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昭栄薬品 Research Memo(1):植物由来のオレオケミカルに特化した化学品商社。持続的な成長実現に取り組む
配信日時:2024/07/03 12:21
配信元:FISCO
*12:21JST 昭栄薬品 Research Memo(1):植物由来のオレオケミカルに特化した化学品商社。持続的な成長実現に取り組む
■要約
昭栄薬品<3537>は、オレオケミカル(植物由来の天然油脂を原料とする化学製品)を主力とする化学品商社で、オレオケミカルとそれを原料とする中間製品の界面活性剤が主力商品である。化学品事業のほかに日用品事業と土木建設資材事業を展開し、海外事業にも注力している。
1. 2024年3月期の業績
2024年3月期は、売上高22,595百万円(前期比7.9%減)、営業利益440百万円(同9.8%減)、経常利益651百万円(同3.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益491百万円(同1.5%増)となった。主力の化学品事業において、主原料である天然油脂価格相場の低迷により販売価格が低下したこと、中国を中心とした海外経済の低迷から自動車関連や繊維油剤関連の受注が減少し、全体では減収となった。一方で、輸入商材の拡販に努めたことや円安などにより売上総利益率が改善し、売上総利益額は前期比0.3%増となり過去最高を記録した。しかし株主優待を含めた販管費の増加を吸収しきれず、営業利益は前期比で減益となった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高22,677百万円(前期比0.4%増)、営業利益343百万円(同21.9%減)、経常利益503百万円(同22.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益348百万円(同29.2%減)と予想している。化学品事業、日用品事業は増収を見込むが、土木建設資材事業は前期の反動で減収見込みであることから、全体では微増収を予想している。一方で、売上総利益率は低下することが予想され、販管費が増加することから営業利益は21.9%の減益を予想している。ただし同社の業績は、天然油脂価格相場の影響を受けやすいため、同相場の動向も注視する必要があるだろう。
3. 中長期の成長戦略
同社では特に時期は明記していないが、「早期達成目標」として連結売上高250億円以上、海外売上高比率10%以上を掲げている。この目標達成を目指すと同時に、「SDGsへの取り組み」「サスティナブルな取り組み」「スタートアップ企業とのコラボレーション」など様々な取り組みを強化する計画だ。また株主還元にも前向きであり、終了した2024年3月期は年間配当を38.0円(前期36.0円)に増配し、2025年3月期も38.0円(予想配当性向37.1%)を予定している。さらに2023年12月には、持株数に応じて様々な商品を受け取れる「株主優待制度」を新設した。足元の業績は必ずしも堅調とは言えないが、このような株主還元に対する前向きな姿勢は評価できる。
■Key Points
・オレオケミカルに特化した専門商社。同分野での専門知識や情報力が最大の強み
・2024年3月期は減収減益。2025年3月期は21.9%の営業減益を予想。天然油脂価格相場の低迷の継続が影響
・販売先取り扱い商品の川下展開などで成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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昭栄薬品<3537>は、オレオケミカル(植物由来の天然油脂を原料とする化学製品)を主力とする化学品商社で、オレオケミカルとそれを原料とする中間製品の界面活性剤が主力商品である。化学品事業のほかに日用品事業と土木建設資材事業を展開し、海外事業にも注力している。
1. 2024年3月期の業績
2024年3月期は、売上高22,595百万円(前期比7.9%減)、営業利益440百万円(同9.8%減)、経常利益651百万円(同3.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益491百万円(同1.5%増)となった。主力の化学品事業において、主原料である天然油脂価格相場の低迷により販売価格が低下したこと、中国を中心とした海外経済の低迷から自動車関連や繊維油剤関連の受注が減少し、全体では減収となった。一方で、輸入商材の拡販に努めたことや円安などにより売上総利益率が改善し、売上総利益額は前期比0.3%増となり過去最高を記録した。しかし株主優待を含めた販管費の増加を吸収しきれず、営業利益は前期比で減益となった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高22,677百万円(前期比0.4%増)、営業利益343百万円(同21.9%減)、経常利益503百万円(同22.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益348百万円(同29.2%減)と予想している。化学品事業、日用品事業は増収を見込むが、土木建設資材事業は前期の反動で減収見込みであることから、全体では微増収を予想している。一方で、売上総利益率は低下することが予想され、販管費が増加することから営業利益は21.9%の減益を予想している。ただし同社の業績は、天然油脂価格相場の影響を受けやすいため、同相場の動向も注視する必要があるだろう。
3. 中長期の成長戦略
同社では特に時期は明記していないが、「早期達成目標」として連結売上高250億円以上、海外売上高比率10%以上を掲げている。この目標達成を目指すと同時に、「SDGsへの取り組み」「サスティナブルな取り組み」「スタートアップ企業とのコラボレーション」など様々な取り組みを強化する計画だ。また株主還元にも前向きであり、終了した2024年3月期は年間配当を38.0円(前期36.0円)に増配し、2025年3月期も38.0円(予想配当性向37.1%)を予定している。さらに2023年12月には、持株数に応じて様々な商品を受け取れる「株主優待制度」を新設した。足元の業績は必ずしも堅調とは言えないが、このような株主還元に対する前向きな姿勢は評価できる。
■Key Points
・オレオケミカルに特化した専門商社。同分野での専門知識や情報力が最大の強み
・2024年3月期は減収減益。2025年3月期は21.9%の営業減益を予想。天然油脂価格相場の低迷の継続が影響
・販売先取り扱い商品の川下展開などで成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SO>
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