30%以上を保護・保全地域とすることを目指す国際目標「30by30」達成のため、国が認定する「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」。
(7) 働き方改革の加速
・働きやすい環境づくりを全社横断的に実行するため、2015年度に発足した社内プロジェクト「スマイル・プロジェクト」の推進
・労働時間、パソコン使用時間のモニタリング強化や業務プロセスの改善を図る
(8) 3次世代に向けた投資
・建築設備施工のDXを加速(ロボット技術を活用した多用途展開に着手)
・建設業が抱える課題である人材不足や長時間労働の解決に向け、ロボット技術の活用により施工の生産性と品質の向上を図る
・2020年に同社が開発した自動風量計測ロボットの現場導入で得た技術ノウハウを人の手で従来行ってきた騒音、照度などの計測作業にも応用、ロボットが作業を代替することで作業工数の削減を目指す
・「ブランチボール」(3方向分岐装置)を発展させた「BBソータTM」(仕分装置)を開発、東京ビックサイトで開催された「国際物流総合展2024」に出展。段ボール箱だけでなく封筒などの薄物、アパレルなどの袋物や小物も優しく搬送・仕分けすることができ、種類の異なる物が混在する搬送にも対応
・エアロウイング(省エネ型散気装置)の生産拡大のため、海外工場の機能アップに加えて生産設備増強を国内で推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 長期ビジョン“Century 2025”とは
三機工業<1961>は創立100周年に向けた10年間の目標として、2016年3月に長期ビジョン“Century 2025”を発表した。この計画の最初の3年間(2017年3月期~2019年3月期)をPhase1、次の3年間(2020年3月期~2022年3月期)をPhase2、最後の4年間(2023年3月期~2026年3月期)をPhase3とし、各Phaseにおいて、様々な「定性的目標」「定量的目標」を掲げてきた。2023年3月期から“Century 2025”の総仕上げとなるPhase3に入ったが、この計画の最終目標は最終年度である2026年3月期を待たずに1年前倒しで2025年3月期に達成される見込みであることから、会社は「“Century 2025”の終了」を宣言した。
2. Phase3の基本方針
Phase3は、長期ビジョン“Century 2025”の総仕上げとなる中期経営計画として、これまで取り組んできた「質」と「信頼」を高める施策をさらに成熟・進化させるとともに、新たな3つの施策「社会のサステナビリティへの貢献」「働き方改革の加速」「次世代に向けた投資」によってステークホルダーからもっと「選ばれる」会社を実現することを基本方針としている。
3. Phase3の業績目標と経営目標
● 最終年度の業績目標と実績値
定量的な目標は、最終年度である2026年3月期に売上高2,200億円、売上総利益率16.5%、経常利益120億円、配当性向50%以上、ROE8.0%以上としていたが、下表に見られるように、これらの目標は既に2025年3月期中に達成される見込みだ。
4. 中期経営計画の進捗状況
(1) コア事業の強化
1) 建築設備事業
・設計本部を新設、産業空調を中心とした大型、特殊物件への対応力強化、半導体・EV電池関連の大型工事の受注高が大幅に増加。各拠点の設計部門と連携し、見積りの初期段階からデザインレビューを強化。手戻りを減らし、品質のさらなる向上を図る
・ファシリティシステムでスタートアップ企業と共同し、オフィスデザイン業務を効率化するアプリケーションを開発中
2) 機械システム事業
・自動車関連物件への対応力強化のため、中部地区の営業人員を増員
・自動仕分けシステム「メリス・ビアンカ(R)」が2024年度グッドデザイン賞を受賞
3) 環境システム事業
・国内最大の水再生センター「森ヶ崎水再生センター消化ガス発電事業」を受注(DBO方式※)。安定した長期ビジネスを展開するための体制強化
※ DBO(Design Build Operate):設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注するPPP(官民連携)手法のひとつ。本事業において当社は2027年3月までに施設を建設、20年間にわたり維持管理・運営を行う。
(2) 成長戦略の推進
「地球MIRAIプロジェクト」の推進
