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フレアス Research Memo(8):2027年3月期の売上高166億円、営業利益20億円目指す新中期経営計画発表
配信日時:2024/07/03 14:08
配信元:FISCO
*14:08JST フレアス Research Memo(8):2027年3月期の売上高166億円、営業利益20億円目指す新中期経営計画発表
■中長期の成長戦略
1. 新中期経営計画の概要
フレアス<7062>は、2025年3月期を初年度とし、2027年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定した。「日本の在宅事情を明るくする」というビジョン達成に向け、市場環境を踏まえながら施設系介護サービス事業(ホスピス事業及び看多機事業)を大きく伸ばし、訪問マッサージ事業との両輪で、2027年3月期の売上高16,678百万円、営業利益2,001百万円を目指す積極的な成長プランである。この目標が達成されれば、2024年3月期実績と比較して、売上高で2.9倍、営業利益で18.1倍に成長することになる。
成長のドライバーとなるのが施設系介護サービス事業であり、売上高の3年間平均成長率128.6%と毎年倍増以上のペースで成長する計画である。マッサージ直営事業(同6.8%)とマッサージFC事業(同17.6%)とこれまでどおり着実に成長するものの、施設系介護サービス事業と比較するとペースはゆるやかである。結果として、2027年3月期の売上構成比では、施設系介護サービス事業が62.9%となる予想であり、“マッサージの会社”から“総合的に介護サービスを提供する会社”にシフトすることになる。利益面では、中期経営計画2年目の2026年3月期に施設系介護サービス事業が黒字化して利益貢献を開始し、3年目の2027年3月期にはセグメント利益で1,762百万円と、稼ぎ頭になる計画である。
2. 各事業の事戦略、施策、目標
事業別では、施設系介護サービス事業の戦略、施策、目標がポイントとなる。なかでもホスピスに関しては、3拠点から26拠点に増やすため、1) 施設の積極出店及び垂直立ち上げ体制の構築2) 営業強化及び人材育成と確保を事業戦略とする。立ち上げ体制に関しては、連続出店に対応できる組織・体制作りとノウハウを蓄積し、新規出店から満床稼働までの時間を短縮し、施設の早期黒字化を目指す。営業に関しては、専任の営業チームである地域連携課を創設し、営業担当を増員・育成することにより、新規利用者獲得を強化する。同社の新規拠点開発は、2年前には関係者との合意形成ができ具体的な計画がほぼ出来上がるのが一般的である。この想定からすると計画期間中に追加するホスピス23拠点のうち18拠点については、既に計画がほぼ完了していると考えられる。人材に関しては、新規出店スピードが鈍化しないよう、マネジメント層の育成及び専門職の積極採用を目指す。目標の拠点数を稼働させるためには、2027年3月期までに施設系介護サービス事業において750人追加し、922人体制(看護士483人、介護スタッフ439人)にする必要がある。人材確保が難しい時代ではあるが、同社では採用・育成に自信を持っている。その理由としては、これまでに1,000人規模の組織を育ててきた実績があり、処遇や教育においても組織的な優位性があるからである。
マッサージ直営事業、マッサージFC事業、その他事業に関しては、同社のこれまでの経験や実績から大きな飛躍はなく、堅実なプランと言えるだろう。
3. 施設系介護サービス事業のビジネスモデル想定
新中期経営計画の最大の鍵は、ホスピスの拠点拡大による売上増加に妥当性があるか、という点である。同社では、ホスピス施設の売上高を算出する際に、「定員数」×「単価」×「稼働率」の3要素に分解し、保守的に積み上げる方式をとっている。「定員数」に関しては、2027年3月期に1,006名(室)を計画する。26拠点で割ると38.7名となり、既存3拠点の20~28名(室)からすると大きくなる。同社では今後の出店に関しては、38~48名程度の中規模施設を増やす方針である。利用者を増やし軌道に乗せるまでに時間はかかるが、軌道に乗った後の効率性・収益性は高いビジネスモデルとなる。入居者1人当たりの「単価」に関しては約89万円とし、上場他社(120万円前後)と比較すると低めの設定である。これは、同社ががん末期患者やパーキンソン病患者などに特化していないのも要因である。また、中規模施設を展開することで、効率的な運営を可能とし、競争力のある価格を提示できる。「稼働率」に関しては、約82%を想定した。同社の実績値としては90%を超えるが、中規模施設が増えることや2027年3月期にも新規開業から1年以内の施設が8施設あることから、やや保守的に見積もった。同社のホスピスのビジネスモデルでは、稼働率65%前後が損益分岐点であり、3か月目には67%に達して月次黒字化し、6か月目には85%に達する想定である(48室想定)。仮に稼働率85%に達しない状態が続いたとしても、65%を超えることは比較的容易であり、ダウンサイドリスクが低いビジネスモデルと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 新中期経営計画の概要
