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サスメド Research Memo(9):開発パイプライン拡充やDTxプラットフォーム事業の契約拡大を推進
配信日時:2024/09/20 11:09
配信元:FISCO
*11:09JST サスメド Research Memo(9):開発パイプライン拡充やDTxプラットフォーム事業の契約拡大を推進
■サスメド<4263>の成長戦略
1. 成長戦略
同社は研究開発段階にあるため数値的な目標となる経営指標を設定していないが、成長戦略として、DTxプロダクト事業では長期的視点での収益最大化に向けた開発パイプライン件数拡充や臨床試験進捗、DTxプラットフォーム事業では収益の継続的かつ累積的な増加を実現するための契約件数拡大や新サービス拡充などを、重要な経営指標と位置付けている。こうした経営指標を高めるために、医療機関・学術研究機関・製薬企業などとの共同研究やアライアンスなども推進している。さらにDTxプロダクト事業の海外展開として、法令の有無、保険償還の仕組み、市場規模、競合の有無などの要素を複合的に判断し、進出国を選定中である。
共同研究の取り組み事例として、2022年5月にNCNPと、「多様なソースから収集するデータの蓄積と利活用のための個人情報の非特定化手法の開発とデータ加工技術の確立並びにデータの質担保に関する研究開発」を開始した。本研究はAMED令和4年度障害者対策総合研究開発事業「データ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発」に採択されている。
同年9月には国立大学法人滋賀大学と、「信頼されるAIシステムを実現するための因果探索基盤技術の確立と応用」として、因果探索基盤技術に関する共同研究契約を締結した。本研究はJSTの2022年度戦略的創造研究推進事業(CREST)に採択されている。同年10月にはNCNPと、「全世代対応型遠隔メンタルヘルスケアシステム(KOKOROBO-J)によるメンタルヘルスプラットフォームの開発・社会実装」に関する取り組みを開始した。本取り組みはJSTの令和4年度「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されている。
また2024年4月には名古屋大学と、「精神疾患リスクバリアントに基づくモデル系の活用と多モダリティ産学連携による創薬シーズ及び層別化バイオマーカー開発」に関する取り組みを開始した。本取り組みはAMEDの令和5年度「産学官共同mission-oriented(MO)型創薬技術研究プロジェクト(GAPFREE6)」として採択されている。
事業を通じて社会課題解決に貢献
2. サステナビリティ経営
同社はサステナビリティ経営やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みについて、マテリアリティを公表していない。しかし、治療用アプリ開発による新しい治療法の提案、汎用臨床試験システムの提供による創薬開発プロセス効率化・開発コスト適正化、機械学習自動分析システムの提供による医療データ活用・医薬産業全体のバリューチェーン効率化など、同社の事業を通じてSDGsの目標の1つである「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献することを目指している。
なおコーポレート・ガバナンス強化に向けて、2023年5月に取締役の指名・報酬に関する事項の諮問機関としてガバナンス委員会を設置した。2024年2月には同社の臨床開発部が文部科学省より、科学研究費補助金取扱規程において規定されている研究機関としての指定を受けた。公的研究費を有効に活用することで、新たな治療法の提供、アンメットメディカルニーズの充足等による臨床現場の効率化、医療リソースの適正配置などを目的とした医療の持続可能性に資する研究開発活動を強化する。また2024年9月27日開催の第9期定時株主総会における承認を条件として、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行する。
中長期成長ポテンシャルを評価
3. アナリストの視点
同社は研究開発段階のベンチャー企業のため、当面は研究開発費用が先行し期間損益のマイナスが継続する見込みである。しかし、不眠障害治療用アプリ「サスメド Med CBT-i(R)」について、製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことにより、保険収載に向けて大きな一歩を踏み出した。国の政策として厚生労働省がプログラム医療機器の普及促進に向けて承認環境の整備を推進していることも追い風であり、今後のDTxプロダクト事業のパイプライン開発進展に弾みがつくことが期待される。ブロックチェーン技術の応用によるDTxプラットフォーム事業の拡大も併せて、中長期成長ポテンシャルを評価したいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<HN>