・次の100年をつくる新たな技術や事業分野を追求する社内プロジェクト。グループ全従業員を対象に“未来に向けたユニークで新しいカイテキ”をテーマとしてアイデアを募集し具体化を目指す。第1期と第2期で選ばれたプロジェクトのブラッシュアップと実現可能性を探索。
(3) 三機ブランドの向上
環境省「環境サステナブル企業」※に認定
・南極地域観測事業への継続した貢献により「国立極地研究所南極観測パートナー企業」に認定
※ 環境省「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」において、「環境関連の重要な機会とリスク」を経営戦略に取り込み、企業価値向上と環境への取り組みを両立している企業を認定。
(4) 財務・資本政策の開示
政策保有株式の縮減方針を開示
・2028年3月末までに政策保有株式を連結純資産の20%未満とすることを目標に、2024年3月末時点から上場株式の銘柄数、金額ともに50%以上削減
・政策保有株式売却によって得られるキャッシュは、企業価値向上につながる次世代に向けた投資へ活用する。
(5) 情報発信力の向上
・小学生向けイベント「かんきょう1日学校」に参画
・朝日新聞社主催の小学生向けイベント「かんきょう1日学校」に、特別協賛企業として参画、約120名の小学生に向けて地球環境に関する授業を開催。本イベントの一環として全国の小学校での出張授業も実施
・テレビ、新聞等のメディアを通した三機ブランドの発信強化
・7月21日放送テレビ東京系列「南極観測船“しらせ”に乗せてもらいました!」に広告出稿(同社社員が第64次、65次南極地域観測隊として出演)
・9月15日放送テレビ東京系列「何で会社辞めないんですか?」に同社が出演し、同社YouTubeチャンネルでアーカイブ動画を公開中
(6) 社会のサステナビリティへの貢献
・沖縄科学技術大学院大学(OIST)の「サンゴプロジェクト」スペシャルパートナーへ参画
・これまで実施してきた植樹・育樹活動による森づくりの支援と併せて、新たに「海の森」とも称されるサンゴ礁の保全活動への支援を行うことで、より包括的な環境保全活動を展開
・三機環境園※1が環境省「令和6年度前期自然共生サイト」※2に認定
・温室効果ガス削減目標のSBT(Science Based Targets)認定を取得
・企業に対して科学的根拠に基づいた中長期的な温室効果ガス削減目標策定を推進する国際イニシアチブ「SBTi」から2050年温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ目標」と2030年温室効果ガス排出量削減目標「1.5℃水準」について目標の妥当性が認められSBT認定を取得
※1 人と自然環境の共生をコンセプトとした、三機テクノセンター(神奈川県大和市)内の約0.23haの緑地。
※2 2030年までに世界の陸地と海洋の30%以上を保護・保全地域とすることを目指す国際目標「30by30」達成のため、国が認定する「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」。
(7) 働き方改革の加速
・働きやすい環境づくりを全社横断的に実行するため、2015年度に発足した社内プロジェクト「スマイル・プロジェクト」の推進
・労働時間、パソコン使用時間のモニタリング強化や業務プロセスの改善を図る
(8) 3次世代に向けた投資
・建築設備施工のDXを加速(ロボット技術を活用した多用途展開に着手)
・建設業が抱える課題である人材不足や長時間労働の解決に向け、ロボット技術の活用により施工の生産性と品質の向上を図る
・2020年に同社が開発した自動風量計測ロボットの現場導入で得た技術ノウハウを人の手で従来行ってきた騒音、照度などの計測作業にも応用、ロボットが作業を代替することで作業工数の削減を目指す
・「ブランチボール」(3方向分岐装置)を発展させた「BBソータTM」(仕分装置)を開発、東京ビックサイトで開催された「国際物流総合展2024」に出展。段ボール箱だけでなく封筒などの薄物、アパレルなどの袋物や小物も優しく搬送・仕分けすることができ、種類の異なる物が混在する搬送にも対応
・エアロウイング(省エネ型散気装置)の生産拡大のため、海外工場の機能アップに加えて生産設備増強を国内で推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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