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NY市場サマリー(12日)ドル小幅高、利回り上昇一服・ナスダック小反落 CPI待ち

配信日時:2024/02/13 07:19 配信元:REUTERS

<為替> ドルが主要通貨に対して小幅に上昇した。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始時期を巡る手がかりとして、今週発表される米国のインフレ率と小売売上高が注目されている。

一方、暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが2021年12月以来となる5万ドル台を回復した。現物ビットコイン上場投資信託(ETF)への資金流入が支援した。終盤は5.6%高の5万00207ドル。

ドル指数は0.1%高の104.12。13日に発表される1月の消費者物価指数(CPI)で、インフレ率が目標の2%に向かって鈍化しているとの一段の確信をFRBが得られると見込まれている。

ロイターのエコノミスト調査によると、1月CPIは前年同月比2.9%上昇と前月の3.4%上昇から鈍化する見通し。FXコンサルティング会社クラリティーFX(サンフランシスコ) のエグゼクティブディレクター、アモ・サホタ氏は「心理的には、総合CPIの伸びが前年比2.9%であったとしても、2%台に低下することは市場心理にとって良い後押しになる」と述べた。

CPIの発表に先立ち、米ニューヨーク連銀が12日発表した1月の消費者調査によると、1年先と5年先のインフレ期待はそれぞれ3%、2.5%で横ばいとなった。一方、3年先のインフレ期待は2.4%で、昨年12月の2.6%から低下し、2020年3月以来の低水準となった。

ロイター調査によると、15日に発表される1月の小売売上高は0.1%減となる見通し。昨年12月は0.6%増だった。

ユーロ/ドルは0.1%安の1.0771ドル。序盤には10日ぶりの高値を付けたが下げに転じた。14日にはユーロ圏の第4・四半期域内総生産(GDP)が発表される。

ポンド/ドルはほぼ変わらずの1.2628ドル。ドル/円も横ばいの149.31円。

<債券> 国債利回りが低下した。先週には利回りの上昇基調が続いていたが、13日に1月米CPIの発表を控え、上昇が一服した。

指標となる10年債利回りは1.9ベーシスポイント(bp)低下し4.168%となった。

30年債利回りは1.2bp低下し4.3693%となった。

シカゴのクレセット・キャピタルのチーフインベストメントオフィサー、ジャック・アブリン氏は「10年債のフェアバリューは4%─4.5%の間とみている。投資家はCPIで良い数字が出ると期待し、様子見している」との見解を示した。

CMEのフェドウォッチによると、市場が織り込む3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ可能性は15.5%まで低下している。1カ月前には76.9%だった。

2年債と10年債の利回り格差はマイナス30.2bpでほぼ変わらずだった。

2年債利回りは2bp低下し4.4675%となった。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.299%、10年物が2.252%だった。

<株式> ナスダック総合が2021年11月に付けた終値での過去最高値を一時上回ったが、その後下げに転じた。米連邦準備理事会(FRB)の政策に影響を与え得るインフレ指標の発表を控え、方向感が出にくい展開となった。

S&P総合500種もわずかに下げたが、終値で9日に突破した5000の節目を維持した。

市場参加者はFRBによる利下げの開始時期やペースについて手掛かりを得るため、今週発表のCPIと生産者物価指数(PPI)に注目している。

エンジェルス・インベストメンツの最高投資責任者(CIO)、マイケル・ローゼン氏は「13日のCPIは足元のインフレ動向に関する重要指標で、フェデラル・ファンド(FF)金利引き下げまでかかる時間の判断材料となる」と指摘。売り、買いどちらも動きづらいムードだったとした。

ナスダックは21年11月に付けた終値での最高値を一時上回り、取引時間中の最高値(1万6212.229)に迫ったが、午後の取引で失速した。

市場では、人工知能(AI)関連の大型株が過去4カ月間にわたり強気相場をけん引してきた。その他の銘柄も早期利下げ期待や好調な景況感を追い風に上昇してきた。

この日はAIブームに乗るエヌビディアが時価総額で一時アマゾン・ドット・コムを上回り、時価で4番目に大きい米企業となった。だが、終値ではアマゾンが上回った。エヌビディアは0.16%上昇し、アマゾンは1.2%下げた。

CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は、上値余地あがるとみられる出遅れ銘柄を物色する動きがあったとし、底値拾いが優勢だったようだと述べた。

個別銘柄ではシェール生産大手ダイヤモンドバック・エナジーが9.4%急騰。パーミアン盆地で操業する未上場のエンデバー・エナジーの買収を発表したことを受けた。これによりS&P500業種別指数で、エネルギー が値上がり率トップとなった。

「空飛ぶタクシー」のジョビー・アビエーションは6.4%上昇。アラブ首長国連邦(UAE)で2026年序盤にエアタクシーの運行を開始することで契約を締結した。

<金先物> 米CPIの発表を翌13日に控えて様子見ムードが広がる中、米株高などを背景とした売りに押され、3営業日続落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末比5.70ドル(0.28%)安の1オンス=2033.00ドル。

<米原油先物> 6営業日続伸し、米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当)は前週末比0.08ドル(0.10%)高の1バレル=76.92ドル。米インフレ指標の発表を前に様子見ムードが広がり、もみ合いとなった。4月物は0.05ドル高の 76.82ドルだった。

相場は朝方、利益確定売りで一時75ドル台半ば付近まで下落。その後は、翌13日に発表される米CPIから、今後の金融政策動向を探りたいとの思惑が広がり、前週末引けの水準近くに戻してもみ合った。

ガザ情勢を巡り、緊張が一層高まっていることも相場を支えた。イスラエルのネタニヤフ首相は11日放映の米テレビインタビューで、イスラム組織ハマスの壊滅へ向け、ガザ最南端の都市ラファへ本格侵攻することを明言。一方、ハマスへの連帯を表明するイエメンの親イラン武装組織フーシ派は、海運の要衝である紅海で商船攻撃を続けており、供給混乱への懸念も依然くすぶっている。

ドル/円 NY終値 149.34/149.35

始値 149.01

高値 149.47

安値 148.94

ユーロ/ドル NY終値 1.0771/1.0775

始値 1.0768

高値 1.0785

安値 1.0757

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 97*27.00 4.3798%

前営業日終値 97*26.50 4.3810%

10年債(指標銘柄) 17時05分 98*17.50 4.1793%

前営業日終値 98*15.50 4.1870%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.25 4.1385%

前営業日終値 99*10.50 4.1510%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.25 4.4801%

前営業日終値 99*17.75 4.4880%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 38797.38 +125.69 +0.33

前営業日終値 38671.69

ナスダック総合 15942.55 -48.12 -0.30

前営業日終値 15990.66

S&P総合500種 5021.84 -4.77 -0.09

前営業日終値 5026.61

COMEX金 4月限 2033.0 ‐5.7

前営業日終値 2038.7

COMEX銀 3月限 2276.7 +17.3

前営業日終値 2259.4

北海ブレント 4月限 82.00 ‐0.19

前営業日終値 82.19

米WTI先物 3月限 76.92 +0.08

前営業日終値 76.84

CRB商品指数 273.3087 ‐1.0332

前営業日終値 274.3419

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