1. 成長戦略
同社は研究開発段階にあるため数値的な目標となる経営指標を設定していないが、成長戦略として、DTxプロダクト事業では長期的視点での収益最大化に向けた開発パイプライン件数拡充や臨床試験進捗、DTxプラットフォーム事業では収益の継続的かつ累積的な増加を実現するための契約件数拡大や新サービス拡充などを、重要な経営指標と位置付けている。こうした経営指標を高めるために、医療機関・学術研究機関・製薬企業などとの共同研究やアライアンスなども推進している。さらにDTxプロダクト事業の海外展開として、法令の有無、保険償還の仕組み、市場規模、競合の有無などの要素を複合的に判断し、進出国を選定中である。
共同研究の取り組み事例として、2022年5月にNCNPと、「多様なソースから収集するデータの蓄積と利活用のための個人情報の非特定化手法の開発とデータ加工技術の確立並びにデータの質担保に関する研究開発」を開始した。本研究はAMED令和4年度障害者対策総合研究開発事業「データ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発」に採択されている。
同年9月には国立大学法人滋賀大学と、「信頼されるAIシステムを実現するための因果探索基盤技術の確立と応用」として、因果探索基盤技術に関する共同研究契約を締結した。本研究はJSTの2022年度戦略的創造研究推進事業(CREST)に採択されている。同年10月にはNCNPと、「全世代対応型遠隔メンタルヘルスケアシステム(KOKOROBO-J)によるメンタルヘルスプラットフォームの開発・社会実装」に関する取り組みを開始した。本取り組みはJSTの令和4年度「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されている。
また2024年4月には名古屋大学と、「精神疾患リスクバリアントに基づくモデル系の活用と多モダリティ産学連携による創薬シーズ及び層別化バイオマーカー開発」に関する取り組みを開始した。本取り組みはAMEDの令和5年度「産学官共同mission-oriented(MO)型創薬技術研究プロジェクト(GAPFREE6)」として採択されている。
事業を通じて社会課題解決に貢献
2. サステナビリティ経営
同社はサステナビリティ経営やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みについて、マテリアリティを公表していない。しかし、治療用アプリ開発による新しい治療法の提案、汎用臨床試験システムの提供による創薬開発プロセス効率化・開発コスト適正化、機械学習自動分析システムの提供による医療データ活用・医薬産業全体のバリューチェーン効率化など、同社の事業を通じてSDGsの目標の1つである「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献することを目指している。
なおコーポレート・ガバナンス強化に向けて、2023年5月に取締役の指名・報酬に関する事項の諮問機関としてガバナンス委員会を設置した。2024年2月には同社の臨床開発部が文部科学省より、科学研究費補助金取扱規程において規定されている研究機関としての指定を受けた。公的研究費を有効に活用することで、新たな治療法の提供、アンメットメディカルニーズの充足等による臨床現場の効率化、医療リソースの適正配置などを目的とした医療の持続可能性に資する研究開発活動を強化する。また2024年9月27日開催の第9期定時株主総会における承認を条件として、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行する。
中長期成長ポテンシャルを評価
3. アナリストの視点
同社は研究開発段階のベンチャー企業のため、当面は研究開発費用が先行し期間損益のマイナスが継続する見込みである。しかし、不眠障害治療用アプリ「サスメド Med CBT-i(R)」について、製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったことにより、保険収載に向けて大きな一歩を踏み出した。国の政策として厚生労働省がプログラム医療機器の普及促進に向けて承認環境の整備を推進していることも追い風であり、今後のDTxプロダクト事業のパイプライン開発進展に弾みがつくことが期待される。ブロックチェーン技術の応用によるDTxプラットフォーム事業の拡大も併せて、中長期成長ポテンシャルを評価したいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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