フレアス<7062>は、2025年3月期を初年度とし、2027年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定した。「日本の在宅事情を明るくする」というビジョン達成に向け、市場環境を踏まえながら施設系介護サービス事業(ホスピス事業及び看多機事業)を大きく伸ばし、訪問マッサージ事業との両輪で、2027年3月期の売上高16,678百万円、営業利益2,001百万円を目指す積極的な成長プランである。この目標が達成されれば、2024年3月期実績と比較して、売上高で2.9倍、営業利益で18.1倍に成長することになる。
成長のドライバーとなるのが施設系介護サービス事業であり、売上高の3年間平均成長率128.6%と毎年倍増以上のペースで成長する計画である。マッサージ直営事業(同6.8%)とマッサージFC事業(同17.6%)とこれまでどおり着実に成長するものの、施設系介護サービス事業と比較するとペースはゆるやかである。結果として、2027年3月期の売上構成比では、施設系介護サービス事業が62.9%となる予想であり、“マッサージの会社”から“総合的に介護サービスを提供する会社”にシフトすることになる。利益面では、中期経営計画2年目の2026年3月期に施設系介護サービス事業が黒字化して利益貢献を開始し、3年目の2027年3月期にはセグメント利益で1,762百万円と、稼ぎ頭になる計画である。
2. 各事業の事戦略、施策、目標
事業別では、施設系介護サービス事業の戦略、施策、目標がポイントとなる。なかでもホスピスに関しては、3拠点から26拠点に増やすため、1) 施設の積極出店及び垂直立ち上げ体制の構築2) 営業強化及び人材育成と確保を事業戦略とする。立ち上げ体制に関しては、連続出店に対応できる組織・体制作りとノウハウを蓄積し、新規出店から満床稼働までの時間を短縮し、施設の早期黒字化を目指す。営業に関しては、専任の営業チームである地域連携課を創設し、営業担当を増員・育成することにより、新規利用者獲得を強化する。同社の新規拠点開発は、2年前には関係者との合意形成ができ具体的な計画がほぼ出来上がるのが一般的である。この想定からすると計画期間中に追加するホスピス23拠点のうち18拠点については、既に計画がほぼ完了していると考えられる。人材に関しては、新規出店スピードが鈍化しないよう、マネジメント層の育成及び専門職の積極採用を目指す。目標の拠点数を稼働させるためには、2027年3月期までに施設系介護サービス事業において750人追加し、922人体制(看護士483人、介護スタッフ439人)にする必要がある。人材確保が難しい時代ではあるが、同社では採用・育成に自信を持っている。その理由としては、これまでに1,000人規模の組織を育ててきた実績があり、処遇や教育においても組織的な優位性があるからである。
マッサージ直営事業、マッサージFC事業、その他事業に関しては、同社のこれまでの経験や実績から大きな飛躍はなく、堅実なプランと言えるだろう。
3. 施設系介護サービス事業のビジネスモデル想定
新中期経営計画の最大の鍵は、ホスピスの拠点拡大による売上増加に妥当性があるか、という点である。同社では、ホスピス施設の売上高を算出する際に、「定員数」×「単価」×「稼働率」の3要素に分解し、保守的に積み上げる方式をとっている。「定員数」に関しては、2027年3月期に1,006名(室)を計画する。26拠点で割ると38.7名となり、既存3拠点の20~28名(室)からすると大きくなる。同社では今後の出店に関しては、38~48名程度の中規模施設を増やす方針である。利用者を増やし軌道に乗せるまでに時間はかかるが、軌道に乗った後の効率性・収益性は高いビジネスモデルとなる。入居者1人当たりの「単価」に関しては約89万円とし、上場他社(120万円前後)と比較すると低めの設定である。これは、同社ががん末期患者やパーキンソン病患者などに特化していないのも要因である。また、中規模施設を展開することで、効率的な運営を可能とし、競争力のある価格を提示できる。「稼働率」に関しては、約82%を想定した。同社の実績値としては90%を超えるが、中規模施設が増えることや2027年3月期にも新規開業から1年以内の施設が8施設あることから、やや保守的に見積もった。同社のホスピスのビジネスモデルでは、稼働率65%前後が損益分岐点であり、3か月目には67%に達して月次黒字化し、6か月目には85%に達する想定である(48室想定)。仮に稼働率85%に達しない状態が続いたとしても、65%を超えることは比較的容易であり、ダウンサイドリスクが低いビジネスモデルと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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