午後3時のドルは小幅安150円前半、米金利低下やクロス円の買いで
Mariko Sakaguchi
[東京 15日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(150.55/58円)から小幅安の150円前半で推移している。時間外取引の米長期金利が低下したことやクロス円での円買いが進んだことで、ドルは売りが優勢となった。
朝方発表された2023年10─12月期の国内総生産(GDP)速報値が2四半期連続でマイナスとなり、市場では「日銀の政策修正観測を後退させる材料の一つ」(国内銀のストラテジスト)となったとの見方から一時ドル買い/円売りが強まった。
その後は、五・十日に伴い仲値にかけて実需のドル売りが優勢となった。ドルが150円台を維持していることから「国内輸出企業による売りがパラパラみられた」(国内銀のセールス担当)という。
時間外取引の米長期金利が4.23%付近に低下したことに加えて、豪ドルやユーロなどクロス円で調整目的とみられる円買い圧力が強まったこともドル売りを促した。
ドルは一時150.08円付近まで弱含んだものの、その後は下げ渋った。足元では底堅い経済指標を背景に米国の利下げ時期が後ずれしている一方、日銀がマイナス金利を解除したとしてもその先の利上げパスは不透明で金融緩和を維持すると見方が広がる中、「日米の金利差は縮小せず、ドル高/円安トレンドが続く可能性がある」とSBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は指摘する。ドルは「(148円ー152円のレンジで推移する」とみている。
目先ではきょう米国で発表される小売売上高など経済指標に市場の関心が集まっており、強い結果となればドルは151円を目指す可能性がある。
ただ、「これ以上は、米国の利下げ織り込みは剥落しにくい。米2年債利回りは上昇する可能性があるが、10年債利回りはそこまで上昇圧力がかからないのではないか」(あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏)との見方や、政府・日銀による為替介入への警戒感も一段と強まりやすく、ドルの上値追いには慎重になるとみられている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 150.17/150.20 1.0727/1.0731 161.12/161.16
午前9時現在 150.55/150.58 1.0730/1.0734 161.57/161.59
NY午後5時 150.55/150.58 1.0725/1.0729 161.54/161.58