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中西製作所 Research Memo(8):中期経営計画2年目に目標を大きく上回る業績を達成
配信日時:2024/07/08 15:08
配信元:FISCO
*15:08JST 中西製作所 Research Memo(8):中期経営計画2年目に目標を大きく上回る業績を達成
■経営戦略
2. 中期経営計画
中西製作所<5941>は2023年3月期を起点とする中期経営計画(2022~2024年度)を策定している。中期経営計画の基本方針として、既存マーケットにおけるシェアやプレゼンスを維持しつつ周辺分野へ販路を拡大するとともに、新規市場に向けた製品開発と人材育成によって競争力を強化する。主な施策としては、従来通り学校給食や病院給食の市場を基盤としつつ、成長分野である外食産業と食品加工市場などへと事業領域を拡大する計画である。また、環境課題や社会課題に配慮して、省人化、省エネルギー化、節水対応、リサイクル対応といったSDGsに貢献する製品を積極的に開発する方針である。多様な人材が活躍できる環境を整え、ESGへの取り組みやコーポレートガバナンス・コードへの対応、社員満足度の向上などを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指している。具体的な施策は、周辺領域へのにじみ出し戦略の遂行、SDGsに貢献する製品の開発、多様な人材が活躍できる環境の整備、ESGへの取組みと社員満足度の向上の4つで、詳細を以下に示す。
(1) 周辺領域へのにじみ出し戦略※の遂行
少子高齢化のなか学校給食を食べる児童・生徒の減少傾向は留まらず、また、入院期間の短縮化などにより病院給食市場も飽和状態にある。こうしたなかで同社は、従来通りの学校や病院をターゲットとしつつも、学校統合や単独校方式からセンター方式への切り替えや、病院内調理からセントラルキッチン化への切り替えなどに対応し、ビジネスチャンスを逃さずシェアを拡大していく方針である。また、にじみ出し戦略により、従来の業務用厨房機器市場の周辺領域にあたる食品機械市場へと販路を拡大するとともに、コンベアやロボットの技術などを取り入れて外食へのアプローチを強めていく考えである。さらに、過熱水蒸気SVロースターや炊飯ラインの輸出、バリューチェーンで上流にあたるレイアウト設計やライン設計、動線改善指導などエンジニアリング・コンサルティング分野への進出も図っている。その際、必要に応じてM&Aや出資なども検討する考えである。こうしたことをテコに同社はフードテック企業として飛躍する意向で、そのため、テストキッチン付きワークスペースをベンチャー企業に開放するなど、新たな調理技術の開発も目指している。
※にじみ出し戦略:自社の製品から近い領域での買収により領域を広げていく村田製作所の戦略に基づく。
(2) SDGsに貢献する製品の開発
同社は、国連で採択されたサステナブル(持続可能)な社会を目指したSDGsの課題目標の達成に寄与するべく、5つのマテリアリティ(重要課題)への取り組みを行うことを宣言し、このなかの1つとして「環境にやさしい製品の開発を目指す」ことを掲げた。これまでも同業他社に先駆けて、省力化・省人化への取り組みを進めてきており、加熱機器では消費電力量を30%削減できる電気フライヤー、炊飯機器ではガス消費量を23%削減できるガス連続炊飯機、洗浄機器では水のリサイクル方式や節水ユニットの採用により使用水量を30%削減できる食器洗浄機を開発してきた。このような環境負荷低減のための省エネ性能向上だけでなく、家電リサイクルのためのパーツ洗浄機や、残滓(食べ残し)・腐敗による害獣・害虫及び臭いへの対策のための冷蔵機能付きゴミ箱など、時流にあった新製品を積極的に導入していく考えである。
(3) 多様な人材が活躍できる環境の整備
同社は、業界に先駆けてデジタル技術の活用と情報革新に取り組んでおり、いち早く社員にPCとスマートフォンの配布を完了し、基幹システムの革新と働き方改革を実現してきた。同社のDXビジョンでは、顧客への提供価値、競争力、従業員満足を通じた社会全体への貢献の3つをさらに強化することとしており、DX戦略の実行により厨房機器業界内でのデジタル化推進ナンバーワン企業としての立場をより強固にしていく方針である。また、労働環境や従業員意識の変化に対応しつつ、就業形態や採用、教育など聖域を設けず、人材を確保・維持するための様々な制度について幅広く検討し、積極的に取り入れていく考えである。
(4) ESGへの取り組みと社員満足度の向上
同社は、企業価値の源泉の1つには人材があり、その人材である社員からの様々なアイデアの発露が不可欠だと考えている。また、優れたアイデアを生み出すためには、安心して働き続けられる環境が重要であり、就業しながら子育てを継続し、仕事と子育てを両立する仕組みも必要と考えている。このため、2022年度より社員の子どもの給食費を会社が支給する制度を導入し、安心して子どもを生み育てる環境づくりを整備した。なお、2020年度から、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用して、全国の自治体が取り組む少子化対策や次世代育成事業への支援を行っており、社会問題の解決への貢献や地域との交流などを通じて社員が誇りを持って仕事を遂行できる取り組みも行っている。このように同社は、同社の社員が業績向上ばかりでなくサステナブルな社会にも貢献することで、社員の家族はもとより、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会の実現を目指している。
同社は、中期経営計画で2025年3月期に売上高32,500百万円(起点の2023年3月期は30,668百万円)、経常利益1,650百万円(同1,193百万円)を達成するという目標を立てていたが、こうした施策を通じて、中期経営計画2年目の2024年3月期に目標を大きく上回ることができた。なお、同社は、長期的に売上高40,000百万円を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
2. 中期経営計画
中西製作所<5941>は2023年3月期を起点とする中期経営計画(2022~2024年度)を策定している。中期経営計画の基本方針として、既存マーケットにおけるシェアやプレゼンスを維持しつつ周辺分野へ販路を拡大するとともに、新規市場に向けた製品開発と人材育成によって競争力を強化する。主な施策としては、従来通り学校給食や病院給食の市場を基盤としつつ、成長分野である外食産業と食品加工市場などへと事業領域を拡大する計画である。また、環境課題や社会課題に配慮して、省人化、省エネルギー化、節水対応、リサイクル対応といったSDGsに貢献する製品を積極的に開発する方針である。多様な人材が活躍できる環境を整え、ESGへの取り組みやコーポレートガバナンス・コードへの対応、社員満足度の向上などを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指している。具体的な施策は、周辺領域へのにじみ出し戦略の遂行、SDGsに貢献する製品の開発、多様な人材が活躍できる環境の整備、ESGへの取組みと社員満足度の向上の4つで、詳細を以下に示す。
(1) 周辺領域へのにじみ出し戦略※の遂行
少子高齢化のなか学校給食を食べる児童・生徒の減少傾向は留まらず、また、入院期間の短縮化などにより病院給食市場も飽和状態にある。こうしたなかで同社は、従来通りの学校や病院をターゲットとしつつも、学校統合や単独校方式からセンター方式への切り替えや、病院内調理からセントラルキッチン化への切り替えなどに対応し、ビジネスチャンスを逃さずシェアを拡大していく方針である。また、にじみ出し戦略により、従来の業務用厨房機器市場の周辺領域にあたる食品機械市場へと販路を拡大するとともに、コンベアやロボットの技術などを取り入れて外食へのアプローチを強めていく考えである。さらに、過熱水蒸気SVロースターや炊飯ラインの輸出、バリューチェーンで上流にあたるレイアウト設計やライン設計、動線改善指導などエンジニアリング・コンサルティング分野への進出も図っている。その際、必要に応じてM&Aや出資なども検討する考えである。こうしたことをテコに同社はフードテック企業として飛躍する意向で、そのため、テストキッチン付きワークスペースをベンチャー企業に開放するなど、新たな調理技術の開発も目指している。
※にじみ出し戦略:自社の製品から近い領域での買収により領域を広げていく村田製作所の戦略に基づく。
(2) SDGsに貢献する製品の開発
同社は、国連で採択されたサステナブル(持続可能)な社会を目指したSDGsの課題目標の達成に寄与するべく、5つのマテリアリティ(重要課題)への取り組みを行うことを宣言し、このなかの1つとして「環境にやさしい製品の開発を目指す」ことを掲げた。これまでも同業他社に先駆けて、省力化・省人化への取り組みを進めてきており、加熱機器では消費電力量を30%削減できる電気フライヤー、炊飯機器ではガス消費量を23%削減できるガス連続炊飯機、洗浄機器では水のリサイクル方式や節水ユニットの採用により使用水量を30%削減できる食器洗浄機を開発してきた。このような環境負荷低減のための省エネ性能向上だけでなく、家電リサイクルのためのパーツ洗浄機や、残滓(食べ残し)・腐敗による害獣・害虫及び臭いへの対策のための冷蔵機能付きゴミ箱など、時流にあった新製品を積極的に導入していく考えである。
(3) 多様な人材が活躍できる環境の整備
同社は、業界に先駆けてデジタル技術の活用と情報革新に取り組んでおり、いち早く社員にPCとスマートフォンの配布を完了し、基幹システムの革新と働き方改革を実現してきた。同社のDXビジョンでは、顧客への提供価値、競争力、従業員満足を通じた社会全体への貢献の3つをさらに強化することとしており、DX戦略の実行により厨房機器業界内でのデジタル化推進ナンバーワン企業としての立場をより強固にしていく方針である。また、労働環境や従業員意識の変化に対応しつつ、就業形態や採用、教育など聖域を設けず、人材を確保・維持するための様々な制度について幅広く検討し、積極的に取り入れていく考えである。
(4) ESGへの取り組みと社員満足度の向上
同社は、企業価値の源泉の1つには人材があり、その人材である社員からの様々なアイデアの発露が不可欠だと考えている。また、優れたアイデアを生み出すためには、安心して働き続けられる環境が重要であり、就業しながら子育てを継続し、仕事と子育てを両立する仕組みも必要と考えている。このため、2022年度より社員の子どもの給食費を会社が支給する制度を導入し、安心して子どもを生み育てる環境づくりを整備した。なお、2020年度から、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用して、全国の自治体が取り組む少子化対策や次世代育成事業への支援を行っており、社会問題の解決への貢献や地域との交流などを通じて社員が誇りを持って仕事を遂行できる取り組みも行っている。このように同社は、同社の社員が業績向上ばかりでなくサステナブルな社会にも貢献することで、社員の家族はもとより、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会の実現を目指している。
同社は、中期経営計画で2025年3月期に売上高32,500百万円(起点の2023年3月期は30,668百万円)、経常利益1,650百万円(同1,193百万円)を達成するという目標を立てていたが、こうした施策を通じて、中期経営計画2年目の2024年3月期に目標を大きく上回ることができた。なお、同社は、長期的に売上高40,000百万円を